先代「トワイライトエクスプレス」のイメージを受け継ぐ濃緑色の車体

写真拡大

ついにそのベールを脱いだ、JR西日本の豪華寝台列車「トワイライトエクスプレス瑞風」。現在は、6月17日のデビューに向け、試運転が行なわれている。とはいえ、もっとも安い「ロイヤルシングル」1泊2日コースでも1人27万円からと、なかなか乗車へのハードルは高い。

【写真を見る】緩やかにカーブした5本の手すりがゴールドに輝く前頭部の展望デッキ

そこで今回は、鉄道ジャーナリストの伊原 薫が、「瑞風」車内をバーチャルツアーへご招待。各部屋の写真で、乗った気分を味わっていただきたい!

■ 先代のイメージを受け継ぐ濃緑色の車体

ついに姿を現した「瑞風」。先代「トワイライトエクスプレス」のイメージを受け継ぐ濃緑色の車体は、先代のそれより少し明るく、光沢を放っている。

まず目を引くのは、やはり前頭部の展望デッキ。緩やかにカーブした5本の手すりはゴールドに輝き、そのまま運転席後方へと流れるようなラインを描いている。

車体各所には「TWILIGHT EXPRESS MIZUKAZE」のエンブレムが。車体腰部に巻かれた金帯は、よく見ると5本のラインだ。

扉横には、「サボ」と呼ばれる昔ながらの行先表示板を差し込む枠がある。

■ エントランス

いよいよ車内へ。デッキ部分もホテルのような造りだ。

各デッキには、沿線の伝統工芸品などが飾られている。

通路の絨毯にも「瑞風」のロゴマークが。

通路には、立ち寄り観光地をモチーフにした絵画もある。

■ ロイヤルツイン

まずは、一番スタンダードなタイプの「ロイヤルツイン」へ。

各部屋の扉は木目調。デザインは数パターンがある。

ホテルのように広々とした室内。テーブルも備え付けられている。

ベッドの反対側にはトイレとシャワールームがある。

こちらの部屋は内装が異なる。クルーによるお茶のサービスも受けられる予定だ。

部屋のスイッチプレートもお洒落だ。

ベッドメイキングされた状態。ベッドは壁に収納されている。

■ ロイヤルツイン(バリアフリールーム)

4号車には、バリアフリー対応のロイヤルツインが1室ある。

車いすで入れるよう、ゆとりを持たせた空間になっている。

トイレやシャワールームも、もちろん車いす対応だ。

■ ロイヤルシングル

4号車には「ロイヤルシングル」も2室ある。

1人用のため「ツイン」よりも狭い。

部屋の雰囲気は「ツイン」と同様。もちろんトイレやシャワールームもある。

エクストラベッドを展開すると2段ベッドに。これぞ寝台列車といった雰囲気だ。

■ ザ・スイート

そして、いよいよ最高級グレードの「ザ・スイート」へ。

こちらは手前のリビングルーム。列車の中とは思えない、贅沢な空間だ。

奥にはベッドルームが。寝ながら夜空を堪能できる。

バスタブまであるバスルーム。お風呂に入りながら車窓や星空を楽しめる・・・至福の一時に違いない。

バスルームを外から見るとこんな感じ。

7号車は1両まるごと「ザ・スイート」となっているため、通路は部屋の下を通っている。

■ ダイニングカー

6号車は「ダイナープレヤデス」と名付けられたダイニングカー。

4人掛けと2人掛けのテーブルが並ぶ。中央には花がいけられ、高級レストランのような雰囲気だ。

■ ラウンジカー「サロンデュボワール」

隣の5号車はラウンジカーとなっている。

照明を落とした空間に、ソファなどをゆったりと配置。

中央には座って味わう形式の茶の卓もある。

テーブルが美しい、本格的なバーカウンター。

■ 展望車

最後に、両先頭車にある展望室へ。

屋根まで届く窓が、自然と一体になった雰囲気を味わわせてくれる。

ガラス越しに運転席の様子も眺められる。

そして展望デッキへ。

展望デッキからの眺めは、まさに絶景だろう。走行中はビュースポットなどで後端部のデッキを開放する予定だ。

いかがだっただろうか。“ノスタルジック・モダン”をコンセプトにデザインされた「瑞風」は、随所に懐かしい雰囲気が漂う一方で、これまでの夜行寝台列車にはなかった画期的な設備や、最先端の快適さも装備。まさに「美しい日本を、ホテルが走る」というキャッチコピーにふさわしい車両だった。

鉄道ファンならずとも、多くの人にとって乗車することが夢となるような、そして乗車した全ての人が満足できるような、そんな「瑞風」のデビューまであと3か月弱。試運転で見かけた時には、ぜひ車体を眺めながらこの記事を思い出し、バーチャル車内ツアーに浸っていただきたい。【関西ウォーカー編集部/伊原 薫】