米ノースカロライナ州シャーロットで行なわれた民主党全国大会の最終日6日、どのセレブが正装して出て来るのか期待が高まった会場に、クールな星条旗Tシャツとジャケット姿で現れたのはスカーレット・ヨハンソン(27)だった。

先日の噂ではナタリー・ポートマン、スカーレット・ヨハンソン、もしくはケリー・ワシントンと3人の若いハリウッド女優の名が候補にあがっていたが、最終的にオバマ再選に対するコミットメントを一番見せたのは、2008年にもオバマ大統領のためにキャンペーンをしたスカーレット・ヨハンソンだった。(ケリー・ワシントンも、その前に短いスピーチをした。)

「きょう私がここにいるのは、若いハリウッドの代表としてではありません」と話し始めたスカーレットは、公共/非営利の福祉・教育サービスを必要とすることが多い若いアメリカ人の代表として来たのだ、と語った。

スカーレットはオバマ大統領とかなり親しく、メールをよくやりとりする仲だというが、彼女のスピーチのメッセージは「オバマ候補に投票してください」ではなく単に、「投票してください」というシンプルなものだった。

2008年には18~24歳の有権者の半分以上が投票しなかった例をあげ、「自分達の意見が反映されないという声が多い世代なのに、なぜその声を半分以下しか使っていないのでしょうか?」と訴えた。

4人のきょうだいがいる7人家族で、父親の収入が足りず転々と引っ越し、低中所得者のための公共住宅で育った、というスカーレット・ヨハンソン。その頃、母と投票所に出かけていって誇らしげに投票を手伝ったエピソードを明かし、観衆を微笑ませた。

「前回の選挙のときは初めて自分でそのボタンを押したので、興奮しました!『投票しました』(I voted)というバッジをもらって、それが最高のアクセサリーでした」と誇らしげに語る彼女に、好感を持たないことのほうが難しかっただろう。

医療保険制度を得られるか、(奨学金やローン制度を保ち)大学に行くことができるか、男女同一賃金を遂行できるか...それが全てこの選挙にかかっている、とスカーレットは述べて、「私が誰に投票するかは決まっていますが、皆さんに、誰に投票しろとは言いません。ただ投票だけは確かにしてください」と、非常に押しつけがましくない推薦の仕方をした。しかし普段はプライベートな彼女が最後に出したガッツポーズは、間違いなくオバマ大統領のためのものだった。
<民主党カラーの青に身を包むエヴァ>
もう一人昨日民主党大会で登壇したセレブは、『デスパレートな妻たち』で知られるエヴァ・ロンゴリア(37)。こちらはラティノと呼ばれるヒスパニック系有権者に、オバマ政権の実績をアピールした。

なんとも豪華な顔ぶれだが、若い層やマイノリティ、そして女性にアピールする今回の民主党大会のゲスト陣は、共和党の垂涎の的だったに違いない。(ケリー・ワシントンはアフリカ系アメリカ人。)

共和党は年々支持者の平均年齢が上がっており、マイノリティの出席者もほとんど皆無だったため、大会の「取材」に行ったコメディニュース番組『The Daily Show』は、「白人のお年寄りしかいない」「『マイノリティ見つけよう』ゲームをしたが、アフリカ系もアジア系もラティノ系もいなかった!」などとネタにしていた。

そこに現れたセレブゲストが82歳のクリント・イーストウッドだから、大会出席者に人気はあっても、新しい若い層の支持者は得られなかっただろう。

民主主義を唱えるわりに、投票率がイラクより低いアメリカ。浮動票をつかみ、より多くの支持者を投票所に導き出せた方が勝ちと言われているこの大統領選挙で、スカーレットとケリー、そしてエヴァのセレブパワーがどれだけ効果を奏するか見ものだ。

スカーレット・ヨハンソンのスピーチの全文はこちらで読めます。(英語)

<民主党大会でのスカーレット・ヨハンソンの演説>