福岡市博物館で開催中の「神聖ローマ帝国皇帝ルドルフ2世の驚異の世界展」に行ってきた!

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芸術の秋がやって来ました。福岡でも毎年秋になると、色んな展覧会や美術展が開催されます。今回行ってきたのは、12月24日(日)まで福岡市博物館(福岡市早良区)で開催中の「神聖ローマ帝国皇帝ルドルフ2世の驚異の世界展」。強烈なチラシのビジュアルが、印象に残っている人も多いはず!

【写真を見る】ルドルフ2世が愛した芸術家たちの作品は、どれも必見!

早速行ってきたので、展覧会の一部を紹介します!

……が、ルドルフ2世って誰?と思う方もいるでしょう。なので、まずはそこからですね。16世紀末から17世紀初頭、神聖ローマ帝国の皇帝として君臨したのが、ハプスブルク家のルドルフ2世。彼は、芸術と学問の“偉大なる庇護者”として知られています。(当時も今も、芸術家は有名になるまではパトロン無しでは創作活動を続けられないのです!)

このルドルフ2世は、とにかく何事にも貪欲!学問も、自分がいい!と思った芸術も、追求せずにはいられない。当時、彼が帝都としたプラハの宮廷では、天文学者や科学者、数学者、錬金術師などが研究に没頭できる環境を与えただけでなく、ジュゼッペ・アルチンボルドをはじめとする優れた芸術家たちが皇帝のために作品を創作していました。それに加えて、工芸品や最新機器が大好きだった彼は、世界各国から芸術品や工芸品から珍獣や新種の植物まで、集めに集めて「驚異の部屋」と称される膨大なコレクションを作っていたのです。

この展覧会では、その「驚異の部屋」を観ることができます。(前置き長くてすみません!)

では、ここから本題に。

最初に入口でチェックして頂きたいのが、こちら「音声ガイド」。最近は、俳優が展覧会のガイドをすることが流行っていますが、今回のナビゲーターは、怪優・安田顕!に加え、俳優・彫刻家として知られている片桐仁のボーナストラックが!(音声ガイドにボーナストラックって……)しかも、片桐さんは、福岡会場の公式アンバサダーに就任されています。これは聞かなきゃソンですよ。この音声ガイドといっしょに、展覧会を観るとその時代背景などもわかって、より楽しめそうです。

そしてやっぱり観たいのは、チラシのビジュアルになっている奇才の画家・アルチンボルドが描いた綺想の皇帝の肖像画。彼の代表作がルドルフ2世を描いた「ウェルトゥヌスとしての皇帝ルドルフ2世像」。なんとこの画は、60種類以上もの果物や花で構成。アルチンボルドを筆頭に、会場には稀代の芸術家たちが残したルドルフの胸像や肖像画をはじめ、ルドルフ2世の愛した芸術家の作品が展示されています。

このコレクションの数々を観ていると、ルドルフ2世は、精緻で美しく、独創性のある作品がお好みだったんだなと、なんとなくの統一感を感じてしまいます。どれも歴史的にも貴重な作品ばかりなので、一点一点を丁寧に観てください。(きっと半日以上はかかると思いますが……)

そして展覧会の最後には「アルチンボルドメーカー」なるものが!!これは、額縁の前に立つと自分の姿がアルチンボルド風に映し出されます。せっかくなので、ぜひ記念撮影をしてみてください!

私も体験してきましたよ!こんな感じに……。似ているかどうかはご想像におまかせします!

さらに、福岡会場公式アンバサダーであり、こちらも奇才・アーティストである片桐仁の作品も展示されています。片桐さんの作品が展示されているのは、福岡会場限定なので、これもガン見して来てください。ルドルフ2世と同じ時代に片桐さんが生きていたら、きっと彼の作品は確実に「驚異の部屋」入りですね。

創作されているのは、自身をモチーフにしたipadケース、題して「片パッド」。じっくり見ると、人間の胴体や顔などで片桐仁の顔が出来ています。

もう一点。iQOSを入れるケースであろう「GAIQOTSU」。ガイコツの中に、すっぽりiQOSが入ってます。

他にも見どころがたくさん!なんですけど……。紹介しきれないので、ぜひ観に行ってください!

また、展示だけでなく講演会や福岡の花屋集団によるフラワーライブパフォーマンス、音楽会などさまざまなイベントも用意されています。イベントに参加して、展覧会を観ると、また違ったおもしろさが見えてくるはず!

[神聖ローマ帝国皇帝 ルドルフ2世の驚異の世界展] 福岡市博物館 / 11月3日(金・祝)〜12月24日(日) / 9:30〜17:30※最終入場17:00 / 一般 1500円、高大生 900円、小中生 600円 / 月曜休み

【九州ウォーカー編集部】