働いていなくても、幸せの形は人それぞれ。窪田正孝と考える“ヒモメン”の生き方

7月28日から放送中のドラマ『ヒモメン』(テレビ朝日系)で窪田正孝が演じているのは、タイトル通り、彼女の家に転がりこんで定職に就かないヒモ男。そんな自らの役柄に対し、窪田は「働いたほうが楽なんじゃないかなぁ」と笑う。“ヒモメン”を考察しながら、「家のことは、むしろ自分でやりたい」と自身と比較した考えも教えてくれた。さらに撮影現場レポートもお届け。現場では、窪田の周囲への気遣いがたっぷり見られた。

撮影/川野結李歌 取材・文/福田恵子 制作/iD inc.
スタイリング/大石裕介(DerGLANZ) ヘアメイク/糟谷美紀
衣装協力/ブルゾン、パンツ(イールプロダクツ:tel.03-6303-0284)、ニット(フィルーズ・ダルボー:tel.03-3542-0393)、シューズ(パラブーツ:tel.03-5766-6688)

翔ちゃんは、愛嬌たっぷりで憎めない“ヒモメン”

窪田さんは、“楽に生きたい”をモットーにする翔ちゃんこと、碑文谷 翔(ひもんや・しょう)を演じています。働きはしないものの、彼女の春日ゆり子(川口春奈)のためにヒモならではの知恵を使って奮闘する姿は爽快です。“ヒモ男”役に挑むと決まったときの感想は?
「スーツを着なくていい役だから楽だなあ」と思っていました。夏のドラマですし、スーツを着る役は暑いですからね(笑)。原作では四コマ漫画のようにストーリーが進んでいくので、翔ちゃんは、ページを開くたびに全然違う顔になるところが面白い。そこに魅力を感じて、「ぜひに」とお引き受けしました!
テレビ朝日のドラマ出演は久しぶりですよね。
ほぼ初めてです。監督の片山 修さんとは、11年前に北川景子さん主演のドラマ『モップガール』(テレビ朝日系)でご一緒させていただいた以来で。そのときは、不良3人組のひとりでちらっと出ただけでした。
土曜ナイトドラマは、『オトナ高校』や『おっさんずラブ』など攻めた作品が多い印象ですが……。
『おっさんずラブ』も見ていましたよ! ドラマを見てくださる皆さんにとって、土曜の夜って貴重なお時間だと思うので、爽快感たっぷりの面白い作品になればいいなと思いますね。そのために現場でも一生懸命、翔ちゃん役に臨んでいます。
看護師として働くゆり子のお金だけで生きていく翔ちゃんを演じて、ヒモ男の気持ちは理解できましたか?
いや〜、僕は働いたほうが楽なんじゃないかなぁって思うんですよね……。(翔ちゃんは)働く以上に体を動かしているし、何でそんなに働くことを拒絶するんだろうって思いますけど(笑)。翔ちゃんはヒモ男であることの罪悪感がまったくないですし、一緒に暮らしているゆり子への愛は本物なので、そこはブレずにいたいです。
「大好きなゆり子のためなら働く!」とならないのが翔ちゃんですよね。
周りの人から見たら、翔ちゃんのゆり子への愛情の形は、理解されないかもしれないですけど。翔ちゃんは人たらしというか、愛嬌のある憎めないキャラクター。ずるがしこい部分もあるけど、可愛らしさを意識して演じています。
▲現場に入る際は、撮影スタッフひとりひとりに丁寧に挨拶をしていく。撮影中も、翔のボサボサヘアの直しが入るたび、「ありがとうございます」と何度も口にする。泥まみれになるシーンでは、「汚れはどれくらい付けますか?」というスタッフ間の会話に、「もっと汚しちゃってください!」と自ら提案することも。現場では、窪田の気遣いにあふれていた。
チャーミングな翔ちゃんを表現するために、心がけていることは?
「1000円ちょうだい♥」というワードは、甘えた言い方をするとか(笑)。翔ちゃんはゆり子に甘えすぎなので、だんだんゆり子も怒ってしまうんですけど…。でも、一生懸命に働くゆり子を包み込むような愛情が伝わればいいですね。ほっとする言葉を投げかけてあげるなど、精神的にゆり子を支えてあげるのが、翔ちゃんの役割として映ればいいなと思います。

おいしいところを持っていく“池目先生”にジェラシー

以前のインタビューのときに主演としてのスタンスをおうかがいしたら、「周りが自由に遊べる環境を作りたい。縁の下の力持ちのような存在でいたい」とおっしゃっていました。今回の現場でも同じでしょうか?
そうですね。ベースは変わっていないです。今回は、話を進めていくのは翔ちゃんではなくゆり子。彼女がいるところに事件が起きるという展開なので、翔ちゃんは、ヒモ男として、ずっと変わらないでいられるかを大切にしたいです。
翔ちゃんとゆり子、ふたりの関係性をどう思いますか?
女性が社会で活躍する時代ですし、そこに甘える男性もいるだろうなと。ゆり子は、「私がこの人を育ててあげている」という優越感も少しはあるのかもしれない。ヒモ男と付き合うことについても、本当に辛かったら、別れればいいだけですから。僕はふたりが幸せならそれでいいと思います。別れないのは、ちゃんと絆があるからこそ。お互い欠けている部分を補える関係なんだと思います。
見る側としては、翔ちゃんとゆり子はどこか応援したくなるカップルです。
個人的には、ゆり子はもうちょっと視野を広げたほうがいいと思うこともあるんですけど(笑)。まあ、いくら高収入でも池目先生(池目亮介/ゆり子に好意を抱く医師)はやめたほうがいい! ……ということで、翔ちゃんとゆり子のふたりを温かく見守っていただきたいです(笑)。
窪田さんご自身は、翔ちゃんみたいに女性にお金を出してもらう男性のスタンスはアリですか? ナシですか?
ナシです! たとえお金がなくても出したいと思うので…。まあ、見栄ですよね(笑)。
縛るのも、縛られるのも嫌なので。好きなことを自由にやっていただいて。ゴミ出しとか、家のことは、むしろ自分でやりたいです。家事は得意ですから。そんなに得意じゃない料理は作ってほしいですけど(笑)。
もしも互いのルールを作るなら?
ないかなぁ。あ……、洗濯ものは自分でたたみたい! 基本、手洗いをしたい派なので、自分のものは自分で洗濯するので、放っておいてくれてもいいよって感じですかね(笑)。
▲ゆり子の“逆壁ドン”のシーンでは、手を出すスピードから置き方、それを受けて芝居をするタイミングや顔の向きなど、細かい部分までふたりで何度も調整している姿が印象的だった。
▲コミカルなシーンが多いが、カップルらしいやりとりを見せるときも。翔とゆり子のシーンが多いからこそ、窪田と川口の芝居にも熱がこもる。
川口さんとは、今作で初共演ですね。
春奈ちゃんとはいい距離感でやっています。お互い密に話すことが得意じゃない性格なので、そんなに会話が続かないことがあっても僕は気が楽(笑)。
そうなんですか?
春奈ちゃんはサッカーに対する熱がスゴくて。撮影期間中でも、夜中の試合も見ていたほどで、スタッフさんたちにもサッカー熱をぶつけてました。僕はさすがに(笑)。だから、いまは共通の話題を探しているところです。
見つかるといいですね。
基本的に春奈ちゃんはサバサバしていて、つかみどころのないところが魅力なんです。ちょっと近づけたかなと思った瞬間があっても、それは勘違いかもしれないということのくり返し。たぶん、あまり僕のこと、興味ないんでしょうね(笑)。
そんなことはないと思いますよ。お芝居の場面では、どんなパートナーですか?
お互いに「こうしたい」という演技プランを持っているけど、「ああしよう、こうしよう」ってそんなに意見交換はしないんです。でも、本番になるとバチンと合う瞬間がある。僕のお芝居をしっかり受け止めてくれるので、芝居をしながら調和をとっている感じがします。
現場のムードメーカーは、池目先生を演じる勝地 涼さんでしょうか?
そうですね。春奈ちゃんが勝地さんの話にツボっているのが、個人的にジェラシーを感じています(笑)。「あ、心掴んじゃってるじゃん」って。
(笑)。共演はお久しぶりですよね。
4、5年ぶりの共演なんですけど、ズルいんですよ〜! 池目先生ってどうにでも動けるキャラクターで。1話を見て、「(おいしいところを)ずいぶん持っていってるな、チキショー!」って思いましたもん。『ドラゴンボール』でいうベジータですよ! おいしいですよ、あれは。池目先生、いいなあ……(笑)。
▲役柄上ではゆり子を取り合うライバルだが、休憩中などは、監督を交えて役についてアツい話を交わす窪田と勝地。真剣な話が終わると、たわいもない話で盛り上がっていたのか、「ハハハハ!」と笑い合う姿が見られた。

楽しく撮影してます🤗 座長❗️マサ❗️ 久々の共演楽しい👬 28日から放送お楽しみに #ヒモメン

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▲勝地の公式Instagramでは、窪田との撮影中のツーショットが投稿され、ふたりの仲睦まじい姿が話題を集めた。

型にはまらない、鮮度の高い芝居をやり続けていきたい

8月6日には30歳のお誕生日を迎えられます(取材が行われたのは7月下旬)。このタイミングで、本作に携わったことについてはどう感じられていますか?
これまでやってきた恋愛ものは、ミステリーメインで、どこか屈折した愛を表現するものが多かったんです。20代のうちに明るいラブコメをやりたい気持ちがあったので、『ヒモメン』は社会派コメディではあるけど、恋愛要素の強い作品に携われてよかったなと思いますね。
恋愛もので、久しぶりに幸せな役なのでは?
そうなんですよ。だから、やっていて楽しいですね。性格的にも男同士でワチャワチャしているほうが楽なので。こういったコメディ作品で勝地さんたちとくだらない話をしたり、ふざけたりして、盛り上がっているのが性に合うんですよねぇ(笑)。
もちろん他の皆さんと楽しくコミュニケーションしながら、作品を作り上げていけたらと思っています。
役者として、30代はこうなっていきたいというビジョンはありますか?
僕の場合、おそらくお父さん役をやって貫禄が出せるのは50歳になってからだと思うんです(笑)。30代で「こういう役をやりたい」というのはないですけど、いくつになっても素人感覚を失わない役者でいたいです。先日、『カメラを止めるな!』の予告を見たんです。
上田慎一郎監督と無名の俳優たちによる映画で、上映劇場が拡大されるなど話題になっていますね。
「面白いなあ」と衝撃を受けて。改めてそんなことを感じたんですよね。型にはまらない、鮮度の高い芝居をずっとやり続けていけたらいいなと思います。
窪田正孝(くぼた・まさたか)
1988年8月6日生まれ。神奈川県出身。B型。2006年に主演ドラマ『チェケラッチョ!!in TOKYO』(フジテレビ系)で芸能界デビュー。出演作に、映画『東京喰種トーキョーグール』、『犬猿』など。8月17日公開の映画『銀魂2 掟は破るためにこそある』に出演。9月2日には、初のフォトブック、窪田正孝×写真家・齋藤陽道フォトブック『マサユメ』(SDP)が発売される。さらに、10月5日公開の劇場アニメ『モンスターストライクTHE MOVIE ソラノカナタ』では声優に初挑戦する。

    出演作品

    土曜ナイトドラマ『ヒモメン』
    第2話 8月4日(土)23時15分〜放送(テレビ朝日系)
    http://www.tv-asahi.co.jp/himomen/

    サイン入りポラプレゼント

    今回インタビューをさせていただいた、窪田正孝さんのサイン入りポラを抽選で1名様にプレゼント。ご希望の方は、下記の項目をご確認いただいたうえ、奮ってご応募ください。

    応募方法
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    受付期間
    2018年8月2日(木)18:00〜8月8日(水)18:00
    当選者確定フロー
    • 当選者発表日/8月9日(木)
    • 当選者発表方法/応募受付終了後、厳正なる抽選を行い、個人情報の安全な受け渡しのため、運営スタッフから個別にご連絡をさせていただく形で発表とさせていただきます。
    • 当選者発表後の流れ/当選者様にはライブドアニュース運営スタッフから8月9日(木)中に、ダイレクトメッセージでご連絡させていただき8月12日(日)までに当選者様からのお返事が確認できない場合は、当選の権利を無効とさせていただきます。
    キャンペーン規約
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