ハーブを使った「アイピロー」で安眠を!

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執筆:磯部尚美(JAMHA認定ハーバルセラピスト。JATA認定ハーブティーソムリエ、ハーブセラピスト)


現代人は、様々なストレスのなかで生活しています。そんなときは、植物の天然成分で癒されてみませんか?

薬用成分を多く含むハーブは、私たちに優しく寄り添ってくれることでしょう。
ここでは、心身の疲れを癒し、安眠をもたらすハーブ、ラベンダーを使ったリラックス法についてご紹介いたします。

心と身体の洗浄に使われてきたラベンダーの歴史

ラベンダーの語源はラテン語の「lavo」=洗うに由来していて、古代ギリシャ・ローマでは入浴や洗濯の香りづけなど、日常的に親しまれていたといわれています。また、執着心や怒りを鎮めたいときなどにも用いられ、心の浄化のためにも使われてきました。

現在でも洗剤、石鹸、芳香剤など日用品に多く利用されていますね。
清楚で爽やかな香りのラベンダーはハーブ初心者の方でも馴染みやすいのではないでしょうか。その優美な香りはエリザベス1世も好んでいたといわれます。

イライラとした気持ちを鎮め、心を安定させる鎮静作用に優れているラベンダーは安眠のためのハーブとしても有効です。

ラベンダーの種類

ラベンダーはシソ科の多年草で、地中海沿岸地方原産のハーブです。野生種の中から選別、品種の交配が繰り返され、現在とても多くの種類があります。

そこで注意したいのは、ハーブティーに用いる場合、園芸品種ではなく食用品種を選ぶようにしましょう。
食用に使用できる品種は、学名「Lavandula angustifolia」「Lavandula officinalis」、コモンラベンダー、イングリッシュラベンダーなどとよばれる品種になります。
この種類は高温多湿を嫌うため、日本では主に北海道で栽培されています。

アイピローで疲れ目を癒す

目を使うことの多い現代。ラベンダーのアイピローで疲れた目を休ませ、心地よい眠りについてみませんか?

心を穏やかに導くリラックス効果のあるラベンダーは、副交感神経を優位にして眠りを誘うので、就寝前のリラックスタイムにおすすめです。

<材料>


ドライラベンダー 20g
お米       10g
ピローに使う綿の布 23cm×22cm位

<作り方>


1.ピローに使う布を半分に折り、つめ口を残して周りを縫い付ける。
2.合わせておいたラベンダーとお米を、つめ口からピローにつめてできあがり。

 ラベンダーの安眠効果 :ラベンダーハーブを使ったリラックス法

ハーブティーの香りをパワーアップ!してホッと一息


ハーブティーでのラベンダーは、香りづけとして、少量を加えるほうが飲みやすく感じられます。

ティーをいれる直前に、ひとつまみ程度のラベンダーを乳鉢などで少しすりつぶし、ほかのメインのハーブと混ぜ合わせてからティーポットにいれ、お湯を注ぎます。
ジャーマンカモミールやペパーミント、ローズなど、鎮静作用をもつハーブとのブレンドティーは、相性もよく、リラックス効果も高まるでしょう。

※お子様に与える場合は2倍くらいの濃度にうすめ、様子をみながら飲用させてください。

 ラベンダーの安眠効果 :ラベンダーアロマオイルを使ったリラックス法

ラベンダーの香りをお部屋いっぱいにして芳香浴


アロマディフューザーやアロマポットなどでラベンダーオイルを温めて揮発させ、お部屋の中で香りを楽しみます。気持ちを鎮めたいときや、リラックスと安眠のために、就寝する少し前に寝室に香りを漂わせておくのもよいでしょう。

家事や仕事の合間の気分転換に


マグカップに熱湯をいれ、ラベンダーオイルを1滴垂らし、立ち上る湯気をゆっくり吸います。
揮発性の有効成分を簡単に取り入れられる方法です。

仕事や家事の合間など、緊張を緩めて気分をリセットしたいときにおすすめです。

※アロマオイルの入った熱湯は飲用しないでください。

ティッシュに香りを漂わせて


折りたたんだティッシュやアロマストーンなどにラベンダーオイルを1、2滴垂らして香りを漂わせます。
鞄の中に入れて携帯することもでき、すぐに手軽に楽しめる方法です。

就寝前に、枕元にリラックスと安眠のために置くのもおすすめです。

※アロマオイルの原液は、家具や布につくと変色させる可能性がありますので注意してください。

ペンダントやストラップで香りを携帯する


いつでも好きなときに香りを楽しめるよう、オイルを垂らして持ち歩ける、ケースなどにチェーンがついたペンダントやストラップがあります。
アクセサリーのように使ったり、鞄に飾りのように装着することもできます。

※アロマオイルはハーブ専門店などで販売されている100%天然のエッセンシャルオイルを選ぶようにしましょう。100円ショップなどで扱いのある安価なものは、人工香料などが加えられた別のもので、アロマテラピー効果は期待できないので注意してください。

※オイルは引火の可能性があるので取り扱いに十分注意してください。
※有効成分の濃縮したエッセンシャルオイルは、お子様の手の届かない冷暗所で保管し、原液が皮膚についたり、目に入らないよう注意してください。

<注意事項>
ハーブを利用した植物療法は医療のかわりではなく、健康の増進や病気の予防に役立てるものです。既存病歴のある方、お薬を服用されている方の使用につきましては医師の指示にしたがってください。体調や体質、利用方法によっては健康を損ねる場合もあります。それぞれのハーブの注意事項や使い方をよく確認したうえ、自己責任で使用するようにしてください。


<執筆者プロフィール>
磯部 尚美(いそべ・なおみ)
東京都生まれ。JAMHA認定ハーバルセラピスト。JATA認定ハーブティーソムリエ、ハーブセラピスト。日本園芸協会認定ハーブコーディネーター。植物療法を生活に取り入れ、その薬理作用を実感してハーブを学ぶ。現在三人の男児を育児中。美容や健康維持のためのハーブ療法について研究。優しく寄り添ってくれる植物との共生を感じながら「植物の癒しの力で美しく健康に」をコンセプトにしている。