日本の芸能人も彼らに夢中！ FTISLANDのやんちゃで飾らない“人間力”に迫る
とにかく“やんちゃ”。FTISLANDは、韓国出身のロックバンドであるが、日本語はペラペラ。インタビュー中は、突然下ネタを話し出し、話の脱線の連続。しかし、バンドを愛する彼らの人間力は、ONE OK ROCKを筆頭に、多くの日本の芸能人をも虜にしている。そんなFTISLANDの一番の魅力は、メインボーカル、イ・ホンギの歌声に心を震わされ、自在に操られてしまうライブだ。4月11日に発売する8thアルバム『PLANET BONDS』、そしてアルバムを引っさげたツアーで、その優しさあふれる人間力を確かめてほしい。
撮影／ヨシダヤスシ 取材・文／坂本ゆかり 制作／iD inc.
グループ内で“アボカド”みたいなメンバーは誰？
- 日本でのメジャーデビューから8年も経つと、「はじめまして」という取材も少なくなりますよね。ですが、livedoorニュースのインタビューは初登場ですので、みなさんがどんな人なのか探っていきたいと思います。ギターのスンヒョンさんから教えてください。
- ホンギ この前一緒に飲んでいて、そのままスンちゃん（スンヒョン）の家に行ったんですよ。そしたら、すごい散らかっていて。僕が女の子だったら、二度と行かない（笑）。そんなヤツです。
- スンヒョン あ……、スミマセン。
- （笑）。ドラムのミンファンさんは？
- ジョンフン こう見えて、けっこう感性が豊かなんです。
- ジェジン それに、男らしいというか……。忍耐強くて、相手を理解しようと努力する。男としてカッコいい人です。
- リーダーで、ギターのジョンフンさんはどんな人ですか？
- ホンギ 心が柔らかい人ですね。ゼリーとか、おっ〇いみたいな？
- ホンギさん、「はじめまして」で下ネタはやめてくださいね（笑）。
- ホンギ えーーー！
- ジェジン ゼリーっていうより、アボカドじゃない？
- というと？
- ジェジン 外は固いけど、中は柔らかくて、真ん中に固い芯がある感じがアボカドみたいだと思います。
- なるほど。いいたとえですね。では、ベースのジェジンさんは？
- ジェジン ジェジンさんはいい人！
- ミンファン 自分で言うなよ（笑）。ジェジンは、FTISLANDの頭脳です。いつも、いいアイデアを出してくれます。
- ジョンフン （翻訳ソフトで韓国語から日本語を調べて）ハリネズミだよ。
- ミンファン あ、それわかる！ 普段は自分の武器を隠しているんだけど、いざとなったら攻撃できる。
- ジェジン いくときは、いく男です！
- では最後に、ボーカルのホンギさんはどうでしょう？
- ジョンフン ハムスターです。パッと見は、優しく見えるでしょ？ でも自分がやりたいこととやりたくないことがハッキリしていて、楽しいことをずっとやり続ける。
- ホンギ 僕はそんなかわいい動物じゃないよ。カメレオンだ！ 変化し続けるから。
韓国のレジェンド歌手に認められた、ホンギのボーカル
- 日本デビューから8年ですが、韓国デビューからはもう、11年です。改めて、バンドをはじめたきっかけを教えてください。
- ジョンフン だって、ダンスが踊れないから、アイドルにはなれないもん（笑）。もともと僕は、音楽に興味があったんです。でも、ひとりでやるのはつまらないから、バンドだったらみんなで楽しく音楽ができると思ったのがきっかけです。
- ホンギさんはドラマ『美男＜イケメン＞ですね』を筆頭に、現在もバンドと並行してドラマでも活躍。俳優業は子どもの頃からやっていましたけれど、なぜ俳優じゃなくて、歌手になろうと思ったのですか？
- ホンギ 歌がうまかったからね（笑）。中学生の頃は毎日カラオケに行ってたんだけど、みんなに「すごくうまいじゃん！」って褒められていたんです。それで学園祭で歌ってみたら、いろんなところからスカウトがきて。今の事務所もその中のひとつ。ちょうどその頃、演技に興味がなくなっていたので、「歌手になるのもいいな」って思ったんです。
- 学園祭で歌わなかったら、歌手になっていなかったかもしれませんね。ちなみに、みなさんが人生で一番影響を受けたアーティストや曲は？
- ホンギ 韓国のアーティストのイム・ジェボムさん。彼の歌声には感動します。韓国では“ロック・ダディ”と呼ばれているレジェンド的な方なんですけれど、僕のことを「お前は俺の息子だ」って言ってくれてるんです。テレビ番組にもよく呼んでくださいます。
- ジェジン 僕は、イ・ホンギ！ ホンギさんが「お前は俺の息子だ」って言ってくれます。「ライブをするときは、絶対に連れて行ってやる」って（笑）。
- ホンギ あー、パクるなよ（笑）。
- ジョンフン 僕はイギリスのロックバンド、ミューズ（MUSE）です。でも最近の曲より、昔の曲のほうが好きかな。
- ミンファン アメリカのロックバンド、フーバスタンク（Hoobastank）ですね。デビュー前に、メンバーたちとライブを見に行ったんですけれど、ライブを見てはじめて、涙が出るくらい感動したんです。
- スンヒョン 影響というなら、日本のアーティスト、尾崎 豊さんのバラード曲ですね。すごく心に刺さります。清水翔太さんがカバーした『Forget-me-not』も大好きです。
新田真剣佑に綾野 剛。日本の芸能界には友人が多い
- FTISLANDは、2015年にリリースした『Primavera』という曲で、ONE OK ROCKのTakaさんとコラボレーションをしていますし、両バンドの交流はファンのあいだでは有名ですね。ONE OK ROCKのみなさんと会ったときは、どんな話をしているのですか？
- ホンギ 音楽の話が多いですね。最近やってる音楽のこととか、今作ってる曲を「この曲、どう？」って、聴かせあったり。
- 今年の2月には、ONE OK ROCKが韓国でワンマンライブを行いましたよね。
- ホンギ 最近は、韓国でも日本のバンドのライブが増えてきたんですよ。Takaに「韓国に行くから会いたい」って連絡をもらっていたんだけど、僕はドラマ『花遊記（ファユギ）』の撮影があったから、ライブを見に行けなかったんです。でも、夜中の3時半くらいに撮影が終わったので、ちょっとだけ会いに行けました。で、僕はそのまま寝ないでまた、ドラマの現場に（笑）。ジェジンはライブを見に行きましたよ。
- ONE OK ROCKのライブはどうでしたか？
- ジェジン 韓国の芸能界にも、ONE OK ROCKファンの男の子が多くて、その子たちを連れて見に行きました。やっぱり、いいライブですよね。僕が見たバンドのライブの中では、TOP5に入るくらい良かったです。僕は評価する立場じゃないけど、「良かったぞ！」ってことは言ってあげたいです。
- ライブを見てどんな部分を「いいね！」と思ったのでしょう？
- ジェジン 僕らがライブをするときは、ステージの上にはカメラを入れないんだけど、ONE OK ROCKはステージ上でも映像を撮ってスクリーンに映していたんです。それを見て、カメラは意外と邪魔にならないんだと思ったし、ファンが一緒に歌ってくれる曲をバンド越しに映している映像が美しくて、僕らのライブでもやってみたいなって思いました。
- 自分たちのライブへのヒントになったんですね。
- ジェジン そうですね。ほかのバンドのライブを見ると、勉強になりますよね。
- さらに交友関係のお話を聞いていきます。昨年12月に出演した『FNC KINGDOM IN JAPAN』には、俳優の新田真剣佑さんがみなさんのライブを見に来ていましたよね。
- ジェジン そうですね、年下の友達っていないから真剣佑はかわいいんです（笑）。友達に紹介してもらって仲良くなったんだけど、真剣佑はただ遊ぶのが好きなチャラいタイプじゃなくて、男同士でワイワイ話すのがめっちゃ好きみたい。カッコいいし、仕事も頑張っているし、自分の考えもちゃんと持っているから、若いけど、友達として付き合えるんです。
- ホンギさんは、俳優の綾野 剛さんのことを「彼女」と言ってますよね（笑）。
- ホンギ 綾野 剛さんだけじゃなくて、日本の芸能界には仲のいい友達がたくさんいます。友達が、自分の友達を紹介してくれるから、いろいろな人脈ができて（笑）。僕らが日本語がうまいのは、そうやって日本で友人をいっぱい作っているからだと思います。逆に、みんなが韓国に遊びに来ると大変なんですよ。
- なぜですか？
- ホンギ 僕は、日本では日本語をしゃべっているでしょ。でも、日本の友達が韓国に来て、僕の友達を紹介すると、僕が韓国語も日本語も通訳しなくちゃいけないんです（笑）。
- それはちょっと大変ですね。先ほどONE OK ROCKの韓国ライブのお話をうかがいましたが、韓国ではまだまだバンドのライブはあまり一般的ではありませんよね。みなさんから見て、バンド文化が盛んな日本の音楽環境のいいところはどこでしょうか？
- ミンファン 日本は、練習スタジオがすごく多いですよね。韓国は少ないので、うらやましいです。ライブ会場も大きなものから、アマチュアが出られる小さなものまでたくさんあるじゃないですか。韓国には、ライブハウス自体が少ないんです。だから、あまりバンドを見る機会がないんですよ。最近の若い子たちって、バンドを知らない子もいるんじゃないかな？ テレビに出ているのもアイドルばかりだし。
- 韓国の子がバンドをやろうと思ったら、どこで練習するんですか？
- ミンファン 学校とか、教会とかですね。
- ジェジン 韓国では、弘大（ホンデ）という街が日本でいう下北沢のような音楽の街なんだけど、スタジオもライブハウスも、日本に比べると少ないんです。
