何をやっているのかよくわからないが、発言がやたらと炎上して芸能ニュースになるタレント、ダレノガレ明美。『週刊文春』6月16日号(文藝春秋)に、カフェで商社マンと体を密着させ、夏の旅行プランを立てながら「エコノミーでも平気」「向こうでも寝かせないから」と会話していたことが報じられた。

まだ25歳なのに、交際報道に年季が入っている

報道当初は熱愛を否定していたが、6月19日に出席したイベントで一転して交際を宣言。否定した理由について「文春に写真を撮られたのが交際2日目だったから」と言い訳していた。また、6月26日放送の「上沼・高田のクギズケ!」(読売テレビ系)に出演した際は、文春の記事は「一文字、一文字、全部合ってます」と笑っていた。

不倫報道を全面否定してひんしゅくを買ったベッキー騒動をふまえると、早い段階で「一文字、一文字、合ってます」と認めるなんて、なんともほほえましいこととして受け入れられてもいいはずなのだが、なぜかダレノガレの場合、共感はもちろん支持もしづらい雰囲気がある。過去には公式ブログで「2年ぶりに彼氏ができました」「ずっと彼と一緒にいれますように」と報告したこともあったし(2013年7月3日)、テレビ番組で「23回浮気されたことがある」と発言したこともある。まだ25歳なのに、交際報道に年季が入ってしまっているのだ。

セックスについても赤裸々に語る

しかも、である。つい先日、6月16日深夜放送の「木曜JUNKおぎやはぎのメガネびいき」(TBSラジオ)にゲスト出演した際、「あたしマジで声出し過ぎて、次の日、声出なくなります。めっちゃ動くし、めっちゃ声出しますよ。攻め合いすぎて結構相手がびっくりしちゃうぐらい」とセックスについてあけすけに明かしたほか、「1年半くらい前に初めて(潮を)吹きました。自分でもびっくりしちゃった」とも堂々告白していた。そして、これも芸能ニュースとして広く配信されたのである。

この発言は下品な話題が大好きなネット掲示板においても、「下品」「不愉快」「ネタとしてもバカ」「ここまで言っちゃうんだな、今のタレント」などと批判を通り越して呆れられていた。潮吹き告白と交際宣言を比較すると、圧倒的に交際宣言は弱い。ダレノガレ発言がダレノガレ本人を潰してしまったと言っても過言ではない。

デビュー時は実父の虐待を告白していた

振り返れば、このダレノガレ現象はデビュー時から一貫して起きていた。『JJ』2012年7月号(光文社)でモデルデビューを飾った直後、2012年10月7日に放送された「サンデージャポン」(TBS系)に出演したダレノガレは、児童虐待のニュースに絡めて自分が実父に殴られたりお風呂の水に沈められたりといった虐待を受けていたと告白した。また、同日の公式ブログでも「私はみんなを笑顔にしたいからモデルになりたいと思ったし、私がどうこう言われても、このような事件が少しでも減るなら自分がなにを言われても大丈夫だからと説得し発表させていただきました」と語った。

ダレノガレが誰なのか、本当に世間によく知られていないうちに、この展開。案の定、虐待告白はスポーツ紙やネットニュースで報じられた。これだけあけすけでわかりやすく強烈なことを言うのだから、バラエティ番組や芸能ニュースではさぞ扱いやすいことだろう。しかし、都合のいいオンナとモテる女が別モノのように、扱いやすいタレントと人気があるタレントはまったく別モノだ。グラドルが名前が売れたら服を着ていくように、梨花が汚れキャラを封印してモデルに専念したように、いつかダレノガレもキャラ変をするつもりなのかもしれない。

きっとずっと何者なのかわからない

キャラ変の可能性は大いにあるとはいえ、とりあえず今はいわゆる「炎上タレント」のジャンルに入っている。その燃え方の野焼き感たるや。枯野原に本人や番組が火をつけて、立ち上る煙を私たちは遠くから眺めているような、むなしいことこの上なし。そして、私たちはつぶやくのだ。「ダレノガレって誰よ……」。ここまできたら、B級タレントというよりも、むしろ一流の、A級ストレンジャータレントといっていい。ずっとダレノガレって誰よ、何者よと言われ続けるに違いない。

最近はこの手の人が増えている。加藤紗里もそのひとりだし、他にもタレント、作家、漫画家などなど広範囲で「何者かよくわからないが騒いでいる人」という認識の人が結構いる。日常生活でもたまに出くわす。衝撃的な言葉を武器のように振りかざしたり、“毒(笑)”をほうぼうで吐きまくったりしながら、野っ原に火をつけて大騒ぎしている。まあ、その様子はおもしろくなくもないが、もう飽きた。

(亀井百合子)