世間の感心も高まり、取得を考える男性も増えつつある「男性の育児休暇(以下、男性育休)」だが、夫の育休取得を歓迎しない妻たちも少なくないようだ。「育休を取ったことが原因で夫婦に亀裂が入った」といったことにならないためにも、ぜひ本記事を参考にしてほしい。
◆身の毛がよだつ「夫の育休取得」

夫が育休を取得したいと言いはじめたら「夫との時間が増える」「助かる」という意見より、「身の毛がよだつ」「想像しただけで疲れそう」など、辛辣な意見が多かった。年齢や結婚年数にかかわらず、夫の育休を手放しで喜べない妻たちには、それぞれ切実な理由があった。

「夫が育休を取ったら、ダラダラ過ごされそうで心配です。それに、普段は食事に洗濯、家事のすべてを私がやっているので、夫の育休中はやることが増えそう。家事や育児をやらないなら、しっかり働いてほしい。むしろ、未来のために残業もしてお金を稼いでほしいです」

そう話してくれたのは、30代で結婚2年目のA子さん。「共働きで私も働いているのに、なんとなく家事は私がする流れになっていて不満です。そのうえ夫が育休を取ると言いはじめたら、身の毛がよだちます」とも続ける。A子さん以外にも同じような意見は多かった。

「家事もやってくれるけど、あくまでも“手伝い”なのです。ゴミ捨てもしてくれるけど、家中のゴミからゴミ袋を剥がして集めるのは私の役目。洗濯もしてはくれるけど、ボタンを押すだけ。脱いだ靴下や服もすべて裏返ったまま洗濯していて腹が立ちます」

それでいて、自身の親や職場の同僚などには「俺は積極的に家事をしている」と豪語しているため、40代で結婚7年目2児の母であるB子さんは呆れている。そして、「こんな夫が育休を取ったらと思うと、ストレスです」とも続けた。

◆夫の実家へ行く頻度が増えそうで怖い

夫が育休を取ると自宅で過ごす時間が増えることから、「夫の実家に行く頻度が増えそうで怖い」「赤ちゃんよりスマホゲームに没頭しそう。課金が増える未来しかみえない」「育休を機に仕事を辞めそう」など、想像しただけで不安になるという意見も複数あった。

「男性育休で時間ができたら、夫の実家へ行く頻度が増えそうで怖いです。出産や慣れない育児で疲れているのに、義理の両親と過ごすのはしんどすぎます。お披露目は仕方ないとしても、せめて出産後しばらくは、夫と赤ちゃんの3人だけで過ごしたいです」

ほかにも、「出産後、夫や義母が赤ちゃんを可愛がる姿を見ていたら急にモヤモヤとして、なんだか赤ちゃんをとられてしまうような孤独感に苛まれたことがあります。自分でも理解できない不思議な気持ちに陥って驚きました」という意見も複数あった。

「我が家では、『赤ちゃんはママが一番だよね』『ママのことが大好きって言っているよ』などと夫や義父母が声をかけてくれたためか、孤独感や気分の落ち込みは感じたことがありません。赤ちゃんのお世話や家事をすごく手伝ってくれ、むしろ、ありがたかったです」

そう話すのは、40代で結婚10年目3児の母であるC子さん。そしてC子さんと同じように「やっぱり、ママじゃないとダメか」など夫や義母が声をかけてくれたケースでは、モヤモヤ気分になったという人は少なく、夫や義父母を頼ることができたという人が多かった。

「我が家では夫が、産後は気持ちが落ち込みやすくなるなど、出産前後の女性の変化についても積極的に情報を収集してくれたのでありがたかったです。夫がその情報を義父母と共有。義父母もすごく協力的でした。お陰で、夫や義父母とは、いまも良好な関係です」

前出のC子さんはそのように話し、「人にもよると思いますが、私は赤ちゃんの前で褒められたり『やっぱりママしかいない』と言われたりするのは嬉しかったですし、子育てをしていくうえでの自信にもつなりました」とも話してくれた。