ROSELABO代表取締役、田中綾華さん

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高齢化し続ける農業に新風を吹き込み、日本農業の素晴らしさを「バラ」を通して伝え続ける女性がいる。農薬を使用せずに栽培したバラを使用した商品を展開するROSELABO代表取締役、田中綾華さんだ。

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「農業に興味がない若い世代や女性にも、興味を持ってもらいたい」と語る彼女の、バラへ込める想いを聞いてきた。

■ 食べるバラって?栽培への強いこだわり

皆さんは“食べられるバラ”をご存じだろうか?バラの花弁には、レモンと同等のビタミンC、ポリフェノールがワインの約10倍、血液をサラサラにするケルセチンが玉ねぎの約2倍など、美容や健康に良い成分が多く含まれている。また、バラの香りは記憶力をアップさせるという研究結果も出ている。そんなバラの“無限の可能性”に着目し、田中さんは美容液やフレグランスをはじめ、ジャムやクッキー、ローズウォーターなど食品も展開している。

そんな田中さんの強いこだわりは“無農薬無添加”。口に入るバラを栽培しているため、体内に入っても影響のない栽培方法を研究している。土を使用せず「ロックウール」という素材を使用し、バラの一番の天敵である「虫」対策として、酢やクエン酸などを吹きかけるなど、口に入れても大丈夫な素材にこだわっている。家庭でバラを栽培する際には「米ぬか」をスプレーで吹きかけたり、土に混ぜたりして使うのが効果的だという。また、栽培中は音楽をかけたり、話しかけるなどたっぷりと愛情を注ぐ。「そんな思いを一身に受けているうちのバラは、みんな笑っているんです!」と笑顔で田中さんは語る。

■ バラとの出会い

バラとの出会いは幼少期、バラ好きな祖母の影響で興味を持った。バラに魅力を感じながら育つ中で、大学生になり“食べられるバラ”の存在を知る。“観賞”がバラの楽しみ方だと思っていた田中さんは衝撃を受けると共に、新たなバラの可能性に感銘を受ける。そして「自分の人生は自分が主人公」という座右の銘を持つ曾祖母の言葉に後押しされ大学を中退し、バラを栽培する農業の道へ進んだという。「様々な可能性が秘められているバラをもっと研究、開発して世の中に広めていきたい。女性にもっと美しくなってほしい」と強い想いを語った。

始めは右も左もわからず失敗ばかりだったが、周りの農家に助けてもらって今がある、と農業の横の繋がりの大切さも感じたという。

■ “農業女子”ってどんな感じ?

農業女子の主な活動としては、毎朝行われる朝市での“農業女子ブランド”を展開した販売活動や、女性が働きやすい農作業着の開発、JAでの意見交換など、農業で女性がより働きやすい環境を日々追及している。また小学校への食教育活動も行い幅広く活動している。

全体的に見るとほんの一握りしかいない農業女子。今後、女性人口を増やすにあたり、気になるのはやはり「男性との出会い」ではないだろうか。一般的に出会いは少なそうだが…

「それが意外と沢山あるんです!定期的に農家さんとの街コンみたいなものも実施されたりしています。農業は人と人との繋がりが何よりも大切ですから、そういった横の繋がりからも沢山の出会いが生まれるんです」と田中さん。これは女性には嬉しい情報ではないだろうか。

■ 私が農業を活性化させる窓口に…

台湾で行われた商品販売会ではバラ食品や製品が反響を呼び、今後海外展開も視野に入れているという田中さんは今後の展望について、「バラの成分を摂取できるサプリメントをはじめ、まだまだこれから沢山の商品を展開していこうと考えています。後継者不足で悲鳴を上げている農業界ですが、私自身が農業を活性化させる窓口になり“食べるバラ”という新たな切り口で、バラ、農業の魅力を世界に伝える第一人者になりたい」と語った。

自身が本当に好きなバラを追求し、世界からも高い評価を受け、注目を集めている“食べるバラ”。彼女の今後の活動から目が離せない。【ウォーカープラス編集部/コダマタイチ】