美容本第二弾『心に効く美容』を上梓したMEGUMIさん


「形になったことでもう本当に終わったんだな、というか」悩みをビジュアル化することで浄化されたと語るMEGUMIさん

グラビアアイドルとしてデビューし、現在は女優として多方面で活躍するMEGUMIさん。自身で試した美容法を紹介した書籍『キレイはこれでつくれます』(ダイヤモンド社)は、50万部を突破するベストセラーになりました。そんなMEGUMIさんが第二弾となる美容本『心に効く美容』を新たに上梓。10年をかけてあらゆる美容法を試した末にたどり着いた、一生使える美容法やメンタルケアメソッドがたっぷり掲載されています。今回は、新刊『心に効く美容』に込めた思いをMEGUMIさんにお伺いしました。

■真の美しさは身体の表面と内面、両方から作られる

――前作『キレイはこれでつくれます』に続いて、『心に効く美容』を手がけたきっかけをお聞かせください。

MEGUMIさん:前作の『キレイはこれでつくれます』は、美容初心者の方でも実践できるハウツー本を意識して作ったものでした。その本をきっかけに、ありがたいことに美容関連のお仕事が増えたのですが、さまざまな立場の女性と関わる中で、悩みを抱えて日々しんどい思いをしている女性の多さを改めて知ることになったんです。

私自身も、年齢を重ねるにつれて悩みが消えるどころか増えていることを実感していました。

体調の揺らぎであったりいろんな困難に直面した時に、それをどう受け入れて、乗り越えて、そこから軽やかに次に進んでいくのか。芸能界という浮き沈みの激しい世界で長年やってきて、誰かに期待するよりも、自分の感情は自分でたづなを引けばいいということがわかってきたんです。そんな私自身の経験を、今度はスキンケアのハウツーではなく「心のケアのハウツー本」として出してみたいと思いました。

――MEGUMIさんが、心と美容のつながりに興味を持ち、心を重視した美容法を実践されるようになったのはなぜでしょうか?

MEGUMIさん:私の思う「美しい人」というのは、表面的な美しさだけでなく、同時に心がちゃんと満たされている人です。

満たされない思いとか、不安や恐怖を隠し持っている人って、いくら見た目が美しくても内側から透け出てきちゃうんですよ。表面と内面の両方をケアすることで、真の美しさが作られるのではないでしょうか。

私自身、感情的な性格で、ネガティブな思考に飲まれてすごく苦しくなってしまうことがあります。だけど、どんなに辛いことがあっても、日々仕事も生活もしなきゃいけない。そんなに落ち込んでもいられない中で、どうすれば100の辛さが60ぐらいになって、動ける体になるのか。感情の浮き沈みが激しいがゆえに、藁をも掴む思いでいろんなことを試してきたんです。

私っておたくマインドで、何でも突き詰めるタイプなので、ありとあらゆる美容法やメンタルケアメソッドを試した中で出会った、「これだ!」と思うものを皆さんと共有できたらなと思いました。

■悩みをビジュアル化することで自分を客観視できるようになる

具体的に悩みを書き出すことで自分を客観視する


――本書の「悩みをビジュアル化する」「思考グセを抱きしめて、手放す」という言葉にはハッとさせられました。MEGUMIさんがそのような考えに至った経緯とは?

MEGUMIさん:臨床心理士の先生方にお話を聞く機会が多いのですが、皆さん共通してそれをおっしゃるんですね。100個くらいの悩みを抱えて取り憑かれてるような感覚だったのが、具体的に悩みを書き出してみると、意外と2~3個しかなかったりするんです。この悩みは時間が解決するしかないなとか、これは思い込みに過ぎないなとか。そうやってビジュアル化することで自分を客観視できるようになると、溺れている状態から「あれ?この海、本当は浅かったんじゃん」って1回陸に上がることができるんですよ。これは本当に楽になれる方法なので、今も日々実践しています。

――インタビューページでは、MEGUMIさんが経験された別れや環境の変化についても触れられていました。

MEGUMIさん:私は本来パーソナルな部分を積極的に語るタイプではないのですが、これまで実践してきたことを紹介する上で、「自分はこういう人間です」というのをちゃんと知っていただくことが大切だと思ったんです。

本というのはテレビやSNSと違って、わざわざお金を払ってまで情報を求めてくださる方に直接届けられるもの。女性の痛みや辛さに共鳴し、読者と距離をぐっと近づけるには、やはり本音を出さなきゃいけないと考えて、思い切って自分の弱いところや経験についてもお話させていただきました。

――そういった部分を吐き出して、今の心境はいかがですか?

MEGUMIさん:ものすごい浄化感というか、自分に与えるポジティブな影響を感じています。実は、心境を語ったのはプライベートがごたついている渦中だったのですが、それが形になったことでもう本当に終わったんだなというか。海で溺れているところから、ちゃんと陸に上がれた感じはすごくありました。そういったことからも、やはり悩みをビジュアル化していくことの大切さを痛感しています。

■大切なのは習慣化すること。まずは一つだけ美容法を取り入れてみて

まずは一つだけ美容法を取り入れて、習慣化する仕組みを作っていく


――MEGUMIさんが、日々の暮らしの中で“へとへと”になってしまうのはどんな時でしょうか? また、そんな“へとへと”な状態から回復し自分を癒すために、どんなことをやっていますか?

MEGUMIさん:心がすり減るのは、やはり人間関係に摩擦が起きたときでしょうか。自分の意思だけではどうにもならないことが起こると、心身ともにすごく疲れてしまいます。

そんな状態から回復するには、汗をかくのが一番です。家でヨモギ蒸しをやりながら、好きなYouTubeやドラマを見ていると、汗とともにネガティブな感情が体の中から出ていく感覚があるんです。そうやって意識的に問題から距離を置くことで、いつの間にか気持ちが切り替えられるんですよね。

あとはしっかり寝ること。睡眠不足だと疲れも尾を引いてしまいます。いつもより一時間多く寝るだけでも、朝起きたときにちゃんと回復しているのを実感します。

――私自身、日々の忙しさにかまけてつい自分にかける時間や労力をおろそかにしてしまいがちです。自分のことに意識を向けるにはどうしたらいいでしょうか?

MEGUMIさん:毎日歯磨きをするように美容法を習慣化してみてください。美容本を読んだりすると、あれこれやりたくなりますが、そうすると結局続けるのが難しくなってしまうんですね。習慣化するために、まずはいったん自分のハードルを下げて、これだったらできるというものを一つだけ取り入れてみてください。リビングの真ん中にシートマスクを置くとか、決まった場所に香りを置いておくとか、続けやすい仕組みを作って習慣化すると、また次の習慣が取り入れやすくなるはずです。

■農家さんからの直送便で旬の野菜をふんだんに取り入れる

野菜は毎月農家さんからお取り寄せ。旬のものを取るのが一番


――MEGUMIさんご自身は普段どんな料理を作ることが多いですか?

MEGUMIさん:今は息子も海外に留学していて基本的に1人なので、もうすごくシンプルな感じです。せいろで野菜を蒸したり、キムチチゲを作ったり、玄米と納豆、そして具沢山の味噌汁と副菜をちょこっと作ったり。でも、たまに人を呼ぶ時には、普段作らないような手の凝った料理をがっつり作って楽しんでいます。

――料理を作るときに、健康や美容の面において意識していることはありますか?

MEGUMIさん:農家さんから毎月野菜を取り寄せているんですよ。やっぱり旬のものを取るのが一番いいですからね。定期的に送られてくることで、届いた野菜をどういうふうに使い切るかお題を課せられてるようで、それをクリアしていくのが楽しいです。今も家にゴーヤが届いているので、普段は作らないゴーヤチャンプルーにでも挑戦してみようかな。旬の野菜を摂っているとすごく調子がいいんですよ。

■いつも体を動かして、自分の“興味”を積極的に取りに行って

MEGUMIさんの新刊『心に効く美容』


――最後に、毎日を楽しく美しく生きるためのアドバイスをお願いします。

MEGUMIさん:とにかく体を動かすことが日々をハッピーに乗り越えていく原動力になります。運動をしていると肉体がどんどん活性化されて、何か起きても跳ね返せる免疫が作られるんですよね。体力がないとネガティブな感情に飲まれてしまうから、運動して丈夫な体を作っておくのは心にとってもすごく大事なんです。

あとは常にアンテナを張って興味があるものをちゃんと取りに行くこと。音楽でもファッションでもメイクでも何でもいいので、興味のあることで自分の世界をどんどん築き上げていきましょう。大変な出来事に振り回されそうな時、「これをやったら自分が喜ぶ」というものを持っていると、乗り越えられる筋力になるんです。ですからみなさん、ぜひ運動して自分の好きなものを追求する時間を作ってほしいなと思います。

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自分の心と真摯に向き合い、あらゆる美容法を試してきたMEGUMIさん。「人は、何かに向かって動いている存在に魅了される」と語ってくださいました。日々を忙しく生きる全ての女性にとって心のお守りになるような一冊です。

衣装=トップス、スカート/ヴェニット(ハルミ ショールーム) アクセサリー/アフェクト

お問い合わせ先=アフェクト(ラッキーアンドカンパニー)/affect-official.jp、ハルミ ショールーム/03-6433-5395

撮影=嶋田礼奈(講談社写真映像部) スタイリスト=斉藤くみ  ヘアメイク=エノモトマサノリ

取材・文=宇都宮薫