コロナ禍のせいでやる気が起きない…。モチベーショはどう維持すればいい？
こんにちは、公認心理師、精神保健福祉士の水口明子です。少し前の記事にて、以前よりも趣味を楽しめなくなった原因にメンタル不調が隠れている可能性があるかもしれない、という内容をご紹介させていただきました（記事はこちら）。いつまで続くかわからないコロナ禍において、趣味だけでなく仕事に対するモチベーションが維持できなくなった方も多いと聞きます。今回はそんな方たちに向けて、仕事でのモチベーションを保つ気持ちの切り替え方をお伝えします。
モチベーションが外部主体なのか、自分の気持ち主体なのかを知る
まず初めに、モチベーションについてご説明します。モチベーションとは「動機」などの意味を持ち、何かアクションを起こすときの要因となるものを指します。日本ではやる気そのものを指す場合もあります。仕事に対する意欲を維持することを「モチベーションを保つ」などと表現されています。
このモチベーションですが、心理学では「外発的動機付け」と「内発的動機付け」の2種類に分かれるとされています。「外発的動機付け」は自分以外の外部からによってもたらされることで、「内発的動機付け」は自分自身の興味や関心などに由来するものとされています。
仕事で例を出すと、「外発的動機付け」はよい給料がもらえるから仕事を頑張る、社会的信用につながるから仕事をするなど、報酬や世間体など外部のものが動機となりモチベーションを保っているということになります。
一方の「内発的動機付け」の仕事での例を出すと、仕事（たくさんの人と出会えること）が自分の成長につながる、知識や経験が身に付く、仕事をすることが自信につながるなど、自分の気持ちが動機になってモチベーションを維持しています。
上記では、自分のためになるものの動機を並べましたが、「外発的動機付け」では子どもを育てるためにお金が必要なので仕事をする、「内発的動機付け」では社会の役に立ちたいなど、自分以外のものが起点となる動機になる場合もあります。社会の役に立ちたいという動機は他のものが起点にはなりますが、自分の気持ち主体（私は社会の役に立ちたい）なので「内発的動機付け」となります。
「外発的動機付け」と「内発的動機付け」はどちらのほうが良いとされているものではありません。しかしどちらか一方に偏ってしまうと、何か挫折があると一気にモチベーションが下がってしまうなど、気持ちのバランスを崩しやすいとされています。
外部からの影響をより受けやすいのは「外発的動機付け」。
可視化させて、できないことから今できることに切り替える
「外発的動機付け」と「内発的動機付け」をご説明しましたが、モチベーションが下がってしまったと実感している方は、まずはあなたがどちらに仕事のモチベーションを感じているのかを調べてみてください。そして、それを箇条書きでいいので書いていきましょう。
次にコロナ禍によって何ができなくなったのかを知ってください。例えば、今までは仕事のお給料がいいところにモチベーションを保っていた方は、コロナ禍によって仕事の残業代が一切なくなってしまい、お給料が下がってしまったからなんだと自分の状態を理解することができます。
モチベーションが下がってしまった理由がわかったら、その他にモチベーションが上がることを見つけてください。「外発的動機付け」が多かった人は「内発的動機付け」を見つけることも大切です。
「外発的動機付け」のお給料をメインに考えていた人は、「内発的動機付け」として成長につながるような勉強を始めてみるのもおすすめです。これはすぐにはお給料には結びつきませんが、未来では仕事につながる可能性もあります。
逆に「内発的動機付け」の多くの人に出会えることが自分の成長につながると思っていた方は、仕事以外で人と出会える場所を作ってみてください。今はオンラインなどでもさまざまなコミュニティがあります。その人脈をいずれ仕事に活かせるかもしれません。
高いモチベーションを維持できている人は立ち止まることなく、現状で突き進んでいくでしょう。仕事でのモチベーションを考えることは、自分の人生を考えることとつながります。モチベーションが下がったと感じる停滞期こそ好機と捉えてください。
最後に、日常生活に支障をきたすような、仕事だけでなくすべてに対してやる気が起こらないという方はメンタル不調になっている可能性があります。一度医療に相談に行ってください。
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■プロフィール心理カウンセリングの賢人 水口明子
メンタルケアオフィス「ハビットマインドKOKOLO」代表。公認心理師（国家資格）、精神保健福祉士（国家資格）、全心連公認 プロフェッショナル心理カウンセラー、メンタルヘルスマネジメント検定�擬錣覆匹了餝覆鮖�つ。メンタルクリニックにて、インテーク面接や、訪問看護を担当後、うつ病に特化した、就労移行支援事業所の管理者としてプログラム講師、利用者へのカウンセリングを実施。また、浦和にあるカウンセリング研究所にて講師として、メンタルヘルス、アサーション、プレゼンテーションスキルアップなど50以上のプログラムを作成し、人材育成も行なっている。
