スパイス好きが高じて専門店を始めた、香辛堂の勝又聖雄さん。「使い方はざっくりでOK!難しく考える必要はありません」

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インド帰りの友人が飲ませてくれたチャイのおいしさに衝撃を受け、スパイスに目覚めたという勝又さん。海外の生産者や業者を訪ねて独自のルートを開拓、高まるスパイスへの情熱はついに、専門店「香辛堂」をオープンさせるにいたった。

【写真を見る】カレースパイスの“4元素”!左からレッドペッパー、コリアンダー、ターメリック、クミン

ところが予想に反して、「目分量で作る味噌汁と同じで、アバウトでいいんです」と随分ユルい。自宅で試すなら、確かにそのほうが気楽だけれど…。「選んだスパイスを全部混ぜても、ちゃんとカレーになりますよ」と勝又さん。

実はカレーに使うスパイスはとてもシンプル。種類が多いことから、たくさん入っているほどおいしそうにも思えるが、基本的には「クミン」「ターメリック」「コリアンダー」「レッドペッパー」の4つさえあればカレースパイスは完成する。それぞれの役割分担は、レッドペッパー=辛味、コリアンダー=甘味、ターメリック=色づけ、クミン=香り。4元素にほかのスパイスを足すことで、さまざまな味が作られているのだ。

それでは、スパイスの世界をもっと知りたくなった人のために、スパイスの“さしすせそ”をご紹介!

■ 「さ」【さっぱり】キレを高めたいなら

さっぱり=クリアな味わいに打ってつけなのは、スパイス界の万能選手たるブラックペッパー。そのシャープな辛味は、キレのある味わいを作るのに欠かせない。そして、甘い香りのイメージが強いシナモンは、意外にもキレを巧みに演出してくれる存在なのである。

■ 「し」【しっかり】深みのある味にしたいなら

油溶性がゆえに存在感を増すパプリカ、香りと共に濃厚な旨味をもつガーリックは、ワインで言うところの“ボディがしっかり”したカレーを作るのに好適のスパイス。カスリメティには香りが飛ぶのを防ぐ効果があるため、しっかりとした風味をキープすることができるというわけだ。スパイスで作る“深み”と動物性の油脂でしか得られない“コク”は別ものなので混同しないように!

■ 「す」【すぱいしー】もっと刺激がほしいなら

ただただ辛いだけの味と、カレーならではの刺激は似て非なるもの。苦味と香ばしさを兼ね備えたブラウンマスタード、程よい刺激と旨味をもつジンジャーであれば、カレーらしいスパイシー感を損ねない。ジンジャーの入れすぎは辛さが先立ってしまうので要注意。

■ 「せ」【せくしー】香りを立たせたいなら

ミックススパイスのガラムマサラをはじめ、幅広く使われるカルダモンはスパイス界の中ではかなりメジャーな存在だ。それに比べるとアニスやフェヌグリークはマイナーなスパイスといえるが、どちらも火を通すと香りが立つ特徴があり、甘さを含んだその香りがカレーにもとても合うというのだからおもしろい。フェヌグリークには苦味もあるので、入れすぎないように気をつけよう。

■ 「そ」【そふと】まろやかに仕上げたいなら

とがった味は苦手!口当たりの優しい、まろやかなカレーがお好みなら、甘く濃厚な風味が特徴のクローブと、ほのかな苦味と甘い香りの絶妙なバランスにたけたフェンネルを。どちらも生臭さを消す効果があり、ビーフ、チキン、シーフードなどの具材とも好相性だ。【ウォーカープラス編集部】