女子だけじゃなく、男子も注目!? 真野恵里菜が説く“恋愛のヒント”

叶わない恋ほど、残酷なものはない――。映画『覆面系ノイズ』で真野恵里菜が演じた珠久里 深桜(すぐり・みおう)は、志尊 淳が演じるバンドの青年・ユズに恋心を抱くも、その思いは通じず報われない恋をする女の子。「深桜のような恋をしている子ってたくさんいると思うんです」と前置きしながら、作中の深桜の姿を重ねて、失恋を経験した女子たちの背中を押すように語る。「ひとつの恋が叶わなかったとしても、きっとその経験は次の恋につながっていく」と。

撮影/川野結李歌 取材・文/渡邉千智 制作/iD inc.

「歌が抜群にうまい」深桜役にプレッシャーを感じて

真野さんがご出演される映画『覆面系ノイズ』のお話を聞く前に…今お召しになっているピンクのお衣装がとても可愛くて…撮影中も見入ってしまいました。
あはは。ありがとうございます。淡いピンクのものとツーピースのものを用意していただいたのですが、これを選びました。スカート部分にいるのは…出目金です。男性のみなさんはスーツで来られてシックな感じだと思ったので、パリッとした色合いを選んだら…逆に目立ってしまいました(笑)。
いえいえ、華やかでとても素敵です!
みんなからも「今日はゴージャスだね!」って言われて、気合い入れすぎちゃったかな…? って(笑)。
前回のインタビュー時も素敵でしたが、また違う印象ですね。では、映画のお話に。原作は『花とゆめ』(白泉社)で連載中のマンガで、昨年にはテレビアニメ化もされました。ヒロイン・有栖川 仁乃(通称:ニノ/中条あやみ)と、ニノの歌声に惹かれた杠 花奏(通称:ユズ/志尊 淳)、そして、ニノが歌を歌い続ける理由である幼なじみの榊 桃(通称:モモ/小関裕太)の3人によるもどかしい恋愛とバンドの青春模様が描かれます。
もともと原作のマンガを読んでいました。最近は原作モノが映像化されることも多いので、『覆面系ノイズ』がもし実写化したら…? みたいなことを考えながら読んでいたんです。でも私はもうこの歳だし、高校生の甘酸っぱい青春モノに、私の出番はないんだろうなと思っていたところで、深桜役のお話をいただいたんです。
真野さんが演じたのは、ユズが軽音部の悠埜 佳斗(通称:ハルヨシ/杉野遥亮)、黒瀬 歩(通称:クロ/磯村勇斗)と結成し、人気を誇る高校生覆面バンド・in NO hurry to shout;(通称:イノハリ)のボーカルを務める深桜。ユズに淡い恋心を抱く女の子ですね。
まず、「私でいいんですか…!?」という驚きがありました。それから、深桜のキャラクター説明に「抜群に歌がうまい」と書かれていたので、すごくプレッシャーを感じました。
真野さんは以前、ハロー!プロジェクト(ハロプロ)に所属され、ソロでCDもリリースされてきました。ほかのキャストさんと比べても、歌の経験値が高いほうなのでは…と思うのですが、それでもプレッシャーだったんですね。
ハロプロ内でも決して歌がうまいメンバーではなかったので、たぶん私のことをハロプロ時代から知っているファンの方だったら、今回の深桜役に「おいおい、真野ちゃん大丈夫かよ」って思った方もいたかもしれません(笑)。
そんなことはないと思いますが…。
でも、私のことを今回の映画ではじめて知ってくださる方にとっては、「あ、真野恵里菜って、歌をやっていた子なんだ」って知っていただくことにつながると思ったので、チャンスだなとも感じました。作品を通して私のことを知っていただけたらうれしいなと思ったので、頑張ろうって気合いが入りました。

ハロプロ時代がよみがえった、レコーディング裏話

実際に、圧倒的な歌声を持つボーカリストとして、映画内で歌声も披露されていますし、こうして映像で真野さんの歌が聴けてうれしいファンの方もいるはずです。
ハロプロを卒業してからは…イベントを年に1、2回やらせていただくことがあって、そこで歌を歌うことはありますが、なかなか新曲を歌うわけではないので、今回新しく曲を歌わせていただくことができて新鮮でした。仮歌と歌詞カードが送られてきて…っていうことが久しぶりで、すごくワクワクしました。
当時の感覚がよみがえったり?
はい。レコーディングブースも久しぶりだ! と思ってすごく楽しかったです。
役として歌う難しさなどはありましたか?
MAN WITH A MISSIONさんが作ってくださったノリノリのバンドサウンドなので、歌い方もカッコよく、というのは意識しました。「イケメン風に歌ってみて」とディレクションをいただいて、「イケメン風ってどうやって歌えばいいんだろう?」って考えながら作っていきました。
イケメン風…たとえばどんなことに気をつけたのですか?
ブレスが入ってもいいから、勢いをつけて歌ってみる…とかですね。「パッションで歌ってみよう!」って言われましたね(笑)。
作中でも、深桜がイノハリのボーカルを辞めたあとにボーカルとなるニノに、歌い方を教えるシーンもありましたね。
はい。撮影に入るときにも、助監督さんに「真野ちゃんはこれまでボイトレってどうやってきたの?」と聞かれて。そこは知識がゼロではなかったので、ハロプロ時代の経験が活きたなと思いました。でも、腹式呼吸とかは体でどうやるかわかるんですけど、言葉で説明するのは難しくて…。
体に染みついているものなんですね。実際に中条さんから歌うことについて聞かれたことなどはありましたか?
歌について私から教えたりすることはなかったです。中条ちゃんは人前で歌うことにずっと「恥ずかしい」と言っていて、「真野ちゃん(は、人前で堂々と歌うことができて)スゴいねぇ」って言ってくれていました(笑)。
そこも、大勢の人の前で歌う経験があったからこそですね。
「恥ずかしい」って中条ちゃんは不安がっていましたけど、イノハリのライブシーンの撮影とかは、全然そんなことを感じさせないくらいカッコよかったですし、歌声も力強くて素敵だなと思いました。

切ないシーンで意識した“男の人には見せない女の子の顔”

深桜はユズに好意を抱いていますが、ユズは“由比ヶ浜のアリス”であるニノのことをずっと思っていて…という切ない立場にいる女の子ですが、真野さんは深桜という女の子をどう捉えましたか?
私は、すごく愛おしい子だなって思いました。音楽が好きなことがベースにあるうえで、ユズのことが好きで、ユズが作った曲を歌いたいと思っている。…だけどユズは“由比ヶ浜のアリス”であるニノのことを思って、イノハリの曲も書いてきたんです。
イノハリのボーカルは深桜でしたが、ユズはニノが歌うことを想定して曲を作っていました。深桜はユズのことが好きですし、自分じゃない女の子のために曲を作っていたと知ることになって…そこもとても複雑ですね。
はい。だからこそ、突然ニノが現れて深桜としては悔しさや悲しさがあったはずです。でも、深桜はニノから「歌を教えて」と言われて、強がりながらもちゃんと教えてあげるんです。
最初はニノのことを突っぱねながらも、「歌を教えてほしい!」と懇願され、一緒にトレーニングをはじめます。
ユズもイノハリも取られたくないはずなのに、深桜はニノのボーカリストとしての素質を認めているんです。…大人ですよね。私だったらそんなに強くなれないと思ったし、そういった深桜の不器用だけれどまっすぐなところが愛しいです。
そんな深桜を表現するうえで意識したことは?
深桜の切なさが表れるのは、セリフではなくて表情や目線だと思ったので、昼休みに自主練をしに音楽室に行くと、ニノとユズが仲良さそうにピアノを弾いている姿を見てしまった…というシーンはとくに表情を意識しました。“男の人には見せない女の子の顔”…というか。切ないシーンは演じていても楽しかったです。
深桜は、そういう切ないシーンが多いですね…。でも、逆に深桜はハルヨシから好意を寄せられています。ハルヨシは深桜がユズに抱く思いを知っていて、「ユズなんかやめてアタシにしておきなさい」と言葉をかけますね。
最初に言われたとき、深桜は冗談と捉えて笑うんですよね。弱さを見せたくなくて強がっていたところもあると思いますが、「私はユズのことが好きだから!」「あなた(ハルヨシ)は先輩、友達!」って思いのほうが強かった。私自身も、「またまた〜何を言ってるの!」って冗談に捉えちゃうタイプなので、そこは深桜の気持ちがすごくわかりました。
最初こそ、冗談に捉えられて複雑な表情を見せるハルヨシですが、2回目に「アタシにしておきなさい」「本気で言ってんだけど」と言うシーンでは、またもや冗談と捉えそうになる深桜のことを男らしく抱きしめます。
深桜の可愛さはココだなって思いました。そこでハルヨシにスッと身を任せる。好きだと言われてハッとなる素直さ…私も欲しかったです(笑)。
真野さんだったら、そこでも冗談として受け止めちゃう?(笑)
「も〜また冗談を言って」って振りほどいちゃうかも(笑)。でも…深桜のそんな姿を見ていると、映画を見てくださる人のなかには、きっと深桜みたいに叶わない恋をしている子もたくさんいるんじゃないかなって思います。
好きな相手には、自分とは別に好きな人がいて…という状況の人も?
もちろん、ニノ、ユズ、モモの恋模様に共感される方が多いと思うんですけど、なかには深桜に共感できる方もいると思います。叶わなくて辛いけど、ハルヨシのように見てくれている人はきっといて、「好きだ」って言ってくれる人はいる。ひとつの恋が叶わなかったとしても前を向いていれば、次の恋につながるんだということを深桜の姿から感じていただけたらうれしいです。
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