「好き」と「幸せ」は違う。20歳を目前に、恋愛観も変わってきた──足立佳奈のこれから
2014年、弱冠14歳にして「LINE×SONY MUSICオーディション」で12万5094人の中からグランプリを獲得。その後Twitterにアップした自撮りの15秒動画が中高生を中心に広まったことをきっかけに、2017年『笑顔の作り方〜キムチ〜/ココロハレテ』でメジャーデビューを果たしたシンガーソングライターの足立佳奈。
デビューから約2年。音楽活動に限らずテレビ番組のMCやドラマ出演などで多くの経験を積みながら、活躍の幅を広げてきた。8月には6枚目のシングル『ひとりよがり』をリリースし、これまでとはひと味違う恋愛の表現にも挑戦している。
普通の女の子からひとりのアーティストへ――。5年前には想像すらしなかった場所に、彼女はいま立っている。どんな気持ちで10代を駆け抜けて来たのか、そしてこれからどんな道を進むのか。20歳を目前に新たなフェーズに入ろうとしている彼女の胸の内に迫る。
オーディションへの応募は、音楽の道を“あきらめるため”
- 2014年に開かれた「LINE×SONY MUSICオーディション」で、12万5094人の中からグランプリに選ばれた足立さん。その頃のことから振り返っていきたいのですが…。
- はい! ええと、そのときはまだ中学3年生でした。
- 岐阜県の中学に通っていた14歳の足立さんが、オーディションを受けてみようと思ったきっかけを教えてください。
- あの頃は、ただ歌が好きで…。家で毎晩ずっと歌っていたんです。それでお母さんが、夜中まで歌ってばかりいる私を見かねて「いいかげんにしなさい!」と、音楽をあきらめさせるために応募したんです。
- お母さんが!? しかも、あきらめさせるため…。それって、どういうことでしょう?
- 私が将来、音楽の道に進みたがっているのを知っていたので、「オーディションでも受けて、自分の現実を知りなさい。そんなに甘くないわよ」って。審査を受けて他の人から厳しい言葉をもらえば、私があきらめると思って応募したみたいです。
- そうしたらなんと、予選を通過してしまって…。
- そうなんです。お母さんから「1次審査は終わって、次は2次審査だからね!」って急に言われて(笑)。でも、オーディション期間が2ヶ月以上あって、その期間中にお母さんもちょっと考えが変わったみたいで、最終審査に進む頃には、全面的に応援してくれましたね。
- それは心強いですね。そのとき、足立さんご自身は「絶対オーディションに受かってやる!」という気持ちで臨んでいましたか?
- 正直、自信はありませんでした。ただ、本当にいい経験をさせてもらっているなと感じていて。そのときのファイナリストでいまも活躍されている方が大勢いらっしゃるんですけど、そんな方々と一緒に過ごせたあの時間はとても貴重だったなと思います。
小さい頃の将来の夢は歌手…じゃなくて、プロ野球選手
- 小さい頃から、歌手になるのが夢だったのですか?
- じつは中学生の後半くらいまでは野球選手になりたかったんです。ずっとスポーツを頑張っていたので…。私、将来は「巨人」に入りたかったんですよ!
- 読売ジャイアンツに!? これまた大きな夢ですね!
- でも、考えてみたらプロ野球は無理だなってことに気づいて。野球以外に自分が好きなことって何だろうと考えたときに、小中学校の合唱の時間が好きだったことを思い出したんです。あ、私はこの時間がいちばん好きだなぁって。
- それで、歌手になろうと?
- オーディションを受けていた頃は、歌手になりかったというより、音楽に関係する仕事につけたらいいなというくらいの気持ちだったと思います。
- オーディションを受けていた中学3年生の自分といまを比べて、「ここは成長した」と思うのはどこですか?
- ええ〜、何でしょう? まず、肌が白くなりましたね。昔は真っ黒だったので。見た目の感じは変わりました(笑)。
内面の変化でいうと、音楽と向き合う時間が増えて、まだまだではありますが、いろんなジャンルの音楽を聴くようになりました。自分で作る曲の量も増えましたね。 - 反対に「ここは昔から変わっていない」というところはありますか?
- 自分の実体験や思いを歌にするのは、変わっていないです。いまはCMやスポーツチームのテーマソングとして使っていただいている曲もあるんですけど、そういった曲でも自分の経験をもとに、自分のフィルターを通して、曲を作っています。
- 中学生の頃から作詞作曲をしていたのですか?
- レベルは低いですけど…。好きな人に歌ったりとか、友達にごめんねっていう気持ちを伝えたくて歌ったり、おじいちゃんやおばあちゃんにありがとうって歌ったりとか。「この人にこの思いを伝えたい」というのは、小さいときからありました。
- 歌で思いを伝えることは、ごく自然なことなんですね。その頃に作っていた曲は、どこにためていたんですか?
- お母さんのスマホを自撮りモードにして、ピアノの譜面台に置いて、自分でジャーンって弾いているのを動画におさめて…それをずっと続けていました。お母さんがオーディションに応募したときも、その動画をぽんって送っていたみたいです(笑)。
「あざといんじゃない?」SNSのコメントを見て、意識が変わった
- 2017年、足立さんが自撮りで歌う15秒動画「笑顔の作り方〜キムチ〜」がTwitter上で広まったわけですが、この15秒動画も昔からやっていた作曲の延長だったのでしょうか?
ぎょーーーー!!
— 足立 佳奈 (@kana1014lm) 2017年2月5日
みつけちゃった!!!!
誰でも笑顔を作れる言葉!!
それは、、、、。
『キームーチー』。#15秒オリジナル#笑顔の作り方#キムチ pic.twitter.com/dyXDtMVii8
- そうですね。普段からやっていたことを、15秒という短い曲にした感じです。
- そもそも、15秒動画をやろうと思ったのはなぜ?
- きっかけはお兄ちゃんです。年末に兄と遊ぶ約束をしていたんですよ。それで外でずっと待っていたんですけど、夜になっても迎えに来てくれなくて。どうしたんだろうなって心配してたら、「彼女と遊ぶ約束ができた」って電話が来て。
- ドタキャンですか…。
- 寒い中、外で待ってたのにヒドい! この気持ちをどこにぶつけよう…って考えて、自分のTwitterにアップすることにしたんです。その頃はフォロワーも友達ばかりだったし、お兄ちゃんのことを知っている友達にも見てもらえばいいやって思って。
- そこからいろんな15秒動画をアップするようになって、フォロワーが増えていったんですね。
- ある日学校に行ったら、隣のクラスで私の15秒ソングを歌ってくれているのが聞こえてきたことがあって、いろんな人が聴いてくれているんだなと実感しました。
- 足立さんのSNSのフォロワーは現在、Instagram、Twitter、TikTokなど合わせて100万人以上。予想外の反響やコメントが来ることもあるかと思いますが、SNSとはどのように付き合っていますか?
- そうですね…。デビュー当時は「ずっと笑顔で、明るくいなくちゃ」、「テンション高くして、人を笑わせなきゃ!」って、ちょっと頑張りすぎちゃっていたところがあって。それが空回りして、同世代の女の子に「あざといんじゃない?」みたいなコメントをいただいたこともありました。
- 自分の思いとは違う方向に伝わってしまったんですね。
- そのときはヘコみましたね。でも、これは自分が撒いた種だったんだなって思い直して。最近は、自分らしく喜怒哀楽を見せたって誰かが去っていくわけじゃないし、むしろ共感をもってもらえるんだなって感じているので、無理なく楽しんでいます。
小さいお店のカウンターで焼き鳥を食べるのが至福のとき
- 東京に出てきて、どのぐらい経ちましたか?
- もうちょっとで1年半になりますね。
- 東京に来ていちばんびっくりしたことは?
- びっくりしたこと…。そういえば、初めて代官山に行ったとき「蔦屋(ツタヤ)」が漢字で存在するんだ! って驚きました。岐阜とか名古屋(愛知)には「TSUTAYA」しかないですから。「これ、何て読むんですか?」ってマネージャーさんに聞いちゃいました(笑)。
- 普段、お休みの日は何をしていますか?
- この前は、高校時代の友達に会いに名古屋に行ってきました。みんなで焼き鳥を食べて、すごく楽しかったです。
- 聞くところによると、焼き鳥が相当お好きとか?
- 大好きです!
- 即答ですね(笑)。週に何回でも食べられます?
- 毎日食べてるかも…(笑)。
- 好きな部位は?
- レバーがいちばん好きです。
- 味覚が大人ですね。
- あはは。あと、焼き鳥を食べるならとくに小さいお店が好きですね。大勢の人がワイワイいるよりは、カウンターに座って静かに食べるのがいいですね。
- お店にはひとりで行くんですか?
- 友達とワイワイ行くこともあるんですけど、最近は、焼き鳥はひとりかふたりで食べるほうがいいなって。そもそも焼き鳥を食べてるときは…って、こんな話をしていて大丈夫ですか?(笑)
- 大丈夫です。存分に語ってください!
- 焼き鳥を食べているときは、ひとりになりたかったり、癒やしを求めているときなんです。カウンター越しに店員さんが焼いているのを見て、食べながらお話するのが楽しみというか。
- でも、お酒はまだ飲めないですよね。
- 飲めないです。だからいつも「ホットウーロン茶ください」って(笑)。
“好き”と“幸せ”は違う。20歳を目前に恋愛観が変化
- 10月でいよいよ20歳を迎えますが、20歳という年齢を意識することは?
- ありますね。「もう10代じゃないんだから、甘えていられない」っていうのは、最近自分にも言い聞かせています。周りの友達が就職して社会に出ていくのに、私だけ何も成長できないのは辛いなと思うので。私も頑張っていきたいです!
- そんな20歳を目前にリリースするのが、6枚目のシングルとなる『ひとりよがり』。これまでの明るいイメージとは違って、ちょっと切ないテイストですよね。
- 8月の終わりにリリースする曲なので、夏の切ないラブソングにしたかったんです。作詞・作曲を一緒に担当してくれたカルロス(Carlos K.)さんと、主人公の設定や物語を考えたり、メロディーや歌詞について意見を出し合ったりして、スタッフさんを含めてみんなで作りました。
- 前作の『little flower』もそうでしたが、元気で明るいこれまでの足立さんのイメージから、次のフェーズに入った印象を受けました。
- そうですね。「恋してる女の子ってかわいい!」とか「ただあなたのことが好き!」といういままでの感じとは違ったテイストになっています。それは、書いている私自身がちょっとずつ変化して、成長して、恋愛観が変わってきているからなのかなと。
- 恋愛観、変わってきたんですか?
- 最近は“好き”と“幸せ”は違うなって思うようになりました。今回の主人公は男の子なんですけど、好きな人と一緒にいても好きと言えなくて。最後は、追いかけるんじゃなくて引き際を知って、「あなたと一緒にいた時間が幸せでした」って終わっていくストーリーになっています。
- この楽曲で描かれている恋愛は、足立さんの実体験ですか?
- 普段は自分の体験や考えをもとに書くことが多いんですけど、今回は違います。舞台は海がいいな、女の子は高嶺の花タイプで、男の子は短パン白Tのちょっと冴えないタイプかな…って、カルロスさんと相談しながら考えました。
- ビジュアルのイメージもしっかりあるんですね。
- 主人公たちの設定を作ってから、じゃあその子だったらどう思うかな…って、気持ちを考えていきましたね。でも、最後は聴く人によって自由にイメージしていただきたいですし、男女を入れ替えて想像したり、それぞれに楽しんでほしいなと思っています。
- 歌い方もいままでのかわいらしい声から、カッコいい声色への変化を感じました。
- 一生懸命でかわいい声から、大人っぽい声に近づけたいなと思って歌ってみました。とくにAメロとBメロの部分は、ステージで歌う私じゃなくて、家でギターをポロロンって弾いているときの声に近いかもしれません。
- 押すよりも引いてみているという感じでしょうか?
- はい。ほどよく力が抜けていて、でも抜きすぎず。より普段の私に近いものができたんじゃないかなと思っています。
音楽が、憧れていた野球のマウンドに自分を連れて行ってくれた
- 今年はJリーグ「ジュビロ磐田」のシーズンタイアップアーティストを務めるなど、スポーツ関係のお仕事も増えていますね。今後チャレンジしてみたいことはありますか?
- 甲子園のテーマソングをやってみたいです。高校野球は小学生の頃からずっと応援してきたので。
- そういえば少し前、甲子園球場(兵庫)でのプロ野球の始球式イベントにも出場されていましたよね。ものスゴいピッチングで話題になっていました。
撮ってもらった動画。⚾️ pic.twitter.com/Lx6i606xdb
— 足立 佳奈 (@kana1014lm) 2019年5月5日
- あのときは嬉しかったです! プロ野球選手に憧れていたけどなれなかった自分が、野球場の土を踏ませてもらって、マウンドに立てて感動でした。
なので、いつか高校球児たちの背中を押せる応援ソングを作ってみたいです。かわいらしいというよりはカッコいい、熱い歌を歌えたらなと。いままではラブソングが多かったんですけど、これからは応援ソングも、どっちもやっていきたいですね。 - 足立さん自身が野球をやっていたからこそ、頑張る高校生たちの気持ちも人一倍わかるのでしょうね。
- ありがとうございます。あとはライブもやりたいですね。ツアーで全国各地を回りたいです。私のことを知ってくださってる方は少ないかもしれないけど、どんな人が待ってくださるのかなって楽しみですし、たくさんの方に会いに行きたいです!
- 足立佳奈(あだち・かな)
- 1999年10月14日生まれ。岐阜県出身。A型。2014年に「LINE×SONY MUSICオーディション」で12万5094人の中からグランプリを獲得。2017年、『笑顔の作り方〜キムチ〜/ココロハレテ』でメジャーデビュー。TOKYO GIRLS COLLECTIONなどのイベント、ドラマ『チア☆ダン』(TBS系)をはじめテレビ番組やCMに出演。NHK高校講座『国語表現』ではテーマ音楽とMCを担当し活躍の幅を広げている。
CD情報
- 6thシングル『ひとりよがり』
- 8月21日(水)リリース
- https://adachikana.lnk.to/hitoriyogari
左から初回生産限定盤、通常盤
初回生産限定盤
¥1,700(税込)
通常盤
¥1,300(税込)
サイン入りポラプレゼント
今回インタビューをさせていただいた、足立佳奈さんのサイン入りポラを抽選で3名様にプレゼント。ご希望の方は、下記の項目をご確認いただいたうえ、奮ってご応募ください。
- 応募方法
- ライブドアニュースのTwitterアカウント(@livedoornews)をフォロー&以下のツイートをRT
\シングル『#ひとりよがり』8/21発売!/#足立佳奈 サイン入りポラを3名様にプレゼント!
— ライブドアニュース (@livedoornews) July 24, 2019
・フォロー&RTで応募完了
・応募〆切は7/30(火)18:00
インタビューはこちら▼https://t.co/rQ2mea4e4k pic.twitter.com/6nOtTg0vaF- 受付期間
- 2019年7月24日(水)18:00〜7月30日(火)18:00
- 当選者確定フロー
- 当選者発表日/7月31日(水)
- 当選者発表方法/応募受付終了後、厳正なる抽選を行い、個人情報の安全な受け渡しのため、運営スタッフから個別にご連絡をさせていただく形で発表とさせていただきます。
- 当選者発表後の流れ/当選者様にはライブドアニュース運営スタッフから7月31日(水)中に、ダイレクトメッセージでご連絡させていただき8月3日(土)までに当選者様からのお返事が確認できない場合は、当選の権利を無効とさせていただきます。
- キャンペーン規約
- 複数回応募されても当選確率は上がりません。
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