ちょっとしたコツでおいしさ激変!五つ星お米マイスターによる、ごはんのおいしい炊き方

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◆ちょっとしたコツでおいしさ激変!五つ星お米マイスターによる、ごはんのおいしい炊き方

毎日のように食べているごはんだけれど、何気なく炊いているという人も多いのでは? 今回は、「銀座米料亭 八代目儀兵衛」の料理長で、五つ星お米マイスターでもある橋本晃治さんが、ごはんをおいしく炊く方法を伝授。ちょっとしたコツを覚えるだけで、いつものごはんがグンとおいしくなるのを体験できるはず。

◆八代目儀兵衛、お米の本来のおいしさを求めて

米炊き職人が丹精込めて炊き上げるおいしいごはん
八代目儀兵衛は、お米の目利きや炊き方、保存方法とすべてにこだわり、“究極の銀シャリ”が楽しめるお店。

「同じ新潟産のコシヒカリでも、生産者や育った場所が変われば、味がまったく違うんです。だから僕たちは産地や品種ではなく、粘りのあるものと甘みのあるものなど、異なる特徴を持つお米をブレンドすることで“本当においしいごはん”を食べていただくことを大切にしています」と橋本さん。

お米の目利きやブレンドは、京都にいる兄の隆志さんが担当。低温低速で精米する方法を独自に開発し、米のうまみ、甘みを損なわないように丁寧に精米する。届けられたお米を、晃治さんは毎日、何度か炊き比べて水や火加減、時間を微調整しながら、最高においしい状態に炊き上げる。特注の土鍋釜を使って炊き上げるお米はツヤツヤと美しく、ほんのり甘くて一度食べたら忘れられないはず。

「家庭でも、コツさえ掴めばごはんはさらにおいしくなります。おすすめは土鍋ですが、炊飯器でもおいしく炊くことができますよ」(橋本さん)

◆味の違いにびっくり!コツを覚えてごはんをおいしく炊こう

POINT1.お米と水はスケールできっちり計ろう
橋本さんによれば、お米を炊く工程の中でまずは、きっちり計量することが重要。

「“容量”よりも“重量”が大切です。お米もお水も、カップで計るのではなく、キッチンスケールを使ってグラムで計りましょう。ちなみに、1合150gの生米に対して必要な水は1.2倍の180g。水道水でもいいのですが、最初に研ぐときと炊飯するときは、浄水などおいしい水を使うと炊きあがりに違いが出ますよ」(橋本さん)


POINT2.お米の研ぎすぎ、力の入れすぎに要注意!
お米を研ぐ際は、お米が割れないようにあくまでも優しく扱うのがポイント。研ぐ回数は1回、水を替える回数は3回で十分と橋本さん。

「まずは、ボウルにお米を入れて水を一気に注ぎ、約10秒間混ぜてザルに上げます。ボウルに移したお米を、優しく握っては離すという作業をまんべんなくくり返したら、あとは水を替えるだけ。ボウルに水を入れてはかき混ぜ、ザルに上げる工程を3回繰り返し、ぬかを洗い流します。新米だったら2回でOK。研ぎ終わったらザルに上げてしっかり水を切りましょう」(橋本さん)


POINT3.おすすめは土鍋炊き!炊飯器は“早炊きモード”で
研いだお米は、浸水させることで芯までふっくら、もっちりとした炊きあがりに。炊飯器でおいしく炊くには、“普通炊きモード”より、自分でお米を浸水させる必要がある“早炊きモード”がおすすめなのだとか。

「一般的な炊飯器の“普通炊きモード”にはあらかじめ浸水時間も含まれているので、すぐに炊いてもOK。ただし、通常より短い時間で浸水させるぶん、おいしさが落ちてしまいます。そのため、自分でしっかりとお米を浸水させる“早炊きモード”の使用がおすすめ。冷蔵庫の中で約1時間浸水させます。土鍋を使って炊く場合は、炊く前にお米を蓋付き密閉容器に入れましょう。その後は、浸水させた水ごと炊飯器・土鍋で炊いてくださいね」(橋本さん)


POINT4.仕上げの“ほぐし”でごはんのおいしさが格段に変わる
ごはんが炊きあがったら“蒸らし”と“ほぐし”。特にほぐしは重要な工程で、タイミングが遅れるとベチャッとした仕上がりになってしまうことも。

「土鍋で炊くときは10〜20分蒸らしてから、炊飯器で炊く場合は、蒸らし時間が含まれているので、炊き上がりの音が鳴ったらすぐに蓋を開けてほぐしましょう。まず、お米の粒を潰さないようにしゃもじでご飯を十字に切ります。そして、底から上へ混ぜながらごはんの余分な水分を飛ばすことで、ごはん本来のおいしさが引き出されます」(橋本さん)

炊き上がったごはんの残りは、冷めるにつれて水分が抜けてパサパサになってしまうため、温かいままサランラップに包んで冷凍庫に保存。なるべく小分けにしたほうがいいという。

ちょっとしたコツをつかむだけで、いつものごはんが、よりふっくらもちもち、ほんのり甘みも感じられるおいしさに。ぜひ味の違いを体験してみて。