◆夫の家事サポートでストレス増大

出産で弱っている妻をサポートしたいと考え、育児休暇の取得を検討しているやさしい男性陣も多いことだろう。けれど、やりかたによっては余計に妻を疲れさせ、ストレスを増大させてしまう可能性もあるようなので注意してほしい。

「出産後は、夫が残業を切り上げて早く帰宅し、積極的に料理をしてくれました。簡単な炒め物や煮物で、味もおいしかったです。…ただ、ご飯を食べはじめるとテレビに集中してしまうので、結局は私が片付けや洗い物をしていました」

そう話してくれた40代で結婚17年目2児の母であるD子さん。ほかにも、「出産直後は夫が料理や掃除を積極的にやってくれたが、使った調理器具や洗い物はそのまま。掃除も中途半端で、結局はやることが増えた」という意見も少なくなかった。

「ウチは、夫が料理の食材に使う金額が不満でした。お肉や魚も通常料金で買うし、野菜も価格を見たり比較したりせずに買う。レトルト食品や冷凍もよく使っていたので、ひと月で1万円弱も高くなり、産後1か月後からは元通り私が家事を担当することになりました」

そう嘆くのは、30代で結婚8年目2児の母であるE子さん。1か月分のレシートをすべて合計したときは「こんなにも変わるものか」と、青ざめたとか。それから時間をかけ、お互いに意見を出して話し合い、いまは2人で家事を楽しんでいる。

「まだまだ“家事は女性がするもの”という感覚が残るなか、家事や育児を積極的にやってくれるのは嬉しいです。ただ、お互いにルールや感覚が違うのでケンカのもと。出産後からではなく、同棲や結婚後から意見を出し合って2人でやるのがいいと思います」

話を聞かせてくれた既婚女性たちの意見をまとめると、経済的なことはもちろん、“妻が夫の育休を喜ぶかどうかは、普段からどれだけお互いにルールや感覚をすり合わせてきたか”が大きなポイントになりそうだ。何事も、付け焼刃では難しいということだろう。

―[男の育休、取ったらこうなった]―

【夏川夏実】
ワクワクを求めて全国徘徊中。幽霊と宇宙人の存在に怯えながらも、都市伝説には興味津々。さまざまな分野を取材したいと考え、常にネタを探し続けるフリーライター。Twitter:@natukawanatumi5