「素直な心でいるほうがカッコいい」島崎信長×内田雄馬が壁を取り払った瞬間
全世界でコミックス累計発行部数3000万部を超えるヒット作『フルーツバスケット』が、完全新キャスト&スタッフによってアニメ化されるーーと一報が入ったとき、ネットは騒然となった。
草摩由希役に島﨑信長。草摩 夾役に内田雄馬。原作ファンからも大きな注目を集めている期待作だけに、プレッシャーを感じているのではないだろうか。
島﨑は、「自分のことはわからないけれど…」と謙虚な語り口で、この座組がベストキャスティングだと口にする。不思議なことに、主人公の本田 透役の石見舞菜香を筆頭に、島﨑、内田ほかキャストたちも、演じる本人とキャラクターが自然とリンクしてくる部分があるという。
逆境に負けず、過去や現在の自分と向き合う主人公たちの姿と、「人間は前に進む生き物だ」と語るふたりの姿が重なって見えてくる、アツい対談となった。
スタイリング/宇都宮春男(YKP)【島﨑】、奥村 渉【内田】
ヘアメイク/瓜本美鈴(e-mu)【島﨑】、尾関真衣(addmix B.G)【内田】
オーディションから時間をかけて丁寧に作られている
- アニメ化を知ったときの心境からお聞かせください。
- 島﨑 『フルーツバスケット』という作品自体はもちろん知っていたんですが、まさか再びアニメ化されるとは思っていなかったです。びっくりしましたもん。
- 内田 驚きましたよね。
- 島﨑 原作を読んだことはなかったのですが、みんながすごく素敵だと言う偉大な作品があったんだな、という認識でした。
- 内田 たしかに、僕もそうでした。
- 島﨑 で、オーディションの前に原作を読んだらめちゃくちゃ面白くて! 面白すぎて、いただいたところまではぜんぶ読んじゃいましたもん。「何これっ、おもろっ!? めっちゃいいやんっ!」って。
- 内田 そうそうそう!
- 島﨑さんと内田さんは、訳あって主人公の本田 透が同居することになる草摩由希と、草摩 夾を演じられます。キャスティングはオーディションで決まったとお聞きしました。
- 島﨑 オーディションでは、「この役も受けていいんだ!」という意外な役も含めて、多くのキャラクターに挑戦させていただいたんです。ほかの声優さんも複数キャラを受けていらっしゃいました。
- 内田 僕もそうでしたね。
- 島﨑 いろんな可能性を探っているんだろうなって。たくさんの候補者が複数の役を受けると、それだけ選択肢が増えるわけで、判断するのが大変になると思うんです。時間もかかりますし。なので、オーディションの段階から、かなり力を入れている作品なんだなと感じましたね。
- おふたりが受けた役について、お聞きしてもいいですか?
- 島﨑 それは秘密にしたほうがいいんじゃないかな?(笑) でもひとつ言えるのは、由希以外に夾も受けました。
- 内田 …僕は記憶にないんです…(笑)。というのも、正直、できるなら夾を演じたい!と思っていたんです。なので、そこを狙っていたというか。
- 島﨑 スゴいね!
- 内田 複数キャラを受けさせていただいたのですが、自分がチャレンジしてみたいのは夾だと思っていたので…だから夾以外は覚えていない(笑)。
- 島﨑 それは素晴らしいと思う。
- なぜ、夾を演じてみたいと思われたのでしょうか?
- 内田 夾は感情の振り幅が大きくて、衝動的に感情を解き放ったり、かと思えば不器用に表現したり…。自分とは感情の出し方がまったく違うところに面白さを感じたんです。
結果として自分とリンクしてくる要素もあったのですが、僕はもともと自分と違うタイプの人を演じてみたいという思いがあって。「深く掘り下げてみたいな」と興味がわいたんです。 - 自分と違う役を、あえて演じたいと考えられたんですね。
- 内田 生い立ちも違えば、体格も性格も違う人物を掘り下げていくと、最終的に自分とはかなり違う存在になるはずなんです。でも自分が演じている以上、自分の感覚がそのキャラクターのどこかに表れるんですよ。それが混ざったときにどうなるのか、想像したら面白そうだなって。
- 島﨑さんは、オーディションにどのように臨んだのでしょうか?
- 島﨑 僕は、オーディションでは作り込みすぎないほうがいいと思っているんです。自分も経験があるのですが、原作がすごく好きで作り込みすぎてしまうと、芝居が固くなってしまう。もしくは「すごく合ってる!」という仕上がりになったとしても、それ以上にはならなかったりするんです。
- それ以上?
- 島﨑 原作を読んだときに感じた以上の“何か”や“可能性”がなくなるというか。+αがない。映像化したときに「新しい何かを見せてくれるんじゃないか」という期待感がなくなってしまうというか。どこか、掴みきれない部分があったほうがいいと思うようになってきたんです。
それと今回じつは、由希に受かるとは思っていなかったんです。 - なぜでしょう?
- 島﨑 僕、由希の内面がすごく好きで。原作を読んだ時点で気になるキャラは由希だったんです。考え方に共感できる部分も多かったし、悩みながらも前に進んでいこうとする姿勢も好ましいし、最終的に…ってこれはまだ言えないけど(笑)。
- 内田 それ以上はネタバレですからね(笑)。
- 島﨑 とにかく、由希のことを好きだなと。ただ、思い返すと僕、由希に近いトーンのキャラクターに選んでもらったことは過去にも何度かあるんですが、自分ではそのラインが得意だとは思っていなくて。
- そうなのですか?
- 島﨑 だから由希も、もっと声が高くて女性的な方や、もしくはもっと鋭い感じの方になるのかなと思っていたんです。僕は由希が好きだけど…受からないだろうな…と。もちろんオーディションでは一生懸命やるんですけど。
で、結果として、そういう役って案外受かったりして。 - 内田 なるほど。たしかにそうかもしれないです。
- 島﨑 気負いがないからいいのかもしれないよね。逆に、「これはいける!」と変に力が入っちゃうと…(笑)。「無理かもしれないけど、楽しくやってみよう!」というスタンスがよかったのかもしれないです。
客観的にどうかはわからないですが、いざ収録が始まってみたら、やっぱり由希は簡単ではないけれど演じやすいなと感じています。一緒に歩んでいきやすい子ですね。
夾も雄馬も壁を作らないけど、由希と信長は壁を作る!?
- 由希と夾をどんな人物だと捉えて演じていますか?
- 内田 夾は、表面的にはとっつきにくいと思うんです。でも、相手に噛みついたり反抗するのは、彼なりの人との距離の取り方というか、自分が安心できる場所の守り方だと思っていて。
たとえば、相手を心配するときに「大丈夫?」と素直に声をかけられればいいのですが、そういう距離の取り方ができないんです。でも心の中では相手のことをすごく考えていて、むしろ気にしすぎてしまうから、逆に近寄らないようにしているのかな。
不器用だから、自分の中でその気持ちをうまく処理できなくて、ぶっきらぼうに接してしまうんでしょうね。 - すごく繊細なんですね。
- 内田 繊細なぶん、自分が傷つくことや相手を傷つけてしまうことへの恐怖を感じていると思うんです。そんな繊細さに、彼の優しさを感じます。
- 夾を演じるうえで大事にしていることは?
- 内田 最初のうちは、物語が進むにつれて、彼の優しさをどれくらい出していけばいいんだろう…と頭の中で考えながらやっていたんです。でもそんな計算は必要なくて、透から掛けられた言葉や由希との掛け合いを経て、自然と表現の幅が変わっていっています。
今は、自然と夾になれている感覚がすごくあります。これからも、周りの言葉をよく聞いて、いい意味で考えすぎないで芝居をしていけたらいいなと思います。
- 先ほど「夾と自分がリンクしてくる部分もある」とおっしゃいましたが、どんなところでしょうか?
- 内田 夾はちょっとお節介というか、人を放っておけないところがあるんです。そこは近いなと思いました。
相手に対して「どうでもいい」とは思えなくて、「こんな表現しかできないけれど、相手のために何かしたほうがいいんじゃないか?」と考えてしまうんです。
うまくはできないですし、うまくできないことで結果、自分の立場を危うくしてしまうこともあるのですが…。 - 島﨑 うん、僕も夾と雄馬くんは似ていると思う。夾は、人と距離を置くときに壁は作らない。姿は見える状態で距離を取って、「シャー」って警戒しているイメージ。雄馬くんも壁は作らないよね?
- 内田 壁は作らないかもしれないですね。
- 島﨑 距離は取るけど。
- 内田 そうですね。
- 島﨑 逆に、すごく近づいて来てくれることもあるし。
- 内田 わりと、常にオープンな状態ですね。「僕、こういう人だけどいいですか?」というスタンス。「自分をこういう人に見せたいんです!」という自意識もないです。
- 島﨑 そう、それ! 夾も雄馬くんも壁を作らないけど、由希と信長は壁を作るんですよ。
- 内田 今、すごく腑に落ちました。でも僕自身も、壁を作っていた時期もあったんですよ。
- 島﨑 うんうんうん。
- 内田 たぶん2年前とかに、その壁を取っ払った瞬間があって。それがあったから、今はオープンに人と接することができるようになったんです。
- 島﨑 だから、周りがちゃんと見えてるんだよね。夾も、じつはちゃんと周りを見てるんですよ。壁を作らないぶん変なフィルターがかからないから、臆病で繊細な部分はありつつ、まっすぐ世界を見ている。
表面上「器用」に見える由希は、夾以上に「不器用」かも
- 先ほど、「由希と信長は壁を作る」とおっしゃったことについても聞かせてください。
- 島﨑 「壁を作る」なんて言いましたけど、夾がわかりやすい不器用だとしたら、由希はわかりにくい不器用なんです。
- どういったことでしょう?
- 島﨑 夾は、イヤなものはイヤと言うんです。本当の気持ちを、ちゃんと表に出せる。ぶっきらぼうだからとっつきにくいけど、一度近づいてしまえば仲良くなれる。
でも由希は、本心を隠しちゃうんです。
学校では王子様なんて呼ばれて愛想よく振る舞っていますが、本当は由希も人から嫌われたくないし、人が怖いんですよ。 - 夾と同じなんですね。
- 島﨑 人から嫌われないように笑顔でみんなの憧れの王子様を演じているけれど、それってつまり、誰とも本心で接することができていないということ。周りからも本心が見えなくて、だからこそミステリアスで魅力的に映るのかもしれないけれど…。
由希は、そんなふうに演じられる器用さがあるけど、夾は演じられないんです。でも実際は、演じることができてしまっている由希のほうが不器用じゃない?って思うんです。 - なるほど。
- 島﨑 夾は心で泣いていたらそれが表に出るけれど、由希は泣いていても表向きは笑顔を繕うことができちゃうから。自分の本当の気持ちを伝えることに関しては、由希のほうが不器用なんですよね。
由希からしたら、夾がうらやましく見えるんじゃないかな。だからこそケンカになる。
どうでもいいと思っている人とはケンカにならないんですよ。石ころとケンカしないのと一緒。ムキになるってことは、相手が気になっているってことなわけで。 - 内田 そうなんですよね。
- 島﨑 今お話したような由希の葛藤を、僕自身も越えてきた過去があって。だから由希を応援したくなるし、悩んでいる彼の気持ちがわかるんです。
さっき雄馬くんが「2年前に壁を取っ払った」と言ったけど、僕もそうだったのよ。壁を作りがちだった。最近やっと、素直でいられるようになってきたんです。 - 内田 大人になった、みたいな…。
- 島﨑 そうそうそう!
- 内田 お互い、今のほうがいいですよね。
- 島﨑 ね! 壁を作っちゃうと面白くないしね。
- 内田 壁を作って自分をよく見せようとするより、素直な心でいるほうがカッコいいと思うんです。
透と石見舞菜香の器の大きさに、受け止めてもらっている
- では、次の質問にいかせていただきます。
- 島﨑 すみません、ひとつひとつの答えが長くなっちゃうね(笑)。
- 内田 ついつい話しすぎちゃいますね(笑)。
- いえ、たくさん話していただいてありがとうございます。草摩家の面々や透のクラスメイトなど、豪華声優陣も話題ですが、掛け合いを通しての気付きはありましたか?
- 島﨑 掛け合いといえば、僕ら共通で、まずは石見(舞菜香)ちゃんですね。
- 内田 透ですね。
- 島﨑 透はスゴい…! まぶしいもん。そう思わない?
- 内田 思いますよ!
- 島﨑 何なんでしょうね、あの器の大きさは…。いろんなものを受け止めてもらっている感じがする。
- 内田 でも透本人は、受け止めてあげているとか、そんな気持ちは一切ないんですよね。
- 島﨑 そう、一生懸命なだけなんだよね。それは石見ちゃんも一緒で、ただただ一生懸命なだけなのですが、なんか“もらっている感”があるんだよ。
- 内田 あれは本当に、彼女自身が持つホスピタリティというか、人への優しさの表れだと思います。だからこそ、僕らは素直な気持ちで通じ合えている気がするんです。そういう気持ちにさせてくれるのってスゴいことだと思います。
- 島﨑 由希も夾も、変化のきっかけは透じゃない? そういう意味で、石見ちゃんが相手だとやりやすいよね。掛け合いをしていてもリアクションを取りやすいし、受け止めてくれるから、こちらが自然と変化していっちゃうもん。
あと、僕らがよく掛け合いをしてるのは、中村悠一さん演じる(草摩)紫呉ですね。…またねぇ、紫呉も距離の取り方とか言い回しが絶妙なんですよ! - 内田 由希と夾の“転がし方”がスゴいですよね(笑)。
- 島﨑 中村さんが、まさにそうだよね(笑)。
- ご本人と通じるものがあるのでしょうか…?
- 島﨑 僕らが中村さんに転がされているわけでもないですし、中村さんが裏で企んでいるわけでもないのですが…(笑)。
- 内田 中村さんご本人は、素直な方ですよね。
- 島﨑 そうそう。紫呉と似ているのは、視野がすごく広いところ。
- 内田 それと、中村さんは相手の気持ちを察して“汲んで”くださるんですよね。紫呉は、人の気持ちを察して“利用する”けど(笑)。
- 島﨑 そう!(笑)
- 内田 中村さんの、相手を察する能力を転用すると紫呉になるというか…(笑)。
- 島﨑 だから、中村さんが演じる紫呉は絶妙だよね。じつは刺してくるようなセリフも、刺してないように言ったりするじゃん!
- 内田 たいしたことないセリフのように聞こえるけど…。
- 島﨑 ひっかけてくるよね!
- 内田 後々考えると、「あのセリフって…嫌味だったのか?」みたいな(笑)。
- 島﨑 その感じが、ホントに絶妙なんですよ。
- 内田 非常に難しいキャラクターだと思いますけどね。
- 島﨑 ほかのキャストも含めて、石見ちゃんが真ん中にいるこのバランスで『フルーツバスケット』を作れることは、今の時代でベストキャスティングだと思います!
- ベストキャスティング!
- 島﨑 あ…、ちょっと自分には自信が持てないから、そこは「ベスト」とは言い切れないけど…。夾を含めて本当にすごくいい配役だと思う。
- 内田 由希もですよ! 自信を持ってください!(笑)
- 島﨑 …だってさ、キャスト、スゴくない? 草摩慊人役が(坂本)真綾さんだよ?
- 内田 ものすごくマッチしてますよね。
- 島﨑 俺もう、真綾さん演じる慊人の今後が、超楽しみなの!
- 内田 ですよね!
- 坂本さんもすでにアフレコに参加されているのでしょうか?
- 内田 はい。アニメからご覧になる方は、慊人の正体が気になると思うのですが…。
- 島﨑 そうだよね。慊人もめちゃくちゃ難しい役どころだと思うのですが、ぴったりだと思います。あと僕、お兄ちゃん(草摩綾女)が櫻井(孝宏)さんなのもすごく楽しみ!
- 櫻井さんのキャスティングが発表されたときも、大きな話題になっていましたね。
- 島﨑 あれはもう、みんな納得でしょ! 実際にアフレコしていてもスゴいもん、“なるほど感”が(笑)。
- 内田 僕もテンション上がりました。
あと僕は、釘宮理恵さん演じる(草摩)楽羅との掛け合いが多いので、そこも演じていて楽しいですね。
- ありがとうございます。そろそろ次の質問に…。
- 島﨑 すみません、あとこれだけ言わせてください…!(笑)
- どうぞ!(笑)
- 島﨑 はーさん(草摩はとり・声/興津和幸)と、あーや(綾女)と、紫呉の同級生(マブダチ)トリオの空気感、いいよね?
- 内田 いいですよねぇ。はとりさん、イイ男なんだよな〜。
- 島﨑 はとりさんは癒やしだよね!
第一印象からどう変わった? ふたりの出会いを振り返る
- ここからは、おふたりの関係についてもお聞きしたいのですが…。
- 島﨑 これ長くなるヤツだ(笑)。
- 内田 長くなりますね(笑)。
- 第一印象からどう変化したかお聞きしたいです。
- 島﨑 初めて雄馬くんと会ったのは、とある収録の現場終わりの飲み会で、杉田(智和)さんがすでに雄馬くんのことをよく知っていて、紹介してくださったんです。何年前だろうね?
- 内田 僕が仕事を始めて1年目の頃ですね。
- 島﨑 その後、プライベートの飲み会やゲーム会で会ったり、僕の誕生日会で雄馬くんが歌を披露してくれたりして、仲良くなっていきました。
雄馬くんに対しては、実際に接していても、ほかの人から聞いても「いいヤツ」というイメージがすごくあって。とっても安心感があるよね。業界にお姉ちゃんがいるのもスゴいことだと思う。弟って感じするよね、雄馬くん。 - 内田 ホントですか?
- 島﨑 おおらかさとか、心の広さとか。器が大きい子だなと思います。でも、しっかり一緒に芝居をするのは『フルーツバスケット』からなんです。
- 内田 こんなにガッツリは初めてですよね。
- 島﨑 今までも共演はしてるんだけどね。だから、ふたりきりで話したのも『フルーツバスケット』が初めてだったんです。
…あのね、(嚙みしめるように)雄馬くんめっちゃいいですね。 - 内田 (照れながら)なんですか、それ(笑)。
- 島﨑 昔から遊んではいたけど、今改めて実感を持って「あぁ、雄馬くん、いい子だ…」って。「こりゃみんな雄馬くんのこと好きになるわ」って思う。大好きだもん、今。
- 内田 ははは! いっぱい言ってください。
- 島﨑 現場にいて、同じ役者としてもいいなと思うし、人としてもすごくいいヤツだし。もちろん、人としていいヤツだから役者としてもいい、っていうのはあると思うけど。雄馬くん、飾らないよね。
- 内田 もう飾れないんだ、ってことが最近わかってきたんです。飾ったところで自分を覆い隠すことは無理だと気付いて。たぶん、それが芝居にも出るようになったと思います。
- 島﨑 うん、出てる出てる。こうして話してみると、雄馬くんも僕も、今だからよかったのかも。僕もここ数年で大きく変化していて、より素直になったところで共演できたから。
- 内田 たしかにそうかもしれないです。こうして作品でご一緒して改めて思うのは、ストレートな球を投げてくださるんです。
- 島﨑 俺は直球だよ?(笑)
- 内田 そう、直球なんです! でも、僕にとっては投げて“くれる”人なんです。
- 島﨑 それしか投げられないだけなんだけどね(笑)。
- 内田 それを受け止めるために素直に会話ができるから、一緒にいてすごく楽しいです。
- 島﨑 あぁよかった…(笑)。
- 内田 僕の信長さんへの第一印象は…言い方が難しいのですが…「すごく頭がいい人だな」って。
- 島﨑 僕と(岡本)信彦さんはゲームが得意だから、ゲーム会で散々ね(笑)。僕は信彦さんほど頭がキレるほうではないけど。
- 内田 でも、この切り口で話を続けると、「実際はそんなに頭が良くなかった…」みたいなオチになっちゃいそうで(笑)。
- 島﨑 はははは!
- 内田 言い方が難しいです(笑)。
- 島﨑 でも僕は、頭よさげに見えたかもしれないけど、本当は感情的だから、直球しか投げられないんです。“バカ”な自覚はあるんですよ(笑)。
- 内田 いえ、“バカ”ではないです。“おバカ”な感じが…(笑)。
- 島﨑 ははは!
- 内田 もちろん冗談ですが(笑)。いやでもホントに、信長さんが素敵なのは、理屈で考えていろいろな側面を想定できているのに、最後は臆さずに感情を出してくれるところ。そのバランスが非常に人間的だなと思います。
そんなに素直な球を投げられたら、「受け止めたいな」って僕は思うんですよね。だって、感情抜きに理屈だけで責められる場合もあるわけじゃないですか…。 - 島﨑 そうだね。
- 内田 でも、理屈はわかった上で感情で向き合ってくださるところが非常に魅力的だし、スゴいなって思うんです。
- 島﨑 (照れながら)ありがとう。
- 内田 「理屈で考えて感情的な球を投げる」というバランス感覚を自分も持ちたいです。
- 島﨑 (深い感慨とともに)はぁ〜…ありがとう…。
人間は前に進む生き物だ。“前向きマン”の思考回路
- 『フルーツバスケット』という作品は、どこか陽だまりのような印象も受けますが、「陽」のオーラをまとっているおふたりも、くじけることもあるでしょうか? そんなとき何が支えになりますか?
- 島﨑 僕は基本的にとても負けず嫌いなので、自然と前に進んでいこうとするタイプです。もちろんヘコんだり悔しい思いをすることもありますが、そんなときは「じゃあこれはこうして、あれはああして…」みたいなことをワーっと頭の中で次々考えちゃいます。停滞するのが好きじゃないから、「もう細かいことはいいんだよ!」って(笑)。
- ここでも、理屈と感情のバランスがいいんですね。
- 島﨑 かもしれないです。先輩にもよく言われるのですが、どうやら僕は“前向きマン”なようです。理屈っぽくいろんなことを考えるわりに、最終的な結論は前向き、という。「なんとかなんじゃね?」という、ちょっと“おバカ”なくらい前向きなんです。
- 内田 その心持ちは大事ですよね。
- 島﨑 だから、前に進んでいこうとする人が僕は好きですね。この業界の人たちって、最終的には前に進もうとするよね。
- 内田 そうですね。
- 島﨑 そういう人たちが生き残っているんだと思います。ネガティブな気持ちだって、力に変えたら前に進むためのエネルギーになるし。
- 内田さんはいかがでしょうか?
- 内田 僕もすごく負けず嫌いですし、基本的には信長さんと同じなのですが、人間は前に進む生き物だと思っているんです。
だから悩みに直面しても、「今は悩むための時期なんだな」と受け入れるようにしています。悩むのはしょうがない。だって今は悩みたいんだもん。「悩んだぶんだけ前に進むんだから、今は悩んでおくか」という感じです。 - ある意味すごく冷静なんですね。
- 内田 かもしれないですね。じゃないと、自分がしんどくなっちゃうから。最近も「あれはダメだったかもしれない」とすごく悩むことがあったのですが、結局自分が行動することでしか、変化を実感できないんですよね。
なので、「次に同じことがあったら、こうトライしてみよう!」と前向きに捉えて、最終的には「あしたもがんばろ!」みたいな感じです(笑)。 - 島﨑 いいね、それ(笑)。「あしたもがんばろ!」
- 内田 ふふふ。ヘコむことがあっても「次に何をするのか」を考えればいいんじゃないかな。それが自分の道になっていくと思います。人間、立ち止まることは簡単ですが、僕は前に進んでいきたいですし、次にどの道に進むかを考えることが、自分にとっての一番の息抜きになっていると思います。
- ※タイトルが「島崎信長」となっておりますが、「崎」の字は「立つ崎(たつさき)」が正式表記です。
- 島﨑信長(しまざき・のぶなが)
- 12月6日生まれ。宮城県出身。A型。2009年に声優デビュー。主な出演作に『Free!』シリーズ(七瀬 遙)、『ダイヤのA』シリーズ(降谷 暁)、『寄生獣 セイの格率』(泉 新一)、『バキ』(範馬刃牙)など。
- 内田雄馬(うちだ・ゆうま)
- 9月21日生まれ。東京都出身。A型。2012年に声優デビュー。主な出演作に、『アイドルマスター SideM』(桜庭 薫)、『BANANA FISH』(アッシュ・リンクス)、『この音とまれ!』(久遠 愛)、『MIX』(立花走一郎)など。
サイン入りポラプレゼント
今回インタビューをさせていただいた、島﨑信長さん×内田雄馬さんのサイン入りポラを抽選で3名様にプレゼント。ご希望の方は、下記の項目をご確認いただいたうえ、奮ってご応募ください。
- 応募方法
- ライブドアニュースのTwitterアカウント(@livedoornews)をフォロー&以下のツイートをRT
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— ライブドアニュース (@livedoornews) 2019年3月25日
・フォロー&RTで応募完了
・応募〆切は3/31(日)12:00
インタビューはこちら▼https://t.co/7b2GH9L7xi pic.twitter.com/R64xDSVAsC- 受付期間
- 2019年3月25日(月)12:00〜3月31日(日)12:00
- 当選者確定フロー
- 当選者発表日/4月1日(月)
- 当選者発表方法/応募受付終了後、厳正なる抽選を行い、個人情報の安全な受け渡しのため、運営スタッフから個別にご連絡をさせていただく形で発表とさせていただきます。
- 当選者発表後の流れ/当選者様にはライブドアニュース運営スタッフから4月1日(月)中に、ダイレクトメッセージでご連絡させていただき4月4日(木)までに当選者様からのお返事が確認できない場合は、当選の権利を無効とさせていただきます。
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