花江夏樹「ゲームはまったくやってません(笑)」“朝の顔”になって訪れた生活の変化

花江夏樹に新年の目標や抱負を尋ねると「新しく出会った仕事をしっかりこなして、爪痕を残していきたい」と力強く口にした。声優業だけに留まらず、ラジオパーソナリティ、そして『おはスタ』(テレビ東京系)にメインMCで出演し、朝の顔としても知られる今。年々、確実に成果を挙げている花江にとって、『劇場版 マジンガーZ / INFINITY』の出演は、2018年一発目の“爪痕”を残したと言っていいだろう。

撮影/尾藤能暢 取材・文/渡邉千智 制作/iD inc.

10年前のシローの面影が、垣間見えるように演じた

『劇場版 マジンガーZ / INFINITY』は、1970年代に放送されたTVアニメ『マジンガーZ』の原作者である永井 豪さんの画業50周年を記念して制作されました。45年振りに劇場アニメとして『マジンガーZ』が復活します。出演が決まったときはどんなお気持ちでしたか?
劇場アニメは1年に何本もあるわけではないので、出られるのはすごくありがたいことだなと思っています。あと、『マジンガーZ』はとくに男性が好きな作品だと思うんですけど、僕は、女性が見て楽しむコンテンツの仕事が多いので、男性に突き刺さるものに出られるというのはまた違った意味で気合が入りました。
同じ男性としてアツいものを感じると言うか。
そうなんです! こう…たぎりますよね(笑)。
『マジンガーZ』の名前はもちろんご存知かと思いますが、小さい頃にTVアニメをご覧になっていた世代ではないですよね。
そうですね。でも、名前はもちろん知っていて。『マジンガーZ』と言えば、アニキ(水木一郎)の歌が浮かびますし、ロボットアニメの原点というイメージを持っていました。
劇場版への出演が決まって、TVアニメをご覧になりましたか?
全話は見られなかったのですが、僕が演じた兜 シローはどういう子だったのかな? と参考に映像を見ました。
劇場版はTVアニメから10年後という設定で、小さかったシローも大人になっています。本作でのシローを演じるにあたり、TVアニメで描かれた10年前の姿は大事な部分でしたか?
はい。やっぱり、大人になっても子どもの頃の面影って見えるものだと思ったので。落ち着きや大人の自覚はもちろんありますが、シローの基本的な性格…ヤンチャな感じや好戦的な雰囲気は残せたらいいなと思って演じました。テンションが上がったときなどに、そういった面影を見せるというのは意識したところです。
ビジュアルも一番変化がありますよね。
10年前はあんなに頭身が低くて、可愛らしい感じだったのに…。
大人になって、より男性らしくなりました。そういったビジュアルの変化も、演じる際に意識された部分ですか?
そうですね! そのカッコよさは絶対にあると思いました。見た目は絵でわかるので、ロボットに乗り込んだ戦闘時のカッコよさを、より気にして声で引き立たせました。
シローを演じるにあたり、音響監督から何かディレクションはありましたか?
じつはそんなになくて、オーディションを受けたときに出したものとほとんど変わっていないんです。あのキャラクターたちのなかで、シローは10年前からの変化が大きくてもいいキャラクターだったので、監督からも「オーディションのときのままで大丈夫です」とお言葉をいただきました。

「何でも相談に乗ってくれる」森久保祥太郎のアニキ感

花江さんが演じるシローは、10年前に世界征服をもくろむDr.ヘル(声/石塚運昇)を阻止し、伝説のパイロットとして称えられている主人公・兜 甲児(声/森久保祥太郎)の弟。兄弟らしさを出すために気をつけたことなどはありますか?
一緒に戦うシーンもありますがそこは昔から変わらず、唯一の肉親である兄についていく弟、という兄弟の絆を意識しました。でも、森久保さんが本当にお兄ちゃんのような方なので、アフレコでもシンパシーみたいなものを感じて、とてもやりやすかったです。
森久保さんはアニキ感があるんですね。
本当に…大先輩なので僕が言うのもおこがましいですが、いいアニキと言うか。何でも相談に乗ってくれますし、僕が困っていると助けてくださいます。事務所が違うのに、すごくよくしていただいています。
森久保さんとは以前、トークバラエティ番組『東京乙女レストラン』(TOKYO MX)で一緒にMCをやられていましたよね。
はい。そのときにいろんな相談に乗ってもらいました。森久保さんから気さくに話しかけてくださることも多くて。僕は森久保さんのことが大好きなので、今回、こんなに近しい間柄を演じられてうれしかったです。
花江さんはひとりっ子なんですよね。甲児とシローのような男兄弟に憧れはありますか?
男兄弟って明るくてにぎやかなイメージがあるので、すごく憧れがあります。あと、ひとりっ子だとカードゲームや対戦もののゲームをひとりでやらないといけないんです。それを一緒にやれたらうれしいなとは思います。
ひとりで対戦ゲームをやっていたのですか?
はい、ひとりでふたりぶんやっていました(笑)。たとえば、カードゲームならひとりは僕で、もうひとりは自分のなかで別の人格を作り上げて。やっているのは僕ひとりなんですけど、どちらも知らない相手と戦っているような感覚で、ガチンコバトルをしていました。
ひとりで二役やるのは難しそうですね。ちなみに兄と弟、どちらがいたらいいなと思いますか?
どちらもいたらいたで楽しそうですね。どちらがいたとしても、自分は次男のポジションがいいなと思っています!(笑)
(笑)。では改めて、花江さんが感じる本作の魅力を教えてください。
やっぱり、『マジンガーZ』を知らない方でも楽しめるところだと思います。男性の方だったらロボットアニメというところですごくアツく、たぎるものがあると感じますし、今の時代のアニメーションだから見られる『マジンガーZ』で、必殺技やロボのディテールもカッコよくなっています。
花江さんがおっしゃる通り、男性ファンが多い作品だと思います。女性が楽しめる点はどういったところだと思いますか?
甲児とシローの兄弟の関係など、キャラクター同士のアツい絆にときめいていただけるんじゃないかなと思います。物語も考えさせられるものになっているので、幅広い層に見ていただけたらうれしいです。
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