TVアニメ『ヒプノシスマイク』特集/第2回:浅沼晋太郎×駒田 航×神尾晋一郎「ヨコハマは悪そうなのに、いちばんかわいい」

“声優×ラップ”という新たな切り口で、いま若者を中心に熱狂的な支持を得ている音楽コンテンツがある。2017年9月に始動した、音楽原作キャラクターラッププロジェクト『ヒプノシスマイク -Division Rap Battle-』(以下、『ヒプマイ』)だ。

ヒップホップシーンを牽引するラッパーやトラックメイカーも手がける本格的な楽曲、それぞれが個性あふれる魅力的なキャラクター、そしてキャストによるライブステージが話題を呼んで、人気が爆発。2020年現在も熱を帯びたまま、さまざまなメディアミックスが進行中だ。

ライブドアニュースでは、10月からのTVアニメ化を記念して、イケブクロ、ヨコハマ、シブヤ、シンジュクの4ディビジョンを連続で特集する。

第2弾は、ヨコハマ・ディビジョンより、浅沼晋太郎(碧棺左馬刻役)、駒田 航(入間銃兎役)、神尾晋一郎(毒島メイソン理鶯役)が登場。切れ味鋭いキャラクターが揃うヨコハマ・ディビジョンだが、演じている3人は、非常に落ち着いた、大人の包容力にあふれた面々だ。

撮影/藤記美帆 取材・文/鈴木 幸 制作/アンファン
スタイリング/ヨシダミホ【浅沼】、塚本隆文【駒田・神尾】 ヘアメイク/ito【浅沼】、福田まい、松井祥子【駒田・神尾】
衣装協力/カットソー ¥40,000(A&G JAPAN 03-3478-0069)、ネックレス チェーン ¥5,000(Fatima Design)、ネックレス トップ ¥30,000(anima exists in all creation)、右手 リング ¥38,000(BLIND RABBIT)、右腕 ブレスレット ¥149,000(BLIND RABBIT)、左手 リング ¥54,000(BLIND RABBIT)、左腕 ブレスレット ¥27,000(Luy)/すべて銀時原宿本店03-3401-7832【浅沼】 ジャケット ¥180,000(原宿 VILLAGE 03-3405-8528)【駒田】

「TVアニメ『ヒプノシスマイク』」特集一覧

#5 は近日公開!

▲左から駒田 航、浅沼晋太郎、神尾晋一郎

TVアニメの劇中のラップは“武器”として収録した

いよいよ10月からTVアニメ『ヒプノシスマイク-Division Rap Battle-』Rhyme Animaが始まりますが、シナリオを読んだ感想を教えてください。
浅沼 今までのドラマトラックでは描かれていない、“じつは、このキャラクターとこのキャラクターのあいだにはこんな会話があったんだ”という部分をキレイに補完できる内容になっていると思います。
神尾 補完してくれていますよね。「アニメではこういうふうになるのかな」と思い描いていたものとは、いい意味で違った形になっていて。
駒田 今まで応援してくださっている方々は、ドラマトラックを元にイメージができあがっていると思うんです。そのイメージを踏襲しつつ、実際にキャラクターが動き出すということをしっかり考えてくれているアニメになっていると思います。
ディビジョンごとに収録したドラマトラックと比べて、アニメの収録で変わった点、もしくは変わらなかった点はありますか?
浅沼 大前提として、ドラマトラックである程度自分の間(ま)で芝居していたのと、アニメで演出家さんや監督さんの作り上げた間や画に合わせて芝居をするのとでは、やっぱり全然違います。

あとは、キャラクター同士の距離感が明確になったり、ドラマトラックでは絡みがなかったキャラクターとしゃべるシーンがあったり。
駒田 大きく変わったのはラップの使い方。初期のドラマトラックの収録は、ラップシーンになったらその場でビートを流して、それに合わせて短いラップをしていたんです。
神尾 そうそう。その場でやっていたよね。
駒田 それはそれですごく臨場感があったのですが、アニメでは、ひとつの楽曲としてアフレコとは別にレコーディングをしているんです。そこは、ドラマトラックとは全然変わりましたね。

ドラマトラックと比べて、アニメのほうが断然ラップのボリュームがあるんです。ドラマトラックでは1分にも満たないラップでしたが、アニメではそれ以上に長くなっているので、全然違う仕上がりになっていると思います。

かつ、画も目まぐるしく動いて、画面いっぱいにパフォーマンスが行われている迫力があるので、そこは期待してほしいですね!
それはすごく楽しみですね。
浅沼 今までの『ヒプマイ』は、音楽としてのラップという印象がどうしても強かったのですが、アニメでは視覚化したことにより“武器”としての側面が強まったので、原作の設定通り、この世界観の中ではバトルのツールとして使われているのがより明確になっていると思います。

それに、相手のラップのあいだに自分がダメージを受けるリアクションを入れたのも、アニメならではだと思います。
第1回インタビューで、木村 昴さんが、浅沼さんと隣り合ってアフレコしたことで、左馬刻と言い合うシーンはより生の感情で芝居できたとおっしゃっていました。
浅沼 そうですね。一緒にアフレコできたのはもちろん、やはり画というガイドラインがあるのが大きかったと思います。たとえばこのぐらい体を動かして、このくらいの表情で怒っているんだという、感情の度合いがわかりやすかったので。

さらにそこにアニメの演出が加わったので、心持ちが違ったと思いますね。
神尾 逆に僕は変わらなかった点を挙げると、キャスト3人が今までの3年間、キャラクターをしっかり作ってきていることもあって、アニメの現場になってもキャラクターの関係性や声のお芝居は変わらず、自信を持ってできていたと思います。そのぶん、演じやすさもありました。
キャラクターの関係性は変わらないということですが、キャスト3名の関係性はいかがですか?
神尾 もっと変わらないですね。
駒田 たしかに。そこがいちばん変わらないところかもしれないですね。
神尾 より仲良くはなっていますけど、ほとんど変わらないですね。『ヒプマイ』の現場で初めて会った3人ではないので、もともとの関係性から、この『ヒプマイ』を通してずっと変わらない関係を築いていると思います。仲良しさんです。
駒田 ずっと優しいです。先輩は。
神尾 (駒田さんは)ずっと元気ですよね。
浅沼 うん、元気。わんぱくですね。
それぞれどのようなポジションなのでしょうか。
神尾 僕の中では、浅沼さんはクリエイティブな案を出してくださる方。駒ちゃんは、それに「よいしょー!」っていう(笑)。
なるほど。神尾さんご自身は?
神尾 僕は……何だろう。僕もどちらかと言うと、「そういうのもいいですね!」みたいな感じで、陰のフィクサーのように動いていると思います。
浅沼さんはいかがですか?
浅沼 僕は、いつもふたりに支えられているなって思います。左馬刻はとても頼りがいがあって、かつ危なっかしいリーダーですが、僕は“ぽやー”っとしているリーダーなので。
神尾 かわいさ全振りの人なんで。
浅沼 いつまでたっても年下ふたりに面倒を見てもらっているなと感じてます。
▲碧棺左馬刻(CV:浅沼晋太郎)
▲入間銃兎(CV:駒田 航)
▲毒島メイソン理鶯(CV:神尾晋一郎)

浅沼さんは、“見られる”ことに対し多様な意見を持っている

今、神尾さんが浅沼さんを「クリエイティブ」とおっしゃいましたが、浅沼さんのそういった面は、『ヒプマイ』においてどのような場面で発揮されているのでしょうか? 個人的には、ライブパフォーマンスにそういった部分を感じるのですが……。
浅沼 いや。あれは別に僕が考えたというわけじゃないんです。この3人は打ち合わせせずとも自然と動きがシンクロすることが多くて。
神尾 偶然、動きが合うとかもありましたもんね。
浅沼 あとは、お互いが「今はこうしたほうがいい」とリアルタイムで考えていて、動いたり動かなかったり……っていう。
神尾 3人が3人とも、お互いの位置を俯瞰しながら動いていますよね。
綿密に打ち合わせしていたわけではないのですね……!
駒田 ではないです。
神尾 いい意味で、なりゆきですね。
駒田 ヨコハマは、先輩おふたりがなんでも聞き入れてくれる状態を作ってくれていて、“誰かが何かを言ったから、ほかの人が萎縮する”ということがないんです。

「これやったらいいんじゃないですか?」って聞くと、「たしかにね」と言ってくれることもあれば、「でもこっちのほうがいいんじゃない?」と提案してくれることもあって。だから、僕も都度、思ったことを言えるんです。

浅沼さんは、見られることに対してすごく多様な意見を持っているから、自分では気づいていない部分を「こういうところに気をつけなきゃね」と言ってくださることも多々あって。
神尾 ある……!
駒田 それに対して、さらに神尾さんが「だったら、このシーンではこうしたほうがいいかもしれないですね」というふうに、そこに肉付けしていって、3人の意見として固まって。
神尾 「それぞれがどんな役割ですか?」っていう問いに対する答えは、なんだかんだ3人ともどの役割も担っているんだと思います。みんなで意見を出し合って、それをみんなでまとめながら答えを出していく。
ではアニメの収録のときも、綿密に打ち合わせをしたわけではなく……?
神尾 そうですね。左馬刻がこういうセリフで来たから、自分はこういう感じで返そうっていうのを、打ち合わせせずにその場で感じ取ったり考えたりしています。
駒田 アニメの収録は、画やト書きがあって、ドラマトラックと比べて僕らがキャラクターを視認できるものがはるかに多いんです。我々はそれにフィットする芝居プランをそれぞれ持ち寄って、違和感があったら、スタッフさんからアドバイスをいただきながら作り上げる感じです。

逆に、『ヒプマイ』の現場は、キャスト側から「こういうの、いいんじゃないですか?」って意見が出ることもあるんです。その瞬間、瞬間に生まれるものを大事にしながら作っていますね。

アニメで気になるのは、接点がなかったヨコハマとシブヤの絡み

TVアニメで関係性が気になったキャラクターはいますか?
駒田 イケブクロとシンジュクとはドラマトラックで戦ってきたので接点があるのですが、接点がないという意味で気になるのはシブヤですね。
神尾 そうですね、まだバトルしてないから。
駒田 ヨコハマのメンツとどう関わるのか、興味がありますね。
神尾 そうね。ドラマトラックで(有栖川)帝統と理鶯は話してはいたけど、まだ話したことがないキャラクターもいましたし。
では改めて、演じているキャラクターのとくに好きなところや共感できる部分を教えてください。
浅沼 好きというか、僕にないからこそ憧れるのは、物怖じしない性格。すべてにビビらないという精神はスゴいと思います。それで(左馬刻が周りに)迷惑をかけているところもいっぱいあるんでしょうけど。左馬刻と僕が似ているところはほとんどなくて。あるとしたら……。
神尾 髪の色?
浅沼 普段からあそこまで明るくないです(笑)。んー……コーヒーを淹れるのが好きっていうことぐらい?
駒田 銃兎の好きなところはわかりやすく、すごくインテリジェンスなところ。落ち着いているし、やっぱり警察官なんだなと感じさせる所作や対応力は魅力だと思います。

それでいて怒るときは、あの左馬刻と遜色ないくらいキレるのですが、そこがある意味、彼が持っている人間的な面でもあるのかな、と。

銃兎には共感できるというか、僕もそうまっすぐでありたいと思います。さすがにキレ方は調整したほうがいいと思うんですけど(笑)。
神尾 ズッガーンとキレますからね。
駒田 でも、ああいう清々しさは素敵だなって思えます。「いいぞ、銃兎!」みたいな。
神尾 理鶯の好きなところは、お料理が上手なところ。僕もお料理好きなので、共通点でもあるかなと思います。

性格面でいうと、本当に穏やかな人なので。怒ったことがないと思うんですよね。
駒田 ないですね。
神尾 仲間のために本気を出すことはあっても、怒ることはないので。そういうところも、わりと似ていると思います。

持っていない部分というと、やっぱりフィジカルな強さや軍人然とした発想。理鶯のような、明確に一本筋が通った人間には憧れますね。
では、アニメのいちばんの見どころを教えてください!
3人 (ユニゾンで)ラップシーンです!
浅沼 みなさんは楽曲もキャラクター同士の掛け合いも朗読やライブなどで見たことはあるはずですが、“ヒプノシススピーカー”を駆使したラップバトルのシーンは、想像するだけで、今まで観たことがないと思うんです。

どんなことになるのか、楽しみにしていただきたいですね。
神尾 (ラップバトルシーンの映像を観たら)スゴすぎて、思わず最後に笑いが出ましたけど(笑)。
駒田 スタッフさんたちも、最大級に苦労されたのがラップシーンだと聞きました。
そうなんですね。
駒田 僕らも「どうなるんだろう?」とは思っていたし、ファンのみなさんもなんとなくイメージはしていたけど、本当のところはわからなかったと思うんですよ。

それがいよいよアニメになって、単純に楽曲(音)が武器になるのではなく、リリック(歌詞)でダメージを与えるということが視覚化された演出を、本当に楽しみにしてほしいし、感動もしてほしいし、笑ってほしい。
浅沼 それに、ラップバトルのシーンでは毎週新曲が聴けますしね。
神尾 本当、それです! ラップがふんだんに散りばめられているので、楽しみにしてもらいたいです。

フックにメロディがあるのは初めて。OPテーマで新たな挑戦

TVアニメのOPテーマ「ヒプノシスマイク -Rhyme Anima-」を聴いた印象や、収録エピソードを教えてください。
浅沼 僕は、「フック(サビ)、こんなに歌うんだ!」と思いました。
駒田 あそこまでしっかりメロディがあったのは初めてですよね。フックの部分で、全員が統一した歌い方をするようディレクションを受けたのも珍しいと思います。これまでは、同じフックでもキャラクターによって歌い方を変えることが多かったんです。

なので、キャラクター的に歌いづらい方もいたかもしれません。でも、TVアニメのオープニングで新しいフックにみんなで挑むことができたのは、特別な体験でした。
神尾 今回、とくにメロディアスでしたよね。どこか“少年アニメ感”があるような、今までにないフックがとてもキャッチーに感じました。

でも、収録のときは、めちゃめちゃ苦戦してました。
浅沼 あと、バース(Aメロ)がとにかく速かったですね。
神尾・駒田 速かった……!
浅沼 今までで最速じゃない?
駒田 全員曲の中では最速かもしれません。
浅沼 全部ひとりで歌える人がいたら、何か賞をあげてもいいと思う。
神尾 よく歌えたで賞(笑)。
駒田 そのくらい、めちゃめちゃムズい曲でした。
浅沼さんは、苦労したことや収録時のエピソードはありますか?
浅沼 毎回そうなんですけど、“歌う”っていうことになると、すごく迷うんですよね。自分の中で腑に落ちないと、「果たしてどう左馬刻は歌うのかな……」って考え込んでしまうんです。

まず、山田3兄弟は歌うだろう、と。
神尾 歌いますね。
浅沼 (伊弉冉)一二三も絶対歌う。
神尾 歌う。
浅沼 (観音坂)独歩も、いやいやながら歌うかもしれない。(飴村)乱数と(夢野)幻太郎も、きっと歌う。
神尾 (有栖川)帝統も歌いそうですね。
浅沼 そう考えると、やっぱり寂雷と左馬刻は……歌うかな?って思っちゃうんですよね。寂雷先生は、酔っぱらったら歌いそうだけど。
神尾 常時、酒が必要になりますね(笑)。
浅沼 結局、アンニュイで気だるげなキャラクターが歌うってどういうことなんだろう、どこに気持ちを持っていったら歌に寄り添えるんだろうと考えるんです。だから、いつも気持ちを作るまでに時間がかかっちゃうんですよね。
そこからどのように気持ちを作るのでしょうか?
浅沼 でも、『Yokohama Walker』のときも歌ったな……あのときはどんな感じだった……?みたいに考えて、そこから派生させて、どうやったらこの歌のトーンまでテンションを持っていくことができるんだろう……と、ぐるぐる考え続けますね。

だから、ソロ曲の『Gangsta's Paradise』も、歌い上げるところは苦労しました。

でもそれって、聴いている側からしたらわりとどうでもいいことだったりするのかもしれないんですよね。でも自分は、“左馬刻がこういう気持ちのときは、これを歌えるかもしれない”みたいなところまで思考を到達させないと、なかなか歌えない……キャラクターソングというジャンル特有の、難しい部分です。
それでいうと、『Nausa de Zuiqu』(一郎と左馬刻がサウナにいる様子を描いた楽曲)も難しかったのでは?
浅沼 そうですね。でもあれはもう、もはや(山田)一郎が引っ張ってくれたところがあるので。ケンカの流れで、バカなこともやっちゃうだろうっていう。しかも、今現在の左馬刻ではなく、若くてもう少しヤンチャな頃だと思ったら、わりと腑に落ちたというか。
そうやって気持ちを作っていくのですね。
浅沼 そうですね。今の左馬刻だったら、絶対、『Nausa de Zuiqu』は歌わないと思うんです(笑)。
神尾 絶対歌わない。あれは、昔の左馬刻と一郎の関係だからこそですよね。

リリックに自己紹介が多いのは、チームへの誇りの現れ

では、アニメから『ヒプマイ』に触れる視聴者もいるこのタイミングで、改めてヨコハマ・ディビジョンの楽曲の特徴を聞かせてください。
神尾 ジャンルでいうと、アメリカ西海岸のギャングスタ・ラップなんですよね。
浅沼 アメリカでは以前、ストリートギャングたちによる“ケンカを無血で終わらせられないか”というムーヴメントがあって、そこにブレイクダンスやラップが使われていたという説があるんですね。

ならば、『ヒプマイ』の世界でそれをいちばん踏襲しているのがヨコハマなのかなと感じています。リリック(歌詞)の中に物騒な言葉がいっぱい入ってくるし。だから、ともすれば初心者にはとっつきにくい部分があるのかもしれないんですけれど。
駒田 でもそのぶん、ラップの醍醐味を感じさせる雰囲気を漂わせることができているのかなと。最初はとっつきにくかったとしても、じつはすごくキャッチーなのかなと思っています。
神尾 音楽好きな人からの評価が高かったりしますね。
浅沼 そうですね。もともとヒップホップを好きで聴いていた方や音楽に携わっている方、あるいは男性リスナーも、ヨコハマの楽曲を好きになってくださっている印象です。
駒田 個人的には、『シノギ(Dead Pools)』がわかりやすく、僕らのテーマや雰囲気を表しているのかなと。
駒田 ヨコハマを背負っていることでいえば、『Yokohama Walker』かな。夜風を感じさせるような、ダークさとおしゃれな雰囲気が、すごくヨコハマらしいと思います。
駒田 それぞれのソロ曲からは、彼らのプライドを感じられて。たとえば銃兎の『Uncrushable』の「本当のギャングスターは俺だけだ」というリリックは、左馬刻が怒るとわかっていて、あえて煽るようなフレーズを入れているのかななんて。
駒田 ひと言で言えば、クールなチームですよね。
ヨコハマの楽曲には、地名やキャラクターの自己紹介もよく登場しますよね。
浅沼 ファンの方々がヨコハマを褒めてくださるときに、「あんなに悪そうなのに、いちばんかわいい」とおっしゃると聞きました。それはたぶん、理鶯のゲテモノご飯をちゃんと食べてあげているところや、楽曲の中にチームの自己紹介がたくさん入ってくるところが、そう感じさせるのかなと思ってます。

ラップの中で頻繁に仲間に言及しているところが、Buster Bros!!!とはまた違った家族みたいな感じがしていて。
神尾 たしかに、ヨコハマは自己紹介しがちですね。「MAD TRIGGER CREW」とか「MTC」っていうリリック、よく出てきますもんね。
駒田 自己紹介が多いのは、自分たちのチームに誇りを持っていることの現れだと思うんです。そういう意味では、ヨコハマ・ディビジョンほど、“ヨコハマを愛している”という思いが散りばめられているチームはないと思います。
浅沼 Buster Bros!!!やFling Posse、麻天狼は、それぞれの地域に“居住している”感覚があります。手前味噌ながら思うのが、ヨコハマ・ディビジョンだけ“ヨコハマを背負って立っている”ヤツらなんですよね。
駒田 裏でヨコハマの治安を守っていたりね。
浅沼 裏で牛耳っていたり。
神尾 僕は山を見ていたり(笑)。
浅沼 ヨコハマの動物たちを愛したり、食べたりしているんですね(笑)。だから、ほかのディビジョンとは地域との関わり方が違うというか。

実際に横浜のラッパーさんも、めちゃめちゃ横浜が大好きな方が多いらしくて。僕も横浜をレペゼンするラッパーさんの楽曲をいっぱい聴くんですけど、横浜の市外局番「045」がよく出てくるんですよね。
神尾 「レペゼン・ヨコハマ」という言葉もよく聞きますよね。
浅沼 その「地元、愛してるぜ」感が、『ヒプマイ』の世界でもそうなのかなと思って。そういった意味で、僕の中ではヨコハマ・ディビジョンって絆が強いなと思っているんです。
神尾 だって、曲のフックが「ハマにハマれ」ですからね。

とにかく練習あるのみ。ラップ上達の極意とは

みなさん、「ラップ×キャラクター」というコンテンツはほぼ初めての経験だったと思うのですが、どのようにラップを上達させていったのでしょうか。
3人 (ユニゾンで)練習。
練習、ですか。
浅沼 楽曲を作ってくださった現役ラッパーの方々が仮歌を入れてくださっているので、それを聴き込んで反復練習しかないですよね。

僕ら声優は、演じるだけじゃなくナレーションなんかもやらせていただくので、文章の中でどの部分を立たせなければいけないのか、みたいなことは学んできているんです。それこそ、商品名は絶対にはっきり言わなきゃいけないとか。

そのおかげで、ラップのリリックのどの部分を強調するのかという、アクセントの付け方に関しては比較的早く吸収できたのかもしれません。
神尾 『ヒプマイ』のニコ生(ニコニコ生放送)は、フリースタイルをやらせることで有名な番組なんですけど……。
浅沼 むちゃくちゃな番組です(笑)。
神尾 本当に台本なしのフリースタイルなので、それもやっぱり家での反復練習しかないんです。
駒田 そうですね。ただ、フリースタイルをやり始めたおかげで、日常生活で「この単語とこの単語って韻踏んでるな」と意識する頭にはなったのかなと思います。

ふたりが支えてくれるから、僕はリーダーでいられる

本来ラップは自身の言葉を綴るもので、そこにはリアリティが必要とされます。そういう意味で、キャラクターを演じる2次元カルチャーとヒップホップは正反対だと思っていたのですが。
浅沼 わかります。普通なら、ラッパーさんが綴ったリリックを、そのラッパーさん自身がラップするのがほとんど。でも『ヒプマイ』は、誰か別の人が書いたリリックを、役者本人ではない、役者が演じたキャラクターがラップする。
神尾 マトリョーシカのような入れ子構造ですよね。
浅沼 作られ方が根本的に違うんです。ですから、もしかしてこれって邪道なんじゃないか、と考えたこともありました。ところが、本職のラッパーさんがその邪道ともいうべき構造すらもおもしろがってくださって。
駒田 さらに僕らの、もしかしたら付け焼き刃とも取られかねない技術を、リスペクトしてくださったんですよね。
神尾 ヒップホップシーンを盛り上げてくれるヤツらだ!と快く迎え入れてくださった方々も少なくなかったですね。
浅沼 左馬刻として参加させていただいたサイプレス上野さんとロベルト吉野さんの『Uptown Anthem feat.碧棺左馬刻』という楽曲の中で、「世界の違いなんて簡単に超越」っていうフレーズがあるんですけど、それが2次元カルチャーとヒップホップの融合を歓迎してくださっているように思えて、すごくうれしかったんですよね。改めて「僕らはここにいてもいいんだ」と思わされたというか。

何より、そういう融合の足がかりを作ってくれたのが木村 昴だと思ってます。ずっとヒップホップが大好きで、ヒップホップの仕事をしたいという自分の夢を叶えながら、僕らを見たことのない景色の場所まで連れていってくれた。その上さらに、カルチャーの壁までぶっ壊して、この業界も、ヒップホップアーティストも盛り上げている。まさに『Break the wall』ですよね。

そして、見たことのない景色を一緒に見てくれたのは、駒ちゃんと神尾さん、このふたりです。

このふたりが支えてくれているからこそ、もしかしたら裸の王様なのかもしれないですけど、僕はリーダーでいられるんだと感じています。
ありがとうございました。では最後に、ほかのディビジョンに負けないヨコハマ・ディビジョンの強みを教えてください。
神尾 本当の家族ではないけれど、家族感があってヨコハマを背負っているところ。「俺ら、ハマなんだぞ」っていう覚悟とプライドが、やっぱりいちばんの強みだと思います。
駒田 率直に言えば、どのディビジョンが秀でているとか、もう、本当になくて。全チーム等しく魅力的で、かつ全然違うベクトルの魅力を持っているんです。だから比較はできないのですが、やっぱり、ヨコハマがすごくかわいいし、愛おしい。でも、リリックはクールで容赦なくて。

アニメでは、そういったヨコハマの魅力が映像で表現されているので、観ていてシンプルに「カッコいい」という言葉が出てくると思います。

だから、もしも、もう一度オーディションを受けることになっても、やっぱりヨコハマを受けたいなって思いますね。
神尾 同じキャラクターを受けたいですよね。
浅沼 僕の持論として、親が子どもに「見るんじゃありません。真似しちゃいけません」って言うものって、とてつもなく強いんですよ。

大きな影響があるからこそ、子どもにそう言うんですよね。たぶん、4ディビジョンの中で、いちばん親が子どもに真似してほしくないのはヨコハマ・ディビジョンだと思うんです。
神尾 たしかに、そうですね。
浅沼 だから、すごく影響力の強いチームだと感じてます。
神尾 子どもが「お母さん、この人たち何なの?」って聞いたら、「ヤクザと、悪徳警官とホームレスよ」みたいな(笑)。
駒田 「ちょっと踏み外したら豚箱よ!」って(笑)。
浅沼 (笑)。見ちゃいけないものほど甘美で、だからこそ見たくなるんですよね。……要するに、ヨコハマは最強なんです。
駒田・神尾 (ユニゾンで)最強です!

ヨコハマ・ディビジョンが明かす、キャストの魅力は?

浅沼晋太郎(あさぬま・しんたろう)
1月5日生まれ。岩手県出身。O型。脚本家、演出家、俳優として活動。2006年に『ZEGAPAIN-ゼーガペイン-』(ソゴル・キョウ)で本格的に声優デビュー。主な出演作に、『ダイヤのA』(倉持洋一)、『生徒会役員共』(津田タカトシ)、『A3!』(茅ヶ崎 至)、『啄木鳥探偵處』(石川啄木)など。エンターテイメント・ユニットbpmのメンバーでもあり、全作品の脚本・演出を担当している。
駒田 航(こまだ・わたる)
9月5日生まれ。ドイツ出身。B型。主な出演作に、『アイドルマスター SideM』(古論クリス)、『あんさんぶるスターズ!』(椚 章臣)、『ARP Backstage Pass』(松本晴臣)、『news zero』ナレーションなど。
神尾晋一郎(かみお・しんいちろう)
1月13日生まれ。北海道出身。A型。主な出演作に、『あんさんぶるスターズ!』(鬼龍紅郎)、『カードファイト!! ヴァンガード』(藤浪トノリ)、『きかんしゃトーマス』(ジョー船長)、『世界はほしいモノにあふれてる』ナレーションなど。

「TVアニメ『ヒプノシスマイク』」特集一覧

#5 は近日公開!

作品情報

TVアニメ『ヒプノシスマイク-Division Rap Battle-』Rhyme Anima
2020年10月2日(金)24:00より放送開始
https://hypnosismic-anime.com/
TOKYO MX、BS11、群馬テレビ、とちぎテレビ、MBS、テレビ愛知、アニマックスほかにて放送
ABEMAにて地上波同時配信ほか各種プラットフォームにて配信
※放送開始日・放送日時は編成の都合などにより変更となる場合がございます。あらかじめご了承ください。

©『ヒプノシスマイク-Division Rap Battle-』Rhyme Anima製作委員会

サイン入りポラプレゼント

今回インタビューをさせていただいた、浅沼晋太郎さん×駒田 航さん×神尾晋一郎さんのサイン入りポラを抽選で3名様にプレゼント。ご希望の方は、下記の項目をご確認いただいたうえ、奮ってご応募ください。

応募方法
ライブドアニュースのTwitterアカウント(@livedoornews)をフォロー&以下のツイートをRT
受付期間
2020年9月17日(木)12:00〜9月23日(水)12:00
当選者確定フロー
  • 当選者発表日/9月24日(木)
  • 当選者発表方法/応募受付終了後、厳正なる抽選を行い、個人情報の安全な受け渡しのため、運営スタッフから個別にご連絡をさせていただく形で発表とさせていただきます。
  • 当選者発表後の流れ/当選者様にはライブドアニュース運営スタッフから9月24日(木)中に、ダイレクトメッセージでご連絡させていただき9月27日(日)までに当選者様からのお返事が確認できない場合は、当選の権利を無効とさせていただきます。
キャンペーン規約
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