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広瀬アリス「最初は不安で仕方なかった」――声優初挑戦で感じた、声の芝居の難しさ
![広瀬アリス「最初は不安で仕方なかった」――声優初挑戦で感じた、声の芝居の難しさ](https://image.news.livedoor.com/newsimage/4/a/4aefe8f9b7738594b38956cf910c1b73.jpg)
日本の「スーパー戦隊シリーズ」の英語版として、海外で長いあいだ親しまれている『パワーレンジャー』の劇場版がこの夏、日本に上陸する。本作で、ピンクレンジャーの日本語吹き替えを担当するのは、声優初挑戦の広瀬アリス。広瀬といえば、自他ともに認める“声優ファン”であるが、多くの声優を尊敬しているからこそ、声の芝居の難しさを人一倍理解している。女優道を突き進む彼女にとって、今回の映画の吹き替えはどのような経験になったのだろうか。
撮影/川野結李歌 取材・文/渡邉千智 制作/iD inc.![](https://image.news.livedoor.com/newsimage/8/9/890de97456ea97cba9c8ef2bace9e899.jpg)
声優初挑戦は「ピラニアの水槽に入れられた」気持ち!?
- 映画『パワーレンジャー』の吹き替えで声優初挑戦となる広瀬さん。まず、オファーがきたときのお気持ちからお聞かせいただけますか?
- もともと、アニメや声優さんが大好きだったので、声優というお仕事の大変さを知っていましたし、自分が普段やっているお芝居の仕方ともまた違うし…という部分で、最初は不安しかなかったです。でも、子どもの頃に、年子の兄と『ウルトラマン』(TBS系)や『仮面ライダー』(テレビ朝日系)など戦隊モノの番組をよく見ていたので、二十歳を過ぎてから、こうして『パワーレンジャー』に吹き替えとして参加させていただけたことは本当にうれしかったです。
- 吹き替えなど、声のお仕事にもともと興味はありましたか?
- 正直、好きな気持ちのほうが大きくて、ファンみたいな感覚でした。
- それが、こうして『パワーレンジャー』ではじめてお仕事として挑戦することになって…。
- 本当に、自分には声優のスキルはないとわかっていたので、緊張と不安と…。ひとりだけ未経験者がピラニアの水槽にひょいっと入れられた感じ(笑)。収録はけっこうドキドキしちゃいました。
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- 5月17日に行われた公開アフレコイベントで、「収録時、全然できなくて落ち込んだ」とおっしゃっていたのが印象的でした。どんな部分が「できないな」と感じたのですか?
- 普段、お芝居をしているときは、表情や身振り手振りなどの動きがあるからこそ、そのセリフが活きることがあるんです。でも、今回は声のみで喜怒哀楽や抑揚を表現しないといけなかったので、そこはなかなか慣れるまでに時間がかかりました。
- 声だけで、そういった表現をする難しさを感じた?
- はい。普段、全身を使ってお芝居をしているので、いろいろと制限されることが多くて。苦戦しました。
- 洋画の吹き替えだと、吐息の表現などが印象的なイメージがありますが、そういった部分は?
- 息だけのセリフはたしかに多かったです! あと、セリフをしゃべりながら息を吐くっていう動きがあったら、台本に、「息」と書いていなくても表現しないといけなかったりも。アニメだったら、フィクションである程度許されるところはあると思うんですけど、生身の人間がお芝居をしているので、そこに声を当てるのは難しかったです。
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- 広瀬さんが演じた、キンバリー・ハート/ピンク・レンジャーは、学校の人気女子グループのなかでもアイドル的な存在というキャラクター。演じるにあたって意識されたことはありますか?
- 正直、事前にいただいた字幕の本編を見て、自分が何分何秒でセリフを言うか、台本にメモをする…っていう予習くらいしかできることがなかったです。
- それは、なぜですか?
- 役を作りこみすぎてしまったら、収録当日、監督から何か言われたときにそこで対応できるスキルがないなと思ったんです。だからこそ、あえて作らず現場で全部受け止めて、それを声として乗せていこうっていう感じでした。
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- 実際に収録では、監督からどんなディレクションがあったのでしょうか?
- 役としてというより、声優としての初歩的なことを教えてもらったことが多かったな…。たとえば、セリフのなかに苦手な言葉があったとき、そのセリフをしゃべっていると、苦手な言葉ばかりに自分の意識がいってしまって、全体としてのセリフが軽く聞こえてしまうことの注意やアドバイスとか。
- なるほど。
- 逆に言いやすいセリフだと、ペラペラッとしゃべってしまって、浅く聞こえてしまうとか…。いろんなことを教えていただきました。
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キンバリー役、ナオミ・スコットさんとの対面に感激!
- キンバリーを演じてみて、広瀬さんが彼女に共感する部分はありましたか?
- キンバリーが通っている学校には、女子のカーストがあって。キンバリーは、はじめそのカーストの一番上の環境にいたんです。でも、ちょっとしたことから、そこから落ちてしまって…という部分が映画のなかでも描かれているんですけど、それって女子にはありがちだな〜と思って(笑)。
- たしかに、わかります(笑)。
- その“女子あるある”というか、女子にはポピュラーな出来事として共感しましたし、女性だったら「わかる!」って思ってもらえるんじゃないかなと。女性なら誰もが経験のある、当たり前の世界が描かれているんだなと感じました。
- 女子3人のグループで仲がよかったキンバリーですが、そのグループからひとり孤立してしまいますね…。
- そうなんです。そういう奇数グループだと女子は一番危ないですよね! すっごく怖い!(笑)
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- 今年3月22日(日本時間では3月23日)に、ロサンゼルスで行われたワールドプレミアでは、キンバリーを演じた、ナオミ・スコットさんとお会いしたそうですね。何かお話されたことは?
- そのときは、あまり時間がなくて、本当にご挨拶をさせていただいた程度だったんです。でも、「日本語吹き替えを担当させていただきます、広瀬アリスです」ってご挨拶したら、とっても素敵な笑顔を見せてくれて…すごく歓迎してくださって。
- それは、うれしいですね。
- めっちゃキレイだし、めっちゃいい人だ…! って。その素敵さに一瞬で惹かれてしまって、それから私のスマホのホーム画面は、ナオミ・スコットさんの写真になっています(笑)。
- それだけ、感動されたというか(笑)。
- はい! リスペクトゆえに絶対、ナオミ・スコットさんのような髪型にする! って心に決めました(笑)。とりあえず、前髪を伸ばそうと思っています!