世の中でインターネットでの婚活が話題になり始めた頃、私は二つの婚活サイトに登録し10人以上の男性と実際に会いました。

一つ目のサイトは「結婚」や「お見合い」と銘打ってあっただけに、相手方のプロフィールがかなり詳細まで表示される方式でした。例えば、年収や職業はもちろんのこと「将来親との同居の可能性」までも知る事ができたのです。これらの多くの条件を自分好みに絞って行くと数十人程の男性が検索され、メッセージを送ってみて返事を待ち、うまく行けば最初のデートとなるわけです。

実際に会ってみると、まだまだネットでの婚活が浸透していないからか、インターネット関連の仕事をしている男性が多かった印象。ネット環境に近い人が違和感なく登録していたのだと思います。また、仕事終わりの時間で会う事が多かったので皆さんスーツ姿が多かったのを覚えています。

婚活サイトでねずみ講の勧誘

一方、「結婚」というより「気軽な出会い」を謳っている二つ目のサイトでは、痛い思い出が何件かあります。

痛い思い出その1。インターネットで出会った初めての男性でした。初回は仕事のことを話し合ったりと無難な会話で終わったものの、いまいち感覚がつかめず、もう一度会う約束をしました。

すると、彼はノートパソコンをカフェのテーブルの上で開き私に映像を見せ始めました。私は彼の仕事に関することを説明してくれるのかな? と、興味を示して見ていたのですが画面に写るのは哲学的な言葉や、お金持ちになるような曖昧な言葉ばかり。あれ? これはもしかして何かの勧誘? そう、ねずみ講の勧誘だったのです。

婚活サイトのはずが相手は既婚者

痛い思い出2。待ち合わせは表参道のオープンカフェ。しかも男性からの初めての奢りでお茶をした40代の男性がいました。今考えれば、彼は女性慣れしていたのでしょう。それまでに会った誰よりも話の引き出し方もうまく、全く退屈しませんでした。2回目でいきなり家に招待されたので身構えましたが、断る言葉も見つからず彼の家へ。

家に行ってみると、一人暮らしとは考えられない一軒家+家族向けの車があり何かおかしいな、と彼がトイレに行っているすきに玄関にあった手紙の山を見てみたら女性の名前宛の手紙が……。やはり、彼は既婚者だったのです。

結局ネットでの出会いはゼロ。まっとうな人もいましたが、既婚者の遊びやねずみ講にも引っかかるという残念な結果でした。

フランスでも暴行事件が発生

出会い系インターネットビジネスが盛んなフランスでも、物騒なニュースがよく聞かれます。

フィガロの記事によると、先日、女性に性的な暴行を与えたとして26歳のフランス人男性が逮捕されました。彼が2012年から2013年の間にインターネット上で出会い暴行を加えた女性は計8人に及んだとのこと。私の場合は直接的な被害はなかったものの、インターネット上での出会いはこうした闇が隠れているのです。

他にもこの記事で、インターネットでの残念な出会いの例が紹介されています。

●ヴァネッサさんの例
「出会った相手がプロフィールの写真よりも30キロオーバーしていたんです! 彼は 『太ってる今の写真を載せると誰も会ってくれないんだよ』と告白。実際に話してみるととてもいい人だったのだけど、私をだましたのには間違いないですよね」

●カロルさんの例
「彼とデートに出かけるまでそう時間はかかりませんでした。実際に会ってみても彼は完璧な男性だと思ったのです。だから、会ったその日に携帯番号を渡すのもためらいませんでした。でもそれは大きな間違いでした。直後から彼は私の生活にしつこく介入しようとしてくるし、コントロールしたがりました。警察沙汰になるほどだったのです」

●エルサさんの例
「彼と会うまでは長いことメッセージをやり取りしていました。だから、彼を信頼して個人情報をたくさん話していたんですね。ところが彼は、私が関係を続けたくないと分かった途端に恐喝をはじめたのです。私だけでなく、私の家族にまで」

個人情報の管理や会う場所に注意

実際ネットでの婚活を体験した私が思うに、以上3人のフランス人女性の実体験が特殊な例ではないだろうということです。確率の問題で、運悪く危険な目や、面倒な目に遭うこともあるわけです。インターネットで出会うということは「実際に出会う」ことよりも危険な目に遭うリスクが高いのです。

もちろん、私の周りにインターネットで出会って結婚までしたという幸せカップルも増えてきています。仕事で暇のない現代人にとって、出会いの機会を与えてくれるよい点もやはりあります。

もし、インターネットで出会いを探す場合は

・ 個人情報をたくさん与えすぎない
・ デートは公共の場所で

最低限、以上の2点は気をつけるべきです。

いくら話が合うからといって、私のように二回目のデートで家に行くのは御法度。なんとしてでも家で会うことは断りましょう。それで嫌な思いをする男はそれまでと諦めた方が無難です。デート場所もあんまり自分の職場や家に近い場所でないことをおすすめします。

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(中村綾花)