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クルーズ旅行の魅力は、船内での過ごし方と寄港地での過ごし方、それぞれに楽しみがある。しかしとりわけ地中海クルーズの魅力は、なんといっても寄港地の美しい港町や島々にある。憧れの地へ海から訪れるというロマンは格別。今回のクルーズでは、乗船翌朝に、このコースのハイライトともいえるギリシャ サントリーニ島に到着した。当たり前のようだが、寝ている間に、別の港に到着してしまうという船の旅は、それだけでも感動してしまうような旅情をもたらしてくれる。おまけに荷造りの必要も、重い荷物を持って移動する必要もないのだ。ただ寝ていれば、目的地に着いているなんて! さらに部屋に荷物を置いて身軽に観光ができてしまうのもうれしい。リピーターの多いクルーズだが、実際に一度経験すれば、これほど世界旅行に適した手段はないのではないかと頷けるはず。

船を降りて、街へ出よう! 寄港地の楽しみ方

寄港地での過ごし方は人ぞれぞれだ。どんな風に過ごすかは個人の裁量にゆだねられる。寄港地での観光は、船会社が主宰するツアー(有料)に参加してもいいし、まったくフリーで行動してもいい。疲れていたり、天気が悪かったりで、降りたくなければ、船にとどまっていてもいい。
寄港地の散策はもちろん、海上から刻一刻と移ろいゆく寄港地の街並みを眺めるのは、クルーズ旅ならではの醍醐味だ。コトルのフィヨルドの断崖など、寄港地ならではの景色借景に、船のプールで寛ぐのもおすすめ。出航時もほかの乗船客とデッキでにぎやかに過ごしてもいいし、またバルコニー付きの客室なら窓をあけ放ち、誰にも気兼ねすることなく美しい景色に浸るという選択肢もある。海からの街の眺めは、クルーズ客に与えられたすばらしき特権。存分にその至福を享受して!

今回は港から観光地が遠い場所はツアーに参加。港から徒歩圏内で観光ができる街ではツアーに参加せず、散策した。「もっと時間があればいいのに!」と思った場所もあったが、気に入った街があれば、次にまた訪れればいい。そんな風にクルーズ旅は、次の旅のヒントも与えてくれる。



サントリーニ島(ギリシャ)

ギリシャ本土から約194キロ離れた、エーゲ海に浮かぶサントリーニ島。白い建物と独特のドーム型の青い屋根、そして、エーゲ海の鮮やかな海の色が見事なコントラストを奏でる様は、写真で観て、心ときめかせた人も多いのではないだろうか。「エーゲ海の真珠」とも称される、絵葉書のような風景がそこかしこに広がっている。船会社主宰の観光ツアーでは、人気の街・イア、フィラのほか、イアの高台にあるワイナリー(サントリーニはワインの産地でもあるのだ)も訪れ、デザートワインの期待以上のおいしさに悶絶! 早速、荷物を増やしてしまった。街歩きも楽しいが、火山と地震の繰り返しで三日月形になった断崖絶壁は、ぜひ海側から眺めたい景観だ。



コトル(モンテネグロ)

中世の雰囲気を色濃く残す旧市街の街並は、1979年に世界遺産にも登録されている。バルカン半島の西側──、モンテネグロの山々とアドリア海の入江に囲まれた古くからの港湾都市は、オレンジに統一された建物の屋根と、迷路のような石畳が特徴だ。旧市街を囲む城壁は、何年もの時間をかけて建てられたもの。そこに登れば、美しい街並みを一望できる。城壁は足場の危ないところも多く、急こう配の箇所も多々。なかなかハードだが、頂上からは、「登ってきてよかった」と思える絶景を眺めることができる。モンテネグロ随一の観光地だが、素朴な雰囲気も魅力な愛らしい。船に戻る時間を気にしながらも、旧市街の情緒あふれる街を気の向くままに歩いてみたくなる、そんな街だ。



コルフ島 (ギリシャ)

    ギリシャ西部、イオニア海に浮かぶコルフ島は、ヨーロッパ随一の高級リゾート地。海は青く澄み、世界遺産にも登録されている旧市街は、ギリシャやイタリア、フランスなどヨーロッパ各国の街並みが混ざって調和した独特な雰囲気を持ち、かつて西欧諸国の支配を受けた歴史を感じさせる。ハプスブルク帝国最後の皇妃・オーストリア皇妃エリザベートは、この街を気に入り、1891年に別荘としてアヒリオン宮殿を建て、頻繁に足を運んだ。ジブリ映画の代表作「風の谷のナウシカ」のナウシカのモデルとされる、ギリシャ神話に登場する王女ナウシカアーは、このコルフ島のお姫様と言われている。旧市街では、名産のオリーブを使った石鹸やきんかんを使ったお酒を売る土産物屋や小粋なレストランも。「水着を持ってくればよかった」と口惜しくなるほどの青く輝くビーチも至るところにある。

    メッシーナ (イタリア)地中海の中央に浮かぶ、シチリア島の玄関口だ。今回は、メッシーナの港から車で約40分、映画「グランブルー」で有名になったタオルミーナを訪れるツアーに参加した。港から観光地までの距離がある寄港地では、ツアーに参加すると効率がいい。海抜200メートルもの高い丘に位置するタオルミーナは、ドイツの哲学者ニーチェや詩人ゲーテなど名だたる文豪たちが愛し、「地上の楽園」とたたえたリゾート地だが、ローマ時代の遺跡も点在している(一般公開されていないものもある)。紀元前3世紀、ギリシャ時代に建てられた、ギリシャ劇場からは、ゲーテも絶賛した息をのむような景観が眺めることができる。劇場は古代ローマ時代に闘技場に改造されるが、現在も夏場は演劇やコンサートが上演されている。なお、近郊には映画「ゴッド・ファーザー」のロケ地となった村もある。



    ポルトフェライオ(エルバ島)(イタリア)トスカーナ地方のティレニア海沿いの素朴な街・エルバ島(Isola d'Elba)。イタリア人が週末に訪れる、リゾート地として人気が高い。「妖精」の意味を持つこの島は、ナポレオンが流された場所として有名だ。1812年ロシア遠征失敗を機にナポレオン帝国は崩壊。1814年5月から1815年2月末まで、この地に暮らした。住居とした小高い丘の上の質素な邸宅「ヴィラ デイ ムリーニ」は一般開放されていて、ナポレオンやナポレオンの妹パオリーナが使用した家具や絵画をみることができる。港が見渡せることから選ばれた場所だけに、眺望も秀逸。

    >>(3)|船上で味わう美食と絶景へ。



    一生に一度は行きたい地中海クルーズ

    >>(1)|乗船編 いざ、クルーズ旅行へ

    >>(2)|エーゲ海&アドリア海の美しき街巡り

    >>(3)|船上で味わう美食と絶景

    >>(4)|クルージングデー、その百花繚乱の楽しみ


    協力:プリンセス・クルーズ