ボドゲの祭典! “ゲムマ”で犬山紙子さんと見つけた、ナイスなゲームたち

「ボードゲーム沼へようこそ」最終回は“ゲムマ”こと「ゲームマーケット」をリポート! コミケ(コミックマーケット、同人誌即売会)のボードゲーム版のようなイメージで、企業やサークルがゲームの展示・販売をするイベントです。各メーカーの新作が先行発売されたり、ここでしか買えない限定アイテムが並んだりすることもあるんだとか。商品によっては「ゲームマーケット特別価格」として通常価格より割安で販売されるケースも!
ボドゲ好きにはたまらない空間を、ゲーム好きのエッセイスト・犬山紙子さんと一緒に探索しました。

▲「ゲームマーケット2018秋」会場は東京ビッグサイト。

お目当てがはっきりしているなら、朝イチ来場でゲット


ゲムマの開場は10時。編集部が到着した9時頃には既に、入場を待つ長い列ができていました。オープンと同時に、約3,000人がお目当てのブースに向かって突進! 人気作品の場合は早々に売り切れてしまうこともあるので、欲しいゲームが決まっているなら朝活しましょう。
▲入場パスを兼ねた、カタログを購入しようと待機しているボドゲファンの皆さん。

クチコミ&カタログから買い物の目星をつけよう


ゲムマは開催2日間で合計約800団体(2018年秋の場合)が参加。全てのブースを回って説明を聞くのは難しいので、候補をしぼって行く人が多いよう。
ゲムマ当日までに、ボドゲにくわしい友人に注目株を聞いたり、ボードゲームショップや書店で販売されている関連カタログに目を通したりして、自分好みの作品をピックアップしておくのがベターです。
▲カタログは入場パスとの引き換え券付きで税込2000円(入場パスのみ購入の場合は税込1000円)。当日会場でも購入可能。
紙子さんが今回、手に入れたいゲームはどれですか?
犬山 「惨劇RoopeR(さんげきルーパー)」「The Last Brave(ザ・ラストブレイブ)」「CHAINsomnia(チェインソムニア)〜アクマの城と子どもたち〜」「airship city(エアーシップシティ)」の4つです。

「惨劇RoopeR」は推理ゲームなんですけど、時間をループできるんです。それで惨劇をいかに防ぐかだと思うのですが、個人的には防ぐ側より脚本家側に回ってプレイヤーを騙すプレイもできるのが楽しみ。
「The Last Brave」はスマホで大人気のRPG「Fate/ Grand Order」を企画・制作したディライトワークス社と、有名ゲームデザイナー・カナイセイジさんがコラボした作品。ルールも簡単そうで、私の好きなRPGっぽい世界観、そして7人まで遊べるのがアツい。7人で遊んでいると卓を2つに分けて遊ばざるをえないことも多いのでうれしいんですよ!
「CHAINsomnia」はカナイセイジさんと、人気ボードゲームカフェ「JELLY JELLY CAFÉ」のオーナー・白坂翔さんがタッグを組んだ作品で、盛り上がる感じなんじゃないかな。期待してます。

「airship city-飛行船都市」はワーカープレイスメント系(ボード上のコマ=ワーカーの配置で行動が決まる、シュミレーションゲームのようなタイプ)で、飛行船都市を作るという世界観がツボです。飛行船技師になって資材を集め、都市を発展させていくゲームです。7000円超えでちょっとお高いけど、何度もやりこみたくなるバランスだったら実質タダですね!
▲しっかりリサーチ済みの紙子さん。ゲムマ初参戦とは思えない。
おお〜、バッチリ狙いをつけてらっしゃいますね。どこから情報を手に入れたんですか?
犬山 よくボードゲームを一緒にやっている友人に教えてもらいました。その友人は「人狼ゲーム」がめちゃくちゃ強いうえにボドゲにくわしいので、仲間内では「プロ」って呼ばれてます(笑)。信頼できるボドゲ仲間に「オススメのゲームない?」ってオススメを聞くのが、やっぱり精度高いですよね。
普段はどんなゲームで遊んでいらっしゃるんでしょうか。
犬山 うーん…メンバーの好みやゲーム経験回数に合わせて調整しているんですけど、慣れている人が多い場合は「オーディンの祝祭」がお気に入りです! ボードゲームって、「運」と「戦略」の妙で魅力が左右されると思ってるのですが、このゲームはその配分がすっごく絶妙なんです。運だけでも、戦略だけでも勝てないから難しくて。重量級で大変だけど、何回遊んでも面白いです。
ゲーマーっぽい発言ですね! ちなみに、最初に好きになったゲームは何ですか?
犬山 もともと「桃鉄(桃太郎電鉄)」とかが好きで、いわゆるゲーマーではあったんですけど、ボードゲーマーになったのは競りをする…「モダンアート」がきっかけですね。何となく試したら、さっき話した「プロ」にギリギリ負けてしまって、悔しくて。もうちょっと経験値を上げたら勝てるんじゃないか、ってやっているうちに、まんまとハマっちゃいました。負けず嫌いの人は、ボドゲ沼に入り込みやすいのかも(笑)。
でもまだ私もハマって4年くらいだし、ゲムマに来るのも初めてだから、今日は楽しみです!

お買い物スタート! まずは有名メーカーが並ぶ大型ブースエリアへ


入場ゲートをくぐるとすぐ、「エリア」と呼ばれる大型ブースが目に入ります。
▲3カ所ある入場ゲートのひとつ
▲会場マップ。イエローの枠が大規模なブース。
キレイな水色のお店がありますね。
犬山 「Oink Games(オインクゲームズ)」というメーカーさんのブースですね。ここのゲームは、全部デザインがかわいいし、コンパクトで持ち運びしやすいゲームも多いんですよ。

わ、懐かしい! 「海底探険」だ。私が初めて遊んだボドゲです。探検家になって、空気がなくなる前に潜水艦に宝物を持ち帰るっていうゲームですね。こっちの「インサイダーゲーム」もボドゲ初挑戦の人に試してもらいやすいですよ。
▲「『インサイダーゲーム』は常にバッグに入れておくといいですよ。飲み会がつまんないとき、これをサッと出せば楽しくなるので」と紙子さん。
あの緑色のブースが、お目当ての「ディライトワークス」さんですね。
▲顔出しパネルで魔術師に扮する紙子さん。おちゃめ。
▲カナイセイジさん(右)。トークと、購入者特典のサイン会が行われていました。
犬山 カナイセイジさんが来場されてる! 私もサインしてもらいたいけど…かなり並んでますね。残念だけど、今回は諦めます…。
こっちでは声優さんのトークイベントをやっているみたいです!
▲(中央右)若林直美さん、(中央左)ブリドカット セーラ 恵美さんが登壇中でした。
犬山 「BakaFire Party」ですね。「桜降る代に決闘を」のプロモーション中で大混雑してますけど…こっそり旧作を買ってもいいかな?
▲無事にお目当ての「惨劇RoopeR」を入手。

インディーズ作品もしっかりチェック


大型ブースのエリアを抜けると、中規模のブース。さらに進むと、机がたくさん並んだエリアが現れます。大学のサークルや個人出展の人も。
▲面白そう! と感じたら、気軽に店員さんに話を聞けるのもゲムマの良いところ。
▲「動物好きだから、アニマル系のゲームがあったら嬉しいな〜」とキョロキョロする犬山さん。
こちら側はいかにも「マーケット」って雰囲気ですね!

犬山 ほんとですね。この辺りは試遊台もたくさんあるので、ちょっと遊んでいきましょうよ。
▲試遊台のコーナー。インスト(ルール説明)を受けてゲームを試し、気に入ったら、向かい合う販売コーナーで購入することもできる。

▲ゲームは好みや相性も大事。「衝動買いしたけど、つまんなかったわ〜」という残念なミスマッチを防ぐため、時間があれば積極的にテストプレイをしたいところ。
売り出し中のゲームの世界観に合わせてコスチュームを工夫されている出展者さんが多いですね。
犬山 そうかも。いわゆるコスプレイヤーさんはあまり見当たらないけど、見ていて楽しいですね。新しいゲームにのめりこめるかは、いかにその世界観に入れるかもとても大切な要素だと思うので。
▲例えば「閻魔裁判LAST JUDGEMENT」というゲームの場合、閻魔(えんま)大王の冠が用意されていたりする。
お目当ての「アナログランチボックス」はこの辺りでしょうか?
犬山 あった! でも、「airship city」は売り切れですね〜! 残念。
わ、出遅れちゃいましたね…しまった…。
▲ボードゲームは大量生産が難しいため、完売してしまうことも多いそう。
犬山 気を取り直して、あっちの「JELLY JELLY CAFÉ(通称:ジェリカフェ)」で別のゲームをやってみましょう! さっき見かけた「ゴモジン」が良さそうだったので。
▲“ジェリカフェ”のオーナー・白坂さんにゲームの概要を伺いました。
▲漢字2文字+カタカナ3文字で「ある言葉」を表現して当てっこをするゲーム「ゴモジン」。
犬山 初期に好きだったボードゲームが「横暴編集長」っていうワードパズル系だったので、これもかなり好みですね〜。

目利きに聞いた! 良作を見つけるための、3つのポイント

あ、あそこにいるの、「ゲームマーケット大賞2018」審査員の小野卓也さんじゃないですか? 小野さーん!
▲ボドゲ関連情報を多数発信するサイト「Table Game in the World」の管理人、小野卓也さん。普段は山形県で僧侶をされています。
今日はどんな作品を買われたんですか? トートバッグから溢れそうですけど…。
小野 今日買ったのはパッケージが小ぶりなものが多いので、ちょっと帰りは楽ですよ(笑)。
▲小野さんのバッグの中身。本日の戦利品を拝見。
小野 ゲーム以外に、同人誌も買いました。
▲会場では、ボードゲームだけでなく関連のZINE(同人誌)も売られています。
朝から会場を回られていたと思うのですが、良い作品ってどうやって見つけるんですか?
小野 私は、ネットの事前情報より現地での印象を重視しています。プロモーションが上手じゃなくても面白いゲームって多いので。
▲気になるゲームを見つけ、詳細を聞き込み中の小野さん。
でも、こんなに広い会場で歩いて探すの、大変じゃないですか…?
小野 はい、もう足が痛いです(笑)。ただ、見分けるポイントが3つあって、ひとつ目は「売っている人の見た目」。
えっ、見た目で分かるんですか?
犬山 ゲーマーっぽいかどうかは、なんとなく分かりますよね(笑)。求道者感が出てる。
▲「真のゲーマーかどうかは目を見ればわかる」と、当然のように通じ合う二人。
小野 そうそう。ゲームをたくさん遊んでいそうな人を見つけたら、商品の説明をくわしく聞いてみるようにしています。
次が「10年選手枠」。10年じゃなくてもいいんですけど(笑)。長年ゲームを出し続けているベテランは、やっぱり信頼できるケースが多い。僕は「AGE OF〜」シリーズをずっと買っています。ボードゲームデザイナーの北条投了さんって方の作品が好きなので。まずは自分好みのデザイナーをひとり見つけて、毎回その人の新作を指名買いしてみるといいですね。

最後が「3年目」。さっきの話とはちょっと矛盾するんですけど。

犬山 なんかワインみたいですね(笑)。
小野さんが買ったゲーム「Age of Brigade(エイジオブブリゲード)〜大兵団時代〜」に食いつく犬山さん。
小野 フレッシュさと経験値のバランスが良くなるのが3年目だと、僕は勝手に思っていて。ゲームを初めて作る人のヒット打率ってそんなに高くないんですね。それに、毎年ゲームを出すのって大変なので、たいていの場合うまくいかないと1、2年で撤退しちゃうんです。そこを踏みとどまって3年目を迎えるサークルは、根性があるか、1、2年目に比較的売れたか…いずれにせよ、良いゲームを楽しめることが多いんじゃないかと。
犬山 なるほど〜。ちょっとダッシュでさっきのゲーム買ってきます!

いずれ「5万人規模にはなると思っている」


主催の方にもお話を伺ってみましょう。

▲株式会社アークライトでゲームマーケットの運営を担当されている、刈谷圭司さん(左)。
昔は全来場者が2,000人くらいの規模だったと聞いたのですが。今朝の待機列だけでもう、数年前の動員数を超えているということですよね。
刈谷 はい、弊社が運営を引き継いだ2010年の来場者はそれくらいでしたね。2018年の春は2万人に来場いただけて、今回はおそらくそれを上回るので、8年で10倍になっています。
10倍! 成長著しいですね。最近の出展傾向で、過去と変わったことはありますか?
刈谷 「エリア」と呼ばれる大型ブースが華やかなのが印象的でした。最初のころは「こんなに広い場所を用意して、スペースが余るんじゃないか?」と心配したんですが、各社さん独自のブース内イベントを企画されて盛り上がっています。
しかも、だからと言って、個人出展のブースが盛り下がったりすることもない。バランス良く人が集まったり流れたりして、皆さん会場全体を楽しんでくれているのがうれしいです。
今日は同じビッグサイト内で別の大規模イベントも開催されていました。整備などは大変じゃなかったですか?
刈谷 特に影響はなかったです。あちらは同人誌即売会なので、お客さんがほとんど女性でしたね〜。ゲムマは男性の割合の方がかなり高いですが、ここ数年で女性の来場者も増えました。浅草の台東館(東京都立産業貿易センター)で開催していた頃は、ほぼ男性しかいなかったんですよ。最近は犬山さんのように、女性ファンも増えて喜ばしい限りです。
どうして女性が増えたり、来場者数が急増したりしたんでしょう?
刈谷 弊社がプロモーションを頑張ったから…と言いたいところですが(笑)、実際はSNSのおかげだと思います。ボードゲームって見た目が凝っているものも多いので、TwitterやInstagramで「〇〇を遊んだよ〜」って投稿すると、それを見た人が興味を持ってくれる。
犬山 アナログゲームなのに、デジタルと相性が良かったんだ。面白いですね。
今回もたくさんの人が「ゲムマなう」「ゲムマで買い物!」ってツイートされてましたね。今後はどんなイベントになっていくんですか?
刈谷 動員数が増えてきたので、安全面や、チケットの販売方法や入場整理など、イベントとして配慮すべきところを洗練させていくこと。あとは、来場者数5万人を目指しています。現状の約2倍ですが、ボドゲの人気ぶりを追い風に実現したいと考えています。
確かに。この会場の熱気が、今ボードゲームに目覚めていない人に「伝染」して、今後もどんどん広がっていきそうな予感がします! 今日はありがとうございました。



ゲムマにはキッチンワゴンが並ぶフードコーナーや、今年一番優れていたゲームを決める「ゲームマーケット大賞」の授賞式、フリーマーケット、リアル謎解きイベントなどなど、今回の記事ではレポートしきれなかった他の見どころも多数あります。東京では春と秋の年2回、大阪でも年1回、開催されているので、ぜひ新しいゲームと出会いに足を運んでみてください。

▲ゲームマーケット大賞授賞式の様子。中央のサングラスの方が今回の大賞「天下鳴動」作者の与儀新一さん。

撮影/笹井タカマサ 取材・文/さかなかまなみ
取材協力/株式会社アークライト

「ボードゲーム沼へ、ようこそ」特集一覧

犬山紙子(いぬやま・かみこ)
イラストエッセイスト。テレビ番組「スッキリ!」(日本テレビ系)等でコメンテーターとしても活躍中。2018年11月より児童虐待を阻止するためのプロジェクトとしてクラウドファンディング「社会的養護啓発プログラム こどもギフト」支援活動を開始。
近著に「アドバイスかと思ったら呪いだった」(ポプラ文庫)など。
小野卓也(おの・たくや)
ボードゲームジャーナリスト、やまがたボードゲーム協会会長。
ゲームルールブックのドイツ語翻訳や、ボードゲーム関連の著書多数。

おみやげゲームをプレゼント

今回、ゲームマーケット2018秋で犬山紙子さんが選んだ「ディライトワークス」の新作、「The Last Brave」「CHAINsomnia〜アクマの城と子どもたち〜」を各1名様にプレゼント!
2作品ともゲムマが初売りで、「The Last Brave」は12月13日(木)発売、「CHAINsomnia」は発売日未定。ゲムマに行けなかった人、買い逃した人はチャンスです。下記の応募要項をご覧の上、奮って応募ください。

応募方法
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受付期間
2018年11月26日(月)19:00〜12月3日(月)19:00
当選者確定フロー
  • 当選者発表日/12月4日(火)
  • 当選者発表方法/応募受付終了後、厳正なる抽選を行い、発送先のご連絡 (個人情報の安全な受け渡し) のため、運営スタッフから個別にご連絡をさせていただく形で発表とさせていただきます。
  • 当選者発表後の流れ/当選者様にはライブドアニュース運営スタッフから12月4日(火)中に、ダイレクトメッセージでご連絡致します。12月6日(木)までに当選者様からのお返事が確認できない場合は、当選の権利を無効とさせていただきます。
キャンペーン規約
  • 複数回応募されても当選確率は上がりません。
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