今年で創業90周年を迎えるマツモトキヨシが、アパレルグッズの展開を始めたこと、知っていますか?

有名ファッションブランドなどとコラボし、スタイリッシュなデザインのグッズを展開。SNSでも驚きの声が上がるなど、注目を集めています。

同社によれば、ドラックストア業界では初めてだというアパレル参入。その経緯や狙いを、担当者に取材しました。

「フツーにカッコいいな」「コラボ先が絶妙」

マツモトキヨシでは、これまでトイレットロールやエナジードリンクなど、さまざまなアイテムをプライベートブランド商品として開発してきました。

今回は、創業90周年を記念し、2022年にリニューアルしたマツモトキヨシの新ロゴ「マ」をデザインしたコラボレーションアイテムを4つのブランドと制作、6月30日に発売しました。

コラボ相手は、いずれも有名ブランド。「え!こことコラボしているの?」と思わず唸るようなブランドが集まっています。

たとえば、100年以上の歴史を持つアパレルメーカー、NEW ERA。

「マ」のロゴを本気で格好よくするためにこだわったキャップは必見です。

「matsukiyo キャップ」。形:9FIFTY・9FORTY・9THIRTY カラー:マッ黒(ブラック)、ブリティッシュカーキー(9THIRTYのみ)サイズ:フリー 価格:9FIFTY 4950円、9FORTY・9THIRTY 各4400円(キャップのサイドにも「マ」のロゴが)

つづいて、スラッシュと「マ」の角度のデザインに共通点があることからコラボが実現した、シューズメーカー、PATRICK。定番モデルの「MARATHON」をベースとしたデザインがマツキヨ仕様に。

「matsukiyoスニーカー」。下:マッ黒(ブラック)上:マッ黄色(イエロー)サイズ:35〜46(約22.5cm〜約28.5cm)価格:1万9800円(「マ」はライトで照らすと光る)

そのほかにも、大きな「マ」のプリントロゴが目を引くマグボトルは、thermo mugと、「マ」のロゴをスタイリッシュに散らしたTシャツは、Directed by info.Beauty&Youthとのコラボにより商品化されました。

どのアイテムも、ただのコラボではない、それぞれの企業とマツキヨの強いこだわりを感じる商品ばかりです。

ネット上でも、「フツーにカッコいいな」「ちょっと欲しいな...」「コラボ先が絶妙」「ロゴがなかなかイケてる」と好評です。

7月14日現在、マツモトキヨシのオンラインストアと全国の一部のマツモトキヨシグループ店舗で販売中です。

マツモトキヨシらしい商品が作りたい

今回は、マツキヨココカラ&カンパニーの商品開発担当者にお話を聞きました。

――90周年を迎えて、あえてアパレル業界に参画するに至った経緯を教えてください。

「自社の取り組みとして店舗のリブランディングを行っており、新コンセプトのデザインを作ったときに、そのコンセプトを様々なアイテムに落し込むとどうなるだろう、と描いておりました。アパレルという、ドラッグストアの取扱商品とはまったく異なる分野でも、コンセプトや目指す方向が重なるブランド様となら『マツモトキヨシらしい』商品が作れると考えました」

「また、普段開発している商品は、基本的にお家の中で使用するものが大半で、愛用してくださっている方の姿を街中で見ることは少ない状況です。しかしアパレルなら、身に着けるものなので、街中でご購入くださった方を発見できるかもしれません。そして、『そのデザインおしゃれじゃない!』『このロゴはどんな意味?』『へー!マツキヨの新しいロゴなんだ』『これ、おもしろい!』。そんな楽しさもありだと考え、今回はアパレルで取り組むことにしました」

「matsukiyoTシャツ」。下:マッ黒(ブラック)、上:マッ白(ホワイト)サイズ:S〜XXL 価格:5500円

――今回コラボレーションした4ブランドの選定理由について教えてください。

「そもそも今回の商品は、どこでも作れるような単なるコラボ商品ではなく、『このようなタイミングでなければ手に入らない』『〇〇(ブランド名)とマツキヨのコラボなんて考えもしなかった』『へー、おしゃれだし、絶対欲しい』など、わざわざ手に入れたいと思われるようなものを作りたいとの考えから、少し高くても価値があると思っていただけるようなブランドとのデザインを選定しました」

「一般的におしゃれと名高く、そのカテゴリーにおける知名度とステータスがあり、当社とのコラボレーションにご理解いただけるブランド企業様と連携させていただきました。また、各社様とも、新しいことや斬新なことに積極的に取り組んでいらっしゃるブランドであることもお声がけさせていただいた理由です」

発売後の反響は?

――各ブランドについて、詳しくお願いします。

「たとえば、『マ』を記す帽子であれば、長い歴史のあるニューエラ様、Tシャツは、セレクトブランドにおいて草分け的な存在のユナイテッドアローズ様、スニーカーの場合は、『マ』をつけると多くのブランドのロゴと一体感が失われると考え、斜めのラインがマツモトキヨシのロゴのデザインに採用されている斜角度19度と似ていることから、パトリック様、アパレル感覚で、『マ』のロゴがわざわざ目につくデザインということで最高品質のステンレス素材を採用したサーモマグ様、など各社様からご協力がいただけました」

「matsukiyo サーモマグ」。カラー:マッ黒(ブラック)サイズ:360ml価格:4180円

――発売後の反響はいかがでしょうか。

「マツキヨがアパレル!?といった驚きの声をたくさんいただいており、お客様に驚きや楽しさを感じてもらうという第一関門は突破できたのではないかと感じております」

――発売から現在に至るまでの売れ行きについては、どう感じていますか。

「全体的に想定以上の売上でスタートしており、とてもうれしく思っております。なかでもスニーカー、キャップは特に好調で、キャップは9FIFTYが圧倒的な数量で売れています」

――今後の展開についてはどのように考えていますか。

「今後も面白い!と思えるアイデアをどんどん取り込んでいきたいと考えています。マツモトキヨシ=ドラッグストアという既成概念にとらわれず、革新的なマツキヨココカラらしさを創り出してまいります。お客様に『わ!すごいね、マツキヨはやることが違うね。』と、喜んでいただけるような商品を開発したいと思います」

常に新しい挑戦を続けるマツモトキヨシから目が離せません。

(東京バーゲンマニア編集部)