超歌手・大森靖子が語る道重さゆみのすごさとは? 平成アイドル史の総括とこれから

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今年メジャーデビュー5周年を迎える大森靖子。大森靖子といえば、数々のアイドルに楽曲を提供し、『ラストアイドル』(テレビ朝日系)や講談社「Miss iD」で審査員を務め、さらには昨年、アイドルグループ「ZOC」をプロデュースするなど、何かとアイドルと縁の深いアーティストだ。

そんな彼女が、「超歌手5周年ハンドメイドミラクル5!」と題し、5つの企画を発表。第1弾として、敬愛してやまない元モーニング娘。道重さゆみとのコラボレーションを行った。

だからこそ気になる。大森靖子はアイドルに対して今、何を感じているのだろうか。道重さゆみへの愛、平成アイドルとこれからのアイドルZOCについて、そして新元号で最初の大型アイドルイベントとなる「ビバラポップ!2019」について大いに語ってもらった。

撮影/森カズシゲ 取材・文/島尻明典(verb)

道重さんを見て「昨日よりかわいくないな」と思ったことがない

大森さんが“いちヲタ”として、ファンクラブのバスツアーにも参加するほど愛している、道重さんと念願のコラボですね。
▲大森さんのインスタグラムより。
うれしいです! 私のメジャーデビュー5周年の企画を考えているときに、エイベックスの方が「靖子ちゃん、思い入れが深い道重さんとコラボやりたい?」って言ってくださって。「やりたいです!」と即答しました。
『絶対彼女』といえば、2013年のアルバム『絶対少女』に収録されていた大森さんの代表曲のひとつですよね。なぜ、道重さんと一緒に歌いたいと思ったのですか?
「道重さんの“今のかわいい”を、世に作品として残したい」という気持ちがすごく強かったんです。『絶対彼女』という曲は、サビで「絶対女の子がいいな」とリフレインする、“自分がやりたい自分”を肯定する曲です。「いっぱい、いっぱい迷った末の、迷っているところもかわいい」という部分も含めて、今の道重さんと一緒に歌いたかった。だって道重さんをずっと見てきて、「昨日よりもかわいくないな」と思ったことは、1回もないので。
『絶対彼女』は、ライブでも盛り上がる曲ですよね。
ライブでやるときは何パターンかあって、たとえば「今日、この中で一番不幸に自信がある人、手挙げて!」ってみんなに呼びかけて、「今日フラれました」とか「来るまでにこんなことがありました」とか話してもらって、一番不幸だった人にソロパートを歌ってもらったりや、私もみんなも全力で変顔して、その後に全力でかわいい決め顔をしてもらったりとか(笑)。変顔も決め顔も、どっちもかわいいし、どっちもおもしろいし、楽しいんです。…っていう肯定感につながる曲になっています。
みんなで変顔して、かわいい顔して、すごく多幸感のある瞬間ですよね。大森さんの道重さんへの愛は有名ですが、改めて、道重さんの魅力を語るなら?
自分の完璧じゃない部分をちゃんと見せたうえで、キラキラ輝いているところですね。たとえば以前、彼女が毒舌キャラとしてテレビに出て、ちょっとした誤解が生まれてしまったとき、「今の自分の本当の気持ちを知ってほしいから」と事務所に直談判して、ハロプロの中で初めてブログを始めたところとか。彼女自身がやりたいことや伝えたいことを一番大切にしていて、その活動がそのまま表現になっていくのが、すごいアーティストだなって思います。
モーニング娘。をもっと知ってもらうために“毒舌キャラ”としてテレビに出るなど、どこかで覚悟を決めた方ですよね。
基本的に道重さんのことはずっと「ロックだな」と思って見ています。生き様がカッコいいんです。自分で切り開いていくところや、でも実はそれが人のためやチームのために動いていたりするところとか。リーダーとして、ひとりの不器用な人として、単純に生き物として…全部おもしろいなと思います。

小室哲哉からつんく♂、そして戦国時代へ…その次は?

「大森さんにとっての“アイドル”ってなんだろう?」というのをすごく知りたいんですよね。
アーティストに比べて、アイドルは、「ずっと続くものではない」と自覚している人たちが多くて、そのぶん、一瞬一瞬の今を大切にしている、そういう覚悟を持った人たちが多いと思います。

その、“一瞬に全エネルギーを振れる人”が私は大好きです。小出しにしたり、器用にやる人よりも、「今は、目の前で見ている人しか体験できない今なんだ」と、その瞬間にすべてを注ぎ、空っぽになって、また全部注いで、空っぽになって…ってことができる人に惚れちゃいます。そういう人が、アイドルには多いと思いますね。でも本当は、人間は基本的にずっと成長していくものだから、ずっとその人を見続けたいんです。卒業とかなければいいのに、って思います。
アイドルって、何か“我慢するもの”があるべきだと思いますか?
まったく思わないですけど、「ステージには全部賭けられる人であってほしい」という理想は勝手に持っています。「ライブアイドルが好き」という人もいるし、「テレビに出ているのが好き」という人もいるから、それぞれだと思いますが、私はライブの輝きが好きだから。ライブって、自分が思ってもいなかったことが出ちゃう瞬間があるんですよね。表情とか、しぐさとか。そういう、“出ちゃっている”のが好き。ステージは全部さらされる場所だから、それを見るのがすごく好きです。
もうすぐ平成が終わりますが、大森さんが考える平成アイドルの変遷はどのようなものでしょうか。
平成初期、アイドルにとっては冬の時代で、アーティストが全盛の時代でした。もっと言うと小室哲哉さんの時代ですよね。あの時代って、カッコいいものじゃないと受け入れられなかったっていう認識があります。

でも小室さんは、実は女の子のアイドル性の部分をちゃんと引き出していたとも思うんです。鈴木亜美ちゃんなんて、けっこう無理やりなキーを出させることでセクシーな声が生まれてたし。安室ちゃんもそうですけど、女性の魅力を、音楽を使って一番ステキな形でみんなに伝えるのが女性アイドルプロデュースだと思うので。そういった意味で、あれは完全に“カッコいいという仮面”を被らせたアイドルプロデュースだったと私は思っています。

そしてその次が、つんく♂さんですよね。『ASAYAN』(テレビ東京系)という番組でモーニング娘。が生まれ、個性の強い女の子がどんどん前に出てきました。歌詞も、女性の強さや女の子の気持ちについて書かれていて、それに合わせて彼女たちの髪や服装もどんどん個性的になり、いろいろなユニットが生まれました。

「女性が強くてもいい」というイメージを作ってくれたのが、小室さんとつんく♂さんだったと思います。私自身、すごく勇気をもらい、支えてもらいました。
平成前半の彼らの功績は本当に偉大ですよね。その後は?
自分の中ではPerfumeなんですよ。どこかで見たPOPに「アイドル界最後の希望」と書かれていたのがすごく印象的で、初期から見に行っていました。その後、ももいろクローバーZ、AKB48が現れ、アイドル戦国時代が始まったというイメージです。

アイドル戦国時代から今にかけては、アイドルとメタルを掛け合わせたBABY METALなど、他ジャンルの音楽との融合が増えましたね。でもその時代も、もう終わりつつあると思います。
つまり、平成以降のアイドルは…?
「アイドルにしてはカッコいいな」みたいなレベルじゃいけないと思うんですよ。「これとこれを合わせればよくね?」とか「これは、他がやってないからよくね?」みたいな安易な考えはもう通用しないと、見ていて思います。みんな、ちゃんと研ぎ澄まされているし、これからはシンプルに、アイドル個の力、そこにいる人の力、持ってる人の力が評価されるんじゃないかな、って。

「ZOCをこうしていきたい」という考えはあまりない

これからのアイドルといえば、大森さんは昨年、アイドルグループを立ち上げましたね。
ZOCは、私が審査員として参加している、講談社さんの「Miss iD」というオーディションで出会った、藍染カレン、戦慄かなの、香椎かてぃ、兎凪さやかの4人と、「生ハムと焼うどん」の西井万理那を誘い、「孤独を孤立させない」というコンセプトで作りました。
私自身、音楽活動の中で、“世の中の枠組みに合わせるのは苦手だけど、めっちゃおもしろい人”をいっぱい見てきて、なんとかそのおもしろさを削らずに、生きていける形みたいなものをずっと探し続けています。そしてそれはアイドルという形でも絶対にできると思ったんです。
ZOCは今後、どんなグループにしていきたいですか?
ZOCには、時代を感じられる感度が鋭い子たちが集まっていると思います。ただ私として「ZOCをこうしていきたい」という考えはあまりなく、そこは彼女たちに任せたいですね。
大森さんはZOCの「共犯者」という立場ですが、どんなことをされているんでしょうか。
もちろん、ZOCのために曲を作ったり、彼女たちに歌やダンスの練習をさせたり、「このライブに出ようね」とか、「ステージに上がるというのはこういうことだよ」とか、それくらいは伝えてるけど、本当にそれくらい。ZOCという居場所で、「自分はアイドルでいいんだ」という強い肯定感を持ち、戦っていくのは彼女たちです。「責任は私が取るから、やっちゃえ、やっちゃえ!」って感じです。
そんなZOCも初参戦する今年の「ビバラポップ!2019」、非常に楽しみです。
「ビバラポップ」に関しては1回目から共通していて、アイドル活動の中でもライブをすごく大切にしているグループを選んでいます。“一瞬にすべてを懸けられる人たち”という基準で選んでいるので、絶対に楽しいものになると思います!
大森靖子(おおもり・せいこ)
1987年愛媛県生まれ。超歌手。19歳からライブ活動を行い、2014年『きゅるきゅる』でエイベックスからメジャーデビュー。2018年9月、アイドルグループ・ZOCを結成。プロデュースのほか、自身もメンバー(共犯者)として参加。2019年、メジャーデビュー5周年を迎え、「超歌手5周年ハンドメイドミラクル5!」と題し、5つの企画を発表していく。その第1弾として、インディーズ時代の曲『絶対彼女』を道重さゆみとコラボレーションし、リリース。

作品情報

『絶対彼女 feat. 道重さゆみ』
3月13日より発売中
リアレンジにクラムボンのミトが参加。まるでパレードのような多幸感溢れる、女子全員を肯定する楽曲に仕上がっている。カップリングには山戸結希による企画・プロデュースの映画『21世紀の女の子 -21st Century Girl-』の主題歌、また『VOID』(シン・ガイアズver.)も収録。
AVCD-94366【CD Only】
1,200円(税別)
AVCD-94365/B【CD+Blu-ray】
4,200円(税別)
AVCD-94363-4/B【2CD+DVD】
2,800円(税別)

サイン入りポラプレゼント

今回インタビューをさせていただいた、大森靖子さんのサイン入りポラロイドを3名様にプレゼント。ご希望の方は、下記の項目をご確認いただいたうえ、奮ってご応募ください。

応募方法
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受付期間
2019年3月16日(土)12:00〜3月22日(金)12:00
当選者確定フロー
  • 当選者発表日/3月25日(月)
  • 当選者発表方法/応募受付終了後、厳正なる抽選を行い、個人情報の安全な受け渡しのため、運営スタッフから個別にご連絡をさせていただく形で発表とさせていただきます。
  • 当選者発表後の流れ/当選者様にはライブドアニュース運営スタッフから3月26日(火)中に、ダイレクトメッセージでご連絡させていただき2019年3月29日(金)までに当選者様からのお返事が確認できない場合は、当選の権利を無効とさせていただきます。
キャンペーン規約
  • 複数回応募されても当選確率は上がりません。
  • 賞品発送先は日本国内のみです。
  • 応募にかかる通信料・通話料などはお客様のご負担となります。
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