「いい食材と調味料」でいつもの料理がグンとおいしくラクになる理由&おすすめ調味料8選

写真拡大

長男のアレルギーをきっかけに料理を始め、オーガニック食品による無添加手作りを実践している料理家の宮川順子さん。著書『料理嫌いだった私が「365日×15年」毎日台所に立ち続けた理由』から、“いい食材と調味料”の重要性についてのお話と、おすすめの調味料をご紹介します。

調味料はよいものを使おう!おすすめ8品 フォトギャラリー

いい食材と調味料が料理をラクにする

私が料理家として、そして味覚教育に携わる者として、どうしてもみなさんにお伝えしておきたいことの一つが、「シンプルな味付けで食べよう」ということなんです。

畑に行って、採れたてのきゅうりをかじれば、なんの味をつけなくても、そのままでおいしいということは、みなさんも想像がつくと思います。

その味をさらに引き立てるために、塩をつけるとか、ちょっと酢や油を足してあげる。味付けは、あくまでも食材がおいしくなるためにやることであって、極力シンプルな味付けで、食材そのものの味を食べるというのが、究極のおいしい料理だと思うのです。

私は、「料理は買い物から始まる」ということをよく言っています。そのまま食べてもおいしい食材をまずは選んでくる。そして食材を買ってきたら、それがよりおいしくなるための簡単な味付けをする。そうした料理の大前提を理解したあとに、いろいろな料理のテクニックがついてくるわけです。

「もっとお金があれば、いい食材をそろえられるけど……」とおっしゃる方が多いけど、そうじゃないんですよ。多少値段は上がるかもしれませんが、いい食材さえあれば、料理にはそんなにお金は掛からないんです。

だって、どのご家庭の冷蔵庫にも、なんだかよくわからない○△□ソースだとか、何たらドレッシングだとか、5〜6本入ってたりするでしょう? ああいうのを揃えるほうがお金がもったいないですよ。もともと味のない食材を使うから、あれこれといろいろな調味料が必要になって、結果的によくわからない味になってしまいます。

本当においしい食材だったらちょっと塩をふるだけでよかったりするので、調味料を何種類もそろえなくたっていいんですよ。

ただし、塩、醤油、みりんなどの基本的な調味料だけはしっかりとしたいいものをそろえておく。いい醤油であれば1滴2滴たらすだけで、嬉しくなってしまうくらいのマイルドな味がふわっと広がりますよ。あれこれと、いろいろな調味料を使わなくても、少量で脳は満足する。そういうふうにできているのです。

おいしい料理を作りたいと思ったら、まずはおいしい食材を買いましょう。そのためには食材の目利きが大事。別に高いものを買わなければいけないというわけではありません。

近くのスーパーでいいですから、お肉だったらドリップが出ていないとか、トマトだったら大き過ぎない、小さ過ぎない、キャベツだったらちゃんと芯が真んなかにあるとか、そうしたことの見極めが大事なんですね。

料理のおいしさは食材で決まる。そういうものなのです。

調味料はよいものを使う

よこすかしろ

よこすかしろとは、サトウキビの搾り汁を、時間をかけて煮詰めるという伝統製法で作られる砂糖。白砂糖よりもミネラルやたんぱく質などを多く含む。

ゲランドの塩(LE PALUDIER)

フランス・ノルマンディー地方名産の海塩。古代からの伝統的な製法で作られる。法律で洗浄せずに出荷することが定められており、ミネラルが豊富。

純米 富士酢(飯尾醸造)

明治26年創業、京都の飯尾醸造による米酢。農薬を使わずに育てた米を用い、2年以上かけて仕込む。うま味が強く、濃厚な味わいで、料理にコクを与える。

有機無添加 だいごみ(白)(マルモ青木)

おいしい味噌の味をとことん追求。産地が明確な原料を100%使用している。ふわっとした香りとまろやかなうま味でどんな具材にも合う。赤味噌もある。

吉野杉樽 天然醸造醤油(フンドーキン)

名前のとおり、吉野杉で作った樽に、厳選された国産大豆、国産小麦、天日塩を仕込み、自然の温度でじっくり発酵させる。まろやかなうま味がある。

三河 しろたまり(日東醸造)

愛知県産小麦と伊豆大島の伝統海塩が原料の薄口醤油。化学調味料・保存料を一切使わないのはもちろん、製造過程で火にかけない生の醤油。風味がよい。

伝承古式醸法 昔仕込本味醂(甘強酒造)

明治30年代に三代目山田平左衛門が書いたみりんの製法にのっとって作る。酒粕を原料とする粕取り焼酎と上質な餅米を使う。熟成期間は2年半以上。

俺の油(山田製油)

ごまを少しずつ鉄鍋で手炒りし、特注の圧搾機で少しずつ搾る。ごまを炒っていると、ほんの10秒だけ甘い香りを放つ瞬間があり、その香味を閉じ込めた逸品。

料理嫌いだった私が「365日×15年」毎日台所に立ち続けた理由

子どもを守るために、バブルOLがド根性母ちゃんへ変身!
人気料理家・宮川順子の涙と笑いの15年レシピエッセイ。

料理を楽しむコツがたくさん詰まった、ずっと持ち続けていたい一冊です。

<コンテンツ>
・家庭料理の一番のコツは「頑張らない」
・調理は「煮る」と「焼く」ができればいい
・食材の「旬」と「産地」を考える
・料理は献立が8割、「おいしい」は2割
・汁物は毎日3回あっていい
・毎食手作りのタイムマネジメント
…etc.