広瀬すず、生田斗真を相手に甘酸っぱい初恋におぼれる…?

広瀬すずは普段、自身の出演映画を初めて見るとき、つい自分の演技が気になってしまい、なかなか客観的に物語に入り込めないという。だが、映画『先生! 、、、好きになってもいいですか?』を初めて見たときだけは、これまでにない感情に襲われた。「自分の恋愛が描かれているようで恥ずかしく、なんだかくすぐったくなって『やめてー!』、『誰も見ないで!』って思いました(笑)」。それは、映画の中で本気で恋焦がれ、傷つき、甘く切ない想いを抱えて青春を駆け抜けたからにほかならない。

撮影/平岩 享 取材・文/黒豆直樹 制作/iD inc.

実写だからこその、響と伊藤の惹かれ合う関係を探した

本作は『青空エール』、『高校デビュー』(ともに集英社)などで知られる人気漫画家・河原和音さんの『先生!』を原作に、広瀬さん演じる女子高生・島田 響と生田斗真さん演じる高校教師・伊藤貢作の純愛を描いています。これまでにも漫画の実写作品には出演されていますが、今回とくに難しさなどはありましたか?
恋愛漫画の実写化は初めてだったんです。映画『四月は君の嘘』は恋心も描きつつ、音楽が中心でしたし、ここまでラブストーリーがメインの作品は初めてで…。
意外な気もしますが、言われてみればそうですね。
たとえば映画『ちはやふる』だったら、臨場感や興奮、熱気をカメラワークや演出で見せるところがあるけど、ラブストーリーは誰かを想う、人と人の想いがあるからこそできあがる何かがある。それを見ている人に届けたいし、「恋っていいな…」と感じてもらいたいという思いがありました。
広瀬さん自身の中にも、ラブストーリーということで、これまでの作品とはまた違った強い思いがあったということですね。
原作をリスペクトしつつ、原作の伊藤先生と響のあいだでしか生まれないものがあり、映画の生田さんと私でしか生まれないものもあると思います。そこで一度、原作を忘れて、自分たちで感じ合い、惹かれ合うものを探したいなと。
そこにこそ実写化の意味があると?
もともと、原作にあるセリフでも、なぜ響がそれを言いたくなったのか? 生田さんが演じる伊藤先生だからこそ言いたいというのもあると思います。たとえば、私と生田さんの身長差がもっと大きかったら、言い方や距離感も全然違うものになってたと思うんです。私の中の伊藤先生との距離を大切にしたいなと。そうやって自分たちで探していく作業は、これまで出演してきた青春映画よりも難しかった部分です。
実際に対峙してみて、生田さんが演じた伊藤先生のカッコよさはどんな部分にあると感じましたか?
全部です!(笑)
全部ですか…?(笑)
声のトーンが低くて、余裕がある感じで「魔がさした」とか言ってくるんです(笑)。響は「なんでそんなこと言うの…?」って。私だったら、そんな余裕があるなら、あっさりフッてくれたらいいのにと思います。「魔がさした」って…(苦笑)。
ズルいですね。
響がもうちょっと大人だったら、じつは伊藤先生にも余裕はなかったのかもって思えたのかなって。試写で完成した映画を見たとき、そう感じて「伊藤先生、さらにカッコいい!」って思いました(笑)。
メロメロじゃないですか(笑)。
私が伊藤先生の一番カッコいい姿を見ている自信があるので(笑)。薄目でこっちを見てくれる感じとかも渋いし。あとは横顔? ライン(輪郭)に色っぽさを感じるし、華奢に見えて、でも喉仏があって「男じゃん!」って(笑)。生田さん、ホントにキレイなんです!

先生になって、生徒に「好きです!」と言い寄られたら…?

映画の中では、響が授業中に友達とメモのやり取りをしたり、文化祭の準備をしたり、高校生たちの日常が描かれていますね。広瀬さんは今年3月に高校を卒業されたばかりですが、完成した映画を見て、学生生活が恋しくなったり、懐かしさを感じたりしませんでしたか?
懐かしさはあります。メモ回しはとくに小中学生の頃、なんでこんなに? ってくらい、いつもやっていました。友達に聞いた話では、男子もそこに混ざってて、告白してる子とかもいたらしいです。「私にも、そんな手紙が回ってくればいいのに」と思いつつ…。
実際に回ってくるのは?
「今日、どこで遊ぶ?」とかばっかりでした(苦笑)。
学生時代については、これまでにもさまざまな映画で学生役を演じて、いろいろと聞かれることが多かったかと思います。今回、せっかく『先生!』という映画なので、もしも高校教師になったら、どんなことをしたいか教えてください。
「ほかの先生には内緒ね」と言って、生徒からの好感度を上げにいくかもしれません(笑)。スカートの短い女子高生や、腰パンの男子を見逃してあげたり。自分がわりとそういうことをしたいタイプの学生だったので。実際の先生は「家まで絶対にスカート折るな!」、「色付きのインナー着るな!」ってすごく厳しかったんです。そこで好かれにいきたいです(笑)。
何も言わずに黙って見逃すのではなく…?
「内緒ね」とかあえて言う(笑)。
担当したい教科や部活などはありますか?
もともと、体育が好きなので、みんなでワチャワチャとドッジボールとかやりたいです。
ガツンと生徒たちを叱ったりしてみたい気持ちは?
ちょっとあるかもしれません(笑)。結局、権力を持っているのは先生ですからね。私、末っ子なので、誰かを自分の思い通りに動かした経験がないんです。「並んで!」って言ったらみんなが並ぶって、快感かもしれません(笑)。
映画のように男子高生から「好きです」と言い寄られたら…。
それはちょっと、どうしたらいいのかわかんない!(苦笑) 意識しちゃいます。それまで全然“男性”として見てなくても、その瞬間からどうしても、そう見てしまう自分がいるでしょうし…。「ないない!」と思いつつ、気持ちを知ったことで、(先生ではなく)“女性”になってしまう瞬間は誰にでもあるかも。あえてメチャクチャ避けて、一番傷つけちゃうかもしれない…(苦笑)。
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