寝床のなかで足が冷たくなる季節がやってきました。冷え症も大敵ですが、冷えによって寝つきが悪くなるのも困りますよね!ただでさえ足りない睡眠時間、しっかりグッスリ寝たいもの。冬の快眠対策はやっぱり!入浴です。

とにかくお風呂に!入るだけで安眠効果あり

「忙しくてお風呂入ってる時間がない〜」という方も多いと思います。が、そんな人こそ、お風呂へゴー!そして、忙しい人の入浴効果を高めてくれるアイテムが入浴剤です。「入浴剤なんて気休めでしょー?」と思っている方も多いと思いますが、実は気休めではないのです。

入浴剤には主成分として「硫酸ナトリウム」や「炭酸ナトリウム」「炭酸水ナトリウム」などが入っているのですが、これらが皮膚表面のタンパク質と結合し、膜を形成します。この膜が皮膚からの熱の放射を防ぐため「湯冷めしにくい」(日本浴用剤工業会)という効果があります。

炭酸ガスが皮膚から血管に入って血管を広げるってホント?

美容によいとされる炭酸水人気がすっかり定着しましたが、温泉界では昔から「炭酸泉」が人気を集めておりました。そして今シーズン、入浴剤コーナーでブクブク人気上昇中なのが炭酸系入浴剤です。文字通り炭酸が入った入浴剤です。浴槽に入れるとブクブクするのは炭酸ガスです。

それにしても炭酸ガスといえばCO2。何がそんなに体にイイというのでしょうか?

バスクリンのお風呂博士、石川泰弘さんに説明してもらいました。

睡眠にも詳しいバスクリンお風呂博士の石川泰弘さん。

はじめにお風呂の効果から。

「お風呂に入るだけで体温が上がり血液循環が良くなります。お風呂に入った人とシャワーだけの人の“お布団に入ってからの足の冷え方”の比較実験を行ったところ、お風呂に入った人の方が早く足が温まること、また就寝後60分で副交感神経が優位になっていることがわかりました」と言います。

炭酸ガスが代謝を早める!?

次に炭酸ガスの効果はというと?

「炭酸系入浴剤を入れると、はじめシュワシュワ〜と泡が立ちますね。この泡が消えたあとにも炭酸ガスはしっかりお湯に溶けています。そして皮膚を通して炭酸ガスが血管の中に入っていきます。すると血液中の炭酸ガス濃度が上昇します。体はつねに“元の状態”に戻ろうとする習性がありますので、炭酸ガス濃度が高まると、それを早く排出しようとして代謝を早めます。つまり温浴効果を高めて血のめぐりがよくなるので、さらに血行がよくなるというわけです」

お湯の熱と炭酸ガスによって血管が広がり、血流量アップ!  温泉ミネラル分は皮膚上にとどまり保温、保湿に役立つ。

ちなみに、私たちは常に呼吸によって二酸化炭素を外に放出していますので、血中に炭酸ガス(二酸化炭素)が残って大変、ということにはなりません。

10分間の入浴中と入浴後の血流を示したグラフです。ピンクの線が炭酸系入浴剤を使用した場合。黒い線が使用していない場合です。炭酸系入浴剤を入れたほうが血流が増加しています。データ提供:バスクリン

「お風呂にゆっくり入っている時間がない〜」とお嘆きの方も、炭酸ガス入り入浴剤を使うことで短い時間でもより温まることができます。特に冷え症の人、10分でいいからお風呂に入りましょう!足が冷えてなかなか寝つけない、その10分をお風呂に!

後編では今シーズンの炭酸系入浴剤をご紹介します。後編に続きます。

入浴剤を使えば血流アップで保温効果アップ!