自分の活動で誰かの人生を豊かにできたら。挑戦し続ける内田雄馬の今

アーティスト・内田雄馬の魅力を挙げようと思うとキリがない。

透明感のあるのびやかな歌声と、聴く者を圧倒する歌唱力、全身から生命力がほとばしるようなパフォーマンス、そして歌やダンスを心から楽しんでいる屈託のない笑顔。

「チャレンジ」を音楽活動のテーマとして掲げ、前進を続ける内田の輝きは、2018年のデビューから2年が過ぎてもなお、増していくばかりだ。

そんな内田の6枚目のシングル『Image』は、表題曲としては自身初となる本格ダンスナンバー。MVではダンサーを率いてキレのあるダンスを披露し、アーティストとしての成長を印象づける一方で、不安を抱え、立ち止まってしまった人が、前に進むために自分自身と向き合うきっかけとなるような楽曲にもなっている。

「自分の活動が誰かの人生を少しでも豊かにできたらいいな、という思いが、僕の根源」と笑顔で語る内田。新型コロナウイルスの流行により社会全体に停滞ムードが漂うなかでも、彼は自分にできることを探し、思いを伝えるために、チャレンジを続けている。

撮影/増田 慶 取材・文/後藤悠里奈 制作/リアルコーヒーエンタテインメント
スタイリング/奥村 渉 ヘアメイク/花嶋麻希
衣装協力/DIET BUTCHER SLIM SKIN(〒154-0042 目黒区青葉台1-19-7 MS BLDG. B1F tel 03-5728-4765)

今のタイミングだからこそ、ダンスナンバーに挑戦できた

6thシングル『Image』の発売、おめでとうございます。本楽曲の制作はいつ頃動き出したのでしょうか?
打ち合わせ自体は、去年の10月から今年の2月まで開催していたライブ(YUMA UCHIDA 1st LIVE『OVER THE HORIZON』)が終わってすぐに始めていました。そしてその中で、「ダンスナンバーを表題曲としてやりたい」ということをプロデューサーにお話させていただきました。

そんなときに、(作詞作曲の)Shogoさんと(作編曲の)早川博隆さんから以前にいただいていた『Image』の元になった楽曲が頭に浮かびました。この楽曲では、僕自身が普段仕事に向き合うときに考えているような思考の流れが描かれていて、共感するところがとても多かったんです。あとから「内田雄馬をイメージして作った」ということを伺って、僕のことをよく見て理解してくださっているんだな、と感じました。

もう一度、“アーティスト・内田雄馬”として何を表現するかということを考えたときに、この楽曲で新しい挑戦ができたらいいなと思いました。
内田さんは、ダンスミュージックがお好きだとこれまでにもいろんな場所でお話されていましたが、表題曲として持ってくるのは今回が初めて。そこにはどんな思いがあったのでしょうか?
もともと僕は“歌って踊る”という音楽の表現がとても好きなので、ダンスナンバーを表題曲にしたいという思いはずっと持っていたんです。一方で、“アーティスト・内田雄馬”としては、「ロックに挑戦する」という部分も大事にしているので、今までの表題曲では、それをベースに制作してきました。ただ今回は、改めて内田雄馬の音楽に向き合う中で、自分が昔から好きだった“歌って踊る”ということにフォーカスした楽曲を表題に据えることになり、「ついに挑戦できるタイミングがきた!」という気持ちもありました。

ただ、ダンスナンバーということは、ダンスも含めて楽曲を表現することを考えなければいけないし、自分のスキルをもっと上げていかなくてはならないわけで。アーティストデビューしてからの2年間でいろいろな経験を積み重ねてきて、ソロライブも経た今のタイミングだからこそ、挑戦することができた1曲だと思います。
アーティスト活動を2年間やってこられて、現時点での集大成的な1曲ということですね。
はい。そして、これがまた新しいスタートです。
内田さんは、Shogoさんと早川さんからもらった楽曲の、どんな部分に惹かれたのでしょうか?
デモの段階では楽曲の1番までが入っていたのですが、そのときから歌詞がすごく響いたんです。

というのも、歌詞やメロディに込められていた“Shogoさんたちから見た内田雄馬の印象”と、僕自身が考える“アーティスト・内田雄馬”像とのシンクロ率がかなり高いと感じたんです。早川さんたちから見た僕の姿が、僕の感じている“自分”に近かったといいますか。

だから、曲の世界にすごく入り込みやすくて、そのままの方向性で2番まで積み重ねていただいた感じです。
まさに、内田さんと楽曲制作チームが持つ“内田さんのイメージ”が合致していた、と。
そうですね。おふたりとも今まで何度も一緒にやらせていただいていますし、僕の音楽活動におけるベーシックな思いはたびたびおふたりに伝えているので、そういったところからイメージを汲んでくださったのだと思います。

今、立ち止まっている人に届けたいメッセージ

とくにご自身と合致していると感じたのはどのフレーズですか?
僕は「研ぎ澄ませる」という言葉がこの楽曲のキーワードだと思っていて。

“研ぎ澄ませて、何回も何回もイメージをすること”って、僕が声優としてつねにやっていることなんですよ。

普段から、「このキャラクターは何を考えているのだろうか」「こういう出来事があったらこのキャラクターはどうなるのだろうか」という無数の可能性の中からひとつの“答え”を選択する作業をしているので、そのイメージと重なったというのがありました。

あと、冒頭に「空想ではいつも 誰にも負けないヒーローになるのに 現実はいつもなぜ it’s not great」という歌詞もありますが、そこも自分の思考に似ているなと思いました。ヒーローのようになんでもできるような気持ちでいたいけど、実際にはそんなことはないですよね。

そういうのって何かに挑戦するときの自分にとっては余計な雑音だったりするんですけど、そんな雑音のなかから自分の色を探して、磨いて、研ぎ澄ませて、“答え”を導き出していく。その流れが、自分の声優としての在り方にシンクロしたんです。
理想と現実のギャップは、誰しもが感じているものですよね。
そうだと思います。みんな、自分のなかに理想の姿形があるけど、実際はそれとは違う。でも、そこで立ち止まるんじゃなくて、「じゃあ、どうしたらいいんだろう」と考えていかなければいけない。

僕は、人間の持つ最大の武器は“思考すること”だと思っているんです。いろいろな可能性を考えて、考えて、考え抜いたうえでひとつの“答え”を導き出すという感覚は、多分誰にでも共通して言えるものなんじゃないかな、と。それが、前に進むための唯一の方法だと思うんですよね。
雑音も聞こえなくなるくらい感覚を研ぎ澄まして、自分の”答え”を探し出す……まるで禅のようです。
そうかもしれません。とくに今は時節柄、家にいることも多いじゃないですか。それってある意味、前向きになりにくい状態でもあるのかなと思うんです。もちろん現状を維持することも非常に難しいことですけど、「前に進む」という気持ちになりづらい世の中になってしまっていて。

僕も家にいるあいだにいろんなことを考えて試していましたけど、その一方でどこか、後ろ向きになってしまう自分もいて。そして、その気持ちが勝ってしまったとき、人は自分で自分にブレーキをかけてしまう。そういうときにどうやってそれを打ち破るかというと、いろんな可能性をとにかく考えて洗練していくしかないと思うんです。
なるほど。
だから、今、この楽曲を世に出すことによって、「一歩を踏み出すのが怖いな」「どうしたらいいんだろう」と思っている人の心にも前に進むためのきっかけを届けることができるんじゃないか?と思ったんです。

自分が声優としてやってきた形を表現しながら、立ち止まっている人に「考えて、研ぎ澄ませて、ひとつ“答え”を出せば、それが新たな自分のステージにつながるんじゃないかな」という前向きなメッセージを送れていたら嬉しいです。

今までのシングルは「僕もいるから、一緒に行こうよ」とそっと背中を押してあげられるような楽曲でしたけど、『Image』は、聴いている人が自分自身と向き合うためのきっかけとなるような楽曲なんです。
「正解などないさ 今日まで歩んだ道のりとこの意思以外は」という歌詞にも、そうやって選んだ“答え”に誇りを持つような強さを感じます。
結局、世の中に“正解”なんてないのかもしれません。だからこそ、考え抜いた末に自分が選んだものが“正解”だと思って進む以外にないんです。

そういうときに「俺は全然スゴい人じゃないし、これは無理だ」とか「俺はもっとできるはずなのに」とか、雑念が入るわけですけど、今の状況や自分がどうしたいのか、どうするべきなのかを考えたうえで“答え”を出すことが、新しい未来に向かう力に変わると思います。

その“答え”を選択した結果がどんな形になってもいいんですよ。それが絶対の“正解”じゃないかもしれない。でも、「自分でこの“答え”を出した」という意思が前に進む一歩になる。僕自身、この楽曲を聴くとそういう前向きな気持ちになるんです。自分で壁を作ったり、立ち止まったりした瞬間に、冷静な気持ちに戻してくれるのがこの『Image』なんです。
個人的に、内田さんはつねに前向きなイメージだったので、ちょっと意外な感じがします……!
でも、そのイメージも間違ってないです(笑)。それも内田雄馬です。裏側でこういうことを考えている結果として、そのポジティブなイメージに行きついているんだと思います。

ソロライブを経たからこそできたダンスパフォーマンス

そんな本楽曲のレコーディングはいかがでしたか?
この曲は、世の中の動きがちょっとずつ戻ってきた6月頃に収録しました。仕事としてはすごくひさびさに歌ったので、本当に緊張しましたね。それと同時に、やっぱりマイク前で何かをするのが好きだと実感しましたし、またスタジオで収録できることがうれしかったです。

また、誰かに届けるために歌うということにスイッチが入ったのも印象深かったですね。家でも気分転換で歌ってはいましたけど、それは自己満足のためでしたし。
改めて、歌を届ける楽しさを感じられた。
そうですね。でも難しかったです(笑)。息を吸えないし、全体的に音ではなく歌でリズムを作るポイントが多くて。Bメロはわかりやすいですけど、楽器の音があまりないので、リズムになるような音も少ないんです。

声が楽器の一部として存在していると感じました。難易度は高かったですが、逆に、歌自体でリズムを作っていく感覚はすごく楽しかったですね。
MVで披露したキレのあるダンスも、本楽曲のポイントのひとつですよね。
今回のMVはダンスをベースに作りたいという思いがいちばんにあったので、イメージシーンはワンシーンで、あとは全部ダンスという構成になっています。今までの楽曲だとポーズ(服装)もけっこうあったんですけど、今回は2ポーズに絞りました。

撮影が始まる前は、「ダンスを間違ったらどうしよう」とかいろいろ考えちゃいましたね(笑)。でも、ライブでもご一緒したダンサーズが参加してくれたので、僕ひとりではなくみんなでパフォーマンスをした感覚があり、不思議と安心感がありました。「なんとかなる」と。ダンサーズがいることでリラックスできて、みんなとシンクロすることを意識できたと思います。
大船に乗った気で臨むことができた、と。
とはいえ、最初はアップアップでしたけどね(笑)。「振りはこうで、歌詞はこうで、カメラはあそこで……」と、頭がてんてこ舞いでした。でもひとりじゃないので、自分もドシッと「やるべきパフォーマンスをやろう」と頑張れたかなと思います。
内田さんは、デビュー当時のインタビューで、「これまでダンスレッスンを積んできたわけではなかった」「ダンスを踊る際はパッションを大事にしてきた」というお話をされていました。今回のMVの撮影では、そのときからの成長や変化は感じましたか?
あまり変わっていないかもしれないです(笑)。いまだに「もっとこう踊れたらいいな」と思うところもたくさんありますが、あえて成長した点を挙げるとしたら、“楽しむ”ことができるようになったとは思います。

自分の身体が追いつかなくて悔しさを感じることばかりなんですけど、それでもライブを経て、ダンサーズと一緒に踊ったことで、「ダンスパフォーマンスを魅せる」という感覚が自分のなかに根付いてきたのかな、と。

スキルがどうこうという話じゃなくて、「どうやってお客さんに届けるか」というところを、ダンスでもちょっとずつ感じることができるようになってきたかもしれません。
ソロライブの経験がいい影響を及ぼしていたんですね。
そうですね、ライブをしたことは僕のなかでかなり大きかったと思います。もちろんCDもお客さんのことを意識して制作するのですが、ライブでは直接その日、その瞬間にしか集まれないメンバーでひとつのものを作るじゃないですか。そうなると、自分を気にしている時間がないんですよ。

「自分のことを考えると緊張するけど、相手のことを考えると緊張しない」。これ、僕の持論なんです。「失敗したらどうしよう」とか「うまく見せたい」とか、自分に対する雑念があると、周りが見えなくなってしまう。

でも、「観てくれる人がどうやったら楽しんでくれるだろう」とか「今日はどんな人たちがいるんだろう」ということを考えると、緊張はなくなるんです。「カッコよく見せたい」とか「失敗しない」とかは重要なところじゃありませんから。
たしかに……!
今まで、作品のライブやキンスパ(『KING SUPER LIVE 2018』)などでたくさんの人たちとライブをさせていただく経験はありましたけど、初めて“内田雄馬のライブ”という形でやらせていただいて、「どういうふうにみんなと音楽を共有したいか」を改めて認識できたと思います。

内田雄馬を楽しみに来てくださる方がたくさんいるんだから、自分自身がまずみなさんに対して「楽しい思いを共有したい」という気持ちを届けないと、みんなからも返してもらえないですし。「愛されたければ、愛せ」みたいな循環を意識させてもらえたライブでしたね。
ちなみに、『Image』のダンスはどれくらい練習されたのでしょうか?
こんなご時世なので、じつはなかなか集まってのレッスンができなくて。個人でのトレーニングはしていましたが、実際にスケジュールをとって振り付けの先生と一緒にやったレッスンや、ダンサーズとの合わせも含めて、わずかな時間しかできなかったんです。それもあって、撮影がいっそう怖かったです。

しかも僕、撮影前に腰を痛めちゃったんですよ。まさに腰痛真っ最中の撮影だったのですが、本番中はなんとか身体が持ち堪えてくれてよかったです。
それは大変でしたね……! 内田さんはダンスの動きや表現で、得意なことや苦手なことはありますか?
なんでしょうね? 得意なのは……顔?(笑) 表情は、まさにパッションがいちばん現れていると思います!

苦手なのは身体を動かすことですね。僕は運動神経があまりよくないんですけど、ダンス自体は大好きで、苦手でもやりたいという気持ちがあるので積極的にやっています。表現するのは好きなので。だから、身体を動かすのも得意になれたらうれしいですね。
MVを観ても、身体を動かすのが苦手そうだとは感じませんでしたが……。
いや、めちゃめちゃ苦手です! ライブでも、プロデューサーとビーチフラッグ対決をして負けましたし(笑)。でも、「ダンスが好き」という気持ちが何より大事だと思うので、それを持ってやり続けることでどう変化するか、みなさんにもお見せできたらいいなと思っているところです。

“チャレンジ”というのは、自分の活動のテーマでもあるので。

内田雄馬はなぜ挑戦するのか。その行動原理を表現

ではお次は、カップリング曲のお話を聞かせてください。2曲目の『SummerDay』はまさに夏にぴったりなナンバーですね。
テーマはタイトルからもわかる通り、夏です(笑)。せっかく夏にリリースされるので、夏の曲が欲しいな、と。『Image』は自分が仕事に関してどう思考しているかを反映させて作ったので、こちらは、「みなさんが見ている僕のポジティブなエネルギーを発揮できる楽曲にしたい」というお話をさせていただきました。

もともとこの楽曲は、作詞・作曲のSHOWさんから以前いただいたものだったんです。あまりにも浮かれ放題だったので、ポジティブなエネルギーを発揮するにはとてもいい楽曲だということで、今回歌わせていただいています。

だって、(歌詞が)「羽目外し放題」ですよ!(笑) 楽曲のなかで描かれているストーリーも本当に羽目を外しているので、ライブで歌ったら楽しい時間になると思います。
では、レコーディングも楽しみながらできましたか?
……と言いたいところなんですけど、この収録の頃が絶賛腰痛め中だったので(苦笑)。この曲は、人生で初めて座って録りました。いちばん浮かれていないといけない曲なのに(笑)。僕は身体を動かして歌いたいタイプなので、そういう意味では苦労しながら録った曲ではありますね。でも、楽曲には全力のエネルギーを込められたかなと思っています!
お次は3曲目の『You Are Special』について。こちらは一転してしっとりとした雰囲気の楽曲です。
僕からプロデューサーに「焚き火で語っているような楽曲を」というすごく抽象的なオーダーを出しまして。そうしてできたのがこの『You Are Special』です。

というのも、『Image』『SummerDay』と、“みなさんから見た内田雄馬のイメージ”をテーマに2曲作ったので、ここで“個人・内田雄馬”としての気持ちも楽曲に出してもいいかなと思ったんです。

今までは個人的な思いを楽曲にすることは考えていなかったんですけど、“個人・内田雄馬”の思いも、“アーティスト・内田雄馬”や“声優・内田雄馬”にも反映されているので、改めて自分と向き合う中で、このタイミングでそれを表現したいと感じ、この楽曲を制作させていただきました。
この曲に“個人・内田雄馬”のどのような思いが現れているのですか?
『Image』で話したことにも通じるんですけど、僕にとって「自分の音楽や参加した作品を通して、みなさんに喜んでもらうこと」がエンターテインメントのいちばんの目的なんです。自分の活動が誰かの人生を豊かにできたらいいなという思いが、自分の根源になっているんですね。

突き詰めて言えば、僕は誰かのために生きているし、誰かのために活動しているんです。

そして、そんな自分は決して特別な人間でなくて、みんなと同じところから始まって、たくさんの出会いときっかけがあって、いろんな選択をしたことで、今のこの場所まで歩いてきた。「だから、あなたと私はまったく変わらない、同じだよ」ということを、この曲では歌いたかったんです。

Bメロの、「Iʼve always tried something new もしそれが 君のtry に繋がったらいいな」は、今までも僕が言ってきたことなんです。自分は挑戦をするけど、だからって「一緒に挑戦をしようよ」っていうわけじゃなくて、「あなたが挑戦したいと思ったときにひとりが怖いなら、ここに挑戦をし続けている人間」と。
「挑戦したいけど怖い」。そんな思いを抱える人に寄り添うようなイメージですね。
「自分は特別な人間じゃない」「自分なんて全然ダメだ」って後ろ向きに考えてしまって不安になる人もいると思うんですけど、僕が挑戦することでひとつの“答え”を証明していくから、そんなに不安に思わないでほしい。そういうメッセージを届けたかったというのはありますね。

やっぱり、“その人”は“その人”しかいないし、“その人”と“僕”のあいだで生まれるものは、そこでしか生まれない特別なものなんです。僕も、あなたも、誰しも特別で代わりになる人はいないわけだから、みんなで横の気持ちで繋がって、何かを共有できたらいいんじゃないかなっていう思いがあって。それを表現させてもらいました。
その思いを聞いたうえで曲を聴くと、より深く響きそうです。
これまでも、「内田雄馬は挑戦します」「僕らは挑戦するので、仲間になりましょう」というメッセージは提示してきましたけど、「頑張れって言われても頑張れないよ、あなたとは違うんだもん」って感じていた人もいたと思います。

今回の楽曲はその返答というか、「どうして挑戦するのか」という内田雄馬の行動原理を表現させていただきました。だから、ある意味、自己紹介的な1枚になっているんじゃないかなと思っています。

“声優・内田雄馬”と“個人・内田雄馬”はイコールじゃない

ここからは、今年5月に2周年を迎えられたアーティスト活動についてのお話をうかがっていきます。これまでを振り返ってみて、どんなことを感じますか?
あっという間だったという感覚もありますし、非常に大きな2年だったなとも思います。それまでは“声優・内田雄馬”は“個人・内田雄馬”とイコールだと思うところがあったんですけど、そうじゃないと気づく大きなきっかけになったのが、アーティストデビューだったな、と。

声優としての自分、アーティストとしての自分、個人としての自分が存在していて、そのなかでどうみんなと関わっていくか。今は何を表現して何を届けたいのか。アーティストとしての活動は、そういう俯瞰的な視点を僕にもたらしてくれました。

実際、この2年のあいだにいろんな制作もしたし、ライブもやらせていただいて、たくさんの人と会って話す機会が増えました。それによっていろんな考え方に触れましたし、“自分の正解”だけが“世の中の正解”じゃなくて、さまざまな“正解”があるなかで、みんなでどれを選ぶかが大事だということを教えていただいたんです。

たくさんの実りや学びがあった2年だし、それを今後、よりブラッシュアップして育てていきたいと思っています。
アーティスト活動をしたことで得たその気づきは、声優としての活動にどう影響していますか?
いろんな視点を持つという考えは、もともと感覚としては持っていたんですけど、アーティスト活動をしてからより実感できるようになりました。

これまでは、“正解”はないと頭ではわかっていても、どうしても自分のなかで「絶対こうだ」と思って選択してしまっていたのが、アーティスト活動を通したくさんの人とコミュニケーションをとることで、話し合って“正解”を固めていくことを覚えさせてもらったんです。

声優としても、今まで「自分がいちばんこの役のことを考えている」と思ってしまうこともありましたが、監督やほかのキャストさんの視点もより深く考えられるようになったのは、アーティスト活動を始めたからですね。
8月26日からは、これまでの内田さんの楽曲のサブスクリプション配信がスタートするそうですね。
自分もサブスクに登録していて、なんの気なしに使っているんですけど、改めて考えると本当に便利ですよね。検索するだけで自分の楽曲が聴けるし、自分の好きなプレイリストを作ることができるようになって、みなさんに、より身近に、ダイレクトに楽曲を手に取っていただけるので、すごくいいなと思っています。

サブスクに登録されていて、もし「内田雄馬の音楽にちょっとだけ興味がある」と思っている方がいたら、ぜひ一度聴いていただけたらうれしいなと思いますし、そうやってきっかけが増えることはとても楽しみです。
初めて内田さんの楽曲を聴こうとしている方に、ぜひ最初に聴いてほしい曲は?
全部です(笑)。
(笑)。
特別どれとは言えないですけど……最初に出した『NEW WORLD』と、最新の『Image』を聴いていただけると、デビューのときにどういう表現をしていて、今はどうなのかという違いも含めて楽しんでもらえるんじゃないかなと思います。でもやっぱり、全部聴いてほしいです(笑)。

あと、『NEW WORLD』は英語バージョンが配信限定でリリースされるので、昔歌ったものと、英語バージョンを聴き比べていただいても楽しいかもしれません。

このインタビューを受けている段階では英語バージョンはまだ収録していないので、ちょっと緊張していますけど(笑)。
さらに、8月29日放送の『MUSIC FAIR』など、TV番組の出演も予定されていますね。
TVに出していただく機会は本当に貴重なので、新しい場所でチャレンジさせていただけることが非常にうれしいですね。普段はご一緒できることがあまりない方とも一緒に歌わせていただけますし、どうやって楽しんでいけるかワクワクしています。ぜひ、放送を楽しみにしていてください!

制限されたなかでできることを、楽しみながら考えたい

さて、新型コロナウイルスの流行に伴い、ステイホームが求められる昨今。もともと森林浴や山登りが好きなアウトドア派の内田さんは、おうち時間をどうやって過ごしていましたか?
ずっとゲームをしていて、その中でよく森を歩いていました(笑)。やっていたのは、わたくしも出演させていただいております『ファイナルファンタジーⅩⅣ』です。

オンラインRPGだから、入ると自分の知らない人がいっぱいいて。その人たちと一緒にパーティーを組んでプレイすると、必ず他人の存在を意識するので、その感覚が車の運転みたいだなと感じました。

車の運転って自分の技能に加えて、歩行者や対向車というほかの人の動きを考えるじゃないですか。誰かを意識するというのが自分にとって非常に大事なんだなと、ゲームをしていても感じますね。

だから、すごく楽しいですし、家にいてもひとりという感じがしないんです。つねに誰かとコミュニケーションを取り続けるのは、自分にとってうるおいですね。
アニメ作品でのアフレコも再開されてきましたが、アフレコ現場の環境は以前とは違っているのでしょうか?
全然違います。一緒に録れる人数も限りがありますし、今までどおり掛け合いをして録ることは難しいので、少なくとも事態が落ち着くまではアフレコの形は変わっていくと思います。

もちろん前のように一緒に録れたらいちばんいいんですけど、順応していかないといけないですし、そのなかで自分はどうアプローチできるだろうと新たに考える必要があるなと、今すごく感じています。
アーティストとしてもライブイベントなどに影響が出ていると思いますが、内田さんは7月23日にTwitter上でライブパッケージの同時上映企画を展開されていました。それも、新しいアプローチの形ですよね。
ああやってファンの方と一緒に盛り上がれるのはうれしいですよね。いろんな方と、よりダイレクトにコミュニケーションを取れるSNSというツールがある、今の時代ならではだと思います。

SNSのいいところは存分に活かして、これからもみなさんと共有できるような方法を考えていけたらいいですね。
ほかにも「こういうことをやってみたい」と考えていることはありますか?
なるべくリアルタイムでみなさんと関われたらいいなと思っています。

家でできることとしては、とりあえず今はスキルアップを図ろうと思っています。身体を鍛えたり、ピアノの練習をしたり。

自粛が求められるこのご時世ですが、制限されている枠の中で何ができるか考えるのは、ある意味、クリエイティブなことだと思います。だからこそ、それも楽しんで考えられるように頑張っていきたいですね。

ニューシングルにちなんで…内田雄馬さんの一問一答!

『Image』にちなんで、最近、「イメージ通りだ!」と思ったことはありますか?
焼肉ですね。最近、「これ!」という自分がイメージした通りの焼き具合にできるようになったんです。

このインタビューの前にも、数年前によく行っていた焼肉店でひさびさにランチを食べてきたんです。そのお店はスタッフさんが焼いてくれるスタイルなんですけど、思いきって「自分で焼いていいですか?」と言って焼かせてもらったんですね。

そしたら、過去に来たときよりもおいしく焼けたような気がして。もちろん、スタッフさんはその店でいちばんおいしい焼き方を知っていると思うんですけど、自分で焼くことで「自分の求めるおいしいイメージ」の通りに仕上げることができました。成長した自分を見させてくれてありがとう!と思いました(笑)。
『SummerDay』にちなんで、お気に入りの夏のアクティビティを教えてください。
去年、ダイビングのライセンスをとりまして。関東の海でよく潜っていました。今年も沖縄とか行きたいところはいろいろあるんですけど、なかなか行けないご時世なので、行けるようになったときに備えて気持ちを高めておこうと思います!
『You Are Special』にちなんで、最近、特別にお気に入りのものは?
最近買った腰矯正座椅子がすごくよくて、非常にお気に入りです。

うちにはゲーミングチェアがあるんですけど、若干硬くて。そこにその座椅子を使うとめちゃくちゃいい姿勢でゲームができるんですよ!

座るだけで姿勢が矯正されるので、ゲームをプレイしていても身体にいいことをしている気がします(笑)。
内田雄馬(うちだ・ゆうま)
9月21日生まれ。東京都出身。主な出演作に、『BANANA FISH』(アッシュ・リンクス)、『フルーツバスケット』(草摩 夾)、ギヴン(上ノ山立夏)、『呪術廻戦』(伏黒 恵)など。2018年にアーティストデビュー。

    サブスク情報

    最新曲『Image』リンク
    https://yuma-uchida.lnk.to/Image
    配信限定曲リンク
    https://yuma-uchida.lnk.to/NEWWORLD_en

    リリース情報

    6th Single『Image』
    2020年8月26日リリース

    左から期間限定盤、通常版。

    期間限定盤【CD+DVD】
    品番:KICM-92059
    価格:¥1,800(税別)

    通常版【CD】
    品番:KICM-2059
    価格:¥1,300(税別)

    サイン入りポラプレゼント

    今回インタビューをさせていただいた、内田雄馬さんのサイン入りポラを抽選で3名様にプレゼント。ご希望の方は、下記の項目をご確認いただいたうえ、奮ってご応募ください。

    応募方法
    ライブドアニュースのTwitterアカウント(@livedoornews)をフォロー&以下のツイートをRT
    受付期間
    2020年8月26日(水)12:00〜9月1日(火)12:00
    当選者確定フロー
    • 当選者発表日/9月2日(水)
    • 当選者発表方法/応募受付終了後、厳正なる抽選を行い、個人情報の安全な受け渡しのため、運営スタッフから個別にご連絡をさせていただく形で発表とさせていただきます。
    • 当選者発表後の流れ/当選者様にはライブドアニュース運営スタッフから9月2日(水)中に、ダイレクトメッセージでご連絡させていただき9月5日(土)までに当選者様からのお返事が確認できない場合は、当選の権利を無効とさせていただきます。
    キャンペーン規約
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