定食とセット、JPEGとPNG。「どっちかといえばこっち展」で見える境界線 #トーキョーごきげん倶楽部

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没入型のミュージアムや人気ブランドの展示会などが、注目を浴びている近頃。かくいう私・manamiも美術館などをめぐるのが好きなのですが、この前おもしろい展示を見つけたんです。

その名も、「どっちかといえばこっち展」。なんとも、めちゃくちゃゆるいタイトルですよね。

週末の2日間限定ということで、土曜日の早朝から1人で足を運んできました。とってもユニークだったので、ぜひ共有させてください!

知ったきっかけは1つのツイート



「どっちかといえばこっち展」を知ったきっかけは、過去に開催していた「やだなー展」を紹介するツイート。

クリエイティブディレクター・明円卓さんのこのつぶやきを見かけて興味を持ったのですが、残念ながら時すでに遅し…。




このツイートを見たときには、会期が終了してしまっていたのです。

そこで次の開催を待っていたところ、今回の「どっちかといえばこっち展」が12月17日(土)・18日(日)に開催される情報を発見。これは行くしかないと、表参道の会場に行ってきました!



会場に入って渡されたのは、こちらのクリップ。「何に使うの?」と思った方、この説明はまたあとで。

「どっちかといえば?」を永遠に考える



展示会のタイトルのとおり、「どっちかといえば…こっちかな〜?」とつい迷ってしまうような、お題が100個挙げられています。

たとえば、「小ライスと半ライス」「定食とセット」「末吉と小吉」など。絶妙な塩梅の選択肢が並んでいて、「うわ〜いいお題だわ〜」と思わずにはいられません。



「かしこまりましたと承知いたしました」、どっちかといえば「承知いたしました」かな。

「あざすとあざざます」、どっちかといえば「あざます」かも。

「タコパと鍋」、どっちかといえば「鍋」。もう寒くなってきたし、単純に家にたこ焼き器がないから。



「一輪と花束」、どっちかといえば「一輪」。

俳優の石田ゆり子さんが著書『Lily ――日々のカケラ――』の中で「花を一輪だけ買ってきて生ける」なんて素敵な言葉をつづっていたので、密かに憧れています。



「エクセルとスプレッドシート」、どっちかといえば「スプレッドシート」(ちなみに“スプシ”ではなく“シート”って言いたい派)。

「深爪とささくれ」、どっちかといえば…うう〜〜むずい!どっちも嫌に決まってる、けど、どっちかといえば「深爪」(の方がマシ)。

20〜30問見たくらいで、「どっちかといえば」のゲシュタルト崩壊が起こってきました。



今回の企画展の発案は、なんと学生インターンなのだとか。普段は意識していなくても、小さなところにこだわりが潜んでいることに気づき、選択する上での“ものさし”に注目したそうですよ。

たしかに何気なく選んでいくうちに、自分の境界線が見えてきたような?

「どっちかといえば」はまだまだ続くよ、どこまでも



自分でもくもくと考えるのも楽しいのですが、友達や恋人と話しながら答えるのもおもしろそうです。「そういう考えなんだ!」なんて、新しい発見も見つかるかも。



「ShiftとCtrl」どっちかといえば、たくさん使っているであろう「Ctrl」。



「(お手洗いの)奥と手前」、どっちかといえば「手前」。学校や職場で、謎にお気に入りの場所があったりしますよね。



「リボン結びと蝶々結び」、どっちかといえば「蝶々結び」。なんとなく。



“唐揚げのレモン問題”といえば、ドラマ『カルテット』のシーンが印象的。高橋一生さんのこじらせ演技が最高なんです。

ちなみに高橋さんが演じるキャラクターによると、「レモンかけますか?」でも「レモンどうします?」でもなく、「レモン、ありますね」が正解なんだそうですよ。

人の答えがわかるっておもしろいかも



ずらっと並んだ赤いポスト。ここで、最初にもらったクリップが活躍します。



2択の選択肢のうち、「どっちかといえば」どちらがいいか、選んだ方にクリップを入れる投票スタイル。

正直「どっちでもいい」お題もありましたが(笑)、私なりに考えて投票してきました。



そしてポストの下部分を開けると、投票結果を見られるようになっているんです。ほかの人がどちらを選んでいるのか、票数を見られるのはおもしろいかも!

ちなみに私は「PNG」派です。

正解・不正解はないよね



最近はSNSのコメント欄に踊らされたり、YouTubeの高評価・低評価によって良し悪しが決まったりするけれど、そういったものに左右される必要はないはず。

「どっちでもいいけど、私はこっち」そんな意思を大切にして、自分のものさしを持っていたいなと思わせる、すてきな内容でした!

この展示会、どっちかといえば「最高」だったな。