プロはやらない。「美人顔」をマイナスに見せるNGメイク

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そのときどきで移り変わるメイクのトレンド。長らく続いていた“ツヤ肌”から、2017年に入って“マット肌”に注目が集まっています。

もはや、トレンドというのは、消費者が作りだすムーブメントなのか、メーカーが仕掛ける戦略なのかというのは、グレーな部分でありますが、私たちにそんなことは関係ありません。

自らを、いかに自分らしく美しく見せることができるか、それに尽きます。しかし、トレンドを取り入れたつもりでドヤ顔をしていても、実はそのメイク、マイナスに見えていることも……。

そこで今回は、せっかくの美人顔をマイナスに見せてしまうNGメイクを、メイクアップアーティストで美容家である筆者がご紹介します。

“ハイライト”は雑誌どおりに入れるべからず

雑誌で見かけるメイク特集。どのモデルをみても、パッチリ二重、もしくはオリエンタル一重のメイク映えする面々ばかり。“ハイライトは、ここに入れるのがマスト!”なんていう言葉におどらされてはいませんか?

よく考えてみてください。人は、それぞれ骨格、顔のかたちが異なります。それにもかかわらず、雑誌に載っているとおりにハイライトを入れて、あなたに似合う確率はどのくらいだと思いますか?

あくまでも、雑誌に載っているのは、そのモデルの顔型に合わせたハイライトの入れ方。面長、逆三角形、ベース型など、それらの人も同様の入れ方か?と問われれば、厳密にいうと答えはNO。

コンプレックスを助長するメイクになってしまう場合もあるので、ハイライトの入れ方には特に注意が必要です。

美肌をファンデーションで“塗り固め”

我々プロは、素材を大切にします。ここでいう素材というのは、メイクをされる側の人を指します。メイクは、絵と同じように、上に上に重ねていくもの。

しかし、土台が美しければ、その土台の美しさを損ねないように、より美しさをブラッシュアップさせるのがメイクの根底だと考えます。

最近よく見かけるのは、せっかく肌がキレイなのに、顔全体をファンデーションで塗り固めてしまっている女性。ファンデーションは、“必ず顔全体に塗らなければならないもの”と勘違いしている方は少なくありません。

しかし、ファンデーションとは本来、肌を美しくみせるために、カバーしたい色ムラなどのトラブルがある箇所を重点的につけるのが理想的なものなのです。

そのため、せっかくキレイな肌をしているにもかかわらず、顔全体にくまなくファンデーションをつけてしまっては、せっかくのあなたの素肌美が損なわれてしまいます。

ファンデーションは、毛穴、色ムラ、目の下のクマなどを含めた肌トラブルを重点的につけたら、その他の部分は、スポンジや手に余ったファンデーションを伸ばす程度でOKです。

トレンドを取り入れすぎた“うるさい”メイク

“トレンド”と一言でいっても、アイブロウ、アイシャドウ、チーク、リップ、それぞれあります。しかし、それらのすべてを1回のメイクに取り込んでみるとどうでしょう、想像はつきますよね。

なんとまぁ、顔中がてんやわんやの状態に……。

洋服でもそうですよね。トップスはこの色にして、ボトムはこれが流行っているからこの形……好きなものをすべて身につけて全体的に見てみると、実はアンバランスになりがち。

メイクもそうなのです。すべてのトレンドを取り込もうとすると、どうしても“うるさい”メイクになることも。そのため、トレンドをスマートに取り入れたメイクにするには、どこかにポイントをつくるなど、全体のバランスが大切になってきます。

いかがでしたか? 例えば、今日はリップをトレンドの赤みセミマットを取り入れて、明日は、ベージュピンク系のモテカラーのチークをポイントにしようという感じで、日替わりのトレンドメイクを楽しむのが美容賢者のたしなみです。

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※ Anna Demjanenko / shutterstock

【筆者略歴】

黒木絵里

外資系化粧品メーカー2社を経て独立。現在「Eri Kuroki Make-up solution」代表として人材育成やメイクセミナー、コスメ・メイク監修などの美容コンサルティング業務をおこなっている。