室町 レストラン桂(三越前) 特製メンチカツレツ900円

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都内有数の洋食激戦区でもある「日本橋・人形町」界隈で、足を運ぶべき店はどこか? 代々続く老舗から新店まで、おすすめの「洋食の名店」8店をご紹介!

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小春軒(人形町)

親子三代で切り盛りする洋食店、老舗の味を後世に語り継ぐ

必食メニュー

賽の目状にカットした野菜と目玉焼きが特徴的な小春軒特製カツ丼1300円。隠し味にデミソースを加えたタレが小春軒流の味だ。

タマネギと豚肉、キャベツが入ったシンプルなオムレツ800円。つなぎにジャガイモを使った名物メンチ300円を合わせる常連も多い。

カジキマグロやイカバター、カツ、コロッケ、カレイのフライなどがのる特製盛合せ1400円。夜はこれを肴にビールを楽しむ客も。

明治時代、山縣有朋お抱えの料理人であった初代・小島種三郎さんが、山縣家の女中頭の春さんと結婚し、創業したのが明治45年のこと。自らの姓と春の名を取って『小春軒』と名付けた店は、100年以上経った今も昔から変わらぬ味で愛され続けている。
そんな歴史あるこの店の名物といえば小春軒特製カツ丼だ。

先の大戦を挟み、一時お品書きから消えていたが、3代目の小島幹男さんが幼い頃に食べた記憶を頼りに、20年ほど前に復活。タレに潜らせたカツの上に野菜や目玉焼きを盛ったスタイルはもちろん、隠し味にデミグラスソースを加えた、ほんのりと甘いタレも見事に再現した。

現在、厨房には幹男さん、4代目祐二さんとともに、若き5代目祐太さんの姿も。人形町を代表する洋食店の味はこれからも永く愛され続けるはずだ。

電話 03-3661-8830
営業時間 11:00〜14:00/17:00〜20:00
休 日曜・祝日、土曜不定休
席数 19席
住所 中央区日本橋人形町1-7-9
カード 不可
予約 可(ランチは不可)
昼目安 1000円〜1500円 夜目安 2000円
喫煙 可(ランチは不可)
アクセス 東京メトロ日比谷線人形町駅A2出口より徒歩約2分

室町 レストラン桂(三越前)

家庭的な雰囲気と手作り洋食、創業から変わらぬ志を貫く

必食メニュー

牛と豚が同割りの合い挽き肉で仕立てる特製メンチカツレツ900円。ふっくらジューシーなメンチに特製デミグラスソースがよく合う。

かつお節入りスパゲッティ750円は醤油ベースの味付けににんべんの鰹節を振りかけた一品。

男爵イモにニンジン、タマネギ、キュウリを混ぜ、自家製マヨネーズで仕立てたポテトサラダ500円。グラスワイン600円にもよく合う。

「前回の東京オリンピックの時に始めた店だから、次の東京までは何とか頑張りたいね」。
そう笑うのは御年83歳になる店主・手塚正昭さん。調理の多くは2代目の清照さんに譲るものの、特製メンチカツレツ、ミートソースなどの仕込みは、現在も正昭さんの専売特許という、この道50年以上になるベテラン料理人である。

そんな正昭さんが手作りの味とともに創業からこだわってきたのが、店の雰囲気。「ここら辺は日本料理や天ぷらなどの老舗が多いから、気軽に通える店でありたい」と、気取らない庶民派をモットーとしてきた。

ランチタイムはもちろんのこと、ディナーはポークカツレツや海老コロッケなどを肴に酒を楽しむ客で賑わい、店はまるで酒場の様相を呈する。そう、真っ当な料理と気安い雰囲気は、いつだって庶民の強い味方だ。

電話 03-3241-4922
営業時間 11:00〜14:30(LO)/17:00〜20:30(LO)、土曜11:00〜14:30(LO)
休 日曜・祝日
席数 42席
住所 中央区日本橋室町1-13-7
カード 可(ランチは不可)
可(ランチは不可)
昼目安 1000円 夜目安 3000円
喫煙 不可
アクセス 東京メトロ銀座線ほか三越前駅A6出口より徒歩約1分

洋食 そよいち(人形町)

父の志をそのままに受け継ぐ、美しきビーフカツの味わい

必食メニュー

ランプとイチボを使ったビーフカツ1800円。極細のパン粉を使いラードで揚げているためサクッと小気味いい食感で衣の風味も豊か。

ポークソテー1800円は、日本酒をきかせたバター醤油のソースが絶品。すべての料理に特製豚汁も付く。

洋食はお酒(賀茂鶴)500円やワイン400円と合わせても美味。

日本橋で洋食といえば創業50年以上になる店も少なくないなか、ここ『そよいち』は開店7年目にもかかわらず、界隈ではその名の知られた存在だ。というのも、店主の石井明美さんは人形町にある老舗洋食店『キラク』の創業者・長谷川外吉さんの実娘。かつては『キラク』の厨房で腕を振るっていたが、諸事情があり、外吉さんが亡くなるとともに店を離れた。

石井さんが同じ人形町でこの店を構えたのは「ただ父の味を守りたい」との一心から。そんな思いを込めたメニューのひとつが人気のビーフカツだ。牛肉に極細の特注パン粉を纏わせ、ラードで揚げたカツは、サクッと軽やかな衣が秀逸。肉は美しいミディアムレアに仕上がり、噛むほどに赤身ならではの旨みがあふれ出していく。日本橋の洋食を語る上で欠かすことのできない一品を堪能あれ。

電話 03-3666-9993
営業時間 11:00〜15:00(LO14:30)/17:30〜20:30(LO20:00)
休 日曜・月曜(2015年9月までは日曜・第1・3月曜)
席数 15席
住所 中央区日本橋人形町1-9-6
カード 不可 不可
昼目安 1500円 夜目安 1500円〜2500円
喫煙 不可
アクセス 東京メトロ日比谷線人形町駅A2出口より徒歩約2分

とんかつ ボントン(水天宮前)

歌舞伎座の役者もひいきにする、名物の絶品サンドイッチ

必食メニュー

組み合わせサンド1400円。スジ切りした豚肉を細切れにしてトンカツに。素朴なキュウリとタマゴのサンドイッチにもファンが多い。

ランチ限定のロースカツ(小)970円。小サイズながら、一般的なトンカツ店の普通サイズを越えるボリュームがある。

しょうが焼き(小)は厚めにカットしたロース肉が特徴。こちらもランチ限定のメニューだ。

創業約55年の老舗とんかつ店で、フランス語で素晴らしい仲間を意味する店名は、創業者の夫であり料理評論家として活躍した多田鉄之助氏が命名。現在の店主は当時の従業員で、およそ25年前に先代から店を譲り受け、その味を引き継いだ。

この店で味わうべき一品は、先代の時代からの名物であるカツサンドだろう。木の棒と包丁で丹念にたたいてスジ切りした豚の内腿肉に、食パンを手でちぎった粗いパン粉をまとわせて揚げるカツは、ソフトな食感のパンに挟むと特製ソースの味が馴染んで、これがクセになる旨さ。持ち帰りもできることから、歌舞伎座や明治座などの楽屋見舞い、差し入れとしても親しまれてきた。

そんな自慢のカツはサンドイッチだけでなく、夜は一品料理として酒肴として味わっても美味。まさにマルチに楽しめる一品なのだ。

電話 03-3666-5561
営業時間 11:00〜14:00/17:00〜21:00(LO)、土曜11:30〜14:00
休 日曜・祝日
席数 29席
住所 中央区日本橋蛎殻町2-15-2
カード 不可
予約 可(ランチは不可)
昼目安 970円〜 夜目安 2000円
喫煙 可
アクセス 東京メトロ半蔵門線水天宮前駅5番出口より徒歩約3分

洋食 まつおか(東日本橋)

確かな味と飾らぬ雰囲気で、地域密着の店を目指す

必食メニュー

ジンジャーポーク1100円。厚切りのロース肉にショウガの風味と辛みをしっかりときかせた味付け。これひと筋の常連客も多い。

ほたてガーリックバター600円は日替わりの特別メニュー。

ハンバーグ1050円。合い挽き肉にナツメグを加え、ホワイトペッパーでアクセントをきかせた。

バンクーバーで人気和食店を営んでいた店主がその店を譲り、ここ東日本橋に新たな店を開いたのが2012年。下町という場所柄、目指したのは「気取らず、奇をてらわず」をモットーにした地域密着の洋食店だ。

ひとりでも入りやすいようオープンキッチンのカウンターを設けた店内は、カフェを思わせるナチュラルなデザイン。渡加前のフレンチでの経験をいかした料理も、分かりやすい洋食の王道を並べた。夫婦二人三脚で商う雰囲気は実に家庭的。洋食不毛の地で着実に根を張る注目店だ。

電話 03-3865-8805
営業時間 11:30〜13:45(LO)/17:30〜21:00(LO)、土曜12:00〜13:45(LO)/17:00〜20:00(LO)
休 日曜・祝日、第1土曜
席数 18席
住所 中央区東日本橋1-2-16 山添ビル1F
カード 可(ランチは不可)
予約 可(ランチは不可)
昼目安 1000円〜1500円 夜目安 1500円〜2500円
喫煙 不可
アクセス 都営浅草線東日本橋駅B1出口より徒歩約2分

ビストロ周(人形町)

客の我が儘も受け入れる懐の深さ。人形町の穴場で今宵も常連が憩う

必食メニュー

表面を強火で焼き、旨みを閉じこめオーブンへ。中からは肉汁があふれるまんまるハンバーグ。ディナー1300円、ランチ1000円(各税別)。

完熟トマトと白桃のカプレーゼ ジュレスタイル820円(税別)。

手長エビとフレッシュトマトのリングイネ1580円(税別)は開店以来の看板メニュー。

ビストロと銘打つものの、メニューには春巻きもあればすっぽんパスタもあり、定番以外の裏メニューも数多い。500円から楽しめるグラスワインも客のリクエストで新しい一本を空けてくれることも。一度足を運べば、「また来たい」と思わせる使い勝手のよさ。『ビストロ 周』とはそんな店だ。

料理はフレンチをベースとした創作料理が中心で、オーナーの地元である山形から毎日のように届く無農薬の新鮮野菜を使ったメニューも。洋食の激戦区で創業17年。その実力は推して知るべしだ。

電話 03-3664-4439
営業時間 11:00〜14:30(LO14:00)/17:30〜23:00(LO22:30)、祝日17:30〜23:00(LO22:30)
休 日曜
席数 23席
住所 中央区日本橋堀留町1-6-9 海老原ビルB1F
カード 可(ランチは不可)
予約 可
昼目安 1000円 夜目安 4000円
喫煙 不可
アクセス 東京メトロ日比谷線ほか人形町駅A5出口より徒歩約5分

レストラン 芳味亭(人形町)

花街だった頃の粋が今に息づく、旦那衆も愛したお座敷×洋食

必食メニュー

ビーフスチュー2500円の呼び名は、横浜の『ホテルニューグランド』で修業した初代の頃の名残。赤みがかったソースが伝統の証。

チキンマカロニグラタン 1300円。ショートでなく長いマカロニが特徴的。

カニコロッケ1200円は、もっちりとしたクリームの食感にカニの旨みを凝縮。

甘酒横丁から通りを一本入った路地裏。戦災を免れた木造建築はもともと呉服屋として使われていたもので、2階には風情溢れるお座敷席が広がっている。そんな花街の名残を感じつつ、伝統の洋食を楽しめるのがここ『芳味亭』だ。

シェフの土井三郎さんは15歳で弟子入りして以来同店ひと筋。1ヶ月かけて仕込むデミグラスソースやハードタイプのベシャメルソースなど、50年以上に渡って老舗の味を守ってきた。ハイカラな味と雰囲気に身を委ねれば、今にも三味線の音色が聞こえてきそう。

電話 03-3666-5687
営業時間 11:00〜14:00(LO)/17:00〜21:00(LO20:15)
休 日曜
席数 70席
住所 中央区日本橋人形町2-9-4
カード 不可
予約 可
昼目安 2000円 夜目安 3000円
喫煙 可(土曜のランチは不可)
アクセス 東京メトロ日比谷線人形町駅A1出口より徒歩約2分

カフェ ハーモニー(水天宮前)

ランチに会議に一服に、地元に愛される喫茶店

必食メニュー

白米の上にトロトロの卵をのせ、特製デミグラスソースをかけたオムハヤシ700円。濃厚な味わいと卵のまろやかさがクセになる味。

焼きチーズカレー700円。自家製キーマ風カレーの味が美味。

家庭的な味にファンも多いオムライス700円。

ビジネスマンが会議室代わりに利用したり、水天宮の参拝客が一息ついたり。まさに地元に根ざした喫茶店の様相を呈する『カフェ ハーモニー』だが、昼は地元のランチスポットとしても人気を集める。

目当てはスパゲッティやドリア、ピラフといった豊富に揃う洋食メニュー。小さな店だが料理はすべて店主の安達高彦さんが手作りし、オムハヤシなどには特製デミグラスソースもたっぷりとかけて提供。時間帯問わずメニューが変わらないので、遅めのランチを食べたい時にも重宝する一軒だ。

電話 03-3669-5011
営業時間 7:00〜19:00
休 日曜・祝日、その他土曜不定休あり
席数 18席
住所 中央区日本橋蛎殻町2-12-5
カード 不可
予約 可
目安 700円〜1000円
喫煙 可
アクセス 東京メトロ半蔵門線水天宮前駅5番出口より徒歩約2分

※昼のみ、夜のみのメニューを掲載している場合もあります。詳しくはお店へお問い合わせください。
※本記事に掲載されている情報は、2015年7月〜9月上旬の取材時のものです。配信後にやむを得ない事情により、掲載内容が変更になる場合もございます。あらかじめご了承ください。

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