ぶりっ子でも闇深くもない。世間のイメージに左右されない「田中みな実」という生き方
局アナ時代は“ぶりっ子キャラ”で知られ、「嫌いな女子アナランキング」上位の常連だった。
2014年にフリーアナウンサーへ転身してからは、ファッションや美容の分野で重宝されるように。バラエティ番組で明かされた“闇キャラ”は、同性から共感を集めている。
パブリックイメージがつきまとうのは、有名人の宿命。しかし本人は「イメージはまわりが決めるもの。自分はまったく気にしていません」と一蹴。その言い方にイヤミっぽさはゼロ。おそらく本当に気にしていないのだろう。
世間から何を言われようと動じず、前を向いてとにかくまっしぐら。求められた仕事は、120%の力で応える。だから出演オファーが途切れない。
女性誌で肘ブラヌードを披露したり、ドラマ『絶対正義』では女優に初挑戦ながら大胆なベッドシーンを繰り広げたりと、新たな一面を次々と見せてくれる田中みな実の素顔に迫った。
スタイリング/小川貴子 ヘアメイク/猪股真衣子(トロン)
衣装協力/ストライプシャツ、デニムスカート(ともにドレスレイブ/ジオン商事 Tel.03-5792-8003)、ブーツ(フリーランス/ストックマン Tel.03-5426-2251)
「肘ブラヌード」のオファー 最初は迷ったけれど…
- 田中さんは2014年からフリーで活動されていますが、アナウンサーとしてだけではなく、雑誌『an・an』の表紙を飾ったり、ドラマ『絶対正義』では本格的に女優デビューもされましたね。
- いろいろなお話をいただいて、本当にありがたいと思います。
- フリーアナウンサーの枠にとどまらない活躍ですが、自分からこういう仕事がしたいと伝えているんですか?
- いえ。じつは私、これをやりたい!という仕事への意欲はとくにないんです。
- そうなんですか!?
- うちの事務所の方針として、お話が来たら受けるか受けないかは本人の意思に任せてくれます。私自身、期待に応えられることしかやりたくないというか、ご迷惑をかけたくないので、少しでも気持ちが乗らなかったらお断りするようにしています。
- 『an・an』の表紙はセクシーな“肘ブラ”が大きな反響を呼びましたが、田中さん自身、躊躇することはありませんでしたか?
- ……最初は迷いました。でも、表紙というものを今まで経験したことがなかったので、「表紙になってみたい!」と思ったんですよね。肘ブラのことは頭にありませんでした(笑)。
- ドラマ『絶対正義』はいかがですか? 女優に初挑戦ながら、いきなりベッドシーンもあり、話題を呼びました。
- お話をいただいて、すごく悩みました。「やったこともないし、やれるかわからない」と事務所の社長と相談したら「やったことがないんだったら、やってみたら?」って言われたんです。
お芝居の経験がなかったので、ただ現場に飛び込んで行ったという感じで……。だって「ドライやります」と言われて、「え、ドライって何? それって私もいたほうがいいんですか?」みたいな。(編注:カメラなしで始めから終わりまで通すリハーサルのこと) - 仕事を引き受けたものの、途中で逃げ出したくなりませんでしたか?
- 正直、「何で受けちゃったんだろう」って顔合わせ当日まで思っていました(笑)。戸惑いもありましたが、いざ始まってみたら……すごく刺激的でした!
30代くらいになると、新しい経験ってなかなかできないじゃないですか? だから、こんな真新しいことができるんだ!という刺激のほうが強いんです。 - すごく前向き! さすがです!
- ただ、まだ演じるということを楽しめる段階ではないですけどね(笑)。とくに今回は、せっかくみなさんが頑張ってるのに、ひとりド素人が入ることで、ドラマの空気感を壊したらどうしようって、とても心配でした。とにかく足を引っ張らないように、一生懸命やろうという気持ちで臨みました。
泣きながらチョコを作っていた、局アナ時代のバレンタイン
- 田中さんといえば、気遣いの人というイメージもあります。
- そうですか?
- たとえばきょう(取材日がバレンタインデーの翌日)、共演者やスタッフの方たちにチョコレートを持ってきてらっしゃいましたよね。この気遣いは、局アナ時代からでしょうか?
- もともとの性格もあるかもしれませんが、局アナの頃は自分が出ている番組のスタッフ全員に渡していました。しかも全部手作り。多いときで9番組担当させていただいていたので、それはもう本当に大変で……。業務用のオーブンを借りてきて、毎晩泣きながら作ってました。
- 泣きながら……。
- 毎年バレンタインが近くなると、うちの母は「うわっ、また始まった」って呆れてましたね(笑)。私にキッチンを占拠されるし、業務用のオーブンを使うからブレーカーが落ちちゃうし。
一緒に呆れていた姉と父は、後半のほうになると「ここまでやれたらスゴいよ」って感心してました(笑)。 - そこまでやるのはどうしてですか?
- 私はスタッフの方にお誕生日をお祝いしていただくことがあるのに、私はスタッフひとりひとりの誕生日を把握してるわけじゃない。だからバレンタインデーに一年の感謝を伝えるという意味も込めて、贈りものをしているんです。
さすがに今はもう手作りはしていません。全部気持ちとお金をかけて購入しました(笑)。 - (笑)。お母さまの教えなのかなと思っていました。
- あー…、海外で生活していたことが大きいのかもしれません。海外ではお友だちの家に遊びに行くとき、プレゼントを持っていったり、カードを書いて渡したりするのが習慣でした。
日本人はそういう習慣がないから、プレゼントに手紙が入ってたりすると、逆に意味あり気に捉えたりしません? - とくに男性は、「俺に気があるのかな」って思うかも?
- 番組でバレンタイン当日に坂上 忍さんとダウンタウンのおふたりとご一緒したのでチョコレートと一緒にお手紙をお渡ししたら、「うわっ、カードが入ってる! 何? 何!?」って驚かれました。
みなさんに書いてるんですけどね(笑)。腱鞘炎になりながら100人くらいに書きました。
イメージはまわりが決めるもの。私は気にしていません
- まさにそのダウンタウンの番組で、田中さんの闇の部分にスポットを当てられることがあったと思うのですが。
- ひき出していただいてます(笑)。
- 過去に「電話をかける相手がいなくて、携帯を捨てようか迷った」とか「同窓会に呼ばれなくなった」などの発言もありましたが、“闇キャラ”としてイジられることに抵抗を感じませんでしたか?
- 全然ないです(笑)。そもそも自分では、闇が深いとは思っていないです。たぶん、30代の独身女性、誰もが持ち合わせている要素だと思うんですよね。
電話をかけられないのも、20代の頃は誰に気を使うわけでもなく、感情の赴くままに女友だちに「聞いてよ」って電話ができたけど、今は分別がついてきて、「この子も結婚したし」とか「今頃、子育てで大変だろうな」とか考えられるようになったということ。 - なるほど。
- イヤなことがあってもそれを誰かにぶつけるのではなく、自分の中で咀嚼して消化できるようになった。それを悪いことだと思わないし、むしろ成長しているなと思います。
それに闇キャラは自分が作り出したものではなく、まわりが今の私を不憫に思うのか「大丈夫?」って心配してくださって、それで生まれたものなのかなと(笑)。 - 局アナ時代は“ぶりっ子”のイメージが先行していたと思います。
- ぶりっ子キャラも番組が上手に演出してくれて…。でも少なからずぶりっ子的要素を私が持ち合わせていたから、そういう演出になったんだと思います。
- メディアが作り上げたイメージが勝手にひとり歩きしている?
- イメージはまわりが決めるものですから。どう思われようとも、気にしていません。
それに、こういうイメージを持たれたい!とも思わないです。「正統派のアナウンサーと思われたい!」と一生懸命キャラを変えたところで、今さら誰も受け入れてくれないでしょう(笑)。
仕事は120%の力で取り組む。求められたら全力で応えたい
- 会社員だった頃とフリーになってからとで、仕事への向き合い方は変わりましたか?
- とくに変わったところはないかな? お仕事のお話をいただいてお受けしたものは、120%の力でやるという気持ちで臨んでいます。
私で大丈夫なのかなって不安になることもあるんですけど、あまり考えすぎないようにしています。与えられたことを120%の力で全うするだけ。心配しても、しなくても、結果は一緒ですものね(笑)。 - まわりの反応や評価は気になりますか?
- あんまり気にならないかな?
- 最近では女性からの支持も増えてきたと思いますが、その実感はありますか?
- もしそうならとてもうれしいですが、私には何の情報も入ってきてないですね(笑)。いいものも入ってこないし、悪いものも入ってこないので。
- 番組の反響やネット上のコメントをチェックしていない?
- はい。世間の反応は、とくに気にしていません。
- というと、仕事のやりがいは、まわりの評価ではなく自分自身にあるのでしょうか?
- やりがい……? うーん、ないかもしれない(笑)。
あ、身近な方たちから、「田中さんにお願いしてすごくやりやすかった」とか「おかげさまで番組が盛り上がったよ」って言っていただけると、すごくうれしいです。 - 身近にいるスタッフの言葉が、やりがいにつながっている?
- そうですね。でも……本心で言ってくれてるのかなって疑っちゃうんですよね(笑)。みんなに言ってるんだろうなって。
局アナの頃は先輩方にご指摘いただくこともあったのですが、フリーになったらみんな「よかったです」としか言ってくださらないので。それでちょっと疑心暗鬼になっちゃいますね。
人の話を聞き出すには、まず自分から話さなくちゃ
- さて、そんな田中さんが現在レギュラーで出演中のトークバラエティ番組『グータンヌーボ2』について伺います。MCは長谷川京子さん、滝沢カレンさん、西野七瀬さん、そして田中さんの4人です。
- 正直、最初はこの空気感で大丈夫なんだろうかって思いました(笑)。テンポや笑いのバランスがどうなんだろうって気になってしまって。
でも何回か放送を見ているうちに、みんながゆったりと自然体でいられるのがいちばんじゃないかなと。独特な空気感が、この番組の持ち味になっていくんじゃないかなって、最近、思うようになりました。 - MC4人のやり取りも初回の放送と比べて、肩の力が抜けて楽しい感じになってきてますよね。
- それもすごくリアルだと思いません? 普通、バラエティ番組って、出演者同士の関係性が構築されていなかったとしても、その場ではわーって盛り上がったりするものじゃないですか。
だけど『グータンヌーボ2』の初回では、あえてみんながそれをしようとしないナチュラルな雰囲気が独特で。回を重ねるごとに4人の関係性が構築されていくところがおもしろいのかなと思ってます。嘘のない関係性です。 - 女性ゲストを呼んでトークをするのはいかがですか? 田中さんは聞き上手だし話させ上手だなと思いました。
- ありがとうございます。誰も何も話さないだろうなと思ったら、自分から話すようにはしています。
- 田中さん自身から「そんなこと言っちゃうの?」という、ぶっちゃけ話が出るから、ゲストの方たちも話しやすくなっているのかなと(笑)。
- あはは。初回のときに長谷川京子さんが、優香さんと松嶋尚美さんをゲストに迎えてロケに行かれたんですけど、松嶋さんが「人の話を聞き出そうと思ったら自分のことを話さなきゃいけない」みたいなことをおっしゃっていて、すごく納得したんですよね。
プライベートで女子会に行っても、女同士だと最初は壁を作っていて、この人ってどこまで話すんだろう?ってみんなが探り合ったりするじゃないですか? でも、誰かが自分の悩みや恋愛の話を始めると、「じつは私も……」って話し出したりして(笑)。 - ありますね(笑)。
- 私自身、ぶっちゃけるとか暴露しているつもりはないんですけど、「こんなことがあったんだけど」って話すのは、女の子ならではのコミュニケーションなのかもしれませんね。
- 早見あかりさんとみちょぱさんがゲストの回で、ふたりに「肌がキレイ」と言われた田中さんが「そんなことない」と謙遜しつつも、「努力してるんです」とおっしゃっていたのが印象的でした。
- 人前に立つお仕事をさせていただいている以上、多少なりとも努力をしないと。女優さんやモデルさんたちと番組に出させていただくこともあるので、著しく劣っていたら見苦しいじゃないですか(笑)。
- 十分、魅力的だと思います。ビューティ誌の常連になるほど見た目も美しいですが、『グータンヌーボ2』を見て改めて、田中さんの安定感が素晴らしいなと。
- えー、ありがとうございますー!
- やはり局アナ時代の経験が活きているのでしょうか?
- もちろんです。加えてフリーになってからタレントさんのポジションで番組に呼んでいただくことが増えて、聞き手側と聞かれる側のどちらも経験させてもらったことが大きいのかな? 両方の立場や気持ちがわかるようになりましたね。安定感があると思っていただけるとしたら、そこかもしれません(笑)。
暴露させるとか、無理に話を聞き出すとか、そういうことをしないのが、この番組のすごく好きなところです。このメンバーだから話すけど、っていうスタンスが魅力的。ゲストに来てくださった方たちに、また来たいなって思ってもらえる場所を目指したいです。
ガールズトーク Q&A
- 好きです。相手が自分のことを思ってやってくれてることだから、その気持ちがうれしい。私自身もサプライズすることが好き。人の喜ぶ顔を見るのが好きなんです。
ただ、恋愛においては押し付けちゃいけないんだなって思います。「サプライズしたんだけど、どう?」っていうのが出ちゃうとよくない。相手が求めているものをくみ取って、過不足なく提供できる人になれたら素敵ですよね。
- 男の人って記念日とかそういうことに関して頓着しない人が多いと思うので、そもそも覚えていてもらおうとは思わない(笑)。誕生日を忘れてたら? それはちょっと寂しいので、「きょう、何の日だっけ?」って聞いてみる(笑)。
- 肌。肌のキメが細かくて清潔感がある人はいいなと思います。手入れされすぎた肌じゃなくて、単純に生まれ持ったキレイな肌の人って美しい。
- 愛されるほうが幸せなんでしょうけど、愛するほうが楽しいと思います。私が尽くし型だから、こういう答えになるのかも(笑)。
愛されて全部相手にやってもらうのも幸せだと思うけど、それにあぐらをかいていたら自分に成長がない気がしちゃいます。
- 田中みな実(たなか・みなみ)
- 1986年11月23日、ニューヨーク生まれ。A型。青山学院大学卒業後、2009年にTBSテレビに入社。2014年にフリーアナウンサーに転身。司会業のほか、モデルやタレントとしても活動。2017年、雑誌『an・an』(マガジンハウス)で見せた肘ブラショットが話題に。2019年2月、ドラマ『絶対正義』(東海テレビ)で本格的に女優デビューも果たした。現在、『グータンヌーボ2』をはじめ、『ジョブチューン』『有吉ジャポン』(TBS系)、ラジオ『田中みな実 あったかタイム』など多数のレギュラー番組に出演中。
番組情報
- 『グータンヌーボ2』
- 毎週火曜 深夜0:25〜0:55に関西テレビにて放送
- 毎週水曜 午前10:00からAmazon Prime Video、カンテレドーガ、TVer ほかにて配信中
- https://www.ktv.jp/nouveau2/
サイン入りポラプレゼント
今回インタビューをさせていただいた、田中みな実さんのサイン入りポラを抽選で3名様にプレゼント。ご希望の方は、下記の項目をご確認いただいたうえ、奮ってご応募ください。
- 応募方法
- ライブドアニュースのTwitterアカウント(@livedoornews)をフォロー&以下のツイートをRT
\『#グータンヌーボ2』、放送中!/#田中みな実 サイン入りポラを3名様にプレゼント!
— ライブドアニュース (@livedoornews) 2019年4月3日
・フォロー&RTで応募完了
・応募〆切は4/9(火)12:00
インタビューはこちら▼https://t.co/qII4IcIC7f pic.twitter.com/ifXgD6ahud- 受付期間
- 2019年4月3日(水)12:00〜4月9日(火)12:00
- 当選者確定フロー
- 当選者発表日/4月10日(水)
- 当選者発表方法/応募受付終了後、厳正なる抽選を行い、個人情報の安全な受け渡しのため、運営スタッフから個別にご連絡をさせていただく形で発表とさせていただきます。
- 当選者発表後の流れ/当選者様にはライブドアニュース運営スタッフから4月10日(水)中に、ダイレクトメッセージでご連絡させていただき4月13日(土)までに当選者様からのお返事が確認できない場合は、当選の権利を無効とさせていただきます。
- キャンペーン規約
- 複数回応募されても当選確率は上がりません。
- 賞品発送先は日本国内のみです。
- 応募にかかる通信料・通話料などはお客様のご負担となります。
- 応募内容、方法に虚偽の記載がある場合や、当方が不正と判断した場合、応募資格を取り消します。
- 当選結果に関してのお問い合わせにはお答えすることができません。
- 賞品の指定はできません。
- 賞品の不具合・破損に関する責任は一切負いかねます。
- 本キャンペーン当選賞品を、インターネットオークションなどで第三者に転売・譲渡することは禁止しております。
- 個人情報の利用に関しましてはこちらをご覧ください。
ライブドアニュースのインタビュー特集では、役者・アーティスト・声優・YouTuberなど、さまざまなジャンルで活躍されている方々を取り上げています。
記事への感想・ご意見、お問い合わせなどは こちら までご連絡ください。
記事への感想・ご意見、お問い合わせなどは こちら までご連絡ください。