<後編>あす地球が滅びるとしたら、最後の日は誰と過ごす? 鈴木拡樹に聞く「究極の選択」

声優に教養番組、トークのMCに実写映画まで、鈴木拡樹を舞台以外で目にする機会は飛躍的に増えつつある。<前編>では出演作品やここまでの経験を通じて、鈴木拡樹の内面に迫ってきたが、<後編>では「究極の選択」を通して、いまだ知られざる(?)素顔をさらに深く掘り下げていく。

撮影/祭貴義道 取材・文/黒豆直樹 制作/iD inc.
スタイリング/中村美保 ヘアメイク/工藤有莉
衣装協力/ニット、パンツ(H&M:tel. 0120-866-201)、靴(VARISISTA Global Studio:tel. 03-5638-9771)
1ヶ月、泊まり込みですよね? うわ、これどっちもイヤだなぁ…本当。でも…南極かな? 一度汗をかき始めたら、止めるのってすごく難しいんですよ。
役者の鑑のような答えです!(笑)
砂漠で「(汗を)止めててください」と言われても厳しいですけど、南極でどんなに寒くとも、撮影の一瞬だけ寒くないようにする技術はありますよね? そういう意味で対策はできるのかなと思うので。
仕事ではなく純粋に行ってみたいのは?
砂漠ですね。まず鳥取砂丘でいいから行ってみたいです!
これは10年前ですね。逆に、10年後の自分には会いたくないです。会って「10年後、こうなるんだな」というのが見えちゃうと、追いかけちゃうじゃないですか? それじゃ面白くないなと思います。
10年前の自分に会って、言いたいことは?
そうですねぇ…。「いま、自分はどうなると思ってるの?」とこっちが逆に聞きたいかな? あの当時何を思っていたのか? たぶんですが、10年前も考え方は同じなので、あっちも余計なことは知りたくないと思いますよ(笑)。
あっちの思ってることだけ聞いて、こっちはニヤニヤしたまま何も言わない?(笑)
(思っていることを聞いて)「あぁ、そうなんだー? ふーん、そうはならないけどね」って(笑)。
どっちも大変だな、これ…。どっちも大変だぞ!(笑)どちらにもなってみたいですけど、選ぶならマネージャーのほうかな? いろんな仕事に興味があるので、マネジメント業について知りたいです。現場でのことはわかるけれど、自分と接してない部分はわからないので、細かいこととかを知れたらいいですね。
1年の期間限定なら女性ですね。ずっとなら…男性ですね。男として生まれてるので、女性の大変さは話で聞いている範囲でしかわからないじゃないですか。男は男できつい部分はいろいろあるけど、これまで体験してるぶん、耐えられる気がします。
いまは、世界中の言語のほうがうれしいですかね?
「いまは」と言いますと?
そのほうがいろんなことを知ることができて、仕事にも活かせそうだなと。
知らず知らずに「仕事にどう活きるか?」が軸になってませんか?(笑)
いまは、思考回路がそうなってますね…(笑)。
逆に少し前なら「動物と話せる能力」だった可能性も?
動物と話せる能力はたしかに夢がありますよね。でも、動物の思考を知るって、怖いところもあると思います。野生の世界を生きてるわけですからね。僕らが思ってるようなフワッとしたファンタジーじゃなく怖い世界かもしれないですよ。「食い殺してやる!」しか考えてないヤツとかいそうじゃないですか(笑)。
自分が「サトラレ」になるか? すべての相手が「サトラレ」になるか? という二択ってことですね…。うーん、自分がサトラレになるほうがよくないですか? さっきの動物の思考と一緒で、知るのが怖いですね。

日本だととくに、本音を「包み隠す」ことが良いとされる部分があるじゃないですか? もし他人の考えや本音が全部わかっちゃうと「思いやる」という気持ちが薄れてきそうな気がします。「あぁ、無理して励ましてくれてるんだな」とかわかったり。

言葉がダイレクトに伝わってくるんじゃなく、本音が包み隠されることの良さって確実にあると思うんです。それならまだ、自分が包み隠さず本音丸出しになったほうがいいかもしれないですね。
僕、ジェットコースターは比較的大丈夫なほうではあるんですが、バイキングとかコーヒーカップとか、内臓が揺さぶられるものは苦手なんです。

そうなると世界一のジェットコースターってかなり揺れそうなので、観覧車じゃないと無理かな? 「12時間耐える」といった忍耐のほうは、きっと大丈夫ですので!(笑)
これは迷わず家族ですね!
食べたことがないものです。今年はきっと、完全にそっちモードですね(笑)。「知らないものってどんなものなんだろう?」とひとつでも知って死にたいです。
普段から、たとえばよく行く定食屋などでは同じメニューを頼みがちなんですか?
わりと同じものを頼んじゃうタイプです。だからこそ逆にいま、新しいものを自ら進んで…という気持ちがすごく大きいんだと思います。そう言われてみると、今年は普段からよく行く店でも、新しい可能性を探ることが多いかもしれないです(笑)。生活にも影響が出てますね。
パンをあきらめますね。昔はパンのほうが好きでしたが…年を重ねるとみんな言いますけど、日本食が欠かせなくなってくるんですねぇ(笑)。
ちなみに今日の昼食は?
おにぎりでした(笑)。
あははは! これは、ちょっとした差でメイド服ですかね?
「ちょっとした差」と言いますと…?
チャイナ服のほうが所作に気を遣わないといけないんですよね。そう言えるのは両方とも仕事で体験済みだからなんですけど…(笑)。メイドのほうがまだ気を遣わずいられるんです。
どっちも疲れますねぇ(苦笑)。どっちかなぁ? でも現実的には、虫のほうがまだ共存方法が探せますよね? 「じつは心優しい幽霊で…」という捉え方をするならそっちですけど基本、怨霊の可能性大ですよね?(笑)そういう意味では虫かなぁ。
ちなみにホラー系やお化け屋敷は大丈夫なほうですか?
大丈夫です。霊感がまったくないので「見える」という話だけしか聞いたことがなくて。怖いと思いつつどこかでピンと来てないんですよね。寝ていて「え? これ金縛りかな?」と思ったことはあるんですけど、まず間違いなく疲れでしょうね(笑)。
ドタキャンのほうがまだマシですね。嫉妬深いってキリがなさそうじゃないですか。ドタキャンは「ま、いっか」って思えちゃう性格なんです。「あ、そう。来ないのね。はいはーい」くらいの感じですね。
鈴木さんは予定をドタキャンしたことはありますか?
昔、ありますね。というか、地元の友達が僕も含めてわりとみんな、そんな感じでして(笑)。だから、そっちのほうが耐性があると思います。
うーん、自分の素直な気持ち、心の声は「平穏な1年」です(笑)。でもどうせ後者でしょうね…。平穏を選んだところでそっち行っちゃうんでしょうねぇ…(苦笑)。
鈴木拡樹(すずき・ひろき)
1985年6月4日生まれ。大阪府出身。AB型。2007年、ドラマ『風魔の小次郎』(TOKYO MXほか)で俳優デビュー。2009年には『仮面ライダーディケイド』(テレビ朝日系)で剣立カズマ/仮面ライダーブレイドを演じる。舞台では、『最遊記歌劇伝』シリーズ、『刀剣乱舞』シリーズなど、次々と話題作に出演。舞台『弱虫ペダル』シリーズ、および実写ドラマ版(Season1)では荒北靖友役を演じた。2017年から2018年にかけて、劇団☆新感線の『髑髏城の七人』Season月<下弦の月>では天魔王役を務めた。現在は、舞台『No.9 −不滅の旋律−』が1月14日まで公演中。2019年は、1月放送開始のテレビアニメ『どろろ』で声優を務めるほか、3月からの同作舞台にも出演。主演を務める『映画刀剣乱舞』も1月18日から公開となる。
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