トレーニングの成果が出ない! 生理に注目が正解

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トレーニングの効果が上がる時期は生理後〜排卵前

筋肉をつけるのに関係しているのは、男性ホルモンでもあるテストステロン。鍛えれば筋肉がつくのは、女性もこのホルモンを持っているからこそ。女性の場合、テストステロンが若干増えるのが「生理が終わってから排卵までの間」なのです。実際はテストステロンの量そのものは、女性の場合ほとんど変わらないのですが、テストステロンの大元であるDHEAは女性でも増えます。そこで、鍛えると筋肉がつくというわけ。

この時期は、女性ホルモンであるエストロゲンがピークの時期。むくみもなく、スッキリとしているこのタイミングに、筋力もより育ちます。また、女性は男性に比べ筋肉が小さいのですが、肥大率は変わりません。だから鍛えれば鍛えただけ、効果が得られるます!

女性にとってストレスは大敵

とはいえ久しぶりに運動する人は、いきなりハードなトレーニングは避けたいところ。その理由は、女性ならではの臓器と関係しています。

女性にとって大切な臓器というと子宮を挙げる人も多いけれど、子宮より先に卵巣への意識を高めましょう。その理由は、生理を起こすのも生理周期を作るのも、卵巣から分泌する女性ホルモンだから。エストロゲンとプロゲステロンがあり、その分泌リズムが狂うと、さまざまな不調を引き起こすことになってしまうのです。

リズムを狂わせる大きな原因が「ストレス」。卵巣から女性ホルモンを分泌するという信号は、最初は脳内にある視床下部、そこから下垂体を経由して、卵巣に届くことになります。しかしストレスがかかると、視床下部からの信号に影響し、女性ホルモンの分泌を遅らせてしまいます。
女性の場合精神的なストレスだけでなく、身体的なストレスも大きな要素。だから血流内皮機能から言うと、急に負荷の高い激しい運動を始めるのはNGなのです。段階を踏んで、徐々に身体を運動に慣らしていき、小さなストレスの積み重ねを体が受け入れるように組み立てていきましょう。

効率的なのは生理周期を考えたトレーニング

生理期間中は、出血によってタンパク質を失いながら過ごしています。また、最初の一日半くらいは、血液を排泄するために、子宮内膜を収縮させる作用が起こるため、痛みがあるなどつらくなりがち。体としてはあまり頑張らなくていい時期となります。ただし、血液を失い身体がむくみやすいので、しっかりとストレッチするのはおすすめ。生理期間中でも心身ともに変化なし、という人は、自分自身に確認しながら適度なトレーニングをすればOKです。

生理後半は、前半の子宮の収縮によって起こった冷えや、骨盤の血流の悪さを解消するためにも積極的に動きましょう。

 

ライター:幸雅子

出典元:『Training for Woman』「トレーニングするなら知っておくべき女性の身体のこと」
監修:高尾美穂(産婦人科医。医学博士。婦人科スポーツドクター。女性のための統合ヘルスクリニック イーク表参道副院長。)