医師に聞く、「辛い食べ物」が体の毒になってしまう体質の人4タイプ

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■後を引く辛さに要注意。こんな人は食べちゃダメ!

キムチ、カレーなど、辛い食べ物は体にいいと言われて、積極的に食べている方もいるかもしれません。確かに少量であれば、交感神経を活性化させて、代謝を活発にするという作用があります。しかし、摂りすぎは逆に健康を害してしまうことがあるので要注意。特に気をつけるべきは、以下のような人です。

・消化器系、特に上部消化管(口〜食道〜胃)に病気のある方
食べ物は、口腔、食道、胃を通り、腸管へ入って消化吸収されます。この口から胃は上部消化管と呼ばれますが、ここは食べ物が通過するだけで、ほとんど消化吸収が行われません。そのため、刺激物が直接消化管の壁に触れることになるので、特に上部消化管では下部消化管に比べて食べ物の影響を受けやすく、炎症を起こしやすくなります。

たとえるなら、傷口に唐辛子を塗っているようなもの。この炎症が常に続くと、食道炎や胃炎、胃潰瘍になることも……。また、炎症を治そうと細胞が何度も再生を繰り返す中で、DNAに異常が発生すると、それががん化すると言われています。

その他、辛い食べ物は消化が悪く、下痢などを起こしやすいといったデメリットもあるので、上手に付き合いましょう。

・アルコールを飲む方、タバコを吸う方
アルコールやタバコも、上部消化管に刺激を与えるので、お酒やタバコをたしなまれる方が辛い食べ物を食べると、さらに刺激が強くなってしまうので、辛い食べものは控えたほうがよいでしょう。

・痛み止めを飲んでいる方
一般に鎮痛薬や解熱薬として使われている非ステロイド性抗炎症薬は、全身の炎症抑制にも役立ちますが、胃への刺激が強く、長期間服用していると胃の粘膜が荒れ、胃潰瘍や十二指腸潰瘍を引き起こすことがあります。そんなさなか、刺激物を食べると炎症が悪化してしまうので避けましょう。

・妊娠、授乳中の女性
よく言われる「辛いものが胎盤を通して赤ちゃんにいってしまう」とか「辛いものが母乳に入ってしまう」といったことは医学的な根拠はありませんので、あまり気にしなくていいでしょう。ただし、刺激物は消化が悪いので、大量に食べることは避けて、バランスのいい食事を心がけましょう。

■まとめ

特に、消化器系が弱いという自覚のある人は、辛いものとの上手な付き合い方が大切になります。適度にバランスよくを守りましょう

※画像は本文と関係ありません

(29性内科医/Doctors Me)