働く堅実女子のためのビジネスで役立つマナー、今週は野島いおりさん(仮名・IT関連会社勤務・28歳)からの質問です。

「私は通常出勤で普通にオフィスで仕事をしていますが、取引先のお客さまには、週に何日かの在宅勤務が続いている方もいます。打合せや会議などは、どのようなマナーで仕事を進めていけばよいでしょうか?」

新型コロナウイルスの感染が始まって以降、本当に働き方が変わっていきました。部署により完全リモートワークにシフトした企業、通常出勤に戻った企業などさまざまあり、取引先が多いほど「弊社の事情」が通用しないシーンも多いでしょう。Withコロナの今、新しいビジネスマナーにはどのようなものがあるか、鈴木真理子さんに教えていただきましょう。

まずはメールでお伺いを立てる

今回は、相手が取引先、つまりはお客さまだと仮定してお話していきましょう。従来のビジネスマナーであれば、直接訪問がもっとも丁寧な対応で、次に電話、最後がメールとなります。しかし、 今は対面より電話やメール、WEB会議が好まれると思います。 外出自粛が解かれたとはいえ、リスク対策をして職場を2チームに分けて交代制を取っていたり 、テレワークと出勤を週に2〜3日ずつにしたり、時短勤務制にしたり、 先方がどのような働き方をされているかわからないですよね。

そういうときには、 いきなり電話をかけるよりも、メインの連絡手段をメールするのがよいでしょう。 在宅ワークになっている場合、たとえば家族と一緒にいて、小さなお子さんがようやく寝てくれた、なんてこともありえますよね。いきなり電話がかかってきて、起きて泣いてしまって仕事にならない……なんてことにもなりかねません。

コロナ禍のビジネスメールの送り方は?

取引先、お客さまということは、こちらは仕事をいただく立場です。そういうときには、相手の意向に沿って手段を選ぶというのがマナーになります。 まずはメールで、「お変わりなくお過ごしでしょうか。ご連絡をしたいのですが、今どのような状況でいらっしゃいますか」などと問いかけ、相手からの返信を待ちましょう。

また、電話で話したいことがあれば、まずはメールで都合を聞きます。
「できましたらお電話で話したいことがあります。こちらからおかけしますので、お電話番号とタイミングがよい日時を教えてくださいますか?」と尋ねてみてください。

電話番号を聞くのは、会社に出社しているのか在宅勤務なのか分からないためです。
在宅勤務中なら携帯電話番号を指定されるでしょう。
そして約束の日時になれば、相手は電話を受ける環境を整えて待っていてくれます。

LINEでやりとりするのはマナー違反?

LINEはプライベート感があるものですが、先方がLINEのほうがラクと思っているケースも今ならありえるでしょう。これもまずはメールで「 念のため、LINEのアドレスもお教えいたしましょうか」と提案することは、悪いこととは言えません。しかし、やりとりが会社のメールを経由していないということは、会社のセキュリティー体勢の中にないということです。情報漏洩とみなされるケースもあるので、ここは慎重にいきたいところ。緊急のケースを考えて、LINEアカウントの交換のやりとりをするのはよいですが、そこで業務内容のやりとりをするのは避けましょう。

つまり、「今、ご都合いかがですか」「メールをお送りいたしました」などのやりとりまで、ということです。

ビジネスではお客様都合に合わせるのがマナー。

■プロフィール

女子マナーの賢人 鈴木真理子

三井海上(現・三井住友海上)退職後、“伝える”“話す”“書く”能力を磨き、ビジネスコミュニケーションのインストラクターとして独立。セミナー、企業研修などで3万人以上に指導を行う。著書は『ズルいほど幸せな女になる40のワザ』(宝島社)のほか、近著『仕事のミスが激減する「手帳」「メモ」「ノート」術』(明日香出版社)、『絶対にミスをしない人の仕事のワザ』は7万部を超えるヒットとなる。 

(株)ヴィタミンMサイトhttp://www.vitaminm.jp/