お腹が空く本 Gooooooo Books vol.006

写真拡大 (全4枚)



コミック、エッセイから、絵本、レシピ本まで、ページを読み進めると思わずグーーッとお腹が鳴ってしまう、食欲刺激系の本を、“食”にまつわる本棚プロデュースやイベントなどを通じて、いろんなおいしいを提案・表現する〈COOKCOOP〉のブックディレクター・鈴木めぐみさんがピックアップ!

◆COOKCOOP 鈴木めぐみさん選

『パリの晩ごはん』

ホタテのクリームソテー・タラとエシャロットの白ワインソテー・ノルウェー風オムレツ・マドレーヌ。これは、パリに住むある家族の、ある日のメニュー。まるでレストランのメニューブックを見ているよう。

今週ご紹介する『パリの晩ごはん』は、「フランス人は、普段、家でなにを食べているんだろう?」という素朴な疑問から、ライター・写真家の安田知子さんが17組の家族のある日のごはんを“突撃”した、家メシルポ。気取りがないけど、それはそれはおしゃれな料理がテーブルに並び、気もちは一気にパリへ…。

また、料理はさることながら、テーブルコーディネートやインテリア、フランス人の暮らしぶりが垣間見えるのも面白いんです。たとえば、フランス人にとって“ステーキ&フライドポテト”は一般的なごはんだということ、食後のデザートとカフェはしっかり楽しむということ、家に友達を招いてごはんを食べる機会が多いということ…などなど。

普段の食卓を通して、そこに住む人たちの“いつも通り”を知ることができるって、とてもステキだなと思います。パリの空気感がひしひしと伝わってくる一冊です。



『パリの晩ごはん』文・安田知子 平凡社 1728円



COOKCOOP
鈴木めぐみさん

食を中心とした雑誌の編集者を経て、料理本専門書店〈COOKCOOP〉のブックディレクターに。現在、実店舗は持たず、ブックセレクトや食関係のイベントの企画運営に携わっている。