お互いに無言でいても気にならない。新田真剣佑×北村匠海のゆるぎない信頼関係
これまで何度も共演経験があり、プライベートでも親友という新田真剣佑と北村匠海。
「同世代では数少ない、安心して芝居をできる俳優」と話すふたりの言葉からは、プライベートでの仲の良さだけでなく、互いに俳優として信頼し合っているのが伝わってくる。
21歳、22歳とは思えない落ち着いた話しぶりだったが、インタビューの最後では若者らしい素顔も見せてくれた。
スタイリング/櫻井賢之【新田】
互いの出演作品はすべてチェックし、感想を言い合っている
- おふたりは2016年のドラマ『仰げば尊し』(TBS系)、2018年の映画『OVER DRIVE』でも共演。プライベートでも仲良しですが、互いの出演作品をチェックされることもあるのでしょうか?
- 新田 匠海が出ているものはすべて見ます。やっぱり、活躍している姿を見るのはうれしいです。
- 北村 僕も同じで、まっけんが出ているものはチェックしています。
- お互いに感想を言い合ったりは?
- 新田 しますね。匠海の感想を聞いて、自分では気づいてなかったことを発見するときもあります。
- 北村 いろんな意見があって当然だし、それぞれの見方を言い合うことも大切かなと。僕もまっけんの言うことにハッとすることもありますし。
- 互いに刺激を与え合う存在ということですね。
- 北村 そうですね。先輩方と共演して吸収するのはもちろん、同世代の芝居で刺激し合うのも大事だなと思います。
- 以前、別の作品で新田さんにインタビューさせていただいたときに、北村さんが出演された映画『君の膵臓をたべたい』を見て、「嫉妬するほどにすばらしかった」と言われていました。
- 北村 それはこっちのセリフだって感じです(笑)。まっけんは僕にできないものを持っていて。僕は素朴で地味な役が多いけど、まっけんの生まれ持ったスター性はいつ見てもスゴいなと思います。僕とまっけんは役者としては違うタイプだと思うので、良い意味での嫉妬もあるし、尊敬もしています。
- 新田 僕はセリフをしゃべっていないときの北村匠海の顔が大好きなんですよ。セリフをしゃべっていないときの表情って、一番難しいので。
- 北村 自分が芝居で一番大切にしている部分を、まっけんはちゃんと見てくれているんですよね。もちろん、物語を進めるうえでは、セリフを発するのがわかりやすく大事なんですけど、僕は小さい頃からセリフのないときの表情が大切だと漠然と思っていて。まっけんは最初からそれを見てくれていたので、やっぱり大切な存在ですね。
何度共演しても、新しい顔が見えてくるのが楽しい
- 1月25日公開の映画『十二人の死にたい子どもたち』で再々共演が決まったときの感想を教えてください。
- 新田 またか、と思いました(笑)。
- 北村 僕も同じ。こうやってふたりで取材を受けている姿がすぐに目に浮かびました(笑)。
- 新田 またお互いのことをほめ合うんだろうなって(笑)。でも、匠海と共演できるのはうれしいです。安心して芝居ができる、数少ない同世代の役者ですから。
- 北村 役者の面白いところは、同じ役でも演じる人が変わればまったく違う役になるところ。僕はまっけんの個性が好きだし、お芝居に対するストイックさも尊敬しています。だから、撮影に入る前から今回の現場がとても楽しみでした。
- 本作は、安楽死を求めて廃病院にやってきた12人の未成年者たちの群像劇です。おふたりは死にたい理由を抱える青年・ノブオとシンジロウを演じています。それぞれの役をどう捉えましたか?
- 北村 ネタバレになるのであまり言えないんですけど、僕が演じたノブオは、学校で人気者の一見さわやかな青年なんですが、じつは憶病な人間なのかと。だからこそ殻をかぶっていて、当たり障りのないことしか言わないのかなと思いました。
- 新田 シンジロウは、薬や医療機器に詳しい高校3年生の男の子。演じるうえでは、自分で考えてきたいくつかの演技プランを撮影初日に(堤 幸彦)監督に伝えて、それ以外は感じたものを自由に出すようにしていました。
- 北村 シンジロウはストーリーテラーの役割もあるから、セリフが多くて大変そうだったよね。僕は逆に“受け”の芝居が多かったんですけど、シンジロウみたいに、全力で放出してくれる人がいるからこそ“受け”の芝居ができるわけで。ほかの作品でもそうでしたが、まっけんとのお芝居はとても気持ちが良かったです。
- 新田 それは僕も同じで、匠海はどんなお芝居をしても100%、いやそれ以上で返してくれるので、僕は北村匠海が大好きです。とくに今回のようなミステリアスな役は初めて見たので、また新しい匠海が見られるんだと思って楽しみでした。
- 北村 たしかに前回共演した『OVER DRIVE』では、まっけんはすごくエネルギッシュな役を演じていたので、シンジロウのような役を淡々と演じているのは、僕も見ていて新鮮でした。
学園ものとは絶対的に違う、共演者との距離
- 共演者は同世代の俳優ばかりだったと思います。現場の雰囲気はいかがでしたか?
- 北村 (アンリ役の)杉咲 花ちゃんや(セイゴ役の)坂東龍汰など、過去に共演したことのある人もいて。たぶん僕が一番知り合いが多かったんじゃないかな。現場では何人かで集まっている子もいれば、役柄を考慮してあえて関わらないようにしている子もいたり、居方はそれぞれでしたね。
- 新田 僕は基本的にひとりでいました。でも、あえてそうしていたのではなく、自然的な流れでひとりでいることが多かったです。
- 北村 この映画は学園ものと違って、12人全員が知らない者同士ですからね。たとえば、チームメイトやクラスメイトなら普段の雰囲気が映像に出たりもするので、一緒にご飯に行ってコミュニケーションを深めようとするときもあるんですけど、今回は違うから。たぶん花ちゃんは、アンリという役を演じるにあたり、ある程度の距離感を保っていたのかなぁと。
- 杉咲さんが演じられたアンリは、12人の中でもとくにミステリアスな役でしたね。
- 北村 そうなんです。だから僕も現場ではノブオらしくいようと思い、ある程度のコミュニケーションは取りながらも、静かにしていた感じでした。とはいえ、現場の空気感は良かったんですけどね。
- 新田 いろいろ考えることの多い現場だったから、ちょっとした休憩にもエネルギーを蓄えようとしていた気がします。でも、お昼ご飯はみんなで食べていました。
- そのときに役について話し合ったりするんですか?
- 新田 しますね。
- 話の中心となるのは、どなただったんでしょうか?
- 新田 とにかく坂東龍汰くんがうるさかったです(笑)。
- 北村 たしかに龍汰はムードメーカーだったんですけど、役に対して一番不安を抱えていたのは彼だったのかな。
- 新田 そうそう。
- 北村 いつも「俺の芝居、どう?」と聞いてきましたからね(笑)。みんな本当に真剣に役に向き合っていた現場だったと思います。
撮影中は言葉のゲシュタルト崩壊が起きていました(笑)
- 監督を務められたのは、『SPEC』シリーズや『イニシエーション・ラブ』などの堤監督。堤監督の印象を教えてください。
- 北村 不思議な監督だったよね?(笑)
- 新田 監督は眠気覚ましにキンカンの匂いを嗅いでました(笑)。あと、突然「変な声を出してよ」と言われました。だから、印象は変な声を出させたがる監督(笑)。
- 北村 あれは堤監督のフェティシズムだよね(笑)。僕はとくに何かを指摘されることもなく、すごく自由にやらせていただきました。でも、長回しの撮影は本当に大変でした。
- 現場では5台のカメラを同時に回して撮影していたそうですね。
- 北村 その状態で40分間ぐらい続けてお芝居をするんです。もう舞台ですよ。でも、それがリアルな緊張感につながったのかなと。あと、物語の時間軸に沿って撮っていたんですけど、それを説明する紙を渡されたよね?
- 新田 あった! この時間には誰がどうしたとか、このときに自分はこうしているとか、シーンに描かれていないことも細かく書いてあって。
- 北村 時間軸に沿って撮影すると、そのぶん手間も時間もかかるんですけど、それは堤さんのこだわりだけでなく、俳優への気遣いでもあったのかなと思います。
- 新田 でも、一番スゴいと思ったのは、堤監督の頭の中。カメラ5台を使って40分間の長回しですから、頭の中がぐちゃぐちゃになってもおかしくないと思うんですけど。
- 北村 監督には画が全部見えてたんだろうね。
- 新田 うん。完全に見えていたんだと思います。それがスゴいなと思って。僕なんか途中から何を撮っているのかわからなくなっていましたから。
- 北村 シンジロウはセリフが多いし、ずっとしゃべっていたもんね。
- 新田 あの廃病院の中で、一体、何百文字のセリフを発したのか。撮影しているときは言葉のゲシュタルト崩壊が何度も起きていました(笑)。
- 相当過酷な現場だったようですね。
- 北村 修行でしたね(笑)。
- 新田 僕はこれまでで一番苦しい思いをした役でした。とにかく必死でそのシーンを乗り越えようとしていたし、この撮影は忘れることがないと思います。
- 北村 今回は(未成年の集団安楽死という)話が話というのもあるので。12人がずっと同じ空間にいると、物理的に空気も薄くなってくるし、過酷な部分もあったと思います。
- 新田 本当に廃病院に閉じ込められている感じもあったし。
- 北村 でも、12人全員に見せ場があり、それぞれのキャラクターが深く掘り下げられているので、一切無駄がない。原作もそうですけど、細部まで計算の行き届いた緻密なストーリーで、最後にすべてのつじつまが合ってくる感じとか、物語の緩急のつけ方が魅力的で、さすがは堤監督だなと思いました。
カラオケでは、ふたりとも汗だくになって歌っている
- ここまでお話をうかがってきて、おふたりともとても落ち着いてお話をされる方だと思ったのですが、プライベートで一緒にいてもそんな感じなのでしょうか?
- 北村 ふたりでいるときはそうですね。
- 新田 何なら、このあいだ、ふたりでたそがれているときも無言だったよね(笑)。
- 北村 なぜかまっけんとは互いに無言でも気にならないんですよね。役者としてのタイプは違うけど、物事の見方は似ているのかなと。
- 新田 中身は似ているけど、表現の仕方が違うというか。
- 北村 そうだね。たまに同じような悩みを抱えていることもありますしね(笑)。
- まだ21歳、22歳という若いおふたりですが、はしゃいだりすることはないのでしょうか?
- 新田 カラオケかなぁ。
- 北村 たしかにカラオケはそうだね。よくふたりで行くんですけど、歌で何かを発散させるというのはあるかもしれません。
- 新田 ふたりとも汗だくになって歌ってるもんね。
- 北村 そう。汗がドバドバ(笑)。
- 新田真剣佑(あらた・まっけんゆう)
- 1996年11月16日生まれ。ロサンゼルス出身。B型。アメリカでの映画出演を経て、2014年より日本での芸能活動を開始。2016年の映画『ちはやふる 上の句/下の句』で注目を集め、第40回日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞。主な出演作は、ドラマでは『仰げば尊し』(TBS系)、『トドメの接吻』(日本テレビ系)、映画では、『ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 第一章』、『OVER DRIVE』、『パシフィック・リム:アップライジング』など。2月1日に1st写真集『UP THE ROAD』(幻冬舎)が発売される。
- 北村匠海(きたむら・たくみ)
- 1997年11月3日生まれ。東京都出身。B型。2008年の『DIVE!!』で映画初出演を果たす。2011年からは、音楽ユニット・DISH//のリーダーとしても活躍中。2017年の『君の膵臓をたべたい』で映画初主演を務め、第41回日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞。主な出演作は、ドラマでは『仰げば尊し』(TBS系)、『隣の家族は青く見える』(フジテレビ系)、映画では『恋と嘘』、『OVER DRIVE』、『春待つ僕ら』など。2019年は、1月開始のドラマ『グッドワイフ』(TBS系)に出演。3月15日には映画『君は月夜に光り輝く』、年内に『影踏み』が公開される。
出演作品
- 映画『十二人の死にたい子どもたち』
- 2019年1月25日(金)ロードショー
- http://wwws.warnerbros.co.jp/shinitai12/
サイン入りポラプレゼント
今回インタビューをさせていただいた、新田真剣佑さん×北村匠海さんのサイン入りポラを抽選で1名様にプレゼント。ご希望の方は、下記の項目をご確認いただいたうえ、奮ってご応募ください。
- 応募方法
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— ライブドアニュース (@livedoornews) 2019年1月21日
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・応募〆切は1/27(日)12:00
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- 2019年1月21日(月)12:00〜1月27日(日)12:00
- 当選者確定フロー
- 当選者発表日/1月28日(月)
- 当選者発表方法/応募受付終了後、厳正なる抽選を行い、個人情報の安全な受け渡しのため、運営スタッフから個別にご連絡をさせていただく形で発表とさせていただきます。
- 当選者発表後の流れ/当選者様にはライブドアニュース運営スタッフから1月28日(月)中に、ダイレクトメッセージでご連絡させていただき1月31日(木)までに当選者様からのお返事が確認できない場合は、当選の権利を無効とさせていただきます。
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