一番偉いのは原作。実写化に欠かせない俳優・本郷奏多が表す原作キャラへの敬意

第17回手塚治虫文化賞のマンガ大賞受賞作品であり、累計発行部数3,800万部という、平成の漫画史に残る偉業を成し遂げた漫画『キングダム』。4月19日、ファン待望の実写映画が公開される。

映画はコミックス1〜5巻のストーリーを主軸に進んでいく。本郷奏多が演じるのは、王族の血を引き、自らこそが王にふさわしい存在であると信じて疑わない、ヒールな役どころである成蟜(セイキョウ)だ。

映画『GANTZ』、『進撃の巨人』、『鋼の錬金術師』、『いぬやしき』など、漫画を原作とする映像作品のキャストに選ばれ続け、今や実写化作品に欠かせない存在のひとり。

実写化作品を演じる際の彼なりのこだわりについて語ってもらった。

・王騎役・大沢たかおのインタビューはこちら
・佐藤信介監督のインタビューはこちら

撮影/祭貴義道 取材・文/馬場英美 制作/iD inc.

憎まれ役は、振り切った演技ができるのが楽しい

『キングダム』の原作は読まれましたか?
出演のお話をいただいてから読ませていただきました。男の子が好きそうな漫画で、僕もワクワクしながら読み進めました。
本郷さんが演じられた成蟜は、兄・嬴政(エイセイ/吉沢 亮)を相手にクーデターを起こして王座を奪います。
成蟜は、主人公の信(シン/山﨑賢人)や漂(ヒョウ/吉沢 亮)の敵ですが、自分の部下や家臣を人間とも思っていないような、すごくエゴイスティックな男だと思います。
製作報告会見では、「成蟜の考え方は自分に似ているので、一切の役作りをしなかった」と話されていましたね。
それはリップサービスです(笑)。
とはいえ、本郷さんの中にもそういう部分が?
あると思います。成蟜は自分のことしか考えていないけど、そもそも人間とはそういうものなんじゃないですかね。僕も自分が一番可愛いですから(笑)。
▲成蟜役・本郷奏多
成蟜は嬴政とは異母兄弟で、王族の血を引く自分こそが王にふさわしいと妄信しています。ワガママなお坊ちゃんで、ちょっとひとりよがりなところがあるような…。
そうですね。こういう人が身近にいたら、僕は関わらないです(笑)。

でも、成蟜も自分が周りにいいように使われていることをわかっていると思うんですよね。それでも力があるのは俺だという考えで、王族の血を引いているプライドがあるんだと感じます。

自分こそが王なんだと心の底から思っているでしょうし、それを信じて発信できるのはいいところかなと思います。
憎まれ役を演じることの楽しさはありますか?
僕はあまり“正義の味方”をやったことがないので、そっちの楽しさは知らないんですよね。でも、こういう役はバランスを気にすることなく、振り切って演じることができるので楽しいです。

佐藤信介監督から、「可能な限りムカつく表情をしてくれ」と言われたので、とことん小憎たらしくやろうと思いました。
たしかに、これでもかというほど小憎たらしい表情をされていましたね(笑)。
そう思っていただけたのであれば、本望です(笑)。

大沢たかおからにじみ出る、王騎の存在感に圧倒された

『キングダム』には個性的なキャラクターがたくさん登場しますが、とくに印象に残っているキャラクターを教えてください。
みなさん本当にステキでした。原作を読んだ方ならわかると思うのですが、ビジュアルも原作に忠実でカッコよかったです。その中でもハッとしたのは、楊端和(ヨウタンワ)を演じられた長澤まさみさんです。

すごくおキレイでしたし、あのシャープなメイクがすごく似合ってました。楊端和が女性だと知らないで見たら、驚くでしょうね。
大沢たかおさん演じる王騎(オウキ)のビジュアルも話題を呼んでいますね。
王騎は『キングダム』の中でも重要なキャラクターで、カッコよくて存在感があるんですよね。その迫力を大沢さんからも感じました。
▲楊端和役・長澤まさみ
▲王騎役・大沢たかお
大沢さんは、相当体を作られてから王騎に挑まれたようです。
そうみたいですね。僕も最初に見たときは「デカっ!」って思いました(笑)。王騎は原作でもデカさが重要なんですけど、それを再現されていたので、さすがだなと。

まさに存在感と圧。大沢さんからもそれをビシバシ感じました。
信を演じる山﨑賢人さん、漂と嬴政の二役を演じた吉沢 亮さんは、本郷さんよりも少し下の世代ですが、共演された感想を教えてください。
この世代の俳優さんは才能があって、勢いがある。その中でも、このおふたりはとくに光っている存在だと思いますし、一緒にお芝居をしていてもすごくエネルギーを感じました。
▲信役・山﨑賢人
▲嬴政役・吉沢 亮

実写化作品では、原作ファンの思いを大切に演じたい

本郷さんは『GANTZ』シリーズ、『進撃の巨人』、『鋼の錬金術師』、『いぬやしき』など、これまでにも多くの漫画原作の作品に出演されています。キャラクターを体現する際に大切にされていることはありますか?
僕個人として大切にしていることは、なるべく原作に近いキャラクターになることです。

もちろん、役者の個性を出すことも大事だとは思います。でも僕自身、自分が好きだった作品に出させていただくことも多く、そういったときに原作ファンの立場になって考えると、お客さんは漫画のイメージ通りのキャラクターを見たいんじゃないかと思うんですよね。
たしかに、そこは実写化で一番注目されるポイントですね。
そうなんです。たとえ実写化するとなっても、漫画が最初にあって、それを演じる俳優はあとから入ってきた人間ですからね。だから、僕は原作が一番偉いと思っています。
そういう意味では、今回、本郷さんが演じられた成蟜は、小憎たらしい表情を含めて原作ファンからの評判も上々のようです。
それは本当にうれしいです。

漫画原作の作品に出演して思うのは、原作ファンの方が一番リアクションをしてくださるし、何より熱心に見てくださるということ。

熱心に見てくださる方を大切にするのは当たり前のことだと思うので、今後もそういった思いを大切に演じていこうと思っています。
ちなみに、先ほど成蟜のようなヒール役を演じることのほうが多いと言われていましたが、自分にそういった役が来ることをどう思われますか?
何でなんでしょうね(笑)。

それこそ『GANTZ』で演じた西 丈一郎というキャラクターが最初だったと思うんですが、これも『キングダム』と同じ佐藤信介さんが監督をされていたんです。
ということは、監督の中に“闇が深い本郷像”があるとか(笑)。
直接聞いたことはないですけど、きっと監督の中では憎たらしくて、弱っちいイメージがあるんでしょうね(笑)。

でも、同じような役をいただけるということは、今までやってきたものや方向性を認めていただいたからだと思うので、それはありがたいことだと思います。
前回、ライブドアニュースにご登場いただいたのが、映画『凛 -りん-』のとき。28歳で学ラン姿に違和感がないのはスゴいなと思いました。
お話をいただいたからには一生懸命にやらせていただこうと思っていますが、正直なところ「もうすぐ30歳なんだけど…」という思いもあります(笑)。
そうなんですね(笑)。
実際、28歳の男が学ランを着ているわけで、周りからはどう見えているんだろうと感じることはありますよ。
ということは、これからは“脱制服”路線?
いや。ミステリアスな役やヒールを演じることが多いからこそ、僕だって“青春恋愛もの”もできるんだという意味を込めて(笑)、限界に達するまで制服を着ていこうと思います!
本郷奏多(ほんごう・かなた)
1990年11月15日生まれ。宮城県出身。O型。2002年の映画『リターナー』で俳優デビュー。2005年の映画『HINOKIO』で初主演を務める。主な出演作品は、映画『NANA2』、『GANTZ』シリーズ、『進撃の巨人 ATTACK ON TITAN』、『いぬやしき』、『凛 -りん-』。ドラマでは『アカギ』(BSスカパー!)、『ラブホの上野さん』(フジテレビ系)など。出演映画『Diner ダイナー』が7月5日に公開。

映画情報

映画『キングダム』
4月19日(金)ロードショー
https://kingdom-the-movie.jp/

©原泰久/集英社 ©2019映画「キングダム」製作委員会

サイン入りポラプレゼント

今回インタビューをさせていただいた、本郷奏多さんのサイン入りポラを抽選で1名様にプレゼント。ご希望の方は、下記の項目をご確認いただいたうえ、奮ってご応募ください。

応募方法
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受付期間
2019年4月15日(月)18:00〜4月21日(日)18:00
当選者確定フロー
  • 当選者発表日/4月22日(月)
  • 当選者発表方法/応募受付終了後、厳正なる抽選を行い、個人情報の安全な受け渡しのため、運営スタッフから個別にご連絡をさせていただく形で発表とさせていただきます。
  • 当選者発表後の流れ/当選者様にはライブドアニュース運営スタッフから4月22日(月)中に、ダイレクトメッセージでご連絡させていただき4月25日(木)までに当選者様からのお返事が確認できない場合は、当選の権利を無効とさせていただきます。
キャンペーン規約
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