【ブランド牛】香川県のプレミアム黒毛和牛「オリーブ牛」を食べてきた

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「うどん県」と改称しただけあって、香川県といえば「讃岐うどん」を真っ先に思い出す方も多いはず。実は香川県の牛肉生産の歴史は古く、飛鳥時代から牛の肥育がはじまり、時代が下って明治・大正には京阪神地区に「讃岐牛」としてブランド牛を送り出していたそうです。

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この讃岐牛に、小豆島名産のオリーブを食べさせると、さらにいいお肉になるのではないかと肉牛農家の方が発想し、肥育に成功したのが「オリーブ牛」なんですね。

小豆島で生産されるオリーブは、果実ごと出荷されるものもありますが、大半は圧搾してオリーブオイルに加工されます。この際に、残渣(オリーブ油を絞ったかす)が出るのですが、オリーブ牛の飼料として活用するまでは、堆肥として土に戻していたそうです。

オリーブ油の絞りかすを飼料に活用しようと考えたのはよかったものの、乾燥するのに手間がかかります。それに加えて、オリーブの絞りかすは、渋味が強く、そのままでは牛が食べたがりません。「渋柿でも干すと甘くなるのだから、牛が喜んで食べる方法はあるのではないか?」という発想から実験を重ね、一定の条件で乾燥させるとメイラード反応を起こし、プリンのカラメルソースのような甘い風味になることが分かりました。牛も喜んで食べることから皿に改良を重ね、平成24年には、オリーブ牛をブランド化し、現在は増産体制を整えて、全国各地にプロモートしています。

セミナーの試食では、すでにブランド化している讃岐牛、そしてオリーブ牛のモモ、ロース、バラ肉をご用意いただきました。

他の試食での統計によると、モモやロース肉を召し上がった方は、牛肉独特のまったりとしたうまみと脂の濃厚な風味が口の中に広がるものの、いつまでも口の中に脂が残らないさっぱりした風味だという意見が多いようです。いったいどんな感じなんでしょうか。

では、早速オリーブ牛のもも肉から。
焼き始めると、牛肉の脂のにおいがのぼってくるのですが、脂のくどい感じの臭いがまったくしないんですね。こころなしか、オリーブの香りがするような気もしました。

さっそく、焼き上がったオリーブ牛のもも肉を取り分けていただいて、試食してみました。お肉の味が一番よくわかるように、岩塩とオリーブ油をかけて試食。

驚いたのは、もも肉だけあって、しっかりした歯ごたえはあるけど堅くはない。それでいて、牛肉の脂とオリーブ油の違いが口の中ではっきりわかるんです。牛肉のうまみが口に広がったと思うと喉を落ちた後は、口の中にしつこく残らず実にさっぱり。お肉を食べると、お茶や冷たい水で口の中をさっぱりさせたくなることがありますが、そういった欲求がまったく起きないです。濃厚なうまみを含んだ脂があるのに、さっと口の中で引いていってしまう快い口当たりです。

続いてオリーブ牛のロース肉を焼いていただきました。食べ方は、同じく岩塩とオリーブオイルのみ。

もも肉をいただいた時に、もも肉らしい適度な歯ごたえがありながら、やわらかい食感に驚きましたが、このロースもまた独特な柔らかさです。

歯でかみ切る食感を楽しめるけど、堅いという不快感はまったくない食感です。それでいて、お肉全体から、オリーブオイルとは別のうまみをまとった上品なうまみの脂がしみ出てきて、言葉を失う感じでした。肉と脂のバランスが一番取れているロースの部分だからなのかもしれませんが、塩だけで食べて、これだけうまみを感じるのは、お肉のうまみがそれだけすごいということでしょう。

なにより驚いたのは、もも肉と同じように、食べ終わった後に、口の中に脂のくどさがまったく残らないことです。ほんのりお肉の香りは残りますが、お茶をいただいて口直しをしたくなるくどさは、まったくありません。

続いて、オリーブ牛のバラ肉を焼いていただきました。食べ方は、モモやロースと同じく、塩とオリーブ油のみです。

こちらも、もも肉やロース肉と同じく、脂のくどさがまったくありません。バラ肉といえば、一番脂肪分が多い部分です。たしかに、口にすると、脂の多さは感じますが、くどさはまったく感じません。それでいてやわらかく、たとえていうなら、上質な香り高いクリームと肉のうまみを一度に口にしたような感じですね。

バラ肉を焼いて食べる時、脂のくどさと後味が口に残らないように、焼き網の上で脂を落として召し上がる方も多いと思います。オリーブ牛については、そういった不快感は全くなく、脂のうまみがさっと口に広がって、飲み込む頃には、かすかな香りを残すだけになっています。牛肉の中でも、独特の食感だと思います。

■ニーズを受けて増産体制へ 香川県外は、一部の飲食店やお取り寄せで

さすがにクオリティの高い牛肉だけ会って、近年ではニーズも高まり、香川県では増産体制を構築しているそうです。とはいえ、香川県外では、京阪神への出荷が中心で、今後増やしていく予定ではあるものの、現時点では首都圏まで大量に供給するには至っていないとのこと。

オリーブ牛をいただくには、広報の公式ホームページ「みーとみゅーじあむ」に掲載されている販売店から取り寄せるか、飲食店で召し上がるのが確実。

首都圏では、東京・銀座の Sun-mi TAKAMATSUが和洋食で、オリーブ牛を提供しているので、ご利用されるのもいいかもしれませんね。