韓国は野菜天国!美容・健康にいい「絶品グルメ」を現地ツウに聞いた
ごはんものや麺類、肉や魚料理などの主菜に、少なくとも2品、多ければ10品以上のキムチやナムルなどの副菜が添えられる韓国料理。
そのため、3食外食しても野菜不足にならず、韓国に3、4日いるだけで体調がよくなるという声もよく聞かれる。
今回は無意識に食べているだけでカラダによさそうな韓国料理のなかでも、特に美容効果が高く、女性に人気のある食べものをピックアップしてみた。
肌のキメが整う プゴクッ(干しスケトウダラのスープ)
プゴクッとは、はらわたを取り除いたスケトウダラを海風にさらして1カ月ほど干したプゴを煮たスープ(クッ)のこと。
韓国では二日酔いの朝食べるものというイメージが強かったが、日本では女性向けバラエティ番組で取り上げられたことで、美容食として注目されるようになった。
タラは肌の細胞をつくる成分であるアミノ酸を多く含むため、アミノ酸を多く摂ることで肌のキメが整うといわれている。しかも低カロリーなので、韓国旅行で肉料理などが続いたときにおすすめ。
韓国料理としては淡白な味付けで、タラの豊かな風味が楽しめる。
ソウルの市庁駅1番出口の北方向にある「武橋洞プゴクッチッ」はこの一品だけで長年行列をつくっている人気店。
スープのおかわりが無料でもらえるのもうれしい。プゴクッはホテルの韓式レストランの朝食メニューでもよく見かける。
武橋洞プゴクッチッ(ソウル市庁裏)
中区茶洞173 TEL:02-777-3891
7:00〜20:00(土日7:00〜16:00)無休
便秘解消 ポリパッ(麦ごはんのピビンパッ)
麦ごはんに各種のナムルやコチュジャン、ゴマ油などを加え、かき混ぜて食べるピビンパッの一種。
麦飯は米飯とは比べものにならないくらい繊維質が豊富で、便秘を解消する効果がある。麦飯はそのまま食べると米との食感の違いが気になるが、多種類のナムルや、味のはっきりしたコチュジャンや香ばしいゴマ油と混ぜるため食べやすい。
韓国では麦飯というと生活が苦しかった時代を思い出す人も多いが、若い女性や健康が気になる中高年は美容食として積極的に食べている。
「サウォレ・ポリパッ」のようにソウルで数店舗をチェーン展開する専門店もあるが、東大門市場近くの広蔵市場(クァンジャンシジャン)には、ポリパッ屋台が並ぶ一角もあり、気軽に食べることができる。
サウォレ・ポリパッ江南店
瑞草区瑞草洞1316-29タイムビル3階 TEL:02-596-5292
11:30〜10:00 無休
コラーゲンたっぷり サムゲタン
若鶏のおなかに高麗人参やニンニク、ナツメ、栗、もち米などを詰め込んで長時間煮たもの。見た目のインパクトが強いこともあり、韓国を代表する薬膳として日本でも認知度が高い。
コラーゲンが豊富な鶏肉がたっぷり入っているため、美肌効果が期待できる。本来は暑気払いに夏場食べるものだが、体を温める漢方食材がたっぷり入っているので、寒い冬でもありがたい。
ソウルの明洞などには専門店も多いが、大きな市場に行くと漢方食材がパックされた簡便なサムゲタンセットも売られている。それを買って帰り、日本で鶏肉と一緒に煮込んでもいい。
手のかかる料理のように見えるが、材料さえ揃えばあとはひたすら煮るだけなので意外と簡単。
東京の新大久保をはじめとする日本のコリアンタウンでも食べられる。本格的なものが食べたければ、港区の麻布十番で30年以上続いている専門店「グレイス」に行くといい。
ソウル・サムゲタン(南大門市場)
中区南倉洞34-52 TEL:02-755-6925
7:00〜20:00 無休
腸を整える マッコリ
「粗く濾した酒」を意味する韓国のにごり酒。アルコール度数は6度程度で、ヨーグルトのようなさわやかな甘みがあるため、「お酒はあまり飲めないけれど、マッコリなら大丈夫」という人も少なくない。
日本のスーパーなどで売られているのは、ほとんどが加熱処理されたものだが、本場では乳酸菌などの活動が止まっていない生マッコリが主流だ。
韓国では2009年に空前のマッコリブームが起きたが、それをけん引したのは女性という見方もある。というのはマッコリを飲み続けていると目に見えてお腹の調子がよくなるからだ。これは韓国全土で10年以上マッコリを飲み歩いている筆者も実感している。
ソウルや釜山では酒を置くほとんどの飲食店で生マッコリを飲むことができる。また、最近のソウルではお店の主人が自ら醸したマッコリや、地方のマッコリが飲める店も多い。
チャンジャエナビ(ソウル仁寺洞)
鍾路区寛勲洞89 TEL:02-738-6782
11:30〜21:50 日曜休
美肌効果 チョッパル(豚足)
韓国では焼肉に次いで人気のある肉料理のひとつであり、お酒(特に韓国焼酎)のつまみでもある。ゼラチン質が豊かで良質のコラーゲンをたっぷり摂れるのが魅力。桂皮などの漢方食材とともに長時間煮込むので、意外と脂っこくない。
日本で食べる豚足と違って、つま先の部分だけでなくスネ肉の部分まで食べる。
ソウルの新羅ホテルの北側、奨忠洞(チャンチュンドン)には豚足専門店街があり、2人分 30000ウォン程度で食べられる。韓国の大小の市場の屋台でも、つまみとして少量を食べることもできる。
また、釜山の国際市場の近くには、キュウリやキクラゲなどとともに酸っぱいソースで和えて食べる冷製(ネンチェ)チョッパルの店が集まった一角もある。
奨忠洞チョッパルコルモク(豚足横丁)
奨忠洞1街、3号線「東大入口」駅3番出口の北側一帯
脂肪燃焼 キムチチゲ
韓国人に「好きな食べものは?」と問えば、確実にベスト3に入るのがキムチチゲ。
キムチに使われる唐辛子にはカプサイシンとβカロチンが多く含まれているため、美肌効果と脂肪を燃焼させる効果があるといわれる。また、キムチには乳酸菌も多く、腸内をきれいにしてくれる。
キムチチゲはペクパン(日替わり定食)を出しているような大衆食堂や粉もの専門店の基本メニューだが、専門店もある。仁川(インチョン)旧市街の人気店「ミョンウォルチッ」のメニューはペクパンのみ。
席に着くと、野菜を中心とした12種類ものおかずとごはんがサッと出てくる。
主菜はフロア中央に置かれた大鍋で煮られる豚肉入りのキムチチゲ。これをセルフで好きなだけよそう。食べ過ぎや二日酔いの朝はスープと白菜多めなど、自分で調節できるのがうれしい。
ミョンウォルチッ(仁川)
中区中央洞3街4-41 TEL:032-773-7890
7:40〜20:00 日曜休
新陳代謝を促す コンナムルクッパ(豆モヤシのスープごはん)
豆モヤシの名産地、全羅北道(チョルラプッド)の名物。豆モヤシに豊富に含まれるアミノ酸の一種であるアスパラギン酸は、肌の新陳代謝を促進し、うるおいを保つ効果があるといわれている。また、アスパラギン酸にはアルコールを分解する効果もあるので、二日酔いのとき食べるものとしても人気がある。
全羅北道の中心都市、全州(チョンジュ)には、朝から行列ができる専門店がいくつもある。なかでも「ヒョンデオク」「ウェンイチッ」「サムベクチッ」は有名。ヒョンデオクはかつて全州の南部市場でおばあちゃんが切り盛りする小さな食堂に過ぎなかったが、今では全国でチェーン展開され、ソウルでもあちこちで食べることができる。
豆モヤシがあれば自分でつくることもできるが、アスパラギン酸はひげの部分に多く含まれているので、ひげを取らずに調理すべし。スープのダシはイリコや牛肉などでとり、豆モヤシのシャキシャキ感を残すように軽く煮るとよい。
全州ヒョンデオク新沙洞ガロスキル店
江南区新沙洞511-5 TEL:02-515-9321
24時間営業(日曜21:00〜7:00休)
6000ウォン