どんなに忙しくても、やっぱり日々の癒やしは芝居。高橋一生の幸福論。
演技派俳優として着実に実績を積み重ね、今や女性たちのハートをわしづかみにしている高橋一生は、撮影やインタビューでは時に少年のような表情を見せ、やわらかな物腰で話す。しかし一方で、「1週間の休みは苦痛」など、なかなか気になる発言も…!? その穏やかな笑顔の内側では、どのような思いを抱えているのだろうか。
撮影/後藤倫人 取材・文/江尻亜由子ヘアメイク/田中真維 スタイリング/秋山貴紀
自分を「変わり者」と定義づけないように気をつけている
- この10月から、ドラマ『僕らは奇跡でできている』(フジテレビ系)で主演を務める高橋。生き物のフシギが大好きな、変わり者の大学講師・相河一輝(あいかわ・かずき)を演じる。好きなことに没頭すると時間やルールを忘れ、面倒なことはつい先送り。クセの強い周囲のキャラクターを振り回しながらも、無垢さゆえに核心をつく一輝の一言で、観る人の固定概念をゆさぶる作品だ。
- 相河一輝という役とご自身を比べてみて、いかがですか?
- 今回は、役を役として見られないというか。僕自身も何かあると没入してしまうほうなので、自分との“差”を探したりはしてないです。“一輝の生態”をみなさんにどう感じていただけるか。「自分にもこういうところがあるかもしれない」と感じながら、楽しくやらせていただいています。
- 以前、「次はこんな役をやらせてみよう、とつねに想像力を喚起できる俳優でありたい」とおっしゃっていました。一輝のような変わり者の役、癖のある難しい役を求められることも多いかと思いますが。
- たぶん、人はそれぞれ癖がありますから(笑)。その度合いが大きいか、小さいかであって、みんなそれぞれ変わっているんだと思うんです。役について「癖がある」というアプローチからは入っていません。それよりは、「一輝がどう感じたか」をまず考えています。
- では高橋さんご自身は、自分を変わり者だと思うことはありますか?
- 変わり者だと定義づけてしまうと、「変わり者」として人と対峙してしまいます。そしてそのうち、自分から相手にそう提示するようになってしまう気がして。「オレ、変わってるってよく言われるんだよね」と言う人にはならないよう気をつけています。
- (笑)。では、一輝のように没入して何かを忘れてしまったりすることはありますか?
- 多々あります。仕事があると、とくにそうかもしれません。友人と遊ぶ日に仕事が入って行けなくなったり、仕事がある日に友人を呼んでしまって、結局間に合わず「先に始めておいて」と慌てて連絡したり…(笑)。
ここ最近でもけっこうやっていて、非難轟々です。平謝りしています(笑)。
「空気を読む」ともまた違う? 人と接するうえで大切なこと
- 「存在感がある俳優」と言われることが多い高橋さんですが、本作の豊福陽子プロデューサーも「セリフがなくても表情で語る」とおっしゃっていました。セリフのないお芝居で意識していることはありますか?
- 年々、ポーズのようなものはなくなってきているかもしれないです。ある程度、「形」で見せなくてはいけない場合もあるんですが、反対にどんどん形を削いでいっている感じはします。
- 喜怒哀楽、表情で表すのがもっとも難しい感情はどれでしょうか?
- 役柄によると思うんですが、たぶん、「怒り」という感情はわりと簡単だと思うんです。心理学的には、「驚き」「喜び」「悲しみ」「哀れみ」もでしょうか。表情としてしっかり出やすいらしいんです。ただ、そこにプラスされると怖いんです。「うれしいけれど不安」とか(笑)。そうなってくると、ポーズとしての形が通用しない次元に入ってきてしまうと思うんです。
すべてを感情で(演技を)見せる俳優にはなりたくないんですが、ある程度は、「心の中がどれくらい動いているか」ということも見せていかないといけないのかな、とは思います。
- 心の中の動きにも関連すると思うのですが、高橋さんは「お芝居は上手い・下手というより、結局は人柄」と考えられているのだとか。その人柄を形作っていくものは、なんだと思いますか?
- 単純に、「人にされて嫌なことをしない」ことじゃないでしょうか。 あと、「この人だったら、こうされたら嫌だろうなということをしない」こと。
- 相手の性格を見て、嫌そうなことをしない、という。
- はい、そこをちゃんと見る。「空気を読む」のとも、また違うのかなと思います。むしろ人を観察していけばしていくほど、「これは嫌だろうな」とか「ここは突っ込まれたくないだろうな」というのは見えてくるから。やっぱり相手が楽しいほうが、こっちも楽しいと思うんです。
- たしかに、見ているうちに相手の機嫌や気分は伝わってきますよね。
- 相手をいじめるために生きているような人は、一緒にいても楽しくないですから。やっぱり、「人にされて嫌なことはしない」ことと、相手の立場になったときに「嫌だろうな」ということはしないことが大事だと思います。
もし1週間の休みをもらっても、苦痛でしかないです(笑)
- 高橋さんはドラマ撮影前のインタビューで「一輝を認めてほしい」とお話されていましたよね。
- はい。けれど最近は一輝を認めてほしいという感覚はなくなってきました。撮影に入ってからはもう、「こういう人がいます」というだけになっています(笑)。
今は「一輝を認めてほしい」というよりも、一輝を見たみなさんに、「じゃあ、自分の変えられるところはどこかな」と、自分本位で考えてほしいんです。ただそれは決して、一輝みたいな生き方をしてほしいということではなくて。
人は、他者が鏡になると思うので。一輝を見たときに何か感じるものがあるんだったら、それがどういう感情なのか、1回自分の中に落とし込んでみてもらえるといいんじゃないかと思うんです。 - 一輝という鏡を通して、自分を見つめてみるという。
- 要は、誰かにはなれないので。自分ベースで一輝の(自由な)生き方を見ていて「私、ちょっとがんばりすぎてたところがあったな」と思えるか、とか。榮倉(奈々)さんが演じる育実先生みたいに、「(一輝に対して)なんだコイツ!?」って思ってもらっても大丈夫ですし。
けれど、「なんで自分はこんなに怒ったんだろう、苛立ったんだろう」ということを紐解いていくと、ただイライラしただけ、ではない何かがあるはずなので。僕も演じていてハッとしますから。そういうのを感じてもらえたらうれしいです。
- 最後に、プライベートについてのお話を。今、多くの作品にひっぱりだこでお忙しいと思うのですが…。
- 今のうちだけです(笑)。
- (笑)。お忙しい中で、日々の癒やしになっているものというと、なんでしょう?
- (即答で)芝居です。やっぱり芝居しかないって思いました。
- 以前に、「お芝居は呼吸と同じだから、やらないと気持ち悪くなる」とおっしゃっていましたが…。
- ええ。芝居をしていてもなにをしていても、(手で斜め上を示しながら)“いろんなもの”が来てしまうんです。いいものも悪いものも、玉石混合でわーっと雪崩のように来るんです。
けれどそれを全部受け入れると、とても面白いんです。一見ネガティブなものごとも、「あぁ、体験できて良かった」と思えるというか。
そういった体験も生かせるのが芝居だし、結局、信じられるものも頼れるものも、芝居しかないと思っています(笑)。 - もし1週間のお休みをもらったりしたら…。
- 苦痛です(笑)。最初のうちは「休みだー!」って喜んでいるかもしれませんが、ダメでしょうね。
- では、お芝居以外に幸せを感じる瞬間は?
- (あっさり)ないです!(笑)
- そんな即答で(笑)。たとえば、おいしいものを食べたときはいかがですか?
- もちろんおいしいものを食べたら「おいしい」って思いますけれど、おいしいものを食べるためにどこかへ行きたい、ということはないので・・・。
- お酒は飲まれないですか?
- 飲みます。ただ、大勢で飲んだりはしないので。ストレス解消というなら、自転車に乗ることくらいでしょうか。
- バイクが趣味というお話もされていましたよね。
- はい、乗っていました。けれど今はバイクもやめてしまって、結局、芝居しかないんです(笑)。
- 高橋一生(たかはし・いっせい)
- 1980年12月9日生まれ。東京都出身。O型。ドラマ、映画、舞台と幅広く活躍。主な出演作に、ドラマ『民王』(テレビ朝日系)、『カルテット』(TBS系)、NHK大河ドラマ『おんな城主 直虎』、NHK連続テレビ小説『わろてんか』、映画『嘘を愛する女』、『blank13』、『空飛ぶタイヤ』など。映画『億男』(大友啓史監督)が10月19日公開。
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