江の島行列店の「丸焼きたこせんべい」に使われるタコは1日何匹なのか? 徹底調査してみた

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<横浜のココがキニナル!>
江の島で行列ができてる店のたこせんべいに使われるタコは1日何匹くらいなのでしょうか?(ハ毛さんのキニナル)

■タコが悲鳴をあげるせんべい?

「たこせんべい」にもいろいろあるが、江の島で行列のできるたこせんべいといえば「あさひ本店」の「丸焼きたこせんべい」だ。

その特徴はなんといっても、タコをその姿のままプレスし、ぺしゃんこにするシンプルかつ豪快な作り方。

店先で実演販売しているので、そのもうもうと上がる蒸気とタコの悲鳴のようにも聞こえるキュルキュルという破裂音や立ちのぼる香りに惹かれて、つい行列に加わってしまったという経験がある人もいるのではないだろうか。
 

たこせんべいは1枚300円。食券を券売機で事前に購入する。食べ歩き用とお土産用を選ぶ事ができるが、たいていのお客は食べ歩き用を選び、あつあつのせんべいを紙袋に入れてもらい、歩きながらパリパリと頬張っている。

横浜から遊びに来たという母娘(50代と20代)は「店の事は前から知っていて、今日はそんなに並んでいないから」と購入していた。食べているところの撮影をお願いしたが首を横に振られてしまった。
 

調査依頼は、このたこせんべいに一日何匹くらいのタコが使われているのかというもの。

これは店の人に聞くのが一番てっとりばやく確実だ。

さっそく店内を訪ねると、株式会社あさひ本店社長の米井満(よねいみつる)さん自らが対応してくれた。

「一日に何匹くらいって? うーん、キロ単位でやってるから何匹かって言われてもねえ」

と言いつつも、たこせんべいを作る工程を紹介してくれるとの事。

■丸焼きたこせんべいができるまで

これは冷凍輸入されたイイダコを解凍、洗浄しているところ。

たこせんべいの原料になるイイダコは季節によって採れる産地が変わり、今の時期はタイやベトナム産だという。

このシンクいっぱいのタコでだいたい240匹くらいになる。

見せてもらった工程はすべて手作業、かつシンプル。
そして味つけされたタコはプレス機の待つ店頭へ。

立ち上る蒸気と大きな音。既におわかりかと思うがタコは解凍されたものなので、あのキュルキュルという音は「タコの悲鳴」ではなく、水分が蒸発していく音である。

しかしかなりのインパクトである事にかわりはない。
 

2分足らずであのタコがプレス機いっぱいに伸され、紙のようにペラペラになっている。

マーブル模様のようになった吸盤が生々しい。
 

「プレス機は繁忙期には最大で7台稼働させます。お正月やゴールデン・ウィークなんかはそれでも80人くらい行列ができて1時間待ちになる事もありますね」と米井社長。

原料のタコは平日のような通常期で一日あたり80キロ、多い時には150キロを消費し、年間では約40トンになるという。

「キロ単位だから何匹かって言われても…」というのも納得の消費量だが、タコ1匹を60グラムと換算すると、通常で1300匹以上、多い時には2500匹が一日に使われている事になる。

■たこせんべい、クラゲせんべいに続くのは?

9年前から始めたという丸焼きたこせんべい。

意外に新顔な名物が生まれたきっかけを聞いてみた。

「江の島の新名物を考えていたんです。以前は紫芋をあつかったり、ノンアルコールビールも島で最初に始めたりしたんですが、すぐに真似されちゃってね。だから誰も真似できない事をやろうと。

試行錯誤はありましたが、これは見ていて楽しいじゃない。蒸気があがって大きな音がして、お客さんが楽しんでくれるからね。材料はタコだけでそれも目の前で焼くから安心感もあるし。4年前からは同じ手法で丸焼きクラゲせんべいも始めました」

 

試行錯誤の連続だったという丸焼きたこせんべいも今では7店ものフランチャイズ(加盟店)が展開されるまでになった。

江の島の山頂付近のガーデンパーラー店、鎌倉長谷店等の近場もあるが、千葉の鴨川シーワールドや山口の下関といった他県にも進出しているという。

「今月24日には、新しい商品もお目見えしますよ」と米井社長は新製品情報を教えてくれた。

それはいったいどんな新商品なのか?

「店舗を一部改装して、これも目の前で焼きあがるのを見てもらえるようにします。しらすとえび、2種類のせんべいが筒からプレスされて8秒に一度パカンと飛び出してくるっていうせんべい、その名も『パッカンせんべい』というのを今準備中なんです。2枚で100円、乞うご期待ですよ」

■取材を終えて

「あさひ本店」はもともと土産物屋で、今でも店舗の半分は「朝日堂」として土産物を売っている。

新しい江の島土産、新しい名物をと、紫芋やノンアルコールビールの失敗にもめげず、行列ができるたこせんべいを成功させた米井社長。

土産屋のスペースをさらに改装して今後登場するという「パッカンせんべい」にかける期待も大きい。
「新名物で江の島を盛り上げていきたいですね」と語ってくれた。

なお、食べ歩きの際は頭上を旋回するトンビに気をつけてほしい。たこせんべいも狙われる場合があるそうだ。
(参考記事:『江の島の強敵! 食べ物を狙う「トンビ」今年の被害状況&危険スポット』 [ http://ure.pia.co.jp/articles/-/16395 ] )


※本記事の情報は2012年3月時点のものです


あさひ本店
住所/神奈川県藤沢市江の島1-4-8
電話番号/0466-23-1775
営業時間/8:00〜17:30



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