旅慣れている人の、旅のもちもの。#4山内マリコ (作家)

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山内マリコ (作家)

2008年「女による女のためのR-18文学賞」読者賞を受賞、2012年『ここは退屈迎えに来て』で作家デビュー。主な著書に『一心同体だった』『すべてのことはメッセージ 小説ユーミン』など多数。

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旅で得たもの、見たものは書き留めて持ち帰る。

インドア派なんです、と語る山内マリコさんだが、ひとつ旅行の目的が決まると一気にフットワークが軽くなる。「気になる美術展や舞台公演を見つけると、その会期に合わせて旅行の計画も立てます。特に人気のある舞台は東京公演のチケットが取れないので、地方公演はどこだろう…と探して、チケッティングから始まるんです(笑)」1〜2泊の旅が多いそうだが、荷物は、リュックに収まるようコンパクトにまとめている印象だ。「コスメ類はいつも使い慣れているものを厳選して、あとは現地調達。飛行機内でも快適に過ごせるグッズも少し持っていきました」今回の旅の目的のひとつは、彫刻家・小田原のどかさんの作品を観に、熊本県の〈つなぎ美術館〉へ行くこと。文筆を生業とする山内さんにとって、作品を観て感じたことを書き留めるアイテムも欠かせない。「美術館でメモを取るときは、表紙の硬い〈コクヨ〉の野帳と〈ブラックウィング〉の鉛筆を愛用しています。最後に旅の思い出を別のノートにまとめて振り返るのも、自分にとっては満たされる時間。またどこかへ旅に出かけたい気持ちになりますね」

DESCRIPTION〈6〉のカットパイル ジャカード ジャケット。〈ジョンストンズ〉のストール。シルクのスカーフ。着圧ソックス。サロンパス。サングラス。エコバッグ。旅の目的に合わせてチョイスする文庫本。機内の耳栓代わりにAirPods。〈iWALK〉のモバイルバッテリー。〈レスポートサック〉のポーチ。中にはリップや目薬、香水など。〈ロルバーン〉のスケジュール兼雑記帳。〈コクヨ ステーショナリー〉の野帳と〈ブラックウイング〉の鉛筆。小腹満たしのお菓子を入れた原田治の巾着袋。コスメ類は〈トリーバーチ〉のポーチへ。〈クレ・ド・ポー ボーテ〉の下地や〈WELEDA〉のスキンフード、〈十三や櫛店〉のつげ櫛はマスト。衣装収納ポーチ。〈エルベシャプリエ〉のデイパック。

PLAN 初めて訪れた熊本で過ごす3日間。

DAY1お昼頃、阿蘇くまもと空港へ到着。バスと路面電車を経由し市内へ。かつて熊本在住だった小説家で友人の海猫沢めろん先生に教えてもらった、ビストロ料理とナチュラルワインのお店〈クラシク〉でランチを済ませ、その足で〈橙書店〉へ。ギャラリーと喫茶、文芸誌『アルテリ』の編集室も併設した書店で、コーヒーを一杯嗜んだ。歴史ある建物を利用した文化的発信地に感銘を受けつつ、九州新幹線で水俣市へ移動。今回の宿〈昇陽館〉で1日目の疲れをゆっくり癒した。

DAY2彫刻家・小田原のどかさんとの交流をきっかけに実現した今回の旅。小田原さんアテンドのもと、まずは〈つなぎ美術館〉の屋外アート作品を鑑賞する。住民参画型の小田原さんの展示ほか、数々のアート作品に触れた。その後、水俣市へ移動し不知火海を望む〈福田農場〉で魚介のパエリアをいただく。最後は〈水俣病資料館〉と〈水俣病歴史考証館〉へ。デモ行進で使われた旗など被害者側のリアルな展示に心打たれながら、水俣病の歴史を知る機会となった。

DAY3地中海のような過ごしやすい気候で、天気にも恵まれた3日間。綺麗な朝焼けを見ながら宿の〈昇陽館〉をあとにし、阿蘇くまもと空港へ。待合室では読書をして過ごし、お昼には帰宅の途に。

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季節問わず、普段から溺愛しているという保湿クリーム。ナイトクリーム代わりに使えば、旅先でも肌の調子はバッチリ。

photo_Hikari Koki text_Ami Hanashima

No. 1227

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47都道府県、あらゆる県のあらゆる町に、まだまだ私たちが知らない、おいしいものが待っています。 1県たりとも食べ逃したくない! そんな食いしん坊心で、「47都道府県・全県グルメガイド」ができました。ガイド役は、各県に暮らす食通、総勢47名。それぞれの県から1箇所ずつ、今行くべきグルメエリアをピックアップし、在住者の目線で「おいしい地元案内」を披露してもらいました。郷土料理、食堂、スイーツ、ご当地土産、B級グルメから、グルメと併せてチェックしたいアートスポットやパワースポットまで、旅の目的地はなんと合計282スポット …

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