僕の芝居で誰かを救えたら――声優・天崎滉平、“夢物語”が現実になる日を目指して
あくまでも謙虚に、けれど次々と繰り出されるたくさんの言葉――声優・天﨑滉平のインタビューは、じつに多くの想いや記憶にあふれていた。
2014年にデビュー後、2017年には音楽原作キャラクターラッププロジェクト『ヒプノシスマイク』の山田三郎役を射止め、2018年にはTVアニメ『ハイスコアガール』で初主演を果たした。さらに2019年には第13回声優アワードで新人男優賞を受賞し、順風満帆なキャリアを築いている。
彼は高校時代、学校生活が上手くいかずに悩み、趣味のアニメや漫画に没頭する日々を送っていた。けれど、「もしも自分がヒーローになって、誰かの心を救えたとしたら」――そんな想いから声優という道に挑戦する。
天﨑が高く飛躍することができたのは、一度大きく“屈んでいた”高校時代があったからなのかもしれない。
ヘアメイク/片桐加奈
※タイトルが「天崎滉平」となっておりますが、「崎」の字は「﨑(立つ崎)」が正式表記です。
文武両道だった少年時代。でも高校で出鼻をくじかれて…
- 現在29歳の天﨑さんですが、幼少の頃はどんなお子さんだったのでしょうか?
- 僕、幼稚園の頃はガキ大将だったらしいんですよ。自分でも意外なんですけど、かなり自由奔放な子どもだったそうです。たとえば、借りたクレヨンを「俺のだ!」って言ったりとか。
- それはかなりのガキ大将ぶりですね(笑)。
- そうなんですよね。小学校に上がってからも活発で、友達と外でアクティブに遊び回って、服や髪を砂や草だらけにして帰ってくるので、母親に怒られてました。テレビもあまり観ないし、家の中での遊びにはまったく興味がなかったんです。
- すると、運動も得意だったのでしょうか。
- 体育は好きで得意でしたね。ずっとやっていたのは水泳なんですが、休み時間にはサッカーやバスケをしたり、父親と一緒にゴルフもやってました。8歳くらいだったと思いますが、父が自分の大人用クラブのグリップを外して短く切ってくれて、それを使って打ちっぱなしに行ったりしていました。
- では、勉強のほうはどうでしたか?
- 勉強も好きでしたね。中学くらいまでなんですけど、褒められるのが嬉しくてずっと勉強してたんですよ。5教科の合計で500点中480点とか490点とか取れていて、クラスの頭の良い人たちと競争してましたね。
- それはスゴい……! 得意な科目は?
- 先生が面白かったこともあって、社会の歴史系が好きでした。満点を取るくらいだったんですが、あるテストで「十返舎一九(じっぺんしゃ・いっく)」って解答を書くときにちょっと不安になったので、ふりがなを振ったんですよ。ところが漢字は合っていたのに、ふりがなを「じゅっぺんしゃ・いっく」と間違えてしまって、唯一この問題だけ不正解になり、悔しい思いをしたこともありました。
- そんなに勉強も運動もできるとなると、女の子からの人気も高かったのでは?
- 要素てんこ盛りですよね(笑)。今振り返ると、たしかに小学校の頃はモテてた気がします。バレンタインで手作りのチョコをもらったりしましたし……。
ところが中学校に上がってみたら、陽キャというか、やんちゃな人たちがモテ始めたんですよ!(笑)僕はその頃、「天﨑くんは頭いいよね」って言われるような“真面目系”になってしまっていたんです。
女の子たちも大人びてくるし、自分にも気恥ずかしさみたいなものが生まれてきてしまって、「モテたいとか、そういうんじゃねえし……俺は真面目に勉強するし……」って感じになってましたね。
- なるほど。その後の高校時代はいかがでしたか?
- 受験勉強をすごく頑張ったので第一志望の進学校に入れたんですが、それがゴールになってしまったんです。赤本(過去の試験問題を集めたテキスト)を何年分もやったので、入学試験は知ってる問題ばかりで面白くないくらいでした。そこからまだまだ学ぶことはあったはずなんですけど、自分の中で何かが燃え尽きちゃって。
もう頑張るのはしんどいなって思ったけど、完璧主義なところもあるので、進学校の中で“できない自分”も許せない。でも、やる気も起きないし……っていう状態でした。
高校の初っ端から出鼻をくじかれた感じになって、そこからはどちらかというと“勉強ができないグループ”というか、真面目にやらない人になってしまいましたね。でも、真面目にやらないわりには、やんちゃするわけでもないっていう。 - 受験に合格して入った高校だと、近い地域の生徒が集まる小中学校と違って、周りのレベルが自分と同じかそれ以上になってしまうので、その環境の変化についていけなかったのもあったかもしれませんね。
- ああ! そうかもしれない……。同じレベルの人たちの中に入ってもう1回スタート地点に戻されたというか、それでしんどくなっちゃったのかも。高校では僕は“ちょっと変な人”って思われていて、僕が相手の名前を知らないのに、相手は知っているっていうこともありました。
- 部活には入られましたか?
- 1年だけ剣道部にいました。じつは剣道部にはいわゆるオタクの人たちが多くて、そこでゲームや漫画にどっぷりハマるようになったんですよ。
でも、水泳をやってた頃からよくなかった腰が本格的に悪くなって、モチベーションも下がって辞めてしまったんです。僕の高校生活でたったひとりの親友といっていい「佐々木くん」とは部活も一緒で、彼が辞めるから僕も辞めやすくなったというのもあります。
灰色の高校生活の中で出会った「友達」と「アニメ」
- オタクになるきっかけが剣道部だったんですか?
- 最初は高校受験のときに聴いていた、桃井はるこさんのラジオですね。声優という職業を知るきっかけにもなりました。もともとは芸人さんの番組目当てだったんですけど、その前の『ウラモモーイ』という番組をたまたま聴いてどっぷりです(笑)。
桃井さんはオタク文化に精通している方なので、いろいろな情報や知識を吸収して、「うわあ、秋葉原って最高の場所があるんだ!」って夢を抱くようになりました。 - そこから、剣道部の仲間のおかげでさらに……と。
- そうですね。佐々木くんはもともと普通の人だったんですけど、僕が無理やりこっち側に引き込みました。部活を一緒に辞めてからは自由時間がたくさんできたので、学校が終わったら佐々木くんが僕の家に来て、何を話すでもなく、お互いに漫画を読みふけって満足したら帰るという(笑)。
それまで貯めていたお年玉を全部使う勢いで漫画を買ったので、僕の部屋は漫画喫茶みたいになってました。 - アニメと漫画と、あとはゲームもお好きだったんでしょうか?
- はい。ゲームは桃井さんがラジオで紹介したことをきっかけにハマった『STEINS;GATE』とか、『メタルギアソリッド』や『テイルズ オブ』シリーズが大好きでした。あとはアニラジも好きで、歌もアニソンしか歌わなかったくらいです。
- 当時好きだったアニメは何ですか?
- 最初にハマったのは『涼宮ハルヒの憂鬱』です! あとはうーん、いっぱいありすぎて……。(ここから早口で)『らき☆すた』も好きだし、原作の漫画も好きだった『喰霊-零-』とか『げんしけん』とか……、あとはちょっとマニアックかもしれないんですが、ボンズ制作で木内秀信さんが主役をやられていた『DARKER THAN BLACK -黒の契約者-』もすごく好きでした。花澤香菜さんが出演していた2期の『DARKER THAN BLACK -流星の双子-』も面白かったです。あと『バッカーノ!』も好きだし、『デュラララ!!』とか、『コードギアス 反逆のルルーシュ』も大好きで考察とかしてました。
- 話し始めると止まらなくなってしまいますね(笑)。
- 2006年にアニメと出会って、2013年にこの業界に入るまではどっぷり浸かってましたね。「その期のアニメは全部観る!」みたいなことをしていました。
- 自分でも絵を描いてみたいなとか、ゲームを作ってみたいなとは思いませんでしたか?
- 思いました! 声優を志す前、漫画家になりたいなと思ったことがあります。
ちょうどその頃、デアゴスティーニから、ふろくに丸ペンとかが付いている「漫画を描こう」みたいな本(デアゴスティーニ・ジャパン『まんがの達人』)が出たので買ったんです。「さあ、僕は漫画家になるぞ!」ってウキウキで開いてみたら、「人間の体のしくみとは」「デッサンとは」って内容で、「なんか違う!」と(笑)。
僕はデフォルメされたかわいい絵が描きたかったんですが、そこまで情熱もなかったので諦めてしまいました。
アニメを観ているときは、学校生活の悩みを忘れられた
- では、声優になろうと思われたのはどういったきっかけだったのでしょうか。
- 僕は高校生活が充実していないことに悩んでいた時期があったんです。でも、アニメを観ているときはその悩みを忘れられたし、観終わったあとに振り返ってみたら「さっきのは大した悩みじゃなかったかも?」って前向きになることができました。それに、当時すごく救われて……。
ゴリゴリのオタクでアニメに救われたから、もし声優になれたら、単純にその世界に入れること自体がすごく嬉しいですよね。でも、さらに、僕の出た作品を観た人が、しんどい気持ちを忘れて楽になれたら、それはめちゃくちゃ熱い展開だなって思いました。
ただの夢物語だったかもしれないけど、(高校時代に)進路をどうするかって考えたときにその道に思い至って、「やらずに後悔するよりは、ダメもとでやってやろう!」って養成所を受けたのがきっかけですね。 - 素敵な理由ですね。
- でも、オタクはきっと、みんな(声優に)なりたいって思うんじゃないかなあ(笑)。
正直言えば、僕も最初はミーハーな気持ちが大きかったです。自分が声優になるってことは、好きな人たちと一緒にお仕事ができるってことじゃないですか。なんなら「オタクの俺がアニメ界の内部に入り込んでやるぜ!」みたいな(笑)。 - めちゃくちゃ夢がありますよね。
- 「絶対に声優しかないんだ!」という感じで養成所に入ったわけではないんです。しゃべりが達者なわけでもないし、本当に受からないと思ってました。
でも、やりたいことを見つけられないまま何かの職業に就くよりは、やりたいと思えるものに挑戦したかったんです。今思えば養成所は門戸が広く、受け入れてくださる環境があったから入れたんだと思います。
いざ入ってみたらお芝居が楽しくて、そこからまたずいぶん気持ちが変わりました。自己表現することが楽しいって想いが加わって、より「声優」というものを真剣に考えるようになったのかも。
- 養成所はいかがでしたか?
- 高校では熱量が高い人ほど逆に孤立して、「どうでもいいや」って言っている人が大多数って雰囲気もありました。でも養成所では斜に構えている人のほうが少数で、一生懸命な人ばかりだったんですよね。真面目にアニメや声優の話をするのを受け入れてもらえる空間だったので、僕にとってすごく良い環境でした。
- 進学校から養成所へ進まれることについて、ご両親はどう反応されましたか?
- 喜んでましたね。僕の高校生活をいちばん身近で見ていて、「この子は何をしたいんだろう、大丈夫かな」って心配もしていたと思うので。高校の時点でなりたい職業を決められる人も多くはないし、ようやく好きなことを見つけられたねって応援してくれました。
- 佐々木くんとの出会いなどを経て、大きな転機があったわけですね。ちなみに今も佐々木くんと連絡は取り合ってるんですか?
- いや、今は連絡が取れていないんです。彼は堅実な子だったので、行きたい会社に就職したと思うんですが、元気かなあ……。どこかで僕の名前を見かけてくれていたら嬉しいですが。
- そして2013年、今の事務所であるアイムエンタープライズに所属されました。
- 養成所の3年目でアイムに受かったんです。そこから1年間は、大阪の実家から養成所に通いながらお金を貯めて、2014年に上京してデビューしました。2年目はいいところまで進んでダメだったので、3年目の3回目で合格したときは本当に嬉しかったです。
でも合格通知を受け取ったとき、ちょうど両親が買い物に出ていて家に誰もいなかったんですよ。だから、「この喜びを誰と共有すれば!?」と思って、とにかく玄関をバッと開けたんです。そうしたら、お向かいの家の人がガーデニングをされていて目が合って。我に返って「……こんにちは!」って挨拶して、またドアを閉めたのを覚えています(笑)。
運命的なタイミング。『ヒプノシスマイク』との出会い
- 天﨑さんのキャリアの中で、2017年にスタートした『ヒプノシスマイク』(以下、『ヒプマイ』)でイケブクロ・ディビジョンの山田三郎役を射止めたのは大きな転機ですね。お話を受けた当時のことは覚えていらっしゃいますか?
- 覚えてます。まず「この作品は何なんだろう!?」って思いました(笑)。今でこそ『ヒプマイ』の世界観や設定はみなさんに広く認知されていると思いますが、最初に聞いたときは「ラップバトルってどういうこと?」「テリトリーバトル?」って(笑)。
- オーディションを受ける前、ラップは歌ったり聴いたりされていたんですか?
- もともとアニソンばかりだったので全然……。でもじつはオーディションのお話をいただく半年くらい前に、テレビをつけたらたまたま『フリースタイルダンジョン』を放送していたんです。即興で韻を踏んで相手のラップに返すのが、お芝居でアドリブを振られたときにどうやって返すかに通じると感じて、勉強になるなと。
そこから興味が湧いて観続けていたら『ヒプマイ』のお話をいただいて。今までまったくラップをやったことがなかったけど、運命的なものを感じて「絶対に受けたいです!」って答えました。
役をいただいてからはいろいろな音源を聴いたり、木村昴さん(山田一郎役)をはじめリリックを書いている方やキングレコードさんに教えていただいたりしながら……という感じですね。 - ニコニコ生放送(『ヒプノシスマイク -ニコ生 Rap Battle-』。以下、ニコ生)などでフリースタイルラップを披露する機会もありますが、未経験の中で挑戦するのは大変だったのでは……?
- よくやれてたな、と。本当に心臓って強くなるんだなって思いました(笑)。
最初はバトルだったのでグダグダになるときもあれば、バシッと気持ちよく決まるときもあったり。今はサイファー(1対1ではなく、複数人で行う即興ラップ)なので、なんとなくこんなことを話したいなということを念頭に置いてやったりしていますね。
でも本当に難しいです。内容を伝えようと思ったら韻が踏めないし、韻を踏むことばかりにとらわれたら内容がなくなるし。プロのラッパーの方も、完全にトップオブザヘッド(即興)でやられる方と、自分のラインをいっぱい持っていて、その引き出しの中から出していく方もいらっしゃいます。いろんなスタイルがあるんだなあと。 - ニコ生では一郎役の木村昴さんと二郎役の石谷春貴さんとご一緒されていますが、キャスト同士の仲はどうですか?
- イケブクロは仲いいですね! ほかのディビジョンもそれぞれ仲良しですけど、全員が集まったときにも和気あいあいとしていて、素晴らしい環境だなと思います。
ことイケブクロに関しては、やっぱりニコ生をやっていたのが大きいですね。(プロジェクトが始動した頃から)ほぼ隔週で会って、絆が深まっていったと思います。そりゃ仲良くなるよね、という(笑)。 - 3人の関係性としてはいかがですか? 役柄と近いのでしょうか。
- ニコ生だと昴さんがちょっとポンコツなところを見せて、春くん(石谷さん)と僕がツッコむみたいな構図です。でも昴さんは大先輩なので、その裏では慕っている感じですね。だから、むしろ楽屋裏のほうが3兄弟の関係性に近いかも……。ただひとつ違うのは、春くんと僕はまったくケンカはしないです(笑)。
ジェラシーを感じることに、罪悪感を持たなくてもいい
- 少しさかのぼって、2018年にはTVアニメ『ハイスコアガール』『DOUBLE DECKER! ダグ&キリル』で初主演を務められました。これも大きな転機になったのでは?
- そうですね。まず、それまでオーディションを受けた役で決まることがあまりなかったんです。だから「○○役に合格しました」って連絡をもらって「やったー!」ってなることがほとんどなくて。合格のお知らせをいただいたときは、街中で思わずガッツポーズしました(笑)。
放送は『ハイスコアガール』のほうが先でしたが、役が決まったのも発表されたのも『DOUBLE DECKER!』のほうが早くて、最初のPV撮影では緊張でびっくりするくらい肩に力が入ってしまっていました。叫ぶ役なのに、ちょっと大きな声を出しただけで喉が枯れてしまって。音響監督の木村絵理子さんにも「第1話の収録までに喉を強くしてこようね!」と優しく言われました(笑)。 - そうだったんですね(笑)。
- でも、思っていた以上に自分をコントロールできなかったことに不安になって、先に『グランクレスト戦記』でアニメ初主演を務めた熊谷健太郎に相談したんです。あまり人に相談することってないんですけど、切羽詰まってて夜の9時くらいに電話して「くま〜、ちょっと相談があるんだ……」って。
「すしざんまい」にふたりで行ったんですが、あいつも優しいんで「どうしたんですかー?」って聞いてくれて。悩みを打ち明けるうちに、彼も同じ不安や苦労を乗り越えていたことを知って、気が楽になりました。 - 事務所の同期には、内田雄馬さんなどがいらっしゃいますね。熊谷さんもですが、同世代の方はライバルというよりも頼れる存在なのでしょうか?
- そこはけっこう難しいですね。みんなが活躍している姿を見ると、どこかジェラシーを感じてしまう部分はあります。僕の性格の問題だと思いますが、最初の頃は自分がオーディションに落ちた作品は観られないこともありました。
春くんも同期なんですが、彼はスゴいんです。「仲がいい人が頑張っていたり主役になった姿を見ると、『お前も頑張れよ』って言われてる気持ちになるんだ」って言うんですよ! - 懐が深い……!
- 「お前は聖人か!」と(笑)。そう思えるのはうらやましいし、僕もそういう方向に気持ちを持っていったりもしました。
でも今思うのは、ジェラシーを感じようが、ポジティブでいられようが、結局自分を磨くためのエネルギーにできるならどっちでもいいやって。それで自分が前に進めているなら、人様に迷惑さえかけていなければ、人それぞれでいいのかなって思います。
「ジェラシーを感じることに罪悪感を持たなくてもいいんだ」って思えるようになってから、また少し楽になりました。 - その言葉、すごく励まされる人がたくさんいると思います。
- 本当ですか? そうだったらいいな……。絶対思っちゃいますもんね、うらやましいなって。
ヒロインは、主人公とのカップリング以外は認めません!
- そこから『ハイスコアガール』のハルオなど、主役を演じる中で成長もあったと思いますが、具体的にはどんなことが挙げられますか?
- 喉がめっちゃ強くなりました(笑)。以前はかわいい系や、線が細い役が多かったんですが、『SAMURAI SPIRITS』の鞍馬夜叉丸役や、『Just Because!』の猿渡順平役あたりから、ツッコんだり騒いだりする役も増えてきたんです。喉が弱い状態だとこなしていけないので、出し方がわかって鍛えられました。
あと、主役をやったことで作品に対する見方が変わりました。今までは「主演が作品を引っ張っている」ように見えていたんです。でもいざ自分がやってみたら、自分ひとりの力で引っ張っているというより、「周りの人が支えてくださるから、自分が主役でいられる」のをすごく感じました。
もし次に主役以外を演じるときは、真ん中の人に頼るばかりじゃなくて、その人を支えるひとつになろうと意識が変わりましたね。 - 気持ちのうえでも大きな変化があったんですね。ところで、いちアニメファンである天﨑さんにぜひお聞きしたいのですが、『ハイスコアガール』では晶(声/鈴代紗弓)と小春(声/広瀬ゆうき)、どちら派ですか?
- これ難しいんですよね! 僕、ヒロインは主人公とのカップリング以外許せないから、自分が好きになるのはちょっと違うんですよ(笑)。だから1期の頃は小春派って言ってました。晶はハルオとカップルでいてほしいし……。
でも、もし他の女性キャラクターまで選択肢を広げられるなら、晶のお姉さんの真さん(声/赤﨑千夏)がいいです(笑)。昔から、お姉さんとか先生キャラを好きになることが多いんですよね。 - では、今まで観た全アニメでいちばん好きな女性キャラは……?
- 今までの中でですか!? うお〜、いちばんか……(笑)
- では複数でも……。
- じゃあまずは、『鋼の錬金術師』のリザ・ホークアイ中尉ですね。あと『げんしけん』の荻上千佳さんも。これに関しては主人公の彼女なので、若干ルール違反なんですけど(笑)。『涼宮ハルヒの憂鬱』なら長門(有希)さんとか朝倉(涼子)さんとか。あとは……あの、この話続けて大丈夫ですか!? 僕はすごく楽しいんですけど、こんなに時間取っちゃって(笑)。
- 大丈夫です! ぜひもっと聞かせてください(笑)。
- えーと、あとは『コードギアス 反逆のルルーシュ』だとシャーリー(・フェネット)ですね、これはなんだか境遇で好きになっちゃったんです。それと『CLANNAD』の(坂上)智代ですね! 僕、『CLANNAD』もめちゃくちゃ好きなんです。2期の(岡崎)朋也と汐の花畑のくだりも大好きで……。こういう話を始めると本当に止まらなくなっちゃいますね(笑)。
一生懸命に生きて、一生懸命に演じ続けたい
- 2019年は「第13回声優アワード」で新人男優賞を受賞されましたが、尊敬する声優さんはいらっしゃいますか?
- たくさんいて選べないくらいなんですが、たとえば森久保祥太郎さんは、僕が初めてレギュラーをいただいた『オトメイトチャンネル』という生放送の番組で、今もお世話になっています。
森久保さんには、イベントや生放送をするうえでの基礎を教えていただきました。“東京のお父さん”って感覚がありますね。ご本人に伝えたら「お兄さんって言ってよ!」って言われたんですけど、「ごめんなさい、本当の意味で“お父さん”なんです!」って(笑)。
それと、よくお世話になるのは松風雅也さんです。『ハイスコアガール』や『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』でも関わらせていただいて、アドバイスをもらったり一緒に飲みに行かせていただいたりしています。それから、下野紘さんも大好きですし……。
あとはやっぱり、松岡禎丞さんですね! シンプルに、マイク前に立っている姿やお芝居がカッコいいなっていう。どんな役者になりたいかって言われたら、禎丞さんかもしれません。 - そんな憧れの松岡さんに近付こうと、現場では炭酸水を飲むようになったんですよね。きょうの取材にも持参されています。
- そうなんです! なんだかもうお守りみたいになっていて、これがあると安心するんですよ。
- ちなみに、炭酸の種類は決められているんですか?
- 炭酸が強くて抜けにくいので、ウイルキンソンが好きですね。そういえば、江口拓也さんが炭酸水メーカーをくださったので、家で炭酸水を自作できるようになりました(笑)。
- では最後に、他の人には負けない、天﨑さんならではの強みをお聞かせいただけますか?
- 一生懸命!(笑)もちろんみんな一生懸命やってるけど、自分の場合はお芝居だけじゃなくて、生きることにも一生懸命なところです。
新人の頃、トークで話を振られたときに自分にないものを出そうと必死だったんです。でも、森久保さんに「あまちゃんは面白くしようと考えなくていい。あまちゃんがいいなと思ってまっすぐやってることが、俺らから見たら変で面白いから」って言われて(笑)。でも、それがしっくりきたんですよね。気も楽になりましたし、ありのままでいいんだって。
お芝居でも「笑わせてやろう」って演じるんじゃなくて、キャラクターたちはみんな一生懸命生きてて、それが面白いって思ってもらえるのがいいなと。
その面白さを言葉で説明できないのがもどかしいんですけど、それが説明できちゃったらまた違う気もします(笑)。これからも一生懸命生きて、一生懸命演じたいと思います。
- 天﨑滉平(あまさき・こうへい)
- 10月22日生まれ。大阪府出身。B型。2014年に声優デビュー。主な出演作に、『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』(タカキ・ウノ役)、『アイ★チュウ』(神楽坂ルナ役)、『アイドルマスター SideM』(東雲荘一郎役)、『ヒプノシスマイク』(山田三郎役)など。『ハイスコアガール』(矢口春雄役)、『DOUBLE DECKER! ダグ&キリル』(キリル・ヴルーベリ役)では主演を務める。2019年3月に、第13回声優アワード新人男優賞と歌唱賞を受賞。
サイン入りポラプレゼント
今回インタビューをさせていただいた、天﨑滉平さんのサイン入りポラを抽選で3名様にプレゼント。ご希望の方は、下記の項目をご確認いただいたうえ、奮ってご応募ください。
- 応募方法
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— ライブドアニュース (@livedoornews) December 28, 2019
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- 2019年12月28日(土)12:00〜1月3日(金)12:00
- 当選者確定フロー
- 当選者発表日/1月6日(月)
- 当選者発表方法/応募受付終了後、厳正なる抽選を行い、個人情報の安全な受け渡しのため、運営スタッフから個別にご連絡をさせていただく形で発表とさせていただきます。
- 当選者発表後の流れ/当選者様にはライブドアニュース運営スタッフから1月6日(月)中に、ダイレクトメッセージでご連絡させていただき1月9日(木)までに当選者様からのお返事が確認できない場合は、当選の権利を無効とさせていただきます。
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