◆めんどうくさい、は罪ではない

自分のために、家族のために、毎日ごはんを作っている人は無条件にえらいです。しかし疲労困憊で家事を投げ出したい日もあるでしょう。

3児のママのミキティだって同じ。パックのままのお惣菜に割り箸の食卓、という日もあるといいます。でも、罪悪感なんてなし。

「お惣菜はお惣菜の手柄ですから。あの半透明の容器で出して、食べ終わったらそのまま捨てます。」

あなたが無理して体を壊すほうが大変ですし、自分の身を守るためならお惣菜パーティー万歳の心意気でOKなのです。

めんどうくさい、は罪ではありません。自分のために、家族のために、笑顔でいるあなたを優先してください。

◆泣いても笑っても、人生は続く

ミキティって自己肯定感が高いのだろう。ここまで読んだ方は、そう確信したのではないでしょうか。

「自己肯定感が高いとか低いとか、考えたことがないんです。毎日、ただただ前に進むだけ。」

自己肯定感の基準は何だと思いますか。自分以外の人間です。他人様と比較して、他人様の鏡で自分を映しているにすぎません。自分軸で生きていれば、ミキティのように「止まっている暇なんてないんです」という状態になります。

「今日が悪くても、今日がよくても、もう前に進むだけなんです。自己肯定感を考える時間が無駄だから!」

ミキティだからこそのマインドで、世の中全員の人にあてはまるわけではないです。自己肯定感の低さに苛まれても、後ろ向きの思考になっても、落ち込まなくてもいい。

「前だって後ろだって、どっちだっていいんじゃないかな。とにかく一生懸命生きる。」

辛くても、しんどくても、目をとじればすぐに明日がくる。本書には、生きるのが楽しくなるミキティの言葉が、105個詰まっています。ページをめくるごとに、ネガティブな思い込みがはがれていくのを感じるでしょう。

悩みそうになったら、「ま、いっか」。空を見上げて、つぶやいてみませんか。

<文/森美樹>

【森美樹】
小説家、タロット占い師。第12回「R-18文学賞」読者賞受賞。同作を含む『主婦病』(新潮社)、『私の裸』、『母親病』(新潮社)、『神様たち』(光文社)、『わたしのいけない世界』(祥伝社)を上梓。東京タワーにてタロット占い鑑定を行っている。X:@morimikixxx