「ラーメン 巌哲」はリーガロイヤルホテル東京の向かいに立つ

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あっさりしていても奥深い旨味が出た淡麗ラーメンのスープは思わずうなってしまう。塩、醤油などなどシンプルながらも旨味が広がる東京の淡麗ラーメン5選をご紹介。

【写真を見る】スープとダシの醸し出す絶妙な旨味ハーモニー「鮪塩(とびしお)」

■ 厳選素材を使用し、旨味の相乗効果でバランス絶妙な黄金色のスープ

「ラーメン 巌哲(がんてつ)」は、大阪の人気店「大阪麺哲」出身の店主が作る地鶏をベースに鮪節や昆布で取ったダシを合わせた淡麗系。麺哲を彷彿させる肉醤油のほか、瀬戸内海の魚を使った限定メニューなど、ラーメン好き注目の店。

「『大阪麺哲』での修業時代に何から何まで教わった」と店主の平松恭幸さん。ラーメン以外にも、魚選び、魚の裁き方、ハモの骨切り、ダシの取り方など、5年にわたり親方の仕入れに同行し、料理の知見を広めた。だから食材は関西から直接仕入れるものが多い。

スープのメインとなるのは、丸鶏と鶏ガラ。これは旨い脂と柔らかい肉質が特徴の滋賀県産のブランド鶏、淡海地鶏を使っている。淡海地鶏はほかの材料と合わせると、その食材の旨味を引き出してくれる。さらに鶏スープのベースに関西の料亭が使う鮪節(しびぶし)などで取ったダシを合わせて、黄金色のスープを作る。

「鮪塩(とびしお)」(990円)。塩とニンニクのタレで下味を付けたバチマグロのブツを、日本酒でフランベしてダシと合わせる。マグロはサックリとした歯応え。九条ネギ、チャーシューなどの素材がお互いの旨味を引き立て合う。

■ 考え抜かれた素材の組み合わせで飽きの来ない醤油味が完成

「麺屋 さくら井」は、三鷹駅から歩くこと10分ほどの閑静な住宅街にある、カフェと見紛うたたずまいの店。2016年11月にオープンして、若き店主が切り盛りしている。メニューは醤油、塩、煮干しの3種。独自の味を追求して日々研鑚を積む。

学生時代から人気ラーメン店で足かけ5年の修業を積んだ。働きつつも自分好みの味を追求したのは「毎日食べても飽きない。スープを最後まで飲める」ラーメンだ。

はかた地どりガラをベースに豚骨や煮干し、シイタケなどのほか火を止めてから昆布を割り入れる。醤油タレは滋賀の濃口をメインに和歌山の生揚げなど6種をブレンド。その醤油タレとラードを丼に落とし、スープを張る。ひと口すするとトッピングの鶏油(チーユ)が香り、食べ進むと麺とスープが混然となって、ラードが全体をまろやかに包み込む。醤油のバランスがよく飽きが来ない。誰からも愛されるラーメンに。そんな店主の思いの込もった一杯になった。

「特製らぁ麺(醤油)」(980円)は、豚肉と鶏胸肉の2種のチャーシューがのる特別な一杯。チャーシューは、いずれも真空低温調理され、食感はしっかりありつつも柔らかい。トッピングの小松菜の味で舌をリセットしつつ完食できる。

■ 醤油の旨味と香りがしっかり安心・安全を追求する一杯

「超純水採麺 天国屋(ちょうじゅんすいさいめん てんごくや)」は、「毎日安心して子供に食べさせられるラーメン」をコンセプトに、素材と水を厳選。自慢の鶏醤油(淡口)は、阿波尾鶏+青森シャモロックをベースに国産鶏の手羽元を加えたスープに醤油のみで味付けした上品な味わい。

食の安全を重視し、完全無化調にこだわる店主の佐々木昭一さん。「毎日子供たちが安心して食べられる、不純物が入っていないラーメンを作りたいという思いで始めました。味のバランスを見ながら丁寧に火入れし、そこで味が決まります」

沖縄の塩に漬け込み低温調理された鶏と程よく脂が落ちた豚のチャーシュー2種をトッピングすれば、絶品“鶏醤油麺”が完成する。

「鶏醤油(淡口)」(750円)は、醤油の上品な香りが鼻に抜け、小麦の甘味を感じる中細の麺がすっきりとしたスープに絡み喉越しも心地いい。麺は太さが異なる180gもあるので、注文の際に尋ねてみよう。

■ 「鬼」の魂を受け継ぐスキのない醤油ラーメン

「らぁ麺すぎ本」は、「ラーメンの鬼」と称された故・佐野実さんの「支那そばや 本店」で修業を積んだ店主が営む店。「子供から大人まで毎日食べても飽きない安心感のあるラーメン」の提供を目指し、素材から調理法まで師匠譲りのこだわりをみせる。

「何か一つの素材だけが主張する味ではなく、全体のバランスが取れていることが一番大切なんです」と語るのは店主の杉本康介さん。また、国産小麦の全粒粉のみを使う麺は、製麺所にレシピを指定。香り高くしなやかで張りがあり、スープと合わせた瞬間一体化する。

「醬油らぁ麺」(750円)のすっきりとした醤油味のスープは、食べ進むうちに麺と一体になり、マイルドな味に変わっていく。ホロリと口の中でほぐれる豚チャーシューとしっとりとした食感の鶏チャーシューも食べ応えあり!

■ 白河ラーメン伝統の味が飽くなき探求心で進化する

白河ラーメンの名店「とら食堂」に衝撃を受けた店主が弟子入り。白河ラーメン伝統の味を引き継ぎ、持ち前のラーメン愛を注いで仕上げた珠玉の一杯を提供する「白河手打中華そば 一番いちばん」。手打ち麺とキリッとした醤油味で通をもうならせている。

「同じことをしていては旨いラーメンはできない」と語る店主の金原煌遺さんは、すでに名店と言われても常に変化することを恐れない。醤油の合わせ方のバランスや粉の配合を毎日のように変えながら、本当においしい味を追求する。「お客様に満足してもらうために」と、今日もとことん手をかける。金原さんのあふれるラーメン愛は止まらない。

「特中華そば」(1000円)は、炭火焼きが香ばしい豚バラ、豚肩ロース、鶏胸肉の3種のチャーシュー、ワンタン、味玉などを豪華にトッピング。キリッとした醤油味のスープに縮れのある平手打ち麺が相性抜群だ。【ラーメンウォーカー編集部】(東京ウォーカー(全国版))