原動力はポジティブ・パワー！ 抜群の嗅覚と身体能力でナオト・インティライミを支えるダンサー、HIROAKI
世界中を旅しながら各地でライブを行い、各国の音楽と文化を体感したアーティスト、ナオト・インティライミ。2010年にメジャーデビューを果たし、今年3月には自身初となる全国47都道府県弾き語りツアー「こんなの初めて!! ナオト・インティライミ 独りっきりで全国47都道府県 弾き語りツアー2018」を開催するなど、アグレッシブな活動を続けている。
そんな彼のライブをダンスでサポートしているのが「ダンサー・インティライミ」だ。アーティスト名にある「インティ ライミ」とは南米・インカの言葉（ケチュア語）で「太陽の祭り」を意味し、彼に関わる人たちは「◯◯・インティライミ」と呼ばれている。
ステージ上だけでは知ることができない「ダンサー・インティライミ」のさまざまな表情に迫る「ダンサーが生きる道〜ダンサー・インティライミ〜」第3回は、アンダーグラウンドで活躍しながら、多方面でダンスを広める活動をするHIROAKI。
ダンサー・インティライミのメンバーに彼の印象を聞くと、ヘラヘラしている弟分だと言う。そんな普段から笑顔の絶えない彼の中には、しっかりと心に根ざした思いと行動力があった。“好きなダンス”を“好きなこと”でやり続けるHIROAKIの真っすぐに突き進む活動について話を聞いた。
「ダンサーが生きる道〜ダンサー・インティライミ〜」一覧
ナオト・インティライミの行動力は「すさまじい」
――ダンサー・インティライミの一員になったきっかけは？
先輩のAKIHIROさん（※）から急に電話が掛かってきて、「なんか最近、HIROAKI良い感じじゃん？」って言われて誘われたのがきっかけです（笑）。それが、2012年で24歳の時でした。
※HIPHOPダンスチーム・S.A.S、TOKYO BEAT SURFのメンバー。現在は、倖田來未のバックアップダンサーとしても活躍。また、アパレルブランド・sasHATを展開している。
――それまでメジャーシーンでの仕事の経験はあったんですか？
ツアーを回るような仕事はやっていなかったですね。誘われた時は「あ、僕にも話が来るんだ」って驚きました。
――大抜てきですね！ もう6年経ちますが、現場はどういった雰囲気ですか？
リハーサルは笑いが絶えないですね。やることはきちんとやるんですけど、「ウェーイ！」って子どものようにはしゃぐ時もあります（笑）。
――長く一緒にやっているダンサーメンバーの印象はいかがですか？
A-SUKEさんはダンサーの中で最年長なんですけど、めちゃくちゃエネルギッシュ！ アクロバットもするし、踊りはセクシーで。テーマパークダンサーやスタントマンをされていた方なので、手を振る動作ひとつ取ってもファンサービスのクオリティが違います。大先輩ですが、すごくフランクで優しくて、逆に困っちゃうくらい (笑) 。すごく尊敬しています。
KAJ1さんは踊りも見た目もスタイリッシュ！ ナオトさんは、ライブ中のトークやリハーサル中にボケたりすることがあるんですけど、その時のKAJ1さんの反応の早さがすごいです（笑）。振り付けやキャスティング担当もしているSHOTAさん（AFROISM）と共に全体をまとめてくださり、笑いも交えて常に現場を明るく引っ張ってくださっています。
SHOくんは、普段はクールですがステージ上では“オラオラ”！ SHOくん自身がバンドをやっているせいか、内に秘めている熱量がライブになると爆発するんですよ。そういう部分で、みんなを引っ張ってくれていますね！――HIROAKIさん自身はどういう立ち位置だと思いますか？
ずっと他のメンバーより年下だったので、弟分みたいな感じなのかな？ よくヘラヘラしてるって言われるし（笑）。
――今回は、新しいダンサーも加わりますね。中にはHIROAKIさんより下の世代の方もいますが、一緒にやってみていかがですか？
すごく新鮮ですね！ SANTAくんやKATSUYAくんは世界でも活躍しているダンサーなので、負けてられないという気持ちがあります。まだ作り込んでいる段階ではあるんですけど、出来上がって全体を見た時にどう見えるのか楽しみです！
（インタビューは、12月5日）
（インタビューは、12月5日）
――新しいエッセンスが入ると、長年いるメンバーも気が引き締まりますね！ ナオトさんご本人には、どういう印象をお持ちですか？
行動力がすさまじいな、と思います。福岡でのライブが終わった5分後くらいに熊本地震が起きた（2016年4月）んですよね。ツアー中で残りの公演も結構あって忙しい時だったはずなのに、時間があれば熊本へ足を運んで炊き出しをしたり、歌を歌ったりしていたんですよ。そういう時に人に寄り添いたいという気持ちって、言葉にするのは簡単だと思うんですけど、実際に行動に移していることがすごいな、と。なかなかそこまでできる人って少ないじゃないですか。
――ナオトさんのエピソードを聞くと、ライブの規模がドーム級でも、お客さんひとりひとりとの距離が密接に感じる理由が分かりますね。思い入れのある楽曲はありますか？
「Adventure」です。初めてナオトさんのライブに出演させていただいた時の１曲目で、幕が上がって1万人のお客さんを目の前にした時の高揚感は今でも覚えています。イントロ部分を聴くとその時の感覚がよみがえります。
――振り付けという面で印象に残っている楽曲は？
KAJ1さんが振り付けをした「ハイビスカス」は、すごく難しかったです。でも、いろいろな国の踊りのテイストを入れていて、今までとはまた違う感じで新鮮でしたね！
――アーティストのバックアップで踊る時に意識していることはありますか？
この現場を始めたばかりの時にSHOTAさんから「手先を気にしろ」とめちゃくちゃ言われましたね。元々が体全体で踊るタイプだったので苦労しました。僕は器用なタイプじゃないので、数を重ねていかないといけなくて…。特に、やったことのない動きは体が覚えるまで踊るしかないんです！
ゲーム愛とダンス愛を合わせて誕生した“モンハンダンサーズ”
――では個人の活動について教えてください！
最近はあまり活発に動けていないんですけど、地元・日野市（東京都）を中心に、小学校でダンスを教えたり、運動会用にダンスっぽい体操を振り付けしたりすることもあります。
あとは「モンスターハンター」（以下、モンハン）というゲームが好きで、同じくモンハン好きのダンサーたちと「モンハンダンサーズ」というチームを組みました。普通にダンスをやっていてもつまらないし、何かと絡めて踊りたいな、と。
あとは「モンスターハンター」（以下、モンハン）というゲームが好きで、同じくモンハン好きのダンサーたちと「モンハンダンサーズ」というチームを組みました。普通にダンスをやっていてもつまらないし、何かと絡めて踊りたいな、と。
――ダンスの中にモンハンの要素が入っているんですか？
入れていますね。今は映像を作っているところなんですけど、武器を持って踊っているシーンもあります。
――すごいこだわりようですね！
ゲーム愛とダンス愛をうまく合わせられたらいいな、と（笑）。
――Instagramで定期的にライブ配信もされていますよね？
そうですね。同い年のダンサー・TAKASHI（※）と「木曜チェケラッチョ！」というタイトルで毎週木曜日の20時から22時に配信しています。基本的には、飲みながら話しているだけです（笑）。ゲストとしてダンサーに出演してもらうこともあって、普段見ることができないダンサーの魅力を皆さんにお伝えできればな、と！ 「木チェケチャレンジ」といって、みんなが真似できるような簡単な振り付けを即興で作って踊ろう、というコーナーもあります。
※HIPHOPダンスチーム・Ol'lazy soulのメンバー。ダンサーとしてだけでなく、イベントのオーガナイザーとしても活動している。
――個人の活動は、企画モノが多いですね（笑）。ダンスと何かを掛け合わせていることが多いようですが、理由があるんですか？
ダンスを広めたいと思った時に、本格的なダンスを見せて「カッコ良い！」と感じてもらったり、こちらから歩み寄ったり、いろいろなやり方があると思うんですよ。僕の場合は、どちらかというと後者の方が合っているんじゃないかな、と思っていろいろやっていますね。
昔は“自分が思うカッコ良さ”にすごくこだわっていたんですけど、ナオトさんの現場や、最近だとNHKの教育番組に関わる機会もあって、見え方が広がっていったんだと思います。
昔は“自分が思うカッコ良さ”にすごくこだわっていたんですけど、ナオトさんの現場や、最近だとNHKの教育番組に関わる機会もあって、見え方が広がっていったんだと思います。
テレビでは見ることができないナオト・インティライミの魅力
――今後やりたいことはありますか？
その都度やりたいことがたくさんあるんですけど…。スタジオという形じゃない多目的な空間があってもいいのかな、と思っています。例えば、今は子どもがダンスに触れるとなったら、まずダンススタジオへ行くことが多いと思うんです。“教わる”というスタンスではない場所があったら良いですよね。“教わる”となると、基礎の動きでも「◯◯じゃなくちゃいけない」となることもあって。でも、子どもの発想力って無限だし、感じたままに自由に踊るようなダンスが生まれる空間を作れないかな、と思っています。
――“青空教室”みたいな？
そうですね！ 「そこに行けばダンスが踊れるお兄ちゃんがいる！」みたいな感じで、子どもたちが自主的にダンスに触れられる場所があればいいな、と思います！
――バックアップダンサーになりたい若手のダンサーにアドバイスをお願いします！
「このアーティストのバックアップがやりたい」と明確に決まっているのであれば、それに合う踊りを追求するとか、何かできることがあると思います。でも予期せぬ話とかもあるので…とにかく明るく構えることですかね（笑）。
――まさにHIROAKIさんですね！（笑）。
（笑）。やっぱり、暗かったり、疲れていたりする人と仕事はしたくないじゃないですか。もちろん、ダンスのスキルや対応力は必要とされますけど、明るい雰囲気がある人とは一緒に仕事をしていて楽しい。だから、気持ち良い人であることが大事じゃないかな、と思います！ 僕たちの仕事は期間が短かったり、大変な時もあったりするんですけど、それでもやるしかないのでどんな状況でも常にポジティブでいられるように、普段から楽しくできるようにすると良いですよね。これは僕の経験談です！
――12月29日に「ナオト・インティライミ ドーム公演2018〜4万人でオマットゥリ！年の瀬、みんなで、しゃっちほこ！＠ナゴヤドーム〜」がありますね。意気込みをお願いします！
1回だけの公演なので、お客さんがめちゃくちゃ楽しめるように準備していきたいと思います！
まだ全貌は見えていないんですけど、新曲がありますし、ダンサーには新メンバーがいて、こんなにバリエーション豊かなメンツがそろうってないと思うんですよ。ダンサーとしてはそれぞれの個性も楽しんでもらいたいですね！
もちろんナオトさんは音楽だけでなく面白いトークも魅力ですし、1回公演だからこそできるボリューム満点の内容になっています。
テレビだとダンサーを付けて出演することがあまりないですが、ライブではまた違ったナオトさんが見れると思うので、初めての方もライブを楽しんでもらえたらうれしいです！
まだ全貌は見えていないんですけど、新曲がありますし、ダンサーには新メンバーがいて、こんなにバリエーション豊かなメンツがそろうってないと思うんですよ。ダンサーとしてはそれぞれの個性も楽しんでもらいたいですね！
もちろんナオトさんは音楽だけでなく面白いトークも魅力ですし、1回公演だからこそできるボリューム満点の内容になっています。
テレビだとダンサーを付けて出演することがあまりないですが、ライブではまた違ったナオトさんが見れると思うので、初めての方もライブを楽しんでもらえたらうれしいです！
インタビュー・文＝Yacheemi
写真＝TMFM
デザイン＝Creative Industry
企画・編集＝渡部真咲
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