KENNが振り返る、音楽ひとすじだった10代から声優デビューまでの青春時代

「初めてエレキギターに触ったのは中学2年生くらいかな。ギタリストになりたかったんです」。学生時代の話になると、少し照れくさそうに、KENNはそう教えてくれた。

声優デビューにして初主演作『遊☆戯☆王デュエルモンスターズGX』で遊城十代を演じたとき、22歳だった。その後も歌手活動と並行してキャリアを重ね、気づけば15年。

『宇宙兄弟』の南波日々人、『家庭教師ヒットマンREBORN!』のディーノ、『アイドリッシュセブン』の四葉 環など代表作も多く、今や人気声優のひとりになったけれど、本人は「まだまだフレッシュにいきたいです!」と笑う。

TVアニメ『トライナイツ』でラグビーに打ち込む高校生を演じているKENNに、改めて、音楽ひとすじだった10代から声優デビューまでを振り返ってもらった。

撮影/須田卓馬 取材・文/佐久間裕子 制作/アンファン
スタイリング/水島 潤 ヘアメイク/大橋美沙子

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スタッフから「もっと筋肉質で力強いイメージの声が欲しい」

ラグビーワールドカップの日本大会開催を前に、高校ラグビーが題材のアニメ『トライナイツ』が7月30日からスタートする。体格的な成長が見込めずにラグビーの道をあきらめた遥馬理久(はるま・りく、声/阪本奨悟)は、高校に入学して新たな仲間と出会い、もう一度フィールドに戻ってくる。KENNが演じるのはもうひとりの主人公、狩矢 光(かりや・あきら)。頭脳派の理久と、強靭なフィジカルを持つ光。ふたりを軸に、蒼嵐高校ラグビー部がトップを目指す青春群像劇だ。
本作はオーディションとうかがいましたが、光だけを受けたのでしょうか?
まず冬原灯利役でオーディションを受けました。灯利はラグビー部のキャプテンで、チームメイトを叱咤激励するようなキャラクター。熱血で、肩に力が入りすぎている部分もありますが、とても仲間思いだし、チームを支えるメンバーのひとりなんです。

その後、「光もどうですか?」と急遽セリフをいただいて、光も演じた感じですね。
そうだったんですね! 現場で光も演じることになり、どうでしたか?
オーディションでは、わりとあることなんですよ。オーディションのためにいろいろな資料や原作を読んで準備していたので、そこから自分が感じた光のイメージでやらせていただきました。スタッフさんからは、もっと筋肉質で力強いイメージの声が欲しいというオーダーがあり、今の方向性になりましたね。
KENNさんがこれまで演じたキャラクターからすると…。
僕のナチュラルラインより低めで、ちょっとパワフルというか、ハスキーな感じで作っています。
光は体格がよくて、優れたフィジカルと反射神経の持ち主。「俺の勘は外れねえ」と言うような、野性的なキャラクターとあります。KENNさんは、光にどんな印象を持ちましたか?
持て余しているというか、きっと不器用で力の使い方がわからない部分があるから、直感的になってしまうんですよね。プレイでは駆け引きを知らずに突っ走ってしまうときもありますが、でも意外と、人の細かい心の動きに気がついたりするんです。洞察力が鋭いというか。

理久やラグビー部の仲間と一緒にいるうちに、そういうメンタルの面でも、光のステージが上がっていくんじゃないかなと思います。
ラグビー選手は体が大きいイメージがあるなか、理久のような細身の主人公が「タクティクス<頭脳>」を使って勝ち抜いていく様子はおもしろいですね。
そう。理久はタクティクス<頭脳>がフィジカル<肉体>を凌駕すると考えていて、彼をきっかけにチームがどう成長していくのか、僕もすごく楽しみです。そして理久には過去があるので、彼のなかで引っかかっていることにどう決着がつくのか、そこも楽しみですよね。
理久以外のキャラクターにもいろんな背景がありそうですね。
こことここは考えが合わなくてぶつかって、こっちでは信頼が生まれて、とか、細かな人間関係も描かれているので、ラグビーを知らない人にも入りやすい展開になっているんじゃないかなと思います。
▲キャラクター原案の宝井理人によるイラスト。理久と光が所属する蒼嵐高校ラグビー部の8名と、赤麗学院の朝宮怜皇が描かれている。左から2番目がKENN演じる光。

理久か光かと言われたら、光のほうが近いと思います

光は闘争心が強く感覚型ということですが、KENNさんご自身はどうですか?
まぁ、理久か光かと言われたら、光だと思います。ゲームをやるときは説明書を読みませんからね。
意外です!
とりあえずやってみようって(笑)。
いきなりゲームオーバーになっちゃったりしませんか?
もちろんそういうこともあります(笑)。壁にぶつかってから初めて説明書を読みますね。
闘争心という面ではいかがですか?
負けず嫌いだと思います。人に対して負けたくないというよりは、「自分に負けたくない」という感じですね。

たとえば休みの日にやりたいことがあって、早起きしようとアラームをかけて寝ますよね。でも起きられずに二度寝しちゃって、設定した2時間後とかに目覚めるとすごく悔しいんです。自分に負けた気がして(笑)。
休日はずっと起きない人もいますよね(笑)。
「きょうはずっと寝ていたい」が一番ならいいんです。でも、朝ジョギングをしたかったとか、買い物に行きたかったとか、やりたいことがあるのに起きられない自分がね、悔しいですね(笑)。
ではKENNさんから見て、光の好きなところを教えてください。
お肉をおいしそうに食べるところですかね。ときどき、骨付き肉をバクバク食っているシーンがあるんです。あれは僕も食べたいなと(笑)。そんなコミカルな部分も好きですが、不器用でストレートなキャラかと思いきや、ちゃんと周りを見ていたり、相手のことを思いやって、言葉を選んで声をかけたりできるところも好きですね。
心の機微に敏感なんですね。
それが野性の勘なのか、コミュニケーション能力が優れているのかはわからないですが、そんな場面がちらほらあるので、ふとしたときに見せる優しさが男らしくていいなと思います。
実際にいたらモテそうなキャラだと思います。
女子にですか? でも光は興味なさそうだな。今はラグビーのことしか考えていないので。

アフレコ前に、キャストみんなで筋トレをしています!

理久との関係性についてはいかがですか?
光は、フィジカルは優れているけれど、「ラグビーで勝つために自分に何が足りないのか」がはっきりとはわかっていなくて。でも理久と出会って、「こいつだったらわかるかもしれない。俺に教えてくれ」というところから始まります。なのに最初は、「俺は俺のやりたいようにやるから」と理久を突っぱねたりもして。でも練習や実戦を通して、理久のタクティクスが証明されていくんですね。

理久への信頼が大きくなっていくし、お互いにまったく個性が違うからこそ、いいところを吸収して、補い合っていく。いいコンビだなと思います。

さらに話数が進むと、光は、お父さんみたいな感じだなと。
お父さん!?
理久の気持ちを考えて、「何、弱気なことを言ってるんだよ」ってわざとたきつけて、やる気を出させたりするんです。口数は少ないけど、いいタイミングで的確な言葉をスッと言える。光はそういうのがうまいんです。

ラグビーの実戦では、理久の手のひらで転がされているのは光ですけど、理久のメンタルを支えているのは光なのかなって。そこもとても微笑ましいなと思います。
『トライナイツ』のキャラだったら、誰と仲良くなりたいですか?
小熊(景太)さん(声/高橋英則)ですね。癒やし系だから。チームになくてはならない人です。たとえるなら、みそ汁みたいな(笑)。演じている高橋さんもすごくいい人で、やわらかくて、癒やしオーラが出ていて、キャラクターとリンクする部分があると思います。
アフレコ現場の雰囲気はいかがですか?
アフレコ前に、みんなで筋トレしてます。休憩中にも「プランク」というトレーニングを何人かでやったりして。この現場はスタッフさんが寛大で、許してくださるんです。
どなたの発案ですか?
僕が腹筋を鍛える器具を買って、みんなでやろうぜって言ったのが始まりです。高橋さんや、朝宮怜皇役の佐藤拓也さんも筋トレにくわしいので、教えてもらったりもします。男性キャストばかりなので、本当の部活みたいで楽しいです。
ラグビーをするシーンのお芝居はいかがですか?
キャラクターによって、スピード重視、パワー重視などそれぞれに特徴があるので、そこは意識してくださいというディレクションがありました。光はパワー系ですね。とくに序盤の話数ではがむしゃらにいきますから。大きい声出す!みたいな(笑)。
KENNさんご自身は、スポーツの経験は?
運動は全然やっていなかったです。僕は文系で、ずっと楽器ばかりいじっていました。この業界に入って初めて、テニスとかを経験しましたね。

ピアノ、合唱団、吹奏楽、ギター…ずっと音楽に触れてきた

KENNさんはアーティスト活動からキャリアをスタートされていますが、学生の頃から音楽をやりたいと思っていたのですか?
ギタリストになりたいと思っていました。エレキギターを初めて触ったのが中2くらいかな。先輩の家に行ったときに、ギターを弾いているのを見てカッコいいなって思ったんです。それで自分もギタリストになりたいって。

ひたすらバイトしてお金を貯めて、高いギターを買いました。コンビニの早朝シフトに入ったりもしていましたね。ずっと欲しかったギターがあったんです。あと、アンプも自分で買いました。

そもそも、小さい頃からピアノを習っていましたし、小学生の頃から合唱団や吹奏楽クラブに入っていて、ずっと音楽に触れてきました。
俳優や声優に興味を持ったことは?
中学生の頃に出会ったゲームに、たくさん声優さんが出演されていたのがあって、声優という職業を改めて認識して、「声優さんってスゴいな。自分は人見知りで恥ずかしがり屋だけど、声優さんは人前に出ないから、もしかしたら恥ずかしがらずに自己表現ができるんじゃないかな」と思ったこともありました。でもその頃は音楽への興味のほうがずっと強かったです。

その後、ギタリストの夢は途中であきらめたんですが、歌も小学生の頃からずっと続けていましたし、ボーカルのほうが向いているんじゃないかと思い、ボーカルを目指すようになりました。高校を中退して、専門学校に入ろうと思った頃ですね。
それからは歌でやっていこうと?
メインは歌とキーボードでした。作曲に使えるからギターも一応続けていました。音楽の専門学校に通いながら、高校の卒業資格も取りました。専門学校を卒業後、学園長からメジャーデビューしているバンドの追加メンバーオーディションのお話をいただいて。
そのオーディションに合格したんですね。
はい。グループサウンズのバンドで、最初はキーボードを弾きながらコーラスをやり、そのうちメインでも歌うようになって。

そして自分の声の表現をもっと広げたくて、事務所にお芝居をやってみたいと伝えたのがきっかけで、ミュージカル『テニスの王子様』のオーディションを受けました。
そこから役者としての人生がスタート。
『テニミュ』のお稽古中に、声優のオーディションにも声をかけていただいて。「ぜひチャレンジさせてください」と。そこで『遊☆戯☆王デュエルモンスターズGX』の主役に選んでいただいたことを、今も本当に感謝しています。

後輩が萎縮しないよう、気軽に話せる空気作りを意識している

今でも大切にしている、先輩やスタッフさんからの言葉などがあったら教えてください。
なんだろう……。声優を始めてまだ間もない頃、ある作品の現場で先輩から叱っていただいたことでしょうか。

その日は先輩と僕、ふたりだけの収録だったんですが、僕が先に入って収録が終わり、スタッフさんと談笑していたんです。新人だったので、スタッフさんともコミュニケーションをとれるようにと意識していた部分もあって。先輩が到着されてからも、話が盛り上がって少しお待たせしてしまったんですね。

無事にすべての収録を終えて帰ったのですが、後日その先輩にお会いしたときに、すごく怒られて。スタッフさんに気を遣って楽しく話すのはいいんだけど、ほかのキャストが来て出番を待っていることにも気づいて、ちゃんと話を切り上げないとダメだよ、と。あなたは作品を背負っているんだから、全体に気を配れるようにと、しっかりと教えてくださったんです。

当時は自分がそれに気がつけないことが悔しかったし、それを見過ごさず、きちんと叱ってくださったことがありがたくて、今でも記憶に残っています。
今や、KENNさんも中堅のポジションになられましたが…。
いや、まだまだですよ(笑)。まだまだフレッシュです!(笑)
(笑)。後輩も増えて、KENNさんが引っぱっていくこともあると思うんですが、コミュニケーションで大切にしていることはありますか?
みんなが萎縮しないように、というのはあると思います。

僕はもともとバンドをやっていて、縦の関係が厳しい世界で育ってきました。声優としても、周りにはこの業界の道を作ってこられた偉大な方がたくさんいらっしゃって、リスペクトしすぎて、先輩に対して勝手に緊張していたんです。

でも今、自分が先輩になってみると、後輩から話しかけられたり、イジられたりするとうれしいんですよね(笑)。後輩が気後れしないように、現場の雰囲気を明るくして、気軽に会話できるような空気作りを意識しています。
KENN(けん)
3月24日生まれ。東京都出身。A型。主な出演作に『遊☆戯☆王デュエルモンスターズGX』(遊城十代)、『宇宙兄弟』(南波日々人)、『アイドリッシュセブン』(四葉 環)、『ピアノの森』(レフ・シマノフスキ)、『明治東亰恋伽』(菱田春草)など。7月24日にニューシングル『一夜ノ永遠ニ君想フ』をリリース。

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出演情報

TVアニメ『トライナイツ』
7月30日(火)より日本テレビほかで放送スタート
ntv.co.jp/tryknights/
©蒼嵐高校ラグビー部

サイン入りポラプレゼント

今回インタビューをさせていただいた、KENNさんのサイン入りポラを抽選で3名様にプレゼント。ご希望の方は、下記の項目をご確認いただいたうえ、奮ってご応募ください。

応募方法
ライブドアニュースのTwitterアカウント(@livedoornews)をフォロー&以下のツイートをRT
受付期間
2019年7月30日(火)12:00〜8月5日(月)12:00
当選者確定フロー
  • 当選者発表日/8月6日(火)
  • 当選者発表方法/応募受付終了後、厳正なる抽選を行い、個人情報の安全な受け渡しのため、運営スタッフから個別にご連絡をさせていただく形で発表とさせていただきます。
  • 当選者発表後の流れ/当選者様にはライブドアニュース運営スタッフから8月6日(火)中に、ダイレクトメッセージでご連絡させていただき8月9日(金)までに当選者様からのお返事が確認できない場合は、当選の権利を無効とさせていただきます。
キャンペーン規約
  • 複数回応募されても当選確率は上がりません。
  • 賞品発送先は日本国内のみです。
  • 応募にかかる通信料・通話料などはお客様のご負担となります。
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